ブラックホールと揺らぎの定理 岡澤 晋 with 磯 暁 arXiv:1104.2461 [hep-th] 予定 • 学会スライド+α でざっと内容を紹介(20~30分?) (休憩) • 板書で詳細な内容を紹介(いくらでもやる) 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 1 1.動機 ブラックホール熱力学 非平衡ゆらぎを取り入れたい 熱力学:微視的理論の詳細に依らない 熱平衡からのずれ:微視的理論のヒント cf. ブラウン運動 アボガドロ数 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 2 2.戦略(1) 直観 (固定したブラックホール時空 上でスカラー場 を考える) 摩擦(場の振動が古典的に吸収される効果)と ノイズ(場の量子効果であるHawking輻射) が入った有効的な運動方程式 通常の運動方程式 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 3 2.戦略(2) 環境系を積分 システム変数の有効理論 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 4 3.有効理論 ホライズン近傍でスカラー場はほぼ自由場 ホライズン上でregularな座標(Kruskal座標) で場の真空を定める 環境系の積分実行可能 Langevin方程式 ノイズ (Hawking輻射) 吸収 (ノイズ平均するとoutgoing modeなし) 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 5 4.ゆらぎの定理 近似: , with fixed この近似の下で得られるLangevin dynamicsから 「ゆらぎの定理」を導くのは容易 結果(ブラックホールとスカラー場のゆらぎの定理) (全エントロピー増加確率) = exp(全エントロピー変化) (全エントロピー減少確率) (!) 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 6 5.メモリ効果 近似なしだと BHエントロピー変化に追加の寄与 2011/5/11 SAL なら 岡澤 晋 7 6.まとめ ホライズン近傍の場を積分 に対するLangevin方程式 古典的吸収と量子的ノイズ ブラックホールとスカラー場の「ゆらぎの定理」 (全エントロピー増加確率) = exp(全エントロピー変化) (全エントロピー減少確率) 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 8 7.課題 近似なしの解析 (メモリ効果の影響、幾何学的解釈が出来るのか?) 重力場へのback reactionを取り入れる 有効理論(Langevin方程式)を得た手法 and/or ゆらぎの定理を他の状況に応用 例:”The Einstein equation of state”の非平衡版? membrane paradigmの改良(量子効果の取り込み) 2011/5/11 SAL 岡澤 晋 9
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