カテゴリー別にリスクを管理

平成26年度『証券ゼミナール大会』
第2テーマ
「日本の証券・銀行における
リスクマネジメントの今後について」
立教大学 北原ゼミナール
章構成
第1章
金融リスクマネジメントとは
第2章
金融リスクマネジメントの現状
第3章
金融リスクマネジメントの問題点
第4章
今後の具体的なプラン
金融リスク
「金融取引において、あらかじめ想定し
ていない事態が発生するリスク」
信用
市場
流動性
リーガル
オペ
決済
リスク
リスク
リスク
金融機関は多くの金融リスクを管理
しなければならない!
金融リスクマネジメントの定義・意義
①
②
③
①リスクを回避すること
①
②
企業価値
「金融機関が収益最大化のために
金融システム
②リスクを収めること
の極大化に
金融リスクマネジメントを
適切なリスクテイクを行い、リスクの
の安定化に
行う意義は大きい!
寄与する
寄与する
顕在化を最小限に抑えた上で、発生
したリスクを事前に定められた
③リスクを取ること
範囲内におさめる活動」
市場リスク
管理
信用リスク
管理
オペリスク
管理
統合リスク
管理
市場リスク管理
しかし、ストレステストの実施・応用割合をみてみると・・・
金利
リスク
株式
リスク
為替
リスク
コモディ
ティ
リスク
さらに!
限界
ストレス
VaR
テスト
ストレステストが効果的に使われている
カテゴリー別にリスクを管理
とは言い難い!
市場リスク管理 (国債リスク)
中小規模金融機関は・・・
日本においては国債リスクが非常に大きい!
一定のデュレーションのもとで、
金利変動にあわせて柔軟に
大手行は国債保有額の削減を実施!
デュレーションの短期化に成功!
ポートフォリオを構成する必要が
国債暴落に備えた策を講じるべき
ある!
中小金融機関は削減できていない!
デュレーションの引き下げは困難!
である!
市場リスク
管理
信用リスク
管理
オペリスク
管理
統合リスク
管理
信用リスク管理
〈地域銀行における融資〉
信用リスクは・・・
①貸出ポートフォリオが地域経済の
①長期的な視点で、経営の健全性を
「融資先は必ず一定の確率で
構造に大きく影響されている
保つ必要がある!
「正しく案件を審査していれば、貸倒れ
デフォルトする!」
は発生しない」
「取引先とのリレーションの構築」・「コンサルティング能力の向上」
外部
内部
モニタ
信用
②元行員などのOBを有効に活用
②融資に際しての目利き能力が
VaR
格付
格付
リング
低下している
するべき!
信用リスク量の削減を図るべきである!
市場リスク
管理
信用リスク
管理
オペリスク
管理
統合リスク
管理
オペリスク管理
オペリスク管理業務に対する行内における理解
RDBが提供する共同データベースへの参加会員数
オペリスクの特徴・・・
近年、オペリスクは極めて重要な
リスクシナリオ作成
①単体行による損失データ収集の限界
①リスクファクターの特定が難しい!
リスクとして捉えられている
信用リスク
オペリスク
内部損失データ
収集
67行
25行
②経営陣の関心の低さ
②損失発生のパターンが複雑!
とても問題
定量面
やや問題
あまり問題ない
問題ない
CSA
KRI
定性面
「計量化」
現状、オペリスク管理業務に対する行内に
オペリスクに関しては、経営陣の優先順位が
③損失時のインパクトが非常に大きい!
こういった問題点を解決する必要がある!
低いといえる!
おける理解には問題があることがわかる!
市場リスク
管理
信用リスク
管理
オペリスク
管理
統合リスク
管理
統合リスク管理
「リスクカテゴリーごとに評価したリスクを総体的に
捉え、自己資本と比較・対照する」
それぞれのカテゴ
「統合リスク
リーに適した管理
① 管理は、VaRの
②
Plan足し合わせにす
Do
を行い、全体のリ
(計画)
(実施)
スクを把握する
ぎないのではな
いか?」という
「包括的」なリスク
④ 懸念がある!
③
A+B+C+D+E
管理を推し進める
リスク
Act
Check
必要がある!
(改善)
(評価)
提言1
全国地方銀行協会による
データベースの構築
全国地方銀行協会によるデータベースの構築
解決
問題①
全国地方銀行
A.現状、信用リスクのデータベー
②
全銀協が主導で行うと、
スが共存している(使う目的に
協会
差異化が図れない!
複数の
全銀協では
よって差異化を図ることが可能)
全国地方銀行協会による
質の高い損失データの共有化が
①単体行による損失データ収集の限界
データベー
なく、地銀協
可能になる!
データベースの構築は、長期
データ還元
自然加入!
スの共存は
会が主導に
的な視点でみればオペリスク
必然的にオペリスク管理に
可能なの
なる理由は
大手行は自グループ・
管理の高度化につながる!
②経営陣の関心の低さ
関心を持つ状況がうまれる!
か?B銀行 自行内でのデータ収集
何か?
C銀行
A銀行
地方銀行
64行D銀行
で十分である!
提言2
リスクカルチャーの強化
リスクカルチャーの強化
リスクカルチャーとは・・・
「組織内でリスクを管理することやリスクを
リスクカルチャーへの関心
リスクカルチャー強化の取り組み状況
あらた監査法人によると・・・
受容することに対して推奨された一連の許
8%容範囲内の行動、協議、決定や姿勢」
リスクカルチャー
への関心が高
まった
4%
73%
23%
「欧米金融機関と日本の金融機関では大きな差がある!」
92%
さらに
リスクカルチャー
への関心は高
まっていない
大幅な進歩があっ
た
「リスク管理への当事者意識」
変化なし
進歩があった
関心は高まったものの、取り組み状況は発展段階である!
「大手行を除いては限定的な対応状況にある!」
リスクカルチャーの強化
〈リスクカルチャー強化にむけた取り組み〉
ボトムアップ的なアプ
ローチで、リスクカル
研修を通じリスク
チャーの醸成と、それ
リスクコミュ
た人材マネ
カルチャー
に伴う全社的なリスク
ニケーショ
ジメントのマネジメント、「包括的」
ンの充実
実施 なリスク管理が可能に
なる!
提言の確認
①全国地方銀行協会による
データベースの構築
②リスクカルチャーの強化