フレア全般 浅井 歩 (京都大学宇宙ユニット) 『「ひので」5年間の成果と

フレア全般
浅井 歩
(京都大学宇宙ユニット)
『「ひので」5年間の成果と今後の展望』研究会
2012年2月28日@ISAS
磁気リコネクションとフレア
• リコネクション領域:
– インフロー、アウト
フロー、リコネクショ
ンジェット
• 噴出現象:
– プラズモイド噴出、
ダウンフロー、コロ
ナ擾乱
• フレアループ:
– 彩層蒸発流、 ルー
プの加熱・冷却
• 粒子加速
Cartoon of magnetic reconnection (Shibata 1995)
「ひので」でフレア研究
• 「ひので」によるフレア研究を概観:浅井
• アウトフロー・ジェット:今田(+西塚)
• 分光観測(EISなど)の成果(主にリコネクション
領域周辺):原
• エネルギー蓄積・トリガー研究:草野
• 粒子加速研究:増田、渡邉
「ひので」でフレア研究
• ADS検索(査読付き)
– アブストラクトに「hinode」を含む648
– さらにアブストラクトに「flare」を含む181
– フレアに関する論文~96
• これらの論文を概観するとともに、「ひので」
によるフレア研究の到達点/未到達点を探る
年ごとのフレア論文数推移
30
全部で97篇
25
20
15
論文数
10
5
0
2007
2008
2009
順調に増えている
2010
2011
2012
2006年12月13日フレア
=ひのでフレア
SOT Ca II画像
年ごとのフレア論文数推移
30
ひのでフレア論文=39(+7)篇
25
20
10930
15
2006/12/13flare
その他
10
5
0
2007
2008
2009
2010
2011
順調に増えている
フレア研究は多分にevent-driven
2012
フレアの規模
「ひので」でのフレア研究≠ひのでフレアの研究
30
25
20
<B
C
15
M
X
10
その他
5
0
2007
2008
2009
2010
2011
2012
(1)エネルギー蓄積・トリガー
フレア領域の磁場構造
• 磁場構造の時間変化、
トリガー機構(EFR)
– Kubo+07, Schrijver+08,
Jing+08, Li+09, Tan+09 ,
Gosain+09
• エネルギー蓄積・コロ
ナ磁場推定
– Magara+08,09,
Inoue+11, Wang+08,
Guo+08, Zhang+08,
Gosain+10, Lim+10,
Ravindra+11, Fan+11,
Abramenko+08
草野さん講演
Kubo+2007
Inoue+2011
(1)エネルギー蓄積・トリガー
Savcheva+2012
シグモイド
• McKenzie+2008, Aulanier+2010,
Savcheva+2012
• コロナ磁場構造(ポテン
シャル磁場からのずれ)
を示唆
• フレアでの形状の変化
• コロナ磁場推定(磁場エ
ネルギー蓄積)で議論さ
れている
草野さん講演
Aulanier+2010
(1)エネルギー蓄積・トリガー
プリフレア・コロナ磁場
• Sterling+2011
• フレア前10時間
でのプリカーサ
イベント
(1)エネルギー蓄積・トリガー
プリフレア・マイクロ波放射
Asai+????
34GHz画像
プリフレア相
(02:21UTまで)
• プリフレア相でのマイクロ波放射は、インパルシブ
相での放射と位置が異なっている
• Zimovets+2008とは矛盾
(1)エネルギー蓄積・トリガー
Nonthermal Broadening
• Harra+2009
• フレアの(直)前に輝線幅が増える
• Helicity入射量が飽和したタイミングで現れる
(1)エネルギー蓄積・トリガー
フィラメントの回転運動
• EISによる分光観測
• フィラメントの北側で
はredshift、南側で
はblueshift
フィラメントが回転し
ている(Williams+2009)
(2)エネルギー解放
リコネクション領域の分光観測
• 2007May19, B9.5flare (Hara+2011)
詳細は原さんの講演
(2)エネルギー解放
白色光フレアと粒子加速
• 白色光フレア
– Isobe+2007,
WatanabeK+2010,
Krucker+2011
• 粒子加速機構(RHESSI、
NoRHなどとのシナ
ジー)
– Minoshima+2009
• 増田さん講演、渡邉さ
ん講演で詳細を紹介
Isobe+2007
Minoshima+2009
HXR (RHESSI)
microwave (NoRH)
(2)エネルギー解放
フレアカーネル・彩層蒸発
• 今田さん講演参照
– EIS: Imada+2008, Milligan+2009,2011, WatanabeT+2010,
Chen+2010, Li+2011, Ning+2011, Graham+2011
– XRT: NittaS+2012
Milligan+2009
NittaS+2012
WatanabeT+2010
(2)エネルギー解放
フレアループ
• 分光観測(EIS)
– Hara+2008
• ループの物理量の時間
変化
– Reeves+2008,
Parenti+2010,
Warren+2010
Ca XVII (192.8A) : 5MK
intensity
line width
line broadening at cusp
(2)エネルギー解放
フレアリボンとエネルギー解放量
Jing+2008
• フレアリボンの時
間発展
– Jing+2008, Li+2009
• 特に目新しい結果
は得られていない
(時間分解能が低
い~2分)
Li+2009
(3)アウトフロー・噴出現象
ダウンフロー
Savage+2012
• XRTでも観測されている
• Savage+2011が統計解析
TRACE(195A)
(3)アウトフロー・噴出現象
噴出現象/CME
• Cartwheel CME
(2008Apr9)
– Savage+2010
(3)アウトフロー・噴出現象
ディミング領域
• 今田さん講演参照
• ディミング領域
– Harra+2007, Imada+2007,2011, Attrill+2010
• STEREOとのシナジー観測
– Miklenic+2011, Zheng+2011
Zheng+2011 (2009Dec13flare)
Imada+2007
(3)アウトフロー・噴出現象
コロナ擾乱、衝撃波
• EIS:衝撃波面の分光観測
– Asai+2008
– Harra+2011(2011Feb16)
X線画像(XRT動画)
「ひので」によるフレア研究
• 成果のまとめ
• SOT
– エネルギー蓄積、トリガー、白色光フレア(粒子加
速)、フレアリボン成長…
• XRT
– シグモイド、フレアループ、彩層蒸発、ダウンフロー、
CME、ディミング、コロナ擾乱(衝撃波)…
• EIS
– リコネクション領域の分光観測、彩層蒸発(フレアカー
ネル)、ディミング、NT-broadening、フィラメントの回転
運動…
• 課題は?
XRT
「ひので」観測時に太陽フレア発生
+ 「ひので」の視野内である
EIS
SOT
328
164
1024
「ひので」は視野が限られているため
全発生フレアを観測することはできない
2048
1. ひので衛星による太陽フレア
観測 (Watanabe et al., 2012)
590
「ひので」フレアカタログ
http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/hinode_flare/
2048
ひので衛星 太陽フレア観測率
XRT
SOT (FG)
EIS
全イベント数
2006 (10/25~)
160
171
68
432
2007
443
267
209
713
2008
24
8
7
134
2009
125
83
65
320
2010
690
264
125
1248
2011
1269
464
276
2389
total
2711
(51.8%)
1257
(24.0%)
750
(14.3%)
5236
GOES class
XRT
SOT (FG)
EIS
全イベント数
X
7
5
3
12
M
81
29
28
144
C
842
369
215
1628
最近のフレアの観測
• 2010年以降、徐々に中~大規模(M以上)フレ
アが発生
• 「ひので」での観測は?
2011Feb15フレア
(X2.2)
2011-Aug-09 Flare
• Start 07:48UT, Peak 08:05
• GOES: X6.9
• NOAA 11263 (N17, W70)
Ha images taken by
SMART
X
M
C
Ha・EUV
760km/s
700km/s
580km/s
340km/s
そのとき、「ひので」は?
日本人が主著の論文
30
25
20
日本人主著
15
その他
10
5
0
2007
2008
2009
2010
2011
2012
日本人が主著の論文=16論文(全体の1/6)
年ごとのフレア論文数推移
30
25
20
10930
15
2006/12/13flare
その他
10
5
0
2007
2008
2009
2010
2011
2012
順調に増えている(太陽活動と同期か?)
(2)エネルギー解放
フレアループ
• フレアループの加熱・冷却
Hara+2008
Ca XVII (192.8A) : 5MK
intensity
line width
line broadening at cusp
黒点暗部の振動 (Kosovichev 2007)
• フレアの発生に伴
い、衝撃で暗部の振
動が励起