2011/9/18

LCGT用Power Recycling Cavity
の設計に関する考察
我妻一博, 辰巳大輔, 陳タンA, 山本博章B, 麻生洋一C,
LCGT Collaborators
国立天文台, 東大天文A, カリフォルニア工科大B, 東大理C
2011/9/18
日本物理学会@弘前大学
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もくじ
LCGT の Power Recycling Cavity について
1. 設計パラメータ
2. 鏡の曲率誤差の影響
3. 鏡の位置変化によるモードマッチ率の回復
4. 非点収差の影響(高次モードとの縮退)
5. まとめ
2011/9/18
日本物理学会@弘前大学
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もくじ
LCGT の Power Recycling Cavity について
1. 設計パラメータ
2. 鏡の曲率誤差の影響
3. 鏡の位置変化によるモードマッチ率の回復
4. 非点収差の影響(高次モードとの縮退)
5. まとめ
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LCGT configuration
3 km
長さの制限
・変調周波数
・地下スペース
PRM
パワーリサイクリング機構
・PRMによって腕内パワーを上げる
Folding Cavity
・PR2, PR3によってGouy phaseを
調整 ⇒ 高次モードとの縮退を回避
PR2
14.7609 m
ITM
12.0667 m
PR3
14.7638 m
BS
25 m
ETM
3 km
ROC (曲率半径)
Ritm: 1.6 km ----- Retm: 1.9 km
この部分の設計
に関わる計算
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SRM
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Design of PRC
腕共振器のモードから始めて、PR3 ⇒ PR2 ⇒ PRM のビーム伝搬を計算
鏡の曲率を決める
●デザインコンセプト●
・Gouy phase shift (ITM から PRM までで 20°(AdLIGOより))
Gouy phase 小 ⇒ 高次モードの縮退
Gouy phase 大 ⇒ 弱い角度制御信号(制御ノイズの増加)
・ビーム径(PRM と PR2 が同じくらい) <= 熱レンズ効果
⇒ 細い平行光から太い平行光へのテレスコープ
PRM
W = 4.07 mm
ROC (曲率半径)
Rprm: 291.8 m
Rpr2: -3.088 m
Rpr3: 26.82 m
Ritm: 1600 m
Retm: 1900 m
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PR3
W = 35.8 mm
14.7609 m
ZR = 47.2 m
12.0667 m
ZR = 0.05 m
2  2  0.6292
14.7638 m
ZR = 224 m
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PR2
W = 4.06 mm
BS
ITM
25 m
W = 34.3 mm
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もくじ
LCGT の Power Recycling Cavity について
1. 設計パラメータ
2. 鏡の曲率誤差の影響
3. 鏡の位置変化によるモードマッチ率の回復
4. 非点収差の影響(高次モードとの縮退)
5. まとめ
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Effect of ROC error
起こり得る鏡の作成誤差は ROC(曲率半径) で 1%
⇒ PRCのモードマッチが悪化する & Gouy phaseがずれる
PRM
-2%
PR2
14.7609 m
ZR = 47.2 m
±2°
R: -3.088 m
R: 291.8 m
12.0667 m
ZR = 0.05 m
-12%
PR3
2  2  0.6292
+70°/-10°
14.7638 m
ZR = 224 m
25 m
BS
R: 26.82 m
ITM
PR3 の影響が深刻
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もくじ
LCGT の Power Recycling Cavity について
1. 設計パラメータ
2. 鏡の曲率誤差の影響
3. 鏡の位置変化によるモードマッチ率の回復
4. 非点収差の影響(高次モードとの縮退)
5. まとめ
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Patterns of changing mirror position
< モードマッチの補正 >
PR3の曲率誤差について、モードマッチの補正を鏡間の距離変化でおこなえるか
を評価 (PRCの全長は固定)
⇒ 以下の3パターン
(2). PR3-ITM(BS) fixed
(1). PR2-PR3 fixed
PRM
PR2
PRM
PR2
14.7609m - dL
14.7609m - dL
12.0667m + dL
Fixed: 12.0667m
PR3
14.7638m + dL
BS
PR3
Fixed: 14.7638m
BS
(3). PRM-PR2 fixed
PRM-PR2: ZR = 47.2 m
PR2-PR3: ZR = 0.05 m
PR3-ITM: ZR = 224 m
PRM
Fixed: 14.7609m
12.0667m + dL
PR2-PR3 間の距離変化を含むか
含まないかで大別される
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PR2
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PR3
14.7638m - dL
BS
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PR3 error cancel (1)
PRMでの波面曲率と鏡曲率を合わせるように、PR3-ITM間の距離を変化
(PRMでのビーム曲率:292mと、 PRC全体長と、PR2-PR3間の距離は固定)
PR2
PRM
14.7609m - dL
Fixed: 12.0667 m
14.7638m + dL
PR3
BS
dL
250~300m移動させる必要があり、無理!
⇒ パターン(1) は除外
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PR3 error cancel (2)
PRMでの波面曲率と鏡曲率を合わせるように、 PR2-PR3間の距離を変化
(PRMでのビーム曲率:292mと、PRC全体長と、PR3-ITM間の距離は固定)
PRM
PR2
14.7609m - dL
12.0667m + dL
PR3
Fixed: 14.7638 m
BS
・ ±1%の誤差に対しては約±14cmの移動で補正できる!
⇒ PRMの移動は最大で28cm (真空槽の28cm移動は可能 by防振group)
・パターン(3)はこれとほぼ同じ結果
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Gouy phase shift
PR3のROCに誤差が生じたときに、PRMでのGouy phaseの回り方
補正無し
補正あり
+70°/-10°
・80度も変化する
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・Gouy Phaseのずれは±0.3度程度
まで抑えられる
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Position Error Effect
Mode Matching factor
モードマッチ補正のための移動距離の必要精度
パターン(2)に移動距離エラー(±3cm)が生じた場合を計算
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Mode Matching factor
ROC error of PR3 [%]
±1 cm
Position error [m]
±1cm 以内の誤差精度で鏡移動距離を
合わせることができれば、Mode Matchは
99%まで補正可能
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もくじ
LCGT の Power Recycling Cavity について
1. 設計パラメータ
2. 鏡の曲率誤差の影響
3. 鏡の位置変化によるモードマッチ率の回復
4. 非点収差の影響(高次モードとの縮退)
5. まとめ
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Astigmatism
Tangential面: fi x  fi  cosi
Sagittal面:
fi y  fi cos i
(From wikipedia)
PRM
PR2
2
PR3
BS
Folding cavityによってAstigmatism(非点収差)が生じる
⇒ 高次モードが分離して、キャリアと縮退する可能性
⇒ キャビティが不安定になる
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PRC Degeneracy with Higher Mode
c
2L
高次モードの共振条件を位相で見た場合(片道)
k0 L  (n  m  1) 

2
 N
c
2 L
(n  m  1) 
縮退領域
腕Cavityによる反射の影響分
周波数で考えると(片道)
fN 
( N  0, 1, 2)
c 
1
N


 ( N  0, 1, 2)
2L 
2
高次モードの項がFSRの半分だけ離れたところに存在し、
それが基本モードの半値幅の中に入ると縮退する。
フィネスFのキャビティで高次モードが縮退する条件は
c
c
c
(n  m) 

2 L
4 L 4 LF
c
4 LF
fN 
k0: レーザーの波数
L: Cavity length
: Gouy phase shift (one way)
n, m: HG 高次モードの次数
F: Finesse
Astigmatismの効果も加えると、Gouy phase η に差が生じるので、
Tangential面: fi x  fi  cosi
Sagittal面:
fi y  fi cos i
n x  m y 
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
2

x
y

f: Focus length
: Folding angle
i: PR2 or PR3
2F
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Degeneracy with Higher Mode
n x  m y 
n\m

2
0


2F
and
1
  0.6292  0.011 [rad ]
F  10,   20
3


⇒ 1.41~1.73
2 2F
4.56~4.87
2
3
4
5
6
7
8
9
10
0
0.00
0.35
0.69
1.04
1.39
1.74
2.08
2.43
2.78
3.13
3.47
1
0.35
0.70
1.05
1.39
1.74
2.09
2.44
2.78
3.13
3.48
3.82
2
0.70
1.05
1.40
1.74
2.09
2.44
2.79
3.13
3.48
3.83
4.18
3
4
5
6
7
8
9
1.05
1.40
1.75
2.10
2.46
2.81
3.16
1.40
1.75
2.10
2.45
2.80
3.15
3.50
1.75
2.10
2.45
2.80
3.15
3.50
3.85
2.09
2.45
2.80
3.15
3.50
3.85
4.20
2.44
2.79
3.14
3.49
3.85
4.20
4.55
2.79
3.14
3.49
3.84
4.19
4.54
4.89
3.14
3.49
3.84
4.19
4.54
4.89
5.24
3.48
3.83
4.19
4.54
4.89
5.24
5.59
3.83
4.18
4.53
4.88
5.23
5.59
5.94
4.18
4.53
4.88
5.23
5.58
5.93
6.28
4.53
4.88
5.23
5.58
5.93
6.28
6.63
(設定値では)PRCの縮退は無い
((n+m) = 4 と 5 のモードのちょうど間にある:(n+m)<10)
⇒ φ=0.6292°なら、PRCの共振幅の範囲で同じ次数のモード(n+m)は分離しない
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Folding Angle and HOM
もしFolding angleを大きくすると?
⇒ XY方向の縮退が解けてモードが分離
高次モードとの縮退を計算
(n+m) = 4 が縮退するときの角度
(n, m)
(4, 0)
(3, 1)
(2, 2)
(1, 3)
(degree)
3.01
3.81
5.23
7.30

2


2F
: 線幅を加えた条件
1.00°
Folding angleに、1.00°以上の角度を付けると、(n+m)=4が縮退し始める
⇒ 要求されるFolding angleは1°以下(現在の設定 0.6292°は大丈夫)
Folding angle 1.00°は、鏡の曲率のXY方向の違いにすると0.03%
鏡の作成誤差(非等方性)はこれより小さくなりそう(by 鏡group)
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Gouy phase aberration
Gouy phase η~20°という値が重要
⇒ η = 20.2°から4次が縮退し始め、 22.5°で縮退Max
⇒ η = 19.8°から5次が縮退し始め、 18°で縮退Max
PR2 error
補正無し
PR3 error
補正あり
・Gouy Phaseのずれは±0.3°以内
PR2の曲率誤差
⇒ Gouy Phaseのずれは±2°以内
Gouy phase のずれ方によっては4次か5次のモードとの縮退の可能性あり
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Summary
bLCGT configuration (1.6-1.9km arm cavity)
●曲率誤差によるPRCのモードミスマッチ
• PR2の曲率誤差(1%)によってMode Matchは98%まで落ちる
• PR3の曲率誤差(1%)によってMode Matchは88%まで落ちる
⇒ PR3 の影響が大きい
●鏡位置の調整によるモードマッチの回復
•
PR3鏡の曲率誤差( ROC ±1%)に対して、PR2-PR3間の距離変化(±14cm程度)で
モードマッチは100%近くまで回復できる
 PRM の位置は最大で28 cm動かす必要があるが、それは可能(by 防振group)
 最適値からのGouy phase のずれは±0.3°程度
• 移動距離の誤差は±1 cm 以内であればモードマッチ99%以上まで回復できる
●高次モードとの縮退
•
•
•
設計通りなら、10次以下の高次モードは縮退しない (フィネス10, φ=0.6292°, η=20°)
Folding angle ‘φ’ への要求値は 1 °以下
Gouy phase ‘η’ の調整誤差によっては4次か5次のモードとの縮退の可能性あり
以上の計算結果はiLCGTの設定(Flat-7km arm cavity)でもほぼ同じ値になった
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Additional slide
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Mode Matching Factor
≡ MM
Accordance between the Rayleigh range, ZR ,and the beam radius at the waist
<< Definition >>
Mode matching factor: MM2
Mode miss-match: (1 - MM2)
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PR3 error cancel (3)
PRCの共振状態を保つために、PR2-PR3間の距離を変化させた場合
(PRMでのビーム曲率:292mと、PRC全体長と、PRM-PR2間の距離は固定)
PRM
PR2
14.7609m
12.0667m + dL
PR3
14.7638m - dL
BS
・ ±1%の誤差に対しては約±14cm
の移動でリカバーできる
・そのときのGouy Phaseのずれは
±0.5度程度
・前ページ(2)とほぼ同じ結果
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