平成25年度 高大連携授業 千葉大学教育学部 2013-6-15 長根 光男 自分がたどった発達の原理とは 1)分化と統合 未分化から分化 分化した後に統合 2)方向性 中心部から周辺部へ 3)順序性 4)臨界期(敏感期) その時期だけ有効 5)個人差 スキャモンの発育発達曲線でみると リンパ型 思春期以前に最大の発達に達し,以後 大きさが減少する 神経型 中枢神経系は,小児早期に急速に発育し, 5, 6歳までに成人の90%に達する 一般型 身長,体重など 生殖型 思春期に際立って急速に発育し始める 発達加速現象とは 成長加速現象;身長・体重・胸囲などの加速化 成熟前傾現象;初潮・精通など性的成熟の早期化 これらの要因(推定)として, ・栄養状態の改善 ・生活様式の欧米化による影響 ・都市化に伴う種々の刺激 発達は,環境的要因が大きいか vs 遺伝か ワトソンとゲゼルの実験 Thompson, 1952 発達には,遺伝も環境も関与する ルクセンブルガーの図式 「遺伝も環境も」 最近の知見 エピジェネティクス の考え方 例) 一卵性双生児でも・・・・・・・・・ 発達に及ぼす母子の愛着の重要性 ハーローの実験 実験結果 ボウルビィの研究 マターナル・ディプリベーション(母性喪失) 人間でも生後数年間,安心できる愛着関係が形成さ れることが,健康なパーソナリティの発達にとって重 要である。 愛着スタイルの種類 安定型 親から離れるのは嫌がるが,離れるとそのうち落ち着い て活動し,再会の際に喜びを示す 回避型 子どもが親から離れても平気,再会しても喜ばない アンビバレント(不安定)型 親から離れがたく,再会したときに喜びと怒りの両方を表 出する 臨界期の概念 ローレンツの研究: 刷り込み(刻印づけ) 刷り込みの実験 Hess, 1959より ローレンツはこのような研究も 赤ちゃんらしさとは • 全体的にまるみ • 額が広い • 大きいまるい眼 Lorenz, 1950より ピアジェの認知発達理論 1.感覚運動期(0-2歳) 感覚運動を繰り返して,行動・認知のパターン (シェマ)を獲得する 2. 前操作期(2-8歳) 自己とは異なる視点があることに気付かない自己 中心性が特徴 3. 具体的操作期(8-12歳) 自己中心性が消滅し,他人の視点を理解するよう になる 4. 形式的操作期(12歳~) 抽象的,仮説的にものを考えるようになる これからの自分をどう育てるか エリクソンの言う 自我同一性の時期 そのためには 1.より良い環境の選択 2.遺伝的素質を伸ばす つまり, 自己決定の時期 に入る
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