エネルギー閾値 に対する トリガー頻度

CALET軌道上模擬データを用いた
観測データ予測
早大先進理工、早大理工研A、早大重点領域研究機構B、 早大国際
教育センターC、神奈川大工D、JAXA/SEUCE、東大宇宙線研F
力石和樹、鳥居祥二A、神尾泰樹、下村健太、仁井田多絵、
浅岡陽一A、笠原克昌A、小澤俊介B、Holger MotzC、田村忠久D、
清水雄輝E、赤池陽水F、他CALET チーム
2014/9/19
JPS2014秋期学会@佐賀大学
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内容
1. 研究概要
2. 観測条件設定に対する観測データの推定方法
3. エネルギー閾値に対するトリガー頻度予測
4. まとめ
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1.1 研究目的
主目的である高エネルギー電子の観測へ影響を及ぼさない範囲で,
低エネルギー粒子(電子、ガンマ線)の観測を行う観測条件設定を、
軌道上観測データ予測を用いて詳細化する。
CALET トリガーモード概要
High Energy Shower
Trigger (HE)
- 高エネルギー電子(10GeV ~ 20TeV)
- 高エネルギーガンマ線(10GeV ~ 10TeV)
- 原子核(数10GeV~ 1000TeV)
Low Energy Shower
Trigger (LE)
- 極地方の低エネルギー電子(1GeV ~ 10GeV)
- GRB同期ガンマ線(1GeV ~ 10TeV)
Single Trigger
(Single)
- 装置較正用 : 検出器内で相互作用を
しない粒子 (p, Heがメイン)
注)上記三種類のTrigger Modeに対して, それぞれ超重原子核観測用のHeavy Mode があるが、本発表では割愛する。
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1.2 CALETのトリガーシステム(HE)
トリガーモードは、観測条件設定により変更可能
1. Trigger Mask
トリガーモードを選択
(トリガーは各モードのOR)
観測条件設定の例
HE
LE
SI
-
0.7
0.7
-
0.7
0.7
-
0.7
0.7
-
0.7
0.7
7.5
2.5
0.7
55
7
0.7
2. LD* Mask
トリガーに使用するLDを選択
(トリガーは各LDのAND)
3. LD値
各LDのディスクリ閾値を変更
(単位: MIP)
シャワー発達を考慮して
下層のトリガー検出器に
大きなエネルギー損失を要求
・シャワーイベントを選別
・バックグラウンドの除去
・広視野角を実現
2014/9/19
ノミナル設定:
HEをオンにし、電子に対し
エネルギー閾値10GeV
High
Energy Shower Trigger
(@トリガー効率95%)で観測
を行う通常の観測条件設定
視野角
(* LD: Lower Discriminator)
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1.2 CALETのトリガーシステム(LE)
トリガーモードは、観測条件設定により変更可能
1. Trigger Mask
トリガーモードを選択
(トリガーは各モードのOR)
観測条件設定の例
HE
LE
SI
-
0.7
0.7
-
0.7
0.7
-
0.7
0.7
-
0.7
0.7
考え方はHEとかわらないが,
全LD値を上回ることを要求
7.5
2.5
0.7
・シャワーイベントを選別
・バックグラウンドの除去
・トリガー頻度を抑える
55
7
0.7
2. LD Mask
トリガーに使用するLDを選択
(トリガーは各LDのAND)
3. LD値
各LDのディスクリ閾値を変更
(単位: MIP)
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このLDを使用しなければ
(LD Mask
Low の変更),
Energy Shower Trigger
低エネルギーガンマ線の観測条件設定
視野角
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1.3 研究方法
観測データ予測
軌道上模擬
データ
[観測条件]
観測条件設定
に対する観測データ
の依存性の理解
軌道上環境
Trigger Mask
LD Mask
LD値
?
観測条件
設定を
最適化
[観測データ]
トリガー頻度
バックグラウンド, Dead time
トリガー効率
取得効率,エネルギー閾値
伝送レート
データ伝送量(下村 発表)
LD値の変更による
1. エネルギー閾値
2. トリガー頻度
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の変化を調べる。
2. 観測条件設定に対する観測データの推定方法
[出力データ]
[入力データ]
入射粒子*
-粒子種別(単一)
-到来方向(等方的)
-エネルギー
CALET軌道上模擬
CALET軌道上
データ
模擬情報
-PID
-粒子種別(複数)
-Energ
-到来方向(地磁気考慮)
-到来方向
-エネルギー
-CALET位置情報
-CALET位置情報
(緯度, 経度 , 高度)
トリガー効率
検出器
シミュレーション
及び
トリガー判定
CALET観測条件設定
-Trigger Mask
-LD Mask
-LD値
-エネルギー閾値
エネルギー閾値
に対する
トリガー頻度
トリガー頻度
1
エネルギー閾値のLD値依存性
* 電子, ガンマ線を入射
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2. 観測条件設定に対する観測データの推定方法
[出力データ]
[入力データ]
入射粒子*
-粒子種別(単一)
-到来方向(等方的)
-エネルギー
CALET軌道上
模擬情報
-粒子種別(複数)
-到来方向(地磁気考慮)
-エネルギー
-CALET位置情報
(緯度, 経度 , 高度)
* 電子, ガンマ線を入射
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トリガー効率
検出器
シミュレーション
及び
トリガー判定
CALET観測条件設定
-Trigger Mask
-LD Mask
-LD値
-エネルギー閾値
エネルギー閾値
に対する
トリガー頻度
トリガー頻度
1
エネルギー閾値のLD値依存性
2
LD値に対する
トリガー頻度及び観測緯度依存性
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8
2. 観測条件設定に対する観測データの推定方法
[出力データ]
[入力データ]
入射粒子*
-粒子種別(単一)
-到来方向(等方的)
-エネルギー
CALET軌道上
模擬情報
-粒子種別(複数)
-到来方向(地磁気考慮)
-エネルギー
-CALET位置情報
(緯度, 経度 , 高度)
* 電子, ガンマ線を入射
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トリガー効率
検出器
シミュレーション
及び
トリガー判定
CALET観測条件設定
-Trigger Mask
-LD Mask
-LD値
-エネルギー閾値
エネルギー閾値
に対する
トリガー頻度
トリガー頻度
1
エネルギー閾値のLD値依存性
2
LD値に対する
トリガー頻度及び観測緯度依存性
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軌道上におけるトリガー頻度と
エネルギー閾値の相関
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3.1エネルギー閾値のLD値依存性
ノミナル設定のLD値(LD_0)
LD値の変更
ノミナル設定に定数
(Threshold Setting Factor : TSF)
を乗じて変更
トリガーチャンネル
IMC [MIP]
TASC [MIP]
エネルギー損失
7.5
55
電子に対するトリガー効率
LD = TSF × LD_0
トリガー効率が50%となるエネル
ギーとしてエネルギー閾値を定義
ノミナル設定のエネルギー閾値(電子)
トリガー効率 95%  10 GeV
トリガー効率 50%  5 GeV
TSF=0.25
TSF=2.0
TSF=1.0
ノミナル設定
3.2 エネルギー閾値のTSF依存性
ハードウェア制限である
TSF1.8までの範囲で
線形性を確認
TSF=1.0
ノミナル設定
2014/9/19
LD値の変更によって
エネルギー閾値の調整が可能
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3.3 LD値に対する
トリガー頻度及び観測緯度依存性
ISS軌道一周分
のHEトリガー頻度
ISS軌道の例
低緯度
高緯度
TSF=1.0
ノミナル設定
LD値の変更によって
トリガー頻度の調整が可能
トリガー頻度の支配的要因はエネルギー閾値付近の陽子
高エネルギー電子自体のトリガー頻度は非常に低い
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観測条件設定により、
エネルギー閾値及び
トリガー頻度の調整が可能
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3.4 軌道上におけるトリガー頻度と
エネルギー閾値の相関
50 ± 5 deg (高緯度)
30 ± 5 deg (中緯度)
0 ± 5 deg (低緯度)
TSF=0.25
Rigidity Cutoffにより、
トリガー頻度の
エネルギー閾値依存性は
観測緯度毎に異なる
TSF=0.50
TSF=0.75
TSF=1.0
TSF=2.0
ノミナル設定
低エネルギーのガンマ線は
Rigidity Cutoff の高い
低緯度地方で、より効率的に取
得可能
低エネルギーの一次電子を
観測する高緯度地方の
トリガー頻度を推定
電子のエネルギー閾値に対するトリガー頻度
エネルギー閾値に対するトリガー頻度を予測可能
2014/9/19
運用計画の具体化に向けて、トリガー頻度のエネルギー閾値依存性は重要な判断基準
4. まとめ
観測条件設定に対する観測データの依存性を理解
1. LD値に対する電子, ガンマ線のエネルギー閾値を算出
- ハードウェア制限であるTSF1.8までの範囲でエネルギー閾値との線形性を確認
- エネルギー閾値のLD値依存性の定量化
2. LD値に対する観測緯度毎のトリガー頻度を算出
- トリガー頻度は観測緯度に依存することを確認
- トリガー頻度のLD値依存性を定量化
3. 軌道上におけるエネルギー閾値とトリガー頻度の相関を算出
- トリガー頻度のエネルギー閾値依存性は、観測緯度毎に異なる
- Rigidity Cutoffの影響
- 高緯度ほど依存性が大きい
- エネルギー閾値に対するトリガー頻度が予測可能
- 観測条件設定によって, エネルギー閾値とトリガー頻度の調整が可能
実運用時にトリガー頻度調整をLD値によって行う定量的な判断基準ができた
今後は、観測データ予測に基づき、観測スケジュールの具体化を実施
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End
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3.3 LD値に対する
トリガー頻度及び観測緯度依存性
高緯度
TSF=1.0
ノミナル設定
低緯度
小
TSF
トリガー頻度の
支配的要因は
閾値付近の陽子
大
高エネルギー電子
自体のトリガー頻度
は非常に低い
2010/11/1
ISS軌道一周分
のHEトリガー頻度
LD Thresholdの変更によって
トリガー頻度の調整が可能
観測条件設定により、
エネルギー閾値及び
トリガー頻度の
調整が可能