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第4章ケース紹介
12期 モネス
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目次
1.第4章のまとめ
2.ケース紹介
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第4章まとめ
組織の外部環境の10個のセクター
業界、原材料、人的資源、財務資源、市場、
技術、経済状態、政府、社会文化、国際、
単純/複雑特性、安定/不安定特性が経営環境の
不確実性を左右する
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第4章まとめ(つづき)
不確実性への適応として・・・
職位と部門
緩衝部門とバウンダリー・スパンニング
分化と統合
機械的組織→有機的組織への変化
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今回取り上げる企業
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ANA 会社概要
ANA 会社概要 http://www.ana.co.jp/cp/(2015/11/09)
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複雑で不安定な環境変化に対応するため・・・
2012年4月、
ANAは組織改革を実施
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ANAの組織改革
①業務改革プロセス室の設置
②営業推進本部の廃止
マーケティング室、プロモーション室の新設
http://www.ana.co.jp/pr/12-0103/pdf/11a-194-1.pdf(2015/11/10)
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①改革前 IT推進室
改革前
しかし
IT推進室
・・・情報システムの老朽化更新、インフラ整備、
各ビジネス部門からのIT開発要望に対する個
別対応などを担当
受け身の立場であり、全社横断的な視点からの
提案はしない
守りのスタンスが強く、IT視点からビジネス改革
を各部門や全社には提案しない
http://www.ana.co.jp/pr/12-0103/pdf/11a-194-1.pdf(2015/11/10)
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①業務プロセス改革室の設置
縦割り組織による社内業務の非効率さ、顧客の利便性
に関する課題を解決するため・・・
事業部門間の統合
業務プロセス改革室
現場業務に精通する人材とIT人材を融合することで、業務改革
及びシステム全体を統括する
http://www.ana.co.jp/pr/12-0103/pdf/11a-194-1.pdf(2015/11/10)
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①コミュニケーションの変化
部門、業務がバラバラ→垂直的なコミュニケーション
「機械的」→「有機的」な組織形態へ変化
部門、業務が融合→水平的なコミュニケーション
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業務プロセス改革室の具体的な取り組み
・クラウドを活用し、主な顧客窓口であった、空港などのカ
ウンター(対面)、コールセンター(電話)、ネット(メール)
の3つを統合
・複数のサービス部門間で情報を共有
顧客へのレスポンスの迅速化、サービス業務の効率化
ビジネスHT 「ANAが明かす ユーザ体験最大化への挑戦」
http://www.sbbit.jp/article/cont1/28832(2015/11/11)
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②改革前 組織図(抜粋)
部門が細かく分かれ
複雑化
https://www.ana.co.jp/pr/02-0103/pdf/02_028_marketing.pdf
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②改革後 組織図(抜粋)
マーケティング室
レベニューマネ
ジメント部
バウンダリー・スパンニング
プロモーション室
マーケットコミュニ
ケーション部
ネットワーク部
(改編)
ロイヤリティマー
ケティング部
複雑化していた部門をまとめ、単純化
(改編)
マーケティング
計画部
営業サポート
企画部 (改編)
中国室
(改編)
Travel vision 「全日空が組織改正、営業推進本部も改編へ」 http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=52780(2015/11/9)
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部門をまとめることで狙いたい効果
収益力強化と生産性向上
その実現に向けた意思決定の迅速化
http://www.ana.co.jp/pr/12-0103/pdf/11a-194-1.pdf(2015/11/10)
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しかし
航空業界にはもっと有機的な組織もある!!
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サウスウエスト航空
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どんな会社?
• アメリカで最も成功している航空会社
• 航空業界で唯一、1973年以来毎年売上を伸ばしている
• 短距離の特定ルート
→ハブ・アンド・スポークシステムは採用していない
• ビジネス客を中心とする顧客層
• 低価格で便利なサービスの提供
ガース・サローナーほか(2002)『戦略経営論』p.83-88
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サウスウエスト航空の組織①
①機能部門を超えたチーム(地上クルー、客室乗
務員、パイロット)を各ルートに設置
・各チームが自主的に判断し、仕事をする必要がある
・業績評価もチーム単位→チームワークが重要
ガース・サローナーほか(2002)『戦略経営論』p.83-88
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(比較)ANAの飛行機チームの取り組み
毎回、チームを組むクルーが異なり、CAとパイロッ
チームワークを
トの挨拶は「はじめまして」で始まることが多い
意識
フライトの合間の休憩時間やステイ先での食事など、
積極的にコミュニケーションをとる機会を設ける
http://ana-recruit.com/jobs/ca/crosstalk/talk01.html(2015/11/11)
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サウスウエスト航空の組織②
②部門間を超えたマネジャー研修
・社員が複数の仕事をして、組織の全体像を理解する
・組織内の他のグループと頻繁なコミュニケーションをとる
ようになる
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では、なぜANAはこのような有機
的な組織構造をとらないのか?
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そもそもの戦略自体が異なる!
サウスウエスト航空
・2地点を結ぶルート
・各ルートは独立している
各ルートに配置された
チームが問題に対処
チームが状況に応じた
自主的な判断
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そもそもの戦略自体が異なる!
ANA
・ハブ・アンド・スポーク
システム
・1ルートが乱れると
ルート全体に影響
あるスポークに配置された
チームに判断をゆだねるには
あまりにコストが高い
予想外のことや問題が頻繁
に起こるので、マニュアルが
あるほうが効率が良い
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ANAは今後どうしていくべきか?
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ANAの将来
外部環境はますます複雑で不安定になる
ハブ・アンド・スポークシステムの中で、できる限りの
有機的構造の組織を形成していく
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