ココストアとのブランド統 合プロジェクト S P E C I A L FEATURE 03 ブランド転換による相乗効果の創造を目指す ファミリーマートは、 (株)ココストアと合併し、ココストアが運営していた店舗を「ファミリーマート」ブランドに転換して いくプロジェクトに取り組んでいます。 「ココストア」及び「エブリワン」の名称で展開している約650店舗のうち350∼400店 舗が、約 1 年という短期間でファミリーマートに生まれ変わる予定です。既にブランド転換を完了した店舗では日商が大幅に 向上するなど、着実にその効果が現れています。かつて am/pm のブランド転換を成功させ、ブランド統合のノウハウを 磨き上げてきたファミリーマートは、単に店舗網を拡大するだけでなく、確実な相乗効果の創造を目指しています。 経営統合のフロー 2015 年 10 月 (株)ココストアの全株式を取得・完全子会社化 2015 年 12 月 (株)ファミリーマートと(株)ココストアが合併 2015年12月 ココストア事業・統合本部が発足 2015年12月 愛知県及び熊本県に、それぞれブランド転換1号店が開店 2016年内 対象全店舗のブランド転換完了予定 転換後の日商 20 % 以上増 ブランド転換後の日商実績は 転換前対比 20% 以上の高い伸長 22 FamilyMart アニュアルリポート 2016 統 合の意 義・目的 (株)ココストアは、北関東、中部及び九州地域を中心に 製造・物流といったサプライチェーンの統合、システム基盤 店舗を展開していました。ファミリーマートは国内エリア や間接部門など本部機能の共有による経営インフラの効率 フランチャイズ各社と連携しながらブランド転換を進めて 化なども期待できます。このような点で、ブランド転換によ おり、2016 年 4 月末現在、既に 181 店舗がブランド転換を る店舗網の拡大は、ファミリーマートの目指す「質を伴った 完了しています。 規模の拡大」の実現に適した施策と言えます。 今回の統合により、国内エリアフランチャイズの展開地 域におけるドミナント化が一層強化されることに加え、調達・ 転換後の店舗日商は20% 以上伸びるとともに、加盟店収 ファミリーマートはかつて、2009年に(株)エーエム・ピー 益も飛躍的な改善を見せています。 「ココストア」 「エブリ エム・ジャパンを完全子会社化し、その後 2 年弱で 733 店舗 ワン」 「タックメイト」 「リック」という異なるブランドが3社に のam/pmをファミリーマートに転換するブランド統合を達成 より運営されていたこと、展開地域が全国に分散し、さらに しました。当時、完全子会社化からブランド転換 1 号店開店 離島にも出店していたことなど、統合にあたっての難易度 までに要した期間は約 4ヵ月でしたが、今般のブランド転換 が高い側面がありながらも、売場づくりや品 え、店舗運営 ではその期間を 2ヵ月に短縮するなど、早期に転換作業が についてファミリーマートのノウハウを取り入れるとともに、 可能になった背景には、am/pm の先行事例によって蓄積 T カードやサービス端末「Fami ポート」、ATM など、ファミ され、より磨き上げられたブランド統合ノウハウの存在が リーマート独自のサービスを付加することで、統合効果を生 あります。 経 営 統 合 について 着実に高度化する統 合ノウハウ み出しています。 名 実ともに「ファミリー」になる 店名に「ファミリー」を掲げ、本部と加盟店、あらゆるパー 自社ブランドの統 合に直 面したココストアの社員も、 トナーが家族のような関係性でありたいと考えるファミリー イベントへの参加や人材交流などを通して直にファミリー マートにとって、その理念を共有してもらい、 「ファミリー」 マートの理念に触れることで、一体感が醸成されつつあり の一員であることを実感してもらうことは、経営手法や店舗 ます。統合実務の短期化はもちろんのこと、組織文化の 運営ノウハウを一本化すること以上に重要です。am/pmと 融合を図るためにじっくりと時間をかける姿勢も、ブランド のブランド統合の際と同様に、トップマネジメントを交え、両 統合を成功に導く重要な要件であると言えます。 社の社員が一堂に会して相互理解を深めるイベントを開催 したほか、加盟店・ストアスタッフ向けの研修も数多く実施し ました。 イベントの様子 FamilyMart アニュアルリポート 2016 23
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