宗像市産業振興計画（案） 平成 28 年 月 宗像市 目次 第１章 宗像市産業振興計画の基本方針................................................................................................ 1 １．はじめに ..................................................................................................................................................... 1 （１）目的 ................................................................................................................................................................................ 1 （２）位置づけ ........................................................................................................................................................................ 1 （３）計画期間 ....................................................................................................................................................................... 2 （４）計画書の構成 ............................................................................................................................................................... 2 （５）評価・検証の仕組み .................................................................................................................................................... 2 ２．基本方針 ................................................................................................................................................... 3 （１）主な関連計画 ............................................................................................................................................................... 3 （２）産業振興分野の課題 .................................................................................................................................................. 5 （３）宗像市産業振興計画の基本的な考え方 ................................................................................................................ 6 （４）宗像市産業振興計画の全体像 ................................................................................................................................ 8 第２章 分野別計画 ...................................................................................................................................... 9 １．農業分野編 ............................................................................................................................................... 9 （１）現況データ ..................................................................................................................................................................... 9 （２）数値目標 ....................................................................................................................................................................... 9 （３）施策の区分 ................................................................................................................................................................ 10 ２．水産業分野編 ........................................................................................................................................ 13 （１）現況データ .................................................................................................................................................................. 13 （２）数値目標 .................................................................................................................................................................... 13 （３）施策の区分 ................................................................................................................................................................ 14 ３．商工業分野編 ........................................................................................................................................ 17 （１）現況データ .................................................................................................................................................................. 17 （２）数値目標 .................................................................................................................................................................... 17 （３）施策の区分 ................................................................................................................................................................ 18 ４．観光分野編 ............................................................................................................................................ 21 （１）現況データ .................................................................................................................................................................. 21 （２）数値目標 .................................................................................................................................................................... 21 （３）施策の区分 ................................................................................................................................................................ 22 第３章 分野連携計画 ............................................................................................................................... 28 （１）分野連携計画の必要性 .......................................................................................................................................... 28 （２）連携体制 .................................................................................................................................................................... 28 （３）施策の区分 ................................................................................................................................................................ 29 第１章 宗像市産業振興計画の基本方針 １．はじめに （１）目的 本計画は、農業・水産業・商工業・観光の各分野に加え、分野を横断した連携によって、宗像 市全体の産業振興を実現することを目的に、今後５年間で本市が向かうべき方向と注力すべき具 体的施策を明確にするものである。また、 “「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群”が世界文化 遺産の国内候補として選定されたことを受け、本計画では、その追い風を活かして地域の産業振 興を推進するための施策を立案するものである。 （２）位置づけ 平成 20 年度に「宗像市産業振興戦略プラン（宗像市産業振興計画） 」を策定。平成 26 年度を 目標年度として「地域流通の確保」 、 「産地知名度の向上」、 「地域資源情報の共有」を基本的な考 え方としつつ、市及び産業４団体＊で組織する「産業振興戦略プロジェクト」を中心に、諸課題 （ブランド化、販路の拡大、交流の促進など）の解決に取り組んできた。 前回の計画策定から約８年が経過し、この間、世界遺産登録への前進や道の駅むなかたの好調 な売れ行きなど、宗像への注目は以前にも増して高まっている。このチャンスを逃すことなく、 さらなる地域の活性化に向け前進していくため、新たに産業振興計画を策定するものである。 さらに、これまで本市では、分野ごとの計画である「宗像市農業振興計画」、 「宗像市水産振興 マスタープラン」 、 「宗像市歴史・観光推進計画」と、分野連携の「宗像市産業振興戦略プラン」 をそれぞれ個別に策定していたが、連携の強化を図るため、本計画ではそれらを集約し、１つの 計画として策定するものである。 本計画は、「第２次宗像市総合計画」や「宗像市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を上位計 画とする。 「第２次宗像市総合計画」は、平成 27 年度から平成 36 年度までの 10 年間、 「宗像市 まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、平成 27 年度から平成 31 年度までの５年間を計画期間 としており、本計画に位置づける施策・事業については、両計画の基本方針やまちづくりの柱、 施策の展開などと整合を図っている。 なお、本計画と関連する市の計画としては、本市の地域特性を取り込んだスポーツ推進のため の基本方針をまとめた「宗像市スポーツ推進計画」、離島振興法に基づき離島振興策について総 合的に定めた「宗像市離島振興計画」、地域や農山漁村における男女共同参画の推進等を盛り込 んだ「第２次宗像市男女共同参画プラン」がある。 ＊「産業４団体」とは、宗像農業協同組合、宗像漁業協同組合、宗像市商工会、宗像観光協会の４団体 を指す。 1 （３）計画期間 平成 28 年度から平成 32 年度までの５カ年の計画とする。 （４）計画書の構成 本計画は、大きく３章で構成される。第１章では計画の方向性を定め、第２章では「農業分野」 「水産業分野」 「商工業分野」 「観光分野」という４つの分野別計画、第３章では各分野を横断す る「分野連携」の計画を定めるものとする。 （５）評価・検証の仕組み 本計画に記載する施策・事業については、上位計画と位置付ける「第２次宗像市総合計画」や 「宗像市まち・ひと・しごと創生総合戦略」における「宗像市総合計画等推進委員会」等で行わ れる評価、進行管理を基礎とし、ＰＤＣＡサイクルに基づいた進行管理と効果検証を行う。効果 検証の結果は、次年度の施策等に反映させる。 2 ２．基本方針 （１）主な関連計画 ○第２次宗像市総合計画の概要 本計画の策定にあたり、 「第２次宗像市総合計画」の概要を整理する。 本計画に関連するまちづくりの柱は、「賑わいのあるまちづくり」で、なかでも主に「①観光 による地域の活性化」 「②地域産業の活性化」 「③資源を活かした島の活性化」の３つの施策に関 連するものである。 3 ○宗像市まち・ひと・しごと創生総合戦略の概要 本計画の策定にあたり、 「宗像市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の概要を整理する。 本計画に関連する政策分野は、 「 【分野１】地域経済対策・しごとづくり」で、 「農業の活性化」 「水産業の活性化」 「観光の活性化」 「雇用の場の確保」の４つの施策に関連するものである。 4 （２）産業振興分野の課題 本計画の策定にあたり、本市の産業振興分野の課題を、以下のとおり整理する。 課題１ 後継者丌足などにより供給体制が十分でない 農業においては、食料自給率の低下や農産物価格の低迷などにより、所得水準が伸び悩み、農 業就業者の減少と高齢化が進行している。また、水産業においては、漁獲量の減少、魚価の低迷 に加え、燃油の高騰などから、所得が伸び悩んでいる。産業の基盤となる第１次産業の持続的発 展に向けて、後継者の確保と安定した生産・供給体制の確立が求められている。 課題２ 地域内での流通や消費につながっていない 域内需要を喚起することにより、さらなる市場の開拓が可能になるため、生産者と事業者との 連携を推進する仕組みづくりが求められている。 課題３ 世界遺産登録を視野に入れた観光者の受入体制が十分でない 平成 29 年に世界遺産登録を控えている本市には、歴史、食、自然、お祭りなどの豊富な観光 資源や、他地域にはない民間スポーツ施設「グローバルアリーナ」などがあり、年間 600 万人 を超える人が訪れているが、これらの資源や施設を活かす仕組みが十分に整っておらず、今後は 世界遺産登録も視野に入れた、全国や海外からの誘客や受入れへの対応が求められている。 課題４ 農水商工観光各分野間の連携が丌足している 産業や地域の活性化に向けた取り組みを全市的に進めていくためには、農業・水産業・商工業・ 観光各分野に関係する組織や団体が相互に連携を深め、地域としての目標を共有する必要がある。 そのため、各分野がこれまで以上に連携していく体制の整備や情報共有の仕組みづくりが求めら れている。 課題５ 地域のブランド力が十分でない 市内の農産物、水産物の品質は非常に高いものがあるが、市外での認知度は十分とは言えない。 そのため、農産物、水産物及びそれらの加工品のブランド化を進め、国内外での消費を拡大させ ていく必要がある。また、九州内でも高い評価を得ている道の駅むなかたの集客力や認知度など を活用することで、地域全体のブランド力の向上を図ることが求められている。 5 （３）宗像市産業振興計画の基本的な考え方 ○宗像市産業振興計画の基本理念 地域における産業の持続的発展のためには、経済活動として成立するよう稼ぐ力をつけていく ことが前提であり、それにより宗像を活性化することができる。また、これからは、農業・水産 業・商工業・観光の分野間の垣根を越えて、行政と産業４団体、道の駅むなかた、それらに関わ る担い手が連携することに注力する必要がある。本市では“「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺 産群”の世界遺産登録を見据え、地域の資源（農産物、水産物、文化遺産、自然遺産、生産加工 技術、若者や女性を含めた多様な担い手人材）を活用した取り組みを推進することが重要である。 それらを踏まえて、次のとおり基本理念を設定する。 地域の稼ぐ力を引き出す仕組みづくり ○宗像市産業振興計画の基本方針 産業振興分野の課題及び産業振興計画の基本理念を踏まえ、以下の基本方針を設定する。 基本方針１ 将来にわたる生産・供給体制の確立 農業においては、農業者の減少と高齢化、所得水準の伸び悩み、耕作放棄地の増加などに対応 するため、農協と連携を図りながら、新規就農者の育成や、農地集積、農作業の効率化・省力化 といった経営改善、生産条件の整備などを推進する。また、水産業においては、漁獲量の減少や 漁価の低迷などによる所得の伸び悩みに対応するため、漁協と連携を図りながら、漁場の再生、 資源回復、養殖や蓄養の調査研究などを推進する。それらにより、生産者が安心して従事できる 環境を整えていく。 基本方針２ 地域内消費額の拡大 市内でとれた農産物や水産物が、地元で積極的に消費される仕組みづくりを強化する。市内の 直売所、店舗、宿泊施設などへの流通を促進するとともに、地元産食材を活用する市内事業者、 飲食店などへの支援を行い、域内での消費額を拡大させる。 6 基本方針３ 世界遺産登録を見据えた持続的な交流の促進 宗像版観光プラットフォーム＊の体制を整備し、世界遺産構成資産、さらには、歴史、食、自 然、お祭りなどの資源の活用、道の駅むなかたや街道の駅赤馬館周辺への店舗誘導や回遊性を向 上させる仕組みの構築などにより持続的な交流の促進を図り、市への来訪者の受入準備を進めて いく。 併せて、広域観光の取り組みが重要なことから、他自治体の観光資源との広域連携を行ってい く。 基本方針４ 農水商工観光の一体的推進に向けた分野連携の強化 行政、産業４団体、道の駅による連携体制の整備や、民間企業、大学や国・県などとの連携を 進め、農水商工観光の分野連携をこれまで以上に強化する。 これらの連携体制を生かし、地域産品のブランド力の向上、販路拡大や特産品の開発、世界遺 産来訪者へのおもてなしなど、魅力ある地域づくりを目指す。 基本方針５ 商品価値の向上につながる地域ブランドの育成 地域産品のブラッシュアップ＊、商品開発への支援、積極的なＰＲ、さらには、道の駅むなか たや民間との連携などにより、農産物や水産物のブランド化を推進し、市内外へ発信していくこ とで、販路拡大や消費拡大を図っていく。 ＊「宗像版観光プラットフォーム」とは、旅行者や旅行会社に対して、観光に関する情報発信や、地域 ならではの着地型旅行商品の造成・販売などを行うワンストップ窓口の機能を担う組織のこと。 ＊「ブラッシュアップ」とは、さらに磨きをかけ、一段と優れたものにすること。 7
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