障害者差別解消法基本資料

合理的配慮に関する留意点
1. 関係性が反復継続し、かつ長期にわたる場合
をどう考えるか(たとえば公立の幼稚園・保
育所、学校)
→ たとえば毎回のように段差解消で職員を4名出動させるの
であれば、スロープを設置した方が結果的に効率的(環境整備
的な側面が強くなる)
2. 合理的配慮の提供までに時間的余裕がある場
合をどう考えるか(たとえば申込みから開催
まで1か月以上ある行政説明)
→ その場で合理的配慮の提供を申し出られても資料の点訳は
不可能だが、1か月あれば準備できるかも知れない
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内閣府・合理的配慮サーチ
1. 内閣府が提供する、合理的配慮に当たると考
えらえる事例などを紹介する専用ページ
2. 障害種別ごと、生活の場面ごとに具体例を一
覧できる検索機能あり
3. 「内閣府 合理的配慮サーチ」で検索、もし
くは下記のURLへアクセス
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/
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合理的配慮不提供と思われる事例
車いすの人が、役場職員に高い場所の書類
を取って欲しいと依頼したのに放置された
実施可能な合理的配慮等はないか?
• 近くにいる職員による対応(合理的配慮)、
総合受付等における付き添い(アテンド)
対応(環境整備)など
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合理的配慮不提供と思われる事例
車いすの人が、役場職員に高い場所の書類
を取って欲しいと依頼したのに放置された
こうした状況もありうる(過重な負担)
• 他の来訪者を対応中で手が離せない
その上でこうした対応も(建設的対話)
• 意見を踏まえて書類ラック自体を低くする
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以上のことから分かることは
★ それぞれに理由がある
障がいのある人が「差別」と感じるのには理由があ
り、行政・事業者側が「差別ではない」と感じるにも
理由がある
★ それぞれに事情がある
障がいのある人が配慮を求めるには事情があり、
行政・事業者側がすべてに対応できないのにも事
情がある
★ だから「建設的対話」が必要
地域における情報共有や建設的対話を含む差別
解消の取組みの場をどのように確保するか
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地方公共団体における対応要領
1. 対応要領の作成は「努力義務」となっている
(差別解消法第10条)
地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、基本方針に即して、第七条に
規定する事項に関し、当該地方公共団体の機関及び地方独立行政法人の職員
が適切に対応するために必要な要領(以下この条及び附則第四条において
「地方公共団体等職員対応要領」という。)を定めるよう努めるものとする。
2. しかし差別的取扱い禁止と合理的配慮の提供は
「義務」となっている
(差別解消法第7条)
行政機関等は・・障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いを
することにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
行政機関等は・・当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的
障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
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地方公共団体における対応要領
3. 差別的取扱い、合理的配慮の両方が義務と
なっているため、職員に対して障害者差別に
関する基本的な考え方や「何をしてはならな
いか」「どういうことが合理的配慮に当たり
うるか」を示す必要がある → これが職員
対応要領
4. 仮に職員が重大な障害者差別を犯してしまっ
た場合に、「努力義務だから(対応要領を)
作成していませんでした」が通用するか?
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地方公共団体における対応要領
5. また、対応要領については服務規律の一環と
して定めることが適当とされている(ゆえに
人事担当部局が作成主体となる)
(差別解消法・基本方針6ページ)
対応要領の位置付け及び作成手続
対応要領は、行政機関等が事務・事業を行うに当たり、職員が遵守すべき服
務規律の一環として定められる必要があり・・
6. 服務規律の一環として定める場合には、地公
体における職員懲戒規定との関係性整理が必
要(何らかのリンクは必要となるが、明示的
に懲戒対象行為として例示できるか)
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地方公共団体における対応要領
7. 対応要領に盛り込む内容は「趣旨」「差別的
取扱いと合理的配慮の基本的考え方」「差別
的取扱いと合理的配慮の具体例」「相談体制
の整備」「研修・啓発」など
8. 対応要領の作成に当たっては、障害者その他
の関係者からの意見を聞くことが努力義務と
されている
(差別解消法第10条)
地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、地方公共団体等職員対応要領
を定めようとするときは、あらかじめ、障害者その他の関係者の意見を反映
させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
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地方公共団体における対応要領
9. 対応要領は任命権者ごとに作成するため、教
育委員会や各局委員会、議会事務局や消防な
どは別に作成(実際には、首長部局の対応要
領に準じることはありうる)
10.地公体における差別的取扱いや合理的配慮
の具体例は、国と異なり具体的な場面が想定
されやすい点が特徴(庁舎内だけでなく、図
書館や博物館、美術館や公民館、各種スポー
ツ施設や公園など)
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地方公共団体における対応要領
11.具体例の検討に際しては、「場面」ごとか
つ「障がい特性」ごとに「差別的取扱い」と
「合理的配慮(物理的変更・意思疎通・ルー
ル変更)」を挙げていき、それらをピック
アップして掲載するイメージ
12.地公体の直営部分だけでなく、指定管理や
委託により運営される施設や事務・事業につ
いても対応が必要(実施は民間だが、発注元
は行政・・特に合理的配慮の提供)
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国会附帯決議【重要部分の抜粋】
衆議院・その1
一 (略)権利条約締結に関する決議(締結済み)
二 (略)基本方針早期作成に関する決議(策定済み)
三 対応要領や対応指針においては、不当な差別的取扱いの具体的
事例、合理的配慮の好事例や合理的配慮を行う上での視点等を示す
こととし、基本方針においてこれらの基となる基本的な考え方等を
示すこと。また、法施行後の障害者差別に関する具体的な相談事例
や裁判例の集積等を踏まえ、不当な差別的取扱いや合理的配慮に関
する対応要領や対応指針の内容の充実を図ること。
四 合理的配慮に関する過重な負担の判断においては、事業者の事
業規模、事業規模から見た負担の程度、事業者の財政状況、業務遂
行に及ぼす影響等を総合的に考慮することとし、中小零細企業への
影響に配慮すること。また、意思の表明について、障害者本人が自
ら意思を表明することが困難な場合にはその家族等が本人を補佐し
て行うことも可能であることを周知すること。
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国会附帯決議【重要部分の抜粋】
衆議院・その2
五 国及び地方公共団体において、グループホームやケア
ホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して周辺
住民の同意を求めないことを徹底するとともに、住民の
理解を得るために積極的な啓発活動を行うこと。
六 障害を理由とする差別に関する相談について「制度の
谷間」や「たらい回し」が生じない体制を構築するため、
障害者差別解消支援地域協議会の設置状況等を公表する
など、その設置を促進するための方策を講じるとともに、
相談・紛争解決制度の活用・充実及び本法に規定される
報告徴収等の権限の活用等を図ることにより、実効性の
確保に努めること。
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国会附帯決議【重要部分の抜粋】
衆議院・その3
七 ・・障害を理由とする差別に関する具体的な相談事例
や裁判例の集積等を図ること。・・民間事業者における
合理的配慮の義務付けの在り方、実効性の確保の仕組み、
救済の仕組み等について留意すること。本法の施行後、
特に必要性が生じた場合には、施行後三年を待つことな
く、本法の施行状況について検討を行い、できるだけ早
期に見直しを検討すること。
八 本法が、地方公共団体による、いわゆる上乗せ・横出
し条例を含む障害を理由とする差別に関する条例の制定
等を妨げ又は拘束するものではないことを周知すること。
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国会附帯決議【重要部分の抜粋】
参議院・その1
一
二
三
四
五
(略)権利条約締結に関する決議(締結済み)
(略)基本方針早期作成に関する決議(策定済み)
(略)衆議院と同内容
(略)衆議院と同内容
本法の規定に基づき、主務大臣が事業者に対して行っ
た助言、指導及び勧告については、取りまとめて毎年
国会に報告すること。
六 (略)衆議院と同内容
七 本法の規定に基づいて行う啓発活動については、障害
者への支援を行っている団体等とも連携を図り、効果
的に行うこと。
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国会附帯決議【重要部分の抜粋】
参議院・その2
八 (略)衆議院と同内容
九 (略)衆議院と同内容
十 (略)衆議院と同内容
十一 本法施行後、障害を理由とする差別に関する具体的
な相談事例や裁判例の集積等を踏まえ「不当な、差
別的取扱い」や「合理的配慮の不提供」の定義を検
討すること。
一二 ・・国の・・情報の収集、整理及び提供・・におい
ては、・・地域協議会と連携するなどして、差別に
関する個別事案を収集し、国民に公開し、有効に活
用すること。
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