自己負担額

小児がんに関連する
社会保障制度について
2014年6月22日
京大病院 MSW
高下裕子
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医療費について
自費負担
各種健康保険
医療費
30万円(3割負担)
高額療養費制度
100万円
20万円(2割負担)
約8万円(一般)
自立支援医療
重度心身障害者医療
(育成・更生・精神医療)
自己負担金:0円
1割負担
(所得により0~20000円)
原則:身障手帳取得者
※食事代は自己負担
(京都市の場合)
(認定に所得制限有)
<対象者>身障手帳1・2級
療育手帳A 他
※食事代は自己負担
※自治体によって違いあり
全ての保険医療が対象
限度額適用認定証
小児慢性特定疾患
所得により0~11500円
治療見込み期間の月の
初日から1年間有効
対象者 20歳まで
※食事代も対象
自己負担額が下記以上の場合
乳幼児医療証
200円(3000円) (各自治体による補助条例:対象年齢)
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小児がんに関連する制度
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高額療養費制度(限度額適用認定証)
小児慢性特定疾患
育成医療
重度心身障害者医療
障害者手帳
日常生活用具・補装具
特別児童扶養手当
障害児福祉手当
雇用保険
障害年金
傷病手当金
税金の医療費控除
就労支援
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高額療養費制度
• 月ごとの窓口自己負担額(同一医療機関・入院、外来別)が限
度額を超えた場合、超えた分が2・3ヶ月後に請求により払い
戻される制度です。
• ただし入院時食事療養費、個室料金、医療保険外治療費につい
ては対象外となります。
• 21000円を超える医療費は合算対象(入院・外来、他院、世帯、介護)
1ヶ月当たりの自己負担限度額
所得区分
過去12ヶ月の
高額該当3回まで
4回目以降
上位所得者
(年収約636万円以上)
約160,000円
83,400円
一般
約80,000円
44,400円
35,400円
24,600円
低所得者
(住民税非課税)
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限度額適用認定証
• 限度額認定証を提示することにより1ヶ月の
窓口負担が自己負担限度額までとなります。
• 申請先:各種健康保険窓口
国保:市区役所
社保:全国健康保険協会
組合:職場
※申請した月のはじめから適用されます。
※上記、高額療養費の払い戻し手続きが不要
になります。
※外来受診についても利用できます。
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小児慢性特定疾患
• 指定の慢性特定疾患の診断がついている児童(18歳未満)に、入
院・通院に必要な医療費と入院時食事療養費、指定訪問看護にかか
る費用が給付される制度です。
担当窓口
必要書類
住所地の保健所
申請書・医師の意見書(病院ごとに作成)・健康保険証
・世帯の所得証明・世帯調書・同意書・印鑑
所得に応じて自己負担あり。
自己負担額
入院:0~11,500円
外来:0~5,750円
薬剤費・訪問看護費の自己負担なし。
医療用具は保護者の所得に応じて1種目ごとに自己負担金あり。
対象疾患
有効期限
日常生活用具
悪性新生物(白血病・脳腫瘍・神経芽腫他)など
その他
意見書料が必要
1年毎に継続申請(自治体により、3月末、8月末、申請から1年後)
補装具・日常生活用具の助成あり。(上限あり)
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日常生活用具 (小児慢性特定疾患)
特殊寝台・訓練用ベッド・特殊マット・入浴担架・浴槽・
特殊便器・特殊尿器・体位変換器・移動用リフト・車椅子・
歩行用支援具・ネブライザー・電動式たん吸引器・
盲人用体温計・点字器・人口咽頭・ストマ装具・
パルスオキシメーター・紫外線カットクリーム・便器・
クールベスト等
治療用装具
療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットなど
を装着したとき健康保険の基準で計算した額から、一部負担割合を
乗じた額を差し引いた額が療養費として支給されます。
窓口
必要書類
健康保険
医師の意見および装具装着証明、領収書
膝サポーター
コルセット
保護帽子
練習用仮義足
義眼
治療用眼鏡及びコンタクト
弾性ストッキングなど
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育成医療
• 手術等によって身体上の障害および疾患の改善が
見込まれる児童(18歳未満)の手術や補装具等に
必要な医療費の一部が給付される制度です。
窓口
住所地の保健所
書類
申請書・医師の意見書
健康保険証・世帯の所得証明
住民票(国保の場合)・印鑑
原則として医療費の1割負担
負担額は所得に応じた上限額あり。
自己負担額
(0~20,000円)
※所得制限有
室料・オムツ代などは自己負担あり。
その他
医師の意見書料
(当院では初回のみ2,100円)が必要。
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重度心身障害者医療
•
心身に重度の障害を持つ方の医療費の一部または全部を助成する制
度です。
※市区町村によって一部負担金が違います。
(京都市の場合)
窓口
市区役所・支所福祉部(福祉事務所)
必要書類
健康保険証、印鑑、障害者手帳
自己負担額
対象者
その他
自己負担なし(訪問看護費用も含む)
※所得制限あり
身障手帳1・2級または療育手帳A、
IQ50以下かつ身障手帳3級
京都府外の医療機関を受診した場合は、一旦自己負担分を支払い、
後日市区役所で払い戻しを受ける必要があります。
毎年医療証の更新があります。
自立支援医療の公費負担がある場合はそちらが優先
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障害者手帳
• 障害者の方を対象とした手帳には「身体障害者手帳」「療育手
帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があります。
• 手帳を持つことで、福祉サービスや税の減免などが受けられま
す。
① 身体障害者手帳・・・1級~7級
② 療育手帳・・・A(重度)、B(中度・軽度)
③ 精神障害者保健福祉手帳・・・1級~3級
(京都市の場合)
担当窓口
市区役所・支所福祉部(福祉事務所)
必要書類
申請書
医師の診断書
写真
印鑑
その他
医師の診断書料(当院では4,200円)が必要
市町村によっては診断書料の一部を助成する制度あり
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【手帳で利用できる制度】
•
•
•
•
•
•
•
税の減免・・・所得税・住民税・自動車取得税・自動車税
運賃割引制度・・・鉄道・航空・バス・タクシー等
公共施設料金割引
有料道路割引
駐車禁止除外者指定車標章
NHK受信料割引
携帯電話割引など
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日常生活用具
•
日常生活をより円滑に営むことができるよう、必要に応じて日常生活用具
を給付又は貸与する制度です。
• 障害の種別によって対象になる用具の種類は異なります。
• 基準額を超える部分は自己負担となります。
※市区町村によって品目・基準額が違います。
(京都市の場合)
担当窓口
市区役所 福祉部福祉介護課
自己負担額
原則として1割負担(所得に応じて上限額あり)
必要書類
日常生活用具給付申請書
医師の意見書(品目によって必要な場合有)
障害者手帳等
業者の見積書
印鑑
その他
購入後の申請受付は不可
特殊寝台・特殊マット・吸入器・吸引器・入浴チェアー・ ストーマー用装具など
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補装具
• 身体機能を補完、代替えする用具の購入又は修理に要した費用が
支給されます。
窓口担当
市区役所 福祉部福祉介護課
必要書類
補装具費支給申請書
補装具判定に関する医学的意見書
同意書又は世帯全員の所得証明書
見積書
自己負担額
その他
原則として1割負担
(非課税・生活保護の場合、自己負担なし)
上限額37,200円まで
原則、購入後の申請受付は不可
耐用年数以内の再交付申請不可
車いす・電動車いす・歩行器・歩行補助杖・義肢・座位保持装置・
装具・盲人安全杖・義眼・眼鏡・補聴器・バギー・座位保持いす・
起立保持具・頭部保持具・排便補助具・重度障害者用意思伝達装置など
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特別児童扶養手当
• 重度又は中度の障害がある、又は長期にわたる安静を必要とする20歳
未満の児童を養育する方に支給される手当です。
(京都市の場合)
担当窓口
市区役所 福祉部支援課
必要書類
請求書
医師の診断書
戸籍謄本
住民票
銀行の通帳
※所得制限有
※障害者手帳を取得している場合は、診断書を省略できます
支給額
(月額)
1級・・・50,050円
2級・・・33,330円
その他
障害の種類、程度により1年から2年程度の有効期限あり
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障害児福祉手当
• 満20歳未満の方で、重度の障害のため、日常生活にお
いて在宅で常時の介護を必要とする児に支給される手
当です。
(京都市の場合)
担当窓口
市区役所
必要書類
請求書
医師の診断書
戸籍謄本
住民票
所得現況届 ※所得制限有
支給額(月額)
14,180円
福祉部支援課
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雇用保険(基本手当)
受給要件
・離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月あること
・労働意思と労働能力があること
・4週間に1回ずつ失業の認定日に出頭し失業認定を受ける
受給期間
・原則として離職日の翌日から1年間
・病気やケガなどですぐに働けない人は、事前の申請に
よって基本手当の受給期間を最長4年まで延長可能
・傷病手当金との併給は不可、雇用保険の受給期間を延長し
傷病手当金受給と治療が終了したら雇用保険を受給する
所定給付日数
基本手当日額
の上限額
特定受給資格者であるかどうか、就職困難者であるか
どうか離職日における年齢、算定基礎期間の長さなどの
条件によって決まります。
30歳未満:
30歳以上45歳未満:
45歳以上60歳未満:
60歳以上65歳未満:
6,405円
7,115円
7,830円
6,723円
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障害年金
• 20歳に達する前に初診日がある病気で障害になった場合は20歳に
達した時に障害の程度が1級又は2級の状態にあれば、障害基礎年
金が支給されます。(※障害厚生年金の場合は3級まで)
担当窓口
国民年金:市区町村の国民年金課
厚生年金:社会保険事務所
・裁定請求書
必要書類
・病歴・就労状況等申立書
・受診状況等証明書(初診時の医療機関が違う場合)
・医師の診断書
遡及請求
5年間
受給要件
①障害のもととなった傷病の初診日が年金加入中
又は65歳前にあること
②初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)
に一定の障害状態にあること
③保険料納付条件を満たしていること(3分の2以上)
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障害年金
支給額(年額)
対象となる障害
1級・・・973,100円
2級・・・778,500円
障害認定日に受給権発生、翌月分から支給開始
・視力
・体幹・上肢・下肢
・聴力
・精神
・鼻腔
・呼吸器
・そしゃく機能
・心臓・肝臓・腎臓
・音声言語機能
・悪性新生物
など
・心臓のペースメーカー、人工弁を装着した日
初診日から1年6ケ
月を経過しなくても
障害認定日となる例
・人工肛門、人工膀胱、人口骨頭の手術をした日
・人口透析開始してから3ヶ月後の日
・失明は視力の低下に応じて
・肢体の切断は創面が治癒した日
・医師が「治癒した」「症状固定した」と診断した日
事後重症の支給
障害認定日に障害等級に該当しなかった人でも、65歳
までに該当する障害になった場合「事後重症」として
障害年金の対象となります。
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傷病手当金
①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業
であること
支給要件
②仕事に就くことができないこと
③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けないこと
④休業した期間について給与の支払いがないこと
⑤事業所に雇用されかつ健康保険に加入していること
・支給開始から最長1年6ヶ月
支給の内容
・標準報酬日額の3分の2に相当する金額
・退職後も条件を満たせば支給されます
必要書類
・傷病手当金請求書
・賃金台帳
・出勤簿
・負傷の原因届け
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傷病手当金・障害年金・雇用保険の関係
併
給
調
整
傷病手当金と障害年金
障害年金の受け取りが優先
傷病手当金と雇用保険(基本手当)
傷病手当金だけ受け取れる
障害年金と雇用保険(基本手当)
両方受け取れる
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税金の医療費控除
•
同一生計にある家族にかかった医療費の合計が、年間(1月1日~12月3
1日)で10万円(あるいはその年の所得金額の合計額が200万円未満の
人は5%の金額)を超えた時、その超過分が医療費控除の対象となります
(ただし、控除額の上限は200万円です)。
窓口
税務署
必要書類
申告用紙、源泉徴収票、印鑑、医療費の領収書
入院・通院医療費、医薬品の購入費、インプラント、
対象となる医療費 差額ベッド代(希望した場合は対象外)、通院交通費
非血縁造血幹細胞骨髄移植に伴う自己負担金など、
手続き
翌年の3月15日までに管轄の税務署で確定申告する。
5年前まで遡って申告可能。(年中受け付け可)
控除額算出方法
(1年間に支払った医療費-還付された額)-10万円
=医療費控除額(最高200万円)
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就労支援窓口
ハローワーク
厚生労働省が運営する、就職支援・雇用促進のための
サービスを提供しています。
・障害者職業相談室
・若年相談コーナー
障害者職業カウンセラー等を配置し、ハローワーク
障害者職業センター
ジョブ・パーク
ジョブ・カフェ
障害者就業・
生活支援センター
(公共職業安定所)、障害者就業・生活支援センターと
の密接な連携のもと、就職や職場復帰 を目指す障害のあ
る方、障害者雇用を検討している或いは雇用している企
業の支援・サービスを提供している。
様々な方の就労支援(障害者手帳の有無問わず)
カフェ感覚で気軽に立ち寄り、就職相談から職業訓練、
研修、就職、職場定着までの一貫したサービスを受ける
ことができます。
就業及びそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障
害のある方に対し、センター窓口での相談や職場・家庭
訪問等を実施します。
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