ヒッグス粒子探索 gg→H→WW*→lνjj 佐藤構二 宇宙史拠点実習(FNAL)ガイダンス 2012年2月21日 テバトロンでのヒッグス粒子の振る舞い • gg→Hが最も断面積が大きい生成モード(数百fb)。 • mH>130 GeV/c2ではH→WW*が最も分岐比が高い。 → 重いヒッグスはH→WW*で探すべき。 CDFの重いヒッグス探索の現状 • mH>130 GeV/c2はH→WW→lνlνの独壇場。 • H→ZZはやられているが、コンビネーションに ほとんど効いていない。 HWW*lnjj チャンネル quark • jet in calorimeter l W n hadronization H lepton • e : calorimeter • m : muon chambers u, c proton W anti-proton d, s 検出する粒子: 電子orミューオン 1個 ニュートリノ 1個 ジェット 2個 anti-quark • jet in calorimeter neutrino • energy invalance in calorimeter H→WW*→lνjjとH→WW*→lνlv チャンネル比較 H→WW→lνjj H→WW→lνlv WWの崩壊分岐比~30% WWの崩壊分岐比~5% QCDのW+jetsバックグラウンドが膨大 バックグラウンドが少ない νが1個だけ。mHが組める。 νが2個。mHが組めない。 探索ポテンシャルではlνlνにかなわないが、足し 合わせてCDF全体のヒッグス粒子に対する感度 を改善する。 クリーンなチャンネルなので、非 常に探索に向いている。 WW→lνcsでは、c-tagすることで事象をフルに再 構成できる高純度サンプルが選別できる。 発見後のLHCで、大データでの精密測定につな げたい。 筑波大グループ(須藤、佐藤、金)が新しく解析 を立ち上げたところ。 CDFでは、大グループにより既に 完成度の高い解析手法が確立 されている。 H→WW*→lνjj現状での結果 • H→WW*→lνlvは、2012年2月に全データで結果をアップデート。 • H→ WW*→lνjjは…、 – ヒッグス粒子探索をした質量ポイントが足りない。 – 全データを使って解析をアップデートすべき。 – mH<160 GeV/c2に対して感度がない。 2011年夏 H→WW*→lνlν 8.2 fb-1 2012年冬 H→WW*→lνjj 4.6 fb-1 現状のH→WW*→lνjjの問題点 • mH<160 GeV/c2では…、 – H→WWの片方のWはmW =80.4 GeV/c2 (PDGの値)よりも 軽い質量をもつ →オフシェル、W*。 – バックグラウンド見積もりの都合で、 60<m(l,ν)<100 GeV/c2のカットをしていた。 • レプトン崩壊するWがオフシェルのヒッグス事象を、こ のカットでたくさん捨ててしまっている。 – Pxν とPyν はカロリーメータの消失エネルギーをもとに測定 できるが、Pzνは測定値からは直接決めることができない。 • 現状の解析では、m(l,ν)=mW =80.4 GeV/c2 を解いてPzν を決めている。 – オフシェルのWに対してこれはよい扱いではな い! オフシェルW→lνの扱いを改善する • 60<m(l,ν)<100 GeV/c2のカット: → m(l,ν)>40 (30?) GeV/c2 に緩める。 • Pzνを含む事象再構成について: – キネマティック・フィッターを作成する。 l W n H u, c W d, s テバトロンでの探索結果 • CDF+D0コンバインでの95%C.L. excluded region: 156 ー 177 GeV/c2 LHCでの探索結果 • 95% C.L. excluded regions: – ATLAS 112.9-115.5 GeV, 131-238 GeV and 251466 GeV – CMS 127-600 GeV 現状でのテバトロンでのH→WW*→lνjj • LHCによって重いヒッグス粒子質量は棄却されてしまっているが…。 • テバトロンでは、現在全データを使って各チャンネルの最終結果を 出す作業を行っている。 – メイン・チャンネルは2012年2月中。 • われわれの解析も、2012年春までに、同等の結果を出して論文に 纏めたい。 – 全データを解析すること。 – 低い質量領域に対しても感度を増やして最終結果としたい。 • ヒッグスは見つけてからシッカリ測定することが最重要。 – H→WW*→lνjjチャンネルは、事象再構成に利点がある。 – LHCでのHWWのカップリング測定に繋げたい。 まとめ • H→WW*→lνjjの探索解析。 • 特に、ヒッグス粒子がありそうな低い質量領域への感度を上げ る研究を行う。 • みなさんの研究結果は本解析の最終結果に取り入れる。 Backup • CDF単独での95% C.L. exclusion: 156 < mH < 175 GeV Limit Improvement by addition of lvjj. Numbers below are: mH, cross section limit with lvlv, cross section limit with lvjj, limit improvement over lvlv. Improvement is estimated with: 1/sqrt(1+ limit(lvlv)^2/limit(lvjj)^2). lvlv8.2 + lvjj4.6 150 1.270 35.900 0.999 160 0.800 8.970 0.996 170 0.890 9.360 0.996 180 1.330 13.600 0.995 190 2.090 19.500 0.994 200 2.810 19.900 0.990 lvlv9.1 + lvjj9.1 150 1.206 25.524 0.999 160 0.759 6.378 0.993 170 0.845 6.655 0.992 180 1.263 9.669 0.992 190 1.984 13.864 0.990 200 2.667 14.149 0.983
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