150610_JUKU_SmartMachine

スマートマシン
株式会社アプライド・マーケティング
大越 章司
[email protected]
1
Gartner: Top 10 Strategic Technology Trends
The smart machine era will be the
most disruptive in the history of IT.
スマートマシンは、ITの歴史の中で
最も破壊的なものとなるだろう。
http://www.gartner.com/newsroom/id/2603623
http://japan.zdnet.com/article/35054843/
2
スマートマシン
自律的に行動し、知能と自己学習機能を備え、
状況に応じて自らが判断して適応し、
これまで人間にしかできないと思われていた作業を実行する電子機械
Movers (動く者)
Sages (賢者)
Doers (行動する者)
自律運転車
音声アシスタント
人型介護ロボット
無人輸送ヘリ
質疑応答システム
工場作業ロボット
3
スマートマシンが実現しようとしている世界
人間にしかできなかったこと
人間にはできなかったこと
作業の効率化
能力の拡張
置 換
支 援
助 言
強 化
運転手
工場作業者
兵士
音声認識
文脈理解
検索代行
知識蓄積
関係付け・解釈
選択・判断
観察・監視
介助・補助
能力強化・補完
4
スマートマシンは、労働者の敵か?味方か?
単純労働の置き換え
http://president.jp/articles/-/11187
悪影響もあるが利点も
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131017/511781/
5
http://toyokeizai.net/articles/-/51383
6
弁護士も失職!?
http://www.udr-inc.com/2015/01/15/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88-%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E7%9F%A5%E8%83%BD-%E3%81%8C2030%E5%B9%B4%E3%81%AB%E3%81%AF%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E3%81%AE%E8%81%B7%E6%A5%AD%E3%82%92%E5%A5%AA%E3%81%86/
7
スマートマシンの現実
もはや夢物語では無い
実用化は始まっており、どんどん進化している
あらゆる産業・ライフスタイルに影響
AIはマシンにおける「頭脳の革命」であり、
世の中に存在する全てのマシン/デバイスに適用可能
すぐにでも取り組むべき課題
スマートマシンへの流れからは逃れられない
8
Googleの自動運転車
2015年中に公道走行実験
9
IBMのコグニティブ・コンピューティング
Cognitive
「経験的知識に基づく」
「認知の」
自ら学習し、考え、膨大な情報源からの大量のデー
タを瞬時に統合し、分析・回答できるシステム
Watson = 自然言語処理によるリアルタイム質疑応答システム
自然言語
での質問
を理解
文脈を含
めて質問
の主旨を
理解
大量の情報
の中から最
適な回答を
選択
医療診断支援
過去の判例の参照
コールセンター支援
10
11
スマートマシンの本質
自動化
~自動化から自律化へ~
自律化
人間が作業手順を構築し、制御プ
ログラムを作成する
人間が学習手順
を指示し、それ
に従って学習を
行う
何も無いところ
から、自ら学習
手順を作り上げ
る
決められたやり方を
その通り確実にこなす
大量のデータを元に、自分で
学習し、仮説を立て、検証し、
状況を自ら把握して、独自に
ルールを生成し、最適な選択
や判断を行う
12
スマートマシン=人工知能+ロボット
クラウド
アルゴリズム
スマートマシン
機械学習
ビッグデータ
人工知能
ロボット
アクチュエータ
センサー
IoT
ウェアラブル
機械工学
精密工学
SNS
モバイル
制御工学
電子工学
13
ロボット
ロボット
15
Googleは2013年だけでロボット企業8社を買収
(2015年時点で10社を傘下に)
Amazonの物流ロボット
2012年、Amazonがロボット物流シ
ステムのKIVA社を買収
2014年12月現在、全世界109箇所
の配送センターの内、10箇所に
15,000大のKivaを導入
これにより、500~1,000億円の人
件費を削減できる見込み
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304468904579246763367904406.html
Amazonのドローン
2015年3月 米連邦航空局(FAA)が条件付きで飛行実験を承認
2015年3月 ドローンを使った配達に関する特許を出願したとの報道
http://www.cnn.co.jp/tech/35064435.html
人工知能と機械学習
実用化の段階に入った人工知能
20
人工知能とは
人工知能(AI : Artificial Intelligence)
知的活動を再現
知能を使ってすることを機
械にさせようとす取り組み
(弱いAI)
脳の活動を再現
知能そのものをもつ機械を
作る取り組み
学習
推論
情報から将来
使えそうな知
識を見つける
こと
与えられた知
識をもとに新
しい結論を得
ること
(強いAI)
21
<参考>人工知能とは (人工知能学会ホームページより)
「人工知能」とは何だと思うでしょうか?まるで人間のようにふるまう機械を想像する
のではないでしょうか?これは正しいとも,間違っているともいえます.なぜなら,人
工知能の研究には二つの立場があるからです.一つは,人間の知能そのものをもつ機械
を作ろうとする立場,もう一つは,人間が知能を使ってすることを機械にさせようとす
る立場です(注1).そして,実際の研究のほとんどは後者の立場にたっています.ですの
で,人工知能の研究といっても,人間のような機械を作っているわけではありません.
人工知能学会のサイトより
人間の知能そのものをもつ機械を作る研究
(脳の仕組みを模倣)
研
究
ア
プ
ロ
ー
チ
人間が知能を使ってすることを機械にさせ
ようとする研究 (人のように見える)
推論
知識をもとに,新しい結論を得ること
学習
情報から将来使えそうな知識を見つけること
https://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AIwhats.html
22
<参考>人工知能の研究分野
人のように見える
弱いAI
知能があるようにも見える機械
人間の知的な活動の一部と同じようなことをする
強いAI
脳の仕組みを模倣
本当に知能のある機械
https://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AIresearch.html
23
現在主流の2つの人工知能研究
人工知能 (AI : Artificial Intelligence)
知的活動を
再現
(人のように
見える)
実用化済
ルールベース
統計的手法
質疑応答
翻訳
など
機械学習
脳の活動を
再現
(脳の仕組を
模倣)
ニューラル
ネットワーク
研究中
Deep Learning
音声認識
画像認識
など
24
実用化の段階に入った人工知能
IBM Watson
質問応答システム
質問者の質問を理解 (自然言語解析) し、過
去の膨大なデータから回答を探し出して提示
する。音声認識と組み合わせることも。
Apple Siri
Google Now
パーソナル
アシスタンス
ユーザーが音声で入力した内容を解析 (音
声認識+自然言語解析) し、最も適切な回答
を選び出して提示する。
Google Translator
Bing Translator
Skype Translator
翻訳
Mac/Windows/スマホ
の音声入力
YouTubeの字幕
音声認識
過去の翻訳データを統計処理して適切な翻
訳を行う。Skype Tlanslatorは音声認識と組
み合わせたリアルタイム通訳。
音声認識により音声をテキスト化
25
人工知能研究の歴史
知
的
活
動
を
再
現
1960年代
1980年代
記号処理方式
記号処理のためのルールや数式をプログラム化し思
考や推論など人間が行う情報処理を行わせる
エキスパート
システム
専門家の知識やノウハウをルール化し、
コンピューターに処理を行わせる
2000年代
インターネット登場
1950
1960
1970
メインフレーム登場
脳
の
活
動
を
再
現
1957年
パーセプトロン
脳の神経活動を数式モデル化しコンピューターに処
理させる初歩的なニューラル・ネットワーク
1980
人
工
知
能
の
冬
PC登場
1990
人
工
知
能
の
冬
統計的アプローチ
膨大なデータをベイズ理論に基づく統計的手法
で計算し自らルール生成し情報処理する
ビッグデータ・IoT
2000
2010
ハードウェア性能向上
2006年
ディープラーニング
脳科学の研究成果を取り入れより忠実に脳の神
経活動を再現
エキスパートシステム (医療の場合)
大量の知識
経験
知識ベース
ルール化
「もし・・・ならば・・・」
*人間が手作業で入力*
症状
推論エンジン
結果としては失敗
エキスパート(専門家)
ルール化のための手間が膨大
人間の持っている知識が多すぎる
ハードウェアの能力不足
診断
27
ルール生成自動化の必要性
エキスパートシステム失敗の原因
人間の頭脳の処理はあまりに複雑で、すべてをルール化することは不可能
人間がルールを生成するのは手間と時間がかかる
データが
不足
ルールを自動的に生成することができれば、より簡単に人間の頭脳に近づくことができる
一定のアルゴリズムを与えて
自動学習させる
人間の脳をシミュレートして自分で
学習させる
統計的手法による機械学習
ニューラルネットワーク
ディープラーニング
大量のデータを統計的に処理して
ルールを生成
人間の「学び」を再現
学習のための膨大なデータが必要
学習のための膨大なデータが必要
28
統計的手法
機械学習
ルールベースと統計アプローチによる「機械学習」
ルール設定・生成
経験の蓄積
ルール設定
統計的アプローチを使った機械学習
学習
アルゴリズム
ビッグデータ
推論
統計解析
ルールを
自動生成
30
統計的手法を使った自動翻訳
これまでの自動翻訳
Google翻訳
大量の翻訳済み
ドキュメント
辞書
文法
翻訳ルール
統計的手法
学習
31
ニューラルネットワーク
ディープラーニング
人間の脳を模倣したニューラルネットワーク
ニューラルネットワーク
人間の神経細胞
(ニューロン)
相互接続型
階層型
刺激1
刺激2
33
ニューラルネットワークを進化させたディープニューラルネットワーク
人間の神経細胞
(ニューロン)
ニューラルネットワーク
相互接続型
階層型
ディープニューラルネットワーク
34
ディープラーニング
画素入力
点から線
線から輪郭
輪郭から部分
部分から全体
35
画像認識の人工知能コンテスト
2012年のILSVRCでDeep Learningが圧勝
36
ディープラーニングの適用分野
37
ディープラーニングの適用事例
38
ディープラーニングの適用事例
39
人間と同じように学習するコンピュータ
人
手
一
部
人
手
経験の蓄積
学習
アルゴリズム
ビッグデータ
ルール設定
統計解析
ルールを
自動生成
推論
ディープラーニング
完
全
自
動
アルゴリズム
ビッグデータ
ルールを
自動生成
40
ディープラーニングの成果
41
ディープラーニングの成果
ビッグデータを制する者がAIを制する
統計的アプローチとディープ・ラーニング
これは
統
計
的
ア
プ
ロ
ー
チ
“dog”
です
これは
“cat”
です
これは
学習
未知の画像
推論
dog :15%
cat : 95%
bird : 2%
デ
ィ
ー
プ
・
ラ
ー
ニ
ン
グ
“bird”
学習
未知の画像
推論
概念
概念
概念
です
教師あり学習と教師なし学習
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/021000025/021200002/?ST=bigdata&P=4
44
AIの未来
これからの人工知能・機械学習
ニューラルネットワーク
クラウドでシミュレーション
チップ化
46
シンギュラリティ(技術的特異点)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO82144080Q5A120C1000000/
47
人工知能はリスク?
48
AIの研究開発に思慮分別を呼びかける公開書簡
ホーキング博士、イーロン・マスクなどが署名
49
人工知能は人類にとって脅威となるのか?
意味を理解している
わけでは無い
統計的機械学習においては、AIは意味を理解してい
るわけではなく、ただ単に教えられたことを処理し、
計算結果を返しているだけ
人間の脳の仕組みが
わかっていない
そもそも、人間の脳の仕組みがわかっていないため、
仕組みを真似ようにもそれが正しいかどうかわから
ない。現在は「こうだろう」という予測に基づいて
コンピュータをとにかく回している段階
予測を超えて進化す
る可能性も
しかし、ポテンシャルは高く、予測を超えて進化す
る可能性も無くは無い
今すぐ、あるいは数年のうちに人間の脅威となる可能性は少ない
しかし、可能性を常に意識し、暴走などに気をつける
50
各社の動き
Google
Amazon
IBM
Apple
ロボット
企業買収
企業買収
ドローン
?
?
AI
企業買収
企業買収
自社開発
企業買収
AI サービス
電子秘書
翻訳
他
レコメンデー
ション
自然言語処理
質疑応答
電子秘書
IoT
Home
ウェアラブル
IoT用OS
?
IoTインフラ
ウェアラブル
Car/Home
クラウド
AIサービス提供
AIサービス提供
AIサービス提供
×
51
日本でも研究が加速
52
参考
エキスパートシステムの子孫
BRMS
エキスパートシステム
大量の知識
経験
知識ベース
ルール化
「もし・・・ならば・・・」
*人間が手作業で入力*
症状
推論エンジン
結果としては失敗
ルール化のための手間が膨大
人間の持っている知識が多すぎる
ハードウェアの能力不足
診断
54
BRMSとは
• Business Rules Management System
– ビジネス上の様々なルールをプログラム化せずにシステムに実装
プログラム
ルール
BRMSシステム
(ルールエンジン
推論エンジン)
ルールベース
(ルールリポジトリ、
ナレッジベース)
プログラム化=ハードコード
ルールベース=BRMS
・ルールをソフトウェア仕様として
定義しなおす必要がある
・コーディングが必要
・ルール追加・修正のたびにテスト
が必要となる
・ルールを自然言語に近い形で記述
・担当者がルールを作成できる
・ルールの齟齬などをシステムが自動チェック
・コーディングの必要無し
・都度テストを行う必要無し
ビジネスルールとは?
• ビジネス運用上の様々なポリシー、規約、制約
–
–
–
–
保険加入の審査
携帯電話の料金・割引プラン
金融業における与信審査
社内決済、稟議条件など
• ビジネスルールの特徴
– ビジネス環境によって様々に変化する
– 期間限定
– 企業の企画・営業部門が適宜決める
• ビジネスルールの問題
– 様々な条件をいちいちプログラミングするのは大変
– 改変の都度テストが必要になる
ルールベースシステムの源流
エキスパートシステム(1970年代)
人工知能研究の一環として実用化されたシステム。人間の専門家が特定分野の専門知識に基づいて推論を行い、複雑な問
題を解決する過程をエミュレートし、問題の分析結果を提供し、利用者の行動を導く指針を与える。
特定の分野の問題についての情報を蓄積したルール群と、それらをベースに推論を行う推論エンジンから構成されるプロ
グラムであり、通常のプログラミングのようにソフトウェア開発者が設定した手続きに従うわけではない。
適用分野
会計、医療、プロセス制御、金融サービス、製造
業、人事など
問題点
専門家の知識は定型化できないことが多い
問題をかなり限定しないとうまく機能しない
推論エンジンの能力不足
第5世代コンピュータプロジェクト
1982年、通産省の肝いりで開始された国家プロジェクト。米国主
導の汎用コンピュータの流れを大きく変えるべく、より人間にとって
使いやすい並列推論マシンを独自に生み出していこうという試み。
ビジネスルールの例 (携帯電話の料金プラン)
申込書審査
新規契約か?
2台目以降は50%割引
同一家族か?
家族間は通話料無料
学生か?
学生は基本料金50%割引
夏休み期間か?
夏休み中は20%割引
2台目か?
2台目割引とは併用不可
BRMSのメリット
担当者が自然言語に近いコ
マンドを使ってルールを追
加・修正・削除できる
プログラミングの必要が無い
仕様書化の必要が無い
BRMSシステムがルールのコンフリクトなどを
チェック
期間の設定などができる
ビジネスルールをプログラ
ムの外に出すことができる
ルールの変更があれば迅速に対応できる
いちいちテストする必要が無い
ルールを追加していくだけ
でシステム構築ができる
従来型のプログラミングは必要無し
ルールを一つ入れた時点で稼働開始
ルールを追加していくだけでシステムをアップデート・維持できる
申込書
2台目以降割引(2台目以降は基本料金割引)
家族割引(同一家庭で利用の場合には通話料金無料)
学生向け割引(学生は基本料金を50%値引き)
夏休み限定割引(7-8月の2ヶ月間に契約した場合には基本料金を20%OFF)
夏休み限定割引は2台目以降割引とは併用不可
携帯電話契約のルール
Good
NG
捕捉資料
スマートマシンを実現させる4つのテクノロジー
脳
知識源
ビッグデータ
ハードウェア
感覚器・手足
スマートマシン
ネットワーク
神経系
アルゴリズム
賢さ
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スマートマシンが実現しようとしている世界
人間にしかできなかったこと
人間にはできなかったこと
作業の効率化
能力の拡張
置 換
支 援
助 言
強 化
運転手
工場作業者
兵士
音声認識
文脈理解
検索代行
知識蓄積
関係付け・解釈
選択・判断
観察・監視
介助・補助
能力強化・補完
63
マン・マシン・インターフェイスとしてのスマートマシン
クラウド
ネ
ッ
ト
で
注
文
人工知能
人がピックアップ
人が配送
工場内ロボット
自律走行車
ビッグ
データ
64
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/ad0g/170923/
65