感想文 玉井 - 独立行政法人国立病院機構 和歌山病院

早期実習を終えて
玉井
くるみ
私は 7 月 21 日から 24 日の四日間、国立病院機構和歌山病院で早期実習をさせていただ
き、とても貴重な経験をすることができました。私たちを温かく迎えてくださり、丁寧に
教えてくださった和歌山病院の皆様に感謝しています。
まず一日目の実習開始直後から終末期の急患さんの受け入れに立ち会わせてもらい、実
際の医療現場の空気を感じて、より一層緊張感を持ったことを覚えています。その日の午
後は気管支鏡検査を見学させてもらいました。色々な専門の方々が来られて、一時間ほど
の検査だったのですが、患者さんのむせる音が頻繁に聞こえたり、医師の緊張感が伝わっ
てきたりして、一時間という長さが患者側、医療従事者側どちらにとっても大変だと感じ、
改めて医師への尊敬の気持ちでいっぱいになりました。
二日目の外科診療は、様々な実習の中でも特に印象に残っています。その日は手術がな
かったため、実際に手術室で鶏肉を使って外科の体験をさせていただきました。電気メス
で肉を焼き切り、その部分を針と糸で縫合しました。電気メスは初めての感覚で、肉を焼
き切る感触や煙やにおいなどがとても印象的で、今も鮮明に覚えています。縫合は細かい
作業で、先生の手つきに感動しながらも、少しずつ慣れることができました。なかなかす
ることのできない、とても貴重な体験でした。そのあと先生が執刀された肺の下葉摘出手
術のビデオを見せてもらったのですが、非常に細かく神経を集中させる作業が続き、体力
はもちろん、尋常でない忍耐力が必要だと感じました。
また、副院長先生について入院患者さんを診て回り、聴診器を当てさせてもらったこと
も強く覚えています。まだ何も分かりませんでしたが、真似だけではあっても実際に患者
さんに医師としての触れ方で触れさせてもらい、医師になるという自覚が高まりました。
患者さんたちがぎこちない私たちに快く聴診器を当てさせてくださり、笑顔で「これから
頑張ってね」と言ってくださったのがとても嬉しく、頑張らなくてはという気持ちになり
ました。私たちは患者さんに育てられるのだということを実感しました。
このほか、重症心身障害児者診療、検査業務、リハビリ業務、放射線科業務、薬剤業務、
看護師業務、臨床工学士業務、そして栄養サポートチーム接触嚥下チームラウンド、感染
チームラウンド、さらには地域連携など、病院内の非常に多くの役割を実際に見て学ばせ
ていただきました。実習を通して感じたのは、チーム医療が想像以上に色々な場面で行わ
れているということ、そして様々な役割の人々が病院内で協力しなければ医療は成り立た
ないということでした。だからこそ将来医師になってからは体験することのできないよう
な医師以外の業務を見せていただき、それぞれの業務のプロの方に直接話を聞かせてもら
い、医師への希望なども知ることができたのは、これから先の大切な糧になると思います。
今回学んだチームの繋がり方やいろいろな立場からの意見を聞くことのできる環境づくり
を、医師になってからも活かしていきたいと思います。
実習担当をしてくださった副院長先生はじめ、和歌山病院の皆様にとても優しくしてい
ただき、充実した貴重な四日間を過ごすことができました。大変お世話になり、ありがと
うございました。実習で得た刺激を忘れず頑張りたいと思います。