歴史まちづくり 地域の古い建造物や街並み、風景を守りながら、個性的なまちづくりを図る取り組みが全国各地で広まっていま す。また、観光の活性化、空洞化した街なかの再生を図る上でも有力な手法として注目されています。 ■北陸地方特有の歩行者空間「雁木」を活かしたまちづくり 北陸地方の商店街には雪国特有の歩行空間「雁木」(がんぎ)が残っており、地域の歴史を物語る貴重な観光資 源となっています。 弊社では、国土交通省の委託により、新潟県長岡市・上越市内の雁木について、その再整備、まちづくりにおけ る活用方法と課題などの調査を行いました(2006 年度、北陸地方整備局より局長表彰)。 ■相模湾沿岸地域一体の邸園(別荘邸宅+庭園)を活かした地域づくり 相模湾沿岸地域一帯(三浦市~真鶴町)は、明治期から別荘地・保養地を形成し、政財界人・文化人の滞在・交 流ゾーンとして発展しました。その歴史的遺産は、緑豊かな邸園(別荘邸宅+庭園)として地域に蓄積しており、湘 南邸園文化祭など様々なまちづくり活動を通じて人々に親しまれています。 弊社は、そのような“地域のお宝”の保存・活用に向け、神奈川県の委託により、「邸園(歴史的建造物)保全活用 推進員養成講座」の試行(2009 年)に取り組んでいます。 ■秩父の歴史を語る街並みを活かしたまちづくり 日本三大曳山祭のひとつである「秩父夜祭」の舞台で、秩父市の生活を支える幹線道路である中央通線(本町・ 中町地区)。 弊社は、秩父市の委託により、沿道の歴史的建造物や奥武蔵の山々への眺望を守りながら、地域らしさを表現す る道路づくりの計画を、地元参画によるワークショップを通じて立案しました(2007 年)。 街の周縁部に駐車場を設置するフリンジ・パーキング、歩道整備・電線類地中化・駐輪場整備など歩行者交通の 環境改善などをあわせて実施すると、来街者にとっての利便性・快適性・魅力を高められるほか、住民にとっての安 心・安全、生活環境の向上を実現することができます。 また、平成20年に「歴史まちづくり法」が制定されたことで、補助制度、特例措置のメニューが広がり、地域の歴 史性を活かしたまちづくりの一層の展開が期待されます。
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