マクロ経済学I

「マクロ経済学Ⅰ」
蓮見 亮
[email protected]
http://www.rhasumi.net/wiki/
自己紹介
蓮見 亮(はすみ・りょう)
 普段は、日本経済研究センターという日経新聞のシンク
タンクに勤務
 ほか、非常勤講師、内閣府・参議院事務局の客員など
 専門はマクロ経済学、計量経済学
 略歴はホームページ参照
http://www.rhasumi.net/
 ご相談があれば、hasumiry@gmail.comまでお気軽に
2
教科書、スライド
N.グレゴリー・マンキュー(足立英之他訳)
『マンキュー経済学II マクロ編』第2版、
東洋経済新報社、2005年、
4,200円(税込)
スライドは、授業支援システムからダウンロード可能
授業前々日(水曜)の夜までに次の授業のスライド
をアップロードする予定
授業の進行状況は、担当講師のウェブサイトに掲載
する
http://www.rhasumi.net/wiki/
3
補足
教科書を使う理由
授業の難易度
試験について
成績評価について
秋学期(マクロ経済学II)について
マクロ経済学を学ぶ意義
4
ロードマップ/目次(1)
I イントロダクション
グレーで書いた章は
スキップする予定
1.経済学の十大原理
2.経済学者らしく考える
3.相互依存と交易(貿易)からの利益
(13章の前)
4.市場における需要と供給の作用
(8章の前)
II マクロ経済学のデータ
5.国民所得の測定
6.生計費の測定
5
目次(2)
III 長期の実物経済
7.生産と成長
8.貯蓄,投資と金融システム
9.ファインスの基本的な分析手法
10.失業と自然失業率
IV 長期における貨幣と価格
11.貨幣システム
12.貨幣量の成長とインフレーション
6
目次(3)
V 開放経済のマクロ経済学
13.開放マクロ経済学:基本的概念
14.開放経済のマクロ経済理論
VI 短期の経済変動
15.総需要と総供給
16.総需要に対する金融・政策財政の影響
17.インフレ率と失業率の短期的トレードオフ関係
V おわりに
18 .マクロ経済政策に関する五つの論争
7
ミクロとマクロ(126頁脚注)
ミクロ経済学
家計と企業がどのように意思決定を行い、
それらの意思決定が市場でどのように相
互作用するかについての研究
マクロ経済学
インフレーション、失業、経済成長を含む
経済全体の現象に関する研究
8
経済学、どう使う
値上げで売り上げは増えるか
どこまで赤字が増えたら撤退するか
なぜ少子化が進んだのか
なぜ先進国と途上国で生活水準に差があるのか
貿易自由化で豊かになるのか
なぜ財政赤字に悩む国が多いのか
高齢者には所得支援それとも医療費補助?
 儲かる株の投資法、会社の利益を増やす秘策・・・
残念ながら、経済学の守備範囲ではない
9
経済と経済学
日経新聞にあふれている「経済」
 景気、円高、ユーロ危機、企業破綻、消費税・・・
 「マクロ経済」の事象
 その時事的な「用語解説」≠経済学
家計や企業の行動原理を考える
 ミクロ経済学
 「経済学」全体の基礎に
国全体の景気・失業・政策などを考える
 マクロ経済学
 その背後にある「原理」「法則性」を追究
10
文法としての経済学
思考のための「文法」
私は社会的な現象を「筋道を立てて」理解するた
めの文法と考えています。言語の問題になぞら
えるならば、経済学は文法の学習であって、合理
的、非合理的双方の側面を持つ人間の行動、人
間の集合としての社会現象を、いかに一定の定
理や法則として理解するかということだと思いま
す。
経済学者の猪木武徳氏
『経済セミナー』での「経済学とはどんな学問であるか」とい
うインタービューに答えて。
(伊藤秀史『ひたすら読むエコノミクス』有斐閣(2012)より
11
「知識」より「考え方」
経済学では出来合いの特効薬についての知識を貯め込
むことより、その発想・考え方について学ぶことの方がは
るかに大切だ。
ジョン・メイナード・ケインズ
~吉川洋『ケインズ』ちくま新書より
重要なのは、一見すぐに役立ちそうな知識の習得ではな
く、「なぜ」という問いを突き詰めていくための首尾一貫し
た「ものの見方」を身につけること
伊藤秀史・一橋商学部教授
~「商学部生への経済学のススメ」(ネットで読めます)
→「問い」そのものへの答えを探すことよりも、経済学の
「思考法」への理解を深めるのが本講義の目的
12
経済学のアプローチ
人間の行動の背後には何らかの「意図」
その目的を出来る限り達成しようする個人や企業
 消費者なら満足度を最大化
 企業なら費用を最小化し、収益を最大化する
 多くの場合、「合理性」を仮定
そんなに単純?合理的?
 「ベンチマーク」としての単純化
 外れ方に規則性?→「行動経済学」
モデル化・抽象化
 現実の複雑な問題を単純化
 枝葉末節を取り除く。何が本質か
 あいまいさを取り除くため数学を使うことも多い
13
短期と長期:短期
(出所)内閣府
14
短期と長期:長期
(出所)OECD Economic Outlook 92
15
短期と長期:需給ギャップ
実質GDP-潜在GDP
潜在GDP
×100
16
需給ギャップ(四半期)
85Q2
91Q1
97Q2
2000Q4
08Q1
-6
-4
-2
%
0
2
4
80Q1
1980
1985
▲
▲
89 年 4 月
消費税率
消費税導入
3%→5%
1990
1995
2000
2005
2010
(年)
17
蛇足:担当講師から2つのお願い
1. 授業中の私語は控えること
•
目立つようであれば、注意します
2. 試験で不正をしないこと
18