生 産 者 - タキイ種苗株式会社

地 域 の生 産 者
たけ
うち
とし
水田種苗園
代表取締役社長
みず た
あけ み
水田 明美
を紹介します !
お
「竹内 利雄さん」
兵庫県神戸市
楽農レストラン 育みの里「かんでかんで」
株式会社トーホー
で
かん
楽農レストラン
育みの里かんでかんで
レ ス ト ラ ン 「か ん で か ん で」 は、 社
団法人兵庫みどり公社が主催する農業
体 験 施 設 「兵 庫 楽 農 生 活 セ ン タ ー」 内
にある食育をテーマとした自然派レス
ト ラ ン で す。 兵 庫 県 を 拠 点 に ス ー パ ー
などを展開する食品総合卸会社である
株式会社トーホーに委託する形で経営
さ れ て い ま す。 元 々 ト ー ホ ー の 社 長 が
野 菜 生 産 に 関 心 が 高 く、 地 域 農 業 に 貢
献する社会活動の意味合いも含めて始
ま っ た 事 業 で す。 敷 地 に 野 菜 レ ス ト ラ
ン を つ く る と い う の で、 私 も 発 足 当 初
こ の 度、 私 が い ち 推 し す る 生 産 者、
竹内利雄さんは、「兵庫楽農生活センタ
な ど 県 を あ げ て 工 夫 し て い ま す。
エンタルホテルの料理長の協力を得る
から野菜の品種選定などでお手伝いし
ー」 の 生 産 圃場 を 管 理 す る 株 式 会 社 ト
て き ま し た。 メ ニ ュ ー 作 り に 神 戸 オ リ
ー ホ ー の 生 産 者 の 方 で す。 セ ン タ ー 内
料 理 は 日 に 約 種 類 提 供、 季 節 に
よ っ て 夏 の 豆 ご は ん、 春 の タ ケ ノ コ ご
分 の バ イ キ ン グ で、 3 カ
50
ほ
に あ る レ ス ト ラ ン 「か ん で か ん で」 に
飯などの特別メニューなどを含む充実
ま す。
1
月に1回ディナーショーも行われてい
90
兵庫 楽農生活 ・神戸市神出町
センター●
神戸市内最大の農業地帯
(株)
水田種苗園は兵庫県明石市の本店と大久保駅
前店、神戸岩岡店の3店舗を構えております。
私は大阪の商社に勤めた後、水田種苗園に嫁ぎ
まして主人の家業を手伝うこととなりました。
気が付けば四十数年になります。夫である会長
は、私が種苗の仕事を始めたばかりのころ、勉
強のためにどこへでも見学に行ってよいと言っ
てくれたので、全国の産地や種苗会社などを見
て勉強することができました。その経験を生か
し、さまざまな会社の品種を比較検討して種子
を仕入れることで、お客様に幅広い情報を提供
できるよう日々努めています。
て 食 材 と し て 使 わ れ る 野 菜 の 生 産 や、
プレゼンター
のランチを
㈱水田種苗園 水田明美です
農業体験用圃場の管理などをされてい
~兵庫楽農生活センターの紹介~
兵庫県神戸市神出町は六甲山地の西側に位置し、緑豊かな雌岡山や
美しい田園風景が広がる農村地帯です。全国疎水百選に選ばれた淡山
疎水と冬でも温暖な瀬戸内海気候を生かし、古くから、イチゴやトマ
トの栽培が盛んです。また、ナシやブドウの観光農園や貸し農園など
自然と触れ合える施設が充実していることも特長です。中でも、
「兵庫
楽農生活センター」
は、
(公社)
兵庫みどり公社が総合的な管理を行う県
の農業施設で、農作業体験圃場、農産加工体験施設、農機具展示場や
直売所、レストランなどを併設し、暮らしの中で気軽に
「農」
を学び体
験できる市民の憩いの場となっています。
↑11時の開店とともに多くのお
客さんが入られ、すぐ満席に。
↑楽農レストラン
「育みの里 かんでかんで」
の前で。
株式会社トーホーの竹内利雄さんと筆者。
地域紹介
↑「かんでかんで」
は食育をテー
マとしたレストラン。地元産
の旬の野菜を中心としたヘル
シーメニューをバイキングで
楽しめる。
ーズ
プ ロしの
推
いち
シリ
35
2016 タキイ最前線 秋種特集号 ←
竹内さんが管理さ
れている農業体験
用の圃場。
「竹内さ
↑サラダバーのトマトはみずみずしく実がギュッと
んは私にとっての
詰まっている。
品種は
「桃太郎ファイト」
。
先生」と語る筆者。
栽培技術や品種に
ついてなど二人の
話題は尽きない。
←
こどもピーマン
「ピー太郎」
。
収穫物の一部は同敷地内の
直売所
「きらめきかんで」
で
も販売されている。
ま す。 1 日 に 2 0 0 ~ 3 0 0 人 の レ ス
ト ラ ン 利 用 者 が あ り、 1 週 間 の う ち 3
机上の理論ではない
実践の野菜作りを知る生産者
力 で 取 り 組 ま れ、 常 に レ ベ ル ア ッ プ を
図 ら れ る 姿 勢 に は い つ も 驚 か さ れ ま す。
竹内さんはトーホーに入られた当初
は、 イ チ ゴ 圃 場 の 管 理 に 専 念 さ れ て い
竹内さんはさまざまな作物を作りこ
な し、 栽 培 技 術 や 品 種 に つ い て 教 え て
管 理 さ れ る ほ か、
名 に 栽 培 指 導 ま で、
商 品 と な り、 ト マ ト や 葉 菜 類 は レ ス ト
生 し、 竹 内 さ ん が 育 て た イ チ ゴ は 目 玉
後 「か ん で か ん で」 が そ の 施 設 内 に 誕
場 の 管 理 を 依 頼 し た の で す。 し ば ら く
を 設 立 し、 竹 内 さ ん に イ チ ゴ な ど の 圃
た と き、 ト ー ホ ー が ち ょ う ど 生 産 圃 場
い く こ と が 困 難 に な り ま し た。 そ う し
私どもと古くからお付き合いがありま
イチジクなどを栽培する篤農家として
竹内さんはタキイ園芸専門学校を卒
業 し た 後、 地 元 で、 イ チ ゴ、 ト マ ト、
の中ですべての技術を出し切るのは難
います。そんな竹内さんですが、「1作
に圃場を一番よい状態に仕上げられて
ミ ン グ で 行 う こ と で、 農 業 体 験 の 当 日
整枝や摘芯などの手入れを絶妙のタイ
さ れ て い ま す が、 品 種 選 定 や 土 づ く り、
産圃場のほかに農業体験用圃場も管理
竹 内 さ ん の 信 条 は と に か く 「よ い も
のを作る」。 栽培のコツは「作物の顔
を 毎 日 見 る こ と」 だ と 言 わ れ ま す。 生
の を 見 て そ の す ご さ を 実 感 し て い ま す。
みるみる畑がきれいに整備されていく
が 圃 場 を 管 理 さ れ る よ う に な っ て か ら、
ー の 圃 場 に 何 度 も 訪 れ る 中、 竹 内 さ ん
な い 存 在 と な っ て い ま す。 私 も セ ン タ
し て い き た い と 思 っ て い ま す。
のもつ栄養的なことも含めて広く普及
手 伝 い す る こ と な ど を と お し て、 野 菜
庫 楽 農 生 活 セ ン タ ー」 の 取 り 組 み を お
ら身近でかかわりの深い食材。この「兵
で す。 野 菜 は 特 に 女 性 に と っ て 普 段 か
そ し て、 こ れ か ら も お 客 様 に は 種 子
を 販 売 す る だ け で な く 「タ ネ か ら 料 理
し て い き た い と 思 っ て お り ま す。
よい品種のタネを提供することで協力
今後とも竹内さんのような生産者さ
ん や、 新 規 就 農 者 の 方 の お 世 話 な ど、
女性の目線から生産者・消費者の
役に立つ種苗店として
は 「作 り た い」 と い う 方 で す ね。
ま さ に 野 菜 を 「売 り た い」 と い う よ り
人 気 施 設 に な っ て い ま す。
囲 か ら 頼 ら れ、 イ チ ゴ 以 外 に も、 ト マ
くださる。私にとっての「先生」です。
~4回も訪れる常連さんがいるほどの
食材である野菜は、「楽農生活センタ
ー」 で そ の 日 の 朝 に 収 穫 し た 野 菜 や 果
ト、 ナ ス、 ピ ー マ ン な ど、 農 業 体 験 用
農場のパートさん
ま し た。 し か し 次 第 に 豊 富 な 経 験 を 周
物 の ほ か、 神出 や 岩 岡 町 な ど で と れ る
圃場を併せて3・7
かん で
地 元 野 菜 を 中 心 に、 安 全 で 新 鮮 な 野 菜
を ふ ん だ ん に 使 用 さ れ て い ま す。
ラ ン で 使 わ れ る こ と に な り ま し た。 私
し い」 と 言 わ れ ま す。 「畑 と は タ ネ ま
今や楽農生活センターになくてはなら
の古い知り合いでもある前任のセンタ
きから収穫まで2~3カ月は付き合っ
竹内さんとの出会い
ー 長 は 竹 内 さ ん の 入 社 を 大 変 歓 迎 し、
て い か ね ば な ら な い、 悪 い 状 態 で 育 て
10
てからこれまでどおりの経営を続けて
作る所までの情報を提供していきたい
ま で」 を モ ッ ト ー に、 栽 培 し て 料 理 を
「元 タ キ イ の 園 芸 専 門 学 校 生 の 生 産 者
てしまえばずっと悪い状態になってし
年前奥様を亡くされ
で、 タ キ イ 品 種 の 栽 培 に 通 じ て お ら れ、
ま う。 ど う せ 作 る の な ら よ い も の を」
し た。 し か し、
何でも作りこなせる詳しい人が来てく
と 作 物 の こ と を 考 え、 一 作、 一 作 に 全
36 2016 タキイ最前線 秋種特集号
ha
10
れ た」 と よ く 話 し て い ま し た。
↑楽農生活センター長の小松崎さ
んとともに。竹内さんの豊富な
経験と技術にセンター長も厚い
信頼を寄せている。
↑「ナスとトマトの揚げびたし」にはナス「千両二号」
とファイトリッチシリーズの中玉トマト
「フルティ
カ」が使われている。
→
中玉トマト「フルティカ」。
「これぐらい大きくなるなら、
大玉トマトはいらないくら
い。育てやすいし味もよい」
と竹内さん。