競争環境を勝ち抜き、独自の価値を提供するために

ユニーグループ・ホールディングスとの経 営 統 合について
S P E C I A L
FEATURE
01
競争環境を勝ち抜き、独自の価値を提供するために
ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社
コンビニエンスストア事業
(CVS 事業)
ブランドの一本化
商品調達力の強化
商品開発力の強化
総合小売事業
(GMS 事業)
東海・関東圏へのフォーカス
CVS 事業の調達力・サービスの
活用
その他グループ事業
物流センターなどのインフラの集約
情報システムなどの統合
新しい店舗フォーマットの開発
e コマースの協業
両社が持つ事業基盤を活用し、新たな事業モデルを構築
(株)ファミリーマートは2016 年 9月1日を効力発生日として、ユニーグループ・ホールディングス
(株)との経営統合を予定しています。統合会社は、コンビニエンスストア事業及び総合小売
事業(GMS 事業)を主軸とする持株会社として新たに出発します。
小売業を取り巻く事業環境には、大きな変化が訪れています。国内では総人口の減少により
市場規模が縮小しつつあることに加え、コンビニエンスストアの出店競争、ドラッグストアや
外食チェーンなどとの間では業態の垣根を越えた競争も激化しています。また消費者のニーズ
も多様化しており、新たな発想による商品・サービスの創造が求められています。
こうした環境下、激しい競争環境を勝ち抜くためには、両社の経営資源を結集し、独自の
価値を提供することで成長の機会を模索する必要があるとの判断に至りました。
18
FamilyMart アニュアルリポート 2016
ユニーグループ・ホールディングスの概要
連結経営成績及び財政状態
( 2016 年 2 月期)
社名
ユニーグループ・ホールディングス株式会社
所在地
愛知県稲沢市
代表者
代表取締役社長 佐古 則男
営業総収入
発行済株式数
234,100,821 株(2016 年 2 月末現在)
営業利益
純資産
285,018 百万円
主な事業内容
総合小売事業(ユニー株式会社)
コンビニエンスストア事業(株式会社サークル K サンクス)
その他事業(専門店、金融事業 等)
総資産
973,233 百万円
1,038,733 百万円
22,367 百万円
経営統合のスキーム
1
0.138
吸収合併
ファミリーマート
経 営 統 合 について
本吸収合併に係る割当比率
ファミリーマート
ユニーグループHD
(吸収合併存続会社)
(吸収合併消滅会社)
ユニーグループ・ホールディングス
吸収分割
「ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社」
に商号変更予定
サークルKサンクス
ユニー ほか
「株式会社ファミリーマート」に商号変更予定
ファミリーマートを吸収合併存続会社、ユニーグループ・
分割会社、ユニーグループ・ホールディングスの完全子会社
ホールディングスを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行
であるサークル K サンクスを吸収分割承継会社とする吸収
います。存続会社であるファミリーマート(統合会社)は、そ
分割を行うことにより、統合会社のコンビニエンスストア
の商号を「ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会
事業をサークル K サンクスに承継します。なお、承継会社で
社」に変更する予定です。
あるサークル K サンクスは、その商号を「株式会社ファミ
上記吸収合併の効力発生を条件として、統合会社を吸収
リーマート」に変更する予定です。
統合会社の概 要
社名
ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社
英文名称
FamilyMart UNY Holdings Co., Ltd.(略称:FUHD)
所在地
東京都豊島区(現:株式会社ファミリーマート所在地)
会社組織体制
企業理念
代表者の陣容
株主総会
統合会社
代表取締役社長
取締役会
監査役・監査役会
代表取締役社長
代表取締役副社長
代表取締役副社長
秘書室
監査室
広報IR室
経営企画本部
経営管理本部
財務本部
総務人事本部
上田 準二
代表取締役副社長 佐古 則男
代表取締役副社長 中山 勇
コンビニエンスストア事業会社
(株式会社ファミリーマート)
代表取締役会長
中山 勇
代表取締役社長
澤田 貴司
総合小売事業(GMS)会社
(ユニー株式会社)
代表取締役社長
佐古 則男
FamilyMart アニュアルリポート 2016
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ユニーグループ・ホールディングスとの経 営 統 合について
S P E C I A L
FEATURE
02
有形・無形の経営資源を相互に活かす
主要コンビニエンスストアチェーン国内店舗数
(エリアフランチャイズ含む、2016 年 2 月末現在)
セブン - イレブン・J
18,572
ローソン
12,395
ファミリーマート
11,656
サークル K サンクス
18,006
6,350
ミニストップ
都道府県別店舗数シェア
三大都市圏を含む
16 都府県でトップ
2,221
デイリーヤマザキ
1,548
セイコーマート
1,184
セーブ・オン
578
スリーエフ
539
コミュニティ・ストア
520
ポプラ
518
JR 東日本
505
0
5,000
10,000
15,000
今般の経営統合により、コンビニエンスストア事業では国内最大規模の店舗網を持つことに
なります。業界トップクラスの事業基盤は、コンビニエンスストア事業のあらゆる場面で、
スケールメリットやシナジーを生むことになると期待されます。加えて、新興国を中心とした
アジアでの事業もより一層強化を図ることができると考えています。
総合小売事業においても、両社が構築してきた商流や、これまでに培ってきた事業ノウハウ
を有機的に組み合わせることで、新たな商品や店舗フォーマットの開発などを進めていく考え
です。
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FamilyMart アニュアルリポート 2016
20,000
計画数値
2016 年 2 月期
ファミリーマート
ユニーグループ HD
2021 年 2 月期
合計
統合会社
国内グループ売上高
2.0 兆円
1.8 兆円
3.9 兆円
5 兆円以上
連結営業利益
487 億円
223 億円
711 億円
1,000 億円以上
連結純利益(△損失)
210 億円
△ 28 億円
181 億円
600 億円以上
7.6%
−
−
12% 以上
11,656 店舗
6,671 店舗
18,327 店舗
20,000 店舗以上
5,846 店舗
4 店舗
5,850 店舗
10,000 店舗以上
連結 ROE
CVS・GMS・SM 国内店舗数
CVS・GMS 海外店舗数
大限に発揮するとともに不採算店舗
や事業を見直し、確固たる収益基盤
経 営 統 合 について
経営統合によるシナジー効果を最
統合後の利益成長イメージ
(営業利益:億円)
(純利益:億円)
1,000
600
を確立することで、統合後 5 年以内に
グループ連結
国内グループ売上高5兆円以上、連結
CVS
純利益 600 億円以上を目指します。
0
GMS
0
のれん償却費
17/2
18/2
19/2
20/2
21/2
コンビニエンスストア事業のブランド統 合について
コンビニエンスストア事業については、ブランドを「ファミ
でき、チェーンとしての競争優位性も確保することができる
リーマート」に一本化します。経営統合後に「サークル K」
新たなフランチャイズ契約を導入します。
「サンクス」店舗のブランド統合を開始し、2016 年 12 月
ブランド統合を機に、新たな Visual Identity(VI)の導入
から 2019 年 2 月までの期間でサークル K サンクス店舗の
を進めます。新規に開店する店舗とブランド転換店、及び
ブランド統合を完了する予定です。
ファミリーマートの既存店に新たなVI の看板を順次導入して
加盟者が店舗運営力向上に持続的に取り組むことが
いきます。
新 CVS 事業会社 基本理念
∼ あなたと、コンビに、ファミリーマート ∼
来るたびに楽しい発見があって、新鮮さにあふれたコンビニへ。
私たちは、便利で安心できるサービスを通じ、
お客さまの気持ちにいちばん近い存在を目指します。
新 VI
FamilyMart アニュアルリポート 2016
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ココストアとのブランド統 合プロジェクト
S P E C I A L
FEATURE
03
ブランド転換による相乗効果の創造を目指す
ファミリーマートは、
(株)ココストアと合併し、ココストアが運営していた店舗を「ファミリーマート」ブランドに転換して
いくプロジェクトに取り組んでいます。
「ココストア」及び「エブリワン」の名称で展開している約650店舗のうち350∼400店
舗が、約 1 年という短期間でファミリーマートに生まれ変わる予定です。既にブランド転換を完了した店舗では日商が大幅に
向上するなど、着実にその効果が現れています。かつて am/pm のブランド転換を成功させ、ブランド統合のノウハウを
磨き上げてきたファミリーマートは、単に店舗網を拡大するだけでなく、確実な相乗効果の創造を目指しています。
経営統合のフロー
2015 年 10 月
(株)ココストアの全株式を取得・完全子会社化
2015 年 12 月
(株)ファミリーマートと(株)ココストアが合併
2015年12月
ココストア事業・統合本部が発足
2015年12月
愛知県及び熊本県に、それぞれブランド転換1号店が開店
2016年内
対象全店舗のブランド転換完了予定
転換後の日商
20 % 以上増
ブランド転換後の日商実績は
転換前対比 20% 以上の高い伸長
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FamilyMart アニュアルリポート 2016
統 合の意 義・目的
(株)ココストアは、北関東、中部及び九州地域を中心に
製造・物流といったサプライチェーンの統合、システム基盤
店舗を展開していました。ファミリーマートは国内エリア
や間接部門など本部機能の共有による経営インフラの効率
フランチャイズ各社と連携しながらブランド転換を進めて
化なども期待できます。このような点で、ブランド転換によ
おり、2016 年 4 月末現在、既に 181 店舗がブランド転換を
る店舗網の拡大は、ファミリーマートの目指す「質を伴った
完了しています。
規模の拡大」の実現に適した施策と言えます。
今回の統合により、国内エリアフランチャイズの展開地
域におけるドミナント化が一層強化されることに加え、調達・
転換後の店舗日商は20% 以上伸びるとともに、加盟店収
ファミリーマートはかつて、2009年に(株)エーエム・ピー
益も飛躍的な改善を見せています。
「ココストア」
「エブリ
エム・ジャパンを完全子会社化し、その後 2 年弱で 733 店舗
ワン」
「タックメイト」
「リック」という異なるブランドが3社に
のam/pmをファミリーマートに転換するブランド統合を達成
より運営されていたこと、展開地域が全国に分散し、さらに
しました。当時、完全子会社化からブランド転換 1 号店開店
離島にも出店していたことなど、統合にあたっての難易度
までに要した期間は約 4ヵ月でしたが、今般のブランド転換
が高い側面がありながらも、売場づくりや品 え、店舗運営
ではその期間を 2ヵ月に短縮するなど、早期に転換作業が
についてファミリーマートのノウハウを取り入れるとともに、
可能になった背景には、am/pm の先行事例によって蓄積
T カードやサービス端末「Fami ポート」、ATM など、ファミ
され、より磨き上げられたブランド統合ノウハウの存在が
リーマート独自のサービスを付加することで、統合効果を生
あります。
経 営 統 合 について
着実に高度化する統 合ノウハウ
み出しています。
名 実ともに「ファミリー」になる
店名に「ファミリー」を掲げ、本部と加盟店、あらゆるパー
自社ブランドの統 合に直 面したココストアの社員も、
トナーが家族のような関係性でありたいと考えるファミリー
イベントへの参加や人材交流などを通して直にファミリー
マートにとって、その理念を共有してもらい、
「ファミリー」
マートの理念に触れることで、一体感が醸成されつつあり
の一員であることを実感してもらうことは、経営手法や店舗
ます。統合実務の短期化はもちろんのこと、組織文化の
運営ノウハウを一本化すること以上に重要です。am/pmと
融合を図るためにじっくりと時間をかける姿勢も、ブランド
のブランド統合の際と同様に、トップマネジメントを交え、両
統合を成功に導く重要な要件であると言えます。
社の社員が一堂に会して相互理解を深めるイベントを開催
したほか、加盟店・ストアスタッフ向けの研修も数多く実施し
ました。
イベントの様子
FamilyMart アニュアルリポート 2016
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