日本野外教育学会出版計画の概要について 出版・データベース委員会

日本野外教育学会出版計画の概要について
出版・データベース委員会
委員長:井村 仁
副委員長:大石康彦
委員:金子和正
1.趣旨
日本野外教育学会が 1997 年に設立され、2017 年に 20 周年を迎えます。これを記念して、学会活動のこれまで
の成果をまとめ、今後の野外教育の発展に寄与できる書籍を出版することとし、「野外教育学研究法」(仮タイト
ル)の 2017 年度中の出版と会員への無料配布を予定しています。
2.出版方式
研究を中心とした専門書の出版計画であり、確かな売上を得ることが困難なことから、自費出版を行います。
出版に際しては、学会の成果を広く社会に理解していただくため、出版社を介して販売が可能な方式を採用しま
す。具体的には、発行部数を 700 部とし、出版社が編集作業等に関わり、ISBN コードを取得し、任意の価格設定
で販売します。
3.全体構成
野外教育に興味・関心のある大学生、大学院生、教員、及び野外教育の実践者や研究者を対象とします。主な内
容は、野外教育の研究で用いられる研究方法別に、研究論文をその対象別にレビューすると共に、代表的な研究
の執筆者による研究方法及び論文の解説を行います。図書の体裁(版サイズ、総ページ数)は、A5 版で 230 ペー
ジ以内とします。(別紙参照)
4.編集体制
日本野外教育学会の特別委員会として 2015 年 6 月に設置された「出版・データベース委員会」の委員に、各章の
責任者を加えた編集グループを構成して編集作業を行います。なお、各章を担当する責任者は下記の各氏です。
全体統括:井村 仁
第 1 章:星野敏男 第 2 章:土方 圭 第 3 章:千足耕一
第 4 章:大石康彦 第 5 章:坂本昭裕 第 6 章:金子和正
5.出版手順
1)各章細部構成案作成(~2016 年5月末日)
2)各章執筆(2016 年 6 月~2016 年 12 月)
3)章担当責任者・委員会委員で点検・修正(~2017 年 3 月)
4)出版社製作(校正)・製本(2017 年 4 月〜9 月)
5)出版 2017 年 10 月
「野外教育学研究法」(仮タイトル) はじめに
本書の構成
第 1 章 わが国の野外教育の歴史と現状(動向) 1.1.野外教育の概念
1.2.日本の野外教育の歴史
1.3.野外教育研究の動向と課題
1.4.引用・参考文献
第2章
歴史・哲学的研究法(文献研究)とその成果 2.1.文献研究法を用いた研究
2.1.1.文献研究法(総説も含む)とは何か
1)論文とは何か(「論文の定義」、要件)
2)先行研究のレビューについて
3)総説論文
4)独立した研究論文としての文献研究
2.1.2.文献研究法における基本的手続き
1)論文の構成(テーマ・問題設定、本文の組み立て方)
2)注、引用、文献表
3)接続語・接続表現による文の論理的結合
2.1.3.歴史学的研究法とは何か(文献研究法Ⅰ)
1)歴史学的研究の意義
2)歴史学的研究方法について
3)野外教育における歴史学的研究の方法に関する問題点
2.1.4.哲学的研究法とは何か(文献研究法Ⅱ) 1)哲学的研究の意義
2)哲学的研究方法について
3)野外教育における哲学的研究の方法に関する問題点
2.2.研究のレビューと今後の課題
2.2.1.総説論文のレビューと今後の課題 2.2.2.歴史学的研究法を用いた研究のレビューと今後の課題 2.2.3.哲学的研究法を用いた研究のレビューと今後の課題 2.3.代表的な研究の解説(論文執筆者による解説) 2.3.1.代表的な総説論文の執筆者による解説 2.3.2.代表的な歴史学的研究の執筆者による解説 2.3.3.代表的な哲学的研究の執筆者による解説 2.4.引用・参考文献
第3章
調査研究法とその成果 3.1.調査研究法を用いた研究
3.1.1.調査研究法とは 3.1.2.野外教育分野における調査研究を遂行する上での問題
3.1.3.調査研究法の意義 3.2.調査研究法を用いた研究のレビューと今後の課題
3.3.代表的な調査研究を用いた研究の執筆者による解説
3.3.1.尺度の開発に関する研究:問題解決力を測定する尺度の作成
3.3.2.指標の提示:生きる力を構成する指標
3.3.3.関係の提示:野外教育の分析枠組みによる青少年の自然体験遂行と自然体験蓄積との関係
3.3.4.テキストマイニング:テキストマイニングによる大学体育授業の主観的恩恵の抽出
3.3.引用文献
第4章
実験(的)研究法とその成果 4.1.実験研究法を用いた研究
4.1.1.実験研究法とは何か
4.1.2.野外教育の実験研究を遂行する上での問題
4.1.3.野外教育において実験研究法を行う意義
4.1.4.実験研究法を用いた研究のレビューと今後の課題
4.2.代表的な研究の解説(論文執筆者による解説)
4.2.1.実験研究法、特に心理尺度等を用いた研究
4.2.2.実験研究法、特に生理指標を用いた研究
4.3.引用・参考文献
第5章
事例研究法とその成果 5.1.野外教育実践における事例研究の意義 5.1.1.野外フィールドにおける実践
5.1.2.実践の知のパラダイム
5.1.3.事例研究の意義
5.2.事例研究の進め方
5.2.1.事例(研究)とは
5.2.2.事例研究の要件
5.2.3.事例研究をデザインする
5.3.事例研究の方法論 5.3.1.データの収集方法について
5.3.2.データの分析方法について
5.3.3.事例の記述方法について
5.4.事例研究の諸問題
5.4.1.研究の限界
5.4.2.事例研究の倫理
5.4.3.事例研究の信頼性と妥当性
5.5.事例研究を用いた研究の実際例 5.5.1.参加者個人を対象にした事例研究
5.5.2.グループを対象にした事例研究
5.5.3.GTA を用いた事例研究
5.3.4.まとめ
【文 献】 6 章 研究法の理解と研究のスタート(案) 第
6.1. 質的研究か量的研究か 6.1.1.これまでの研究法を簡単に振り返る 6.1.2.質的研究と量的研究の解説 6.1.3.野外教育研究における質的研究、量的研究の重要性 6.2.研究へのスタート 6.2.1.フィールド研究の紹介 1)フィールド研究の紹介 1
2)フィールド研究の紹介 2
6.2.2.インクルーシブキャンプを対象とした実践研究の紹介
1)障がいを有した子ども達のキャンプを対象とした実践研究の紹介 1
2)障がいを有した子ども達のキャンプを対象とした実践研究の紹介 2
6.2.3.大学教育の中で・・・具体例 (児童学の 5 領域と結びつけた研究)
6.3.本誌で取り扱ってきた研究法以外の方法の紹介 6.3.1.生態学的心理学(アフォーダンスの場から)
6.3.2.ノンバーバル的側面(暗黙知から)
6.4.野外教育研究のスタート 6.4.1.野外教育研究の成果の与える影響 6.5.2.まとめ 若き研究者や実践の場で活躍し、これから論文を書こうとしている人たちのために
【文 献】 索引