軌道計画への品質工学の応用可能性 軌道計画への品質工学の応用可能性 2016年2月12日 ○池内正之、角有司 (JAXA) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 軌道計画への品質工学の応用可能性 研究の概要 構想 • JAXA安全・信頼性推進部では、宇宙機や一般の製品設計者が、概念設計段階で、 品質工学(タグチメソッド)を利用しやすくするための情報化ツール(JIANT)の研究を 進めている。 • 平成26年度より、プロトタイプツールを試作し、様々な設計への適用を試行中。 JIANT: JAXA Integrator for ANalysis Tools • • 本報告は,製作中の新しい品質工学ツールの特徴と、実際に概念設計に適用させて 得られる、最適設計解および感度情報の取得方法について説明する。 対象は、JAXA研究開発部門等で実施している「導電性テザーを用いたデブリ除去の 研究」 における,「デブリ(非協力対象)に対する接近シミュレーション」とした。 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 1 軌道計画への品質工学の応用可能性 JIANTの特徴 と SVAツールとの結合 構想 入力パラメータの 集合を自動作成 解析ツールとインタ フェースして自動で 多くのケースを実行 入力ファイル (CSV形式) 出力ファイル (CSV形式) 結果を、設計者に 分かりやすく提供し 設計指針を与える。 JIANT (品質工学) 既存の 解析ツール SVA (軌道解析) FY26対応済の解析ツール(ソフトウェア) 表計算ソフト (Microsoft社Excel) 構造解析ツール (MSC社Nastran) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 数値計算ツール (mathworks社Matlab) 軌道解析ツール (CIJ社SVA) 2 軌道計画への品質工学の応用可能性 デブリへの非協力接近に応用した理由 構想 「設計空間が広い」 – 軌道要素(パラメータ)として無数の組合せが存在. – 軌道設計は,それらの中から対象衛星に最適な基本軌道を選択する作業. – 概念検討の段階では試行錯誤の連続となる場合が多い. 「設計解が連続的/離散的か分からない」 – 地上局からの可視状態や日照・日影状態を考慮して,シーケンス開始を待ったり 遅らせることがある.これを考慮したシミュレーションを行うと、得られる結果は、 連続的または離散的に様々な変化を示す. 既存の解析ツール SVA: Spacecraft Visualization and Analysis tool CIJネクスト社 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 3 軌道計画への品質工学の応用可能性 課題設定 目的と背景 構想 品質工学手法 ※1 を新分野に応用 目的1 デブリへの非協力接近軌道計画 ※2 に応用できるか? 目的2 その軌道計画は適切 (リスク低減)か? 要求としてロバストか※3 ? ※1 品質工学手法 田口メソッド、実験計画法 これまで,製品の目標達成パラメータのバラつきを小さく設計するなど. モノづくりの詳細・製造設計に応用された. ※2 デブリへの非協力接近軌道計画 軌道計画は、JAXAのデブリ接近ストラテジによる. ミッション実現性 ⇒ システム設計のフロントローディング. ※3 ロバストな要求 軌道計画に関するシステムと運用の目標達成パラメータ(ΔV, T, L)を確認. ロバスト性の可視化. 軌道群 (解集合)として基準を満たすことを評価. ⇒「品質工学は軌道分野に使えるか?」ツールとプロセスを試す. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 4 軌道計画への品質工学の応用可能性 構想 応用対象とした軌道 JAXA研究開発部門等で実施している「導電性テザーを用いたデブリ除去の研究」 における,「デブリ(非協力対象)に対する接近シミュレーション」 DCR SOR フェーズ1 GPS航法 Target E V-bar 停止 O C D DCR2 研究が進み比較的想定し易い領域 ホッピング フェーズ2 B DCR1 A 衛星自立 チェイサ定常フェーズ0 ~300km 可視範囲 Target F E 停止 ・・・・・ 相対航法 ホッピング H 近傍 フェーズ3 Target 最終接近 FA (Fly Around) F G 30m V-bar接近 200m 対象の形状把握、 姿勢計測開始 研究が進んでも複雑さが伴う領域 ・・・ この範囲が対象 井上 浩一,他、導電性テザー実証実験計画,第57回宇宙科学技術連合講演会,2013 H27 宇宙科学情報解析シンポジウム 山元(2015)年度 透,他、軌道上デブリへの接近ストラテジ,第57回宇宙科学技術連合講演会,2013 5 軌道計画への品質工学の応用可能性 品質工学手法 (JIANT)に沿った解析 構想 O: Operation 【運用(軌道)】 (軌道、制御量、環境、等) P: Product 【製品】 (形状要素、質量、推力、等) 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6 7 N PQR ・ ・ ・ △ N PQR ・ ・ ・ △ N PQR ・ ・ ・ × →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 1 2 3 4 5 6 7 →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 1 2 3 4 5 6 7 →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 1 2 3 4 5 6 7 N PQR ・ ・ ・ △ N PQR ・ ・ ・ ○ N PQR ・ ・ ・ △ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 1 2 3 4 5 6 7 →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 1 2 3 4 5 6 7 →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 1 2 3 4 5 6 7 一つの「製品」、多くの「運用」→様々な運用を見越した設計 N PQR ・ ・ ・ ○ N PQR ・ ・ ・ × N PQR ・ ・ ・ ○ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 同じ【製品】、【運用】の計算結果を 縦横に並べて比較評価する。 ⇒複数設計案の比較 ⇒様々なミッションの検討 ⇒結果の追加比較の可能性 →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ 一つの「運用(軌道)」,多くの「製品」→ 新規ミッションのトレンド(衛星コンステレーション)への対応 http://atrain.nasa.gov/ H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 6 軌道計画への品質工学の応用可能性 実装 ツールとケース設定 ◆ツール ・・・ 基本は日本製 ① 品質工学ツール JIANT ② 軌道シミュレーションツール SVA ③ 軌道計画ストラテジ案 論文 ◆実験計画の規模と直交表 表 1で,3因子 (5因子)とする場合, L36 (L50) 直交表. ・解析ケース= 36×36 = 1296 (50×50 = 2500 ) ケース ・・・ 結果が出ても人力で整理し切れない量 ・所要時間=1296分/L36 (約22 (42) 時間; 1分/ケース) ・CPU インテル(R) Xeon(R) E3-1281 v3 プロセッサ ・・・ パソコン (クアッドコア3.7GHz、8MB キャッシュ) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 7 軌道計画への品質工学の応用可能性 入力パラメータ:「製品」 P,「運用」 O 実装 「運用」 O ホッビング高さ変化率 1回のホッビング長 ΔV ホッビング ΔV V-bar 接近 Phase 2 捕獲位置への接近速度 「製品」 P Phase 3 V-bar接近開始距離 V-bar接近速度 V-bar接近終了距離 Fly Around角速度 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 測位精度 GPSなど 視野角 カメラ 測角精度 カメラ 制御時間間隔 V-bar接近 制御時間間隔 Fly Around待機 制御時間間隔 Fly Around中 制御時間間隔 捕獲待機 制御時間間隔 捕獲位置移動 8 軌道計画への品質工学の応用可能性 JIANTとSVAのI/F定義 (入出力、製品/運用) 実装 【製品】パラメータ 7個 【運用】パラメータ 8個 出力パラメータ 10個 上記のパラメータ入出力を可能とするIF機能を追加して実施。 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 9 軌道計画への品質工学の応用可能性 実装 JIANT + SVA 結合シミュレーション ◆シミュレーション ■プロセス ・Phase 2 ホッビング だけ試す. ・Phase 3 近傍 だけ試す. ・Phase 2 + 3 (通し) で試す. ・最初想定した解集合Aの外を探索. フェーズ分割 Sim. フェーズ結合 Sim. 確認範囲を拡大して評価 ・品質工学から、軌道計画を解釈. ◆評価の内容 ・この軌道計画は適切かという評価. ・任意の初期値の軌道から,最適軌道を探索する評価ではない. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 10 軌道計画への品質工学の応用可能性 【製品】【運用】の総当たり計算 実行 左上から順に実施 エラーは赤で表示 (選択して再実行) デブリツールの場合、 1ケース約1分x2500ケース=約42時間 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 11 軌道計画への品質工学の応用可能性 エラー検証機能 実行 本検討を始めた当初の事例: ①全組み合わせ2500ケース中148ケースでエラーが発生 (画面上の赤い点) ②エラーが多く発生するパラメータの傾向分析: 「捕獲位置移動中の制御時間間隔(catchCtrlInt)」が「30秒」の 時に76%のエラーが集中し, 「移動速度(catchVel)」が「0.8m/s」の時に53%が集中。 ③専門家による分析: SVAのバグでは無く,JIANTが設定した 入力値の組み合わせが原因。 これらの値を選択した際は対象(デブリ) を通り過ぎ、計算が収束しない可能性。 ④設計途中では、エラー発生ケースに遭遇しない場合や,また遭遇しても傾向がつかみにくい。 エラーの原因分析,対応に手間取る事があった. 本機能により概念検討がスムーズに進むため,検討の効率化と信頼性向上につながる事が期待される. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 12 軌道計画への品質工学の応用可能性 有効性の期待と結果 結果 (先に結果の説明を少し) 検討前 検討後 フェーズの見方が変化 軌道形状(機能)は変わらなくても、 停止位置・時間(性能)を変えると、 ΔV、運用時間(結果)が大きく変化. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 13 軌道計画への品質工学の応用可能性 結果 シミュレーション結果の整理 ホッピング フェーズ2 Target F E 停止 ・・・・・ ホッピング H 近傍 フェーズ3 Target F 30m V-bar接近 200m G 最終接近 Phase2+3 トータルの結果 FA (Fly Around) Phase2 のみの結果 【感想】「何だこれは?」 という感じ。すぐ慣れる。 Phase3 のみの結果 フェーズ2、3ともに離散的な結果であった。 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 14 軌道計画への品質工学の応用可能性 結果 Phase 2 + 3 の解集合と当初予想 総時間 T 制約条件(総ΔV量<5m/s, 総時間<16時間) を満足するパラメータ範囲は上記である。 という一次結果が得られた。 ΔV総量 当初予想 ここがストライクゾーン 総ΔV量 <5m/s 総時間 <16時間 1軌道の結果を 点(ΔV, T) 表現 T ΔV H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム JIANT + SVA Joint Integrated Simulation による. 15 軌道計画への品質工学の応用可能性 Phase 2 + 3 の解集合(大域解析) 【解集合B】 総時間5時間長く、 ΔV総量が小さい。 結果 ΔV総量 これまでの結果は 【解集合A】【解集合B】を 合成したもの。 【解集合B】を除いてグラフ 化するとつじつまが合う。 【解集合B】 【解集合A】 考察: • 総時間がかかるが、ΔV総量が少なくなる【解集合B】 の存在を知らなかった。 • Phase3の開始時刻を、Phase2の開始時刻と同じにし ていたため、見つけられなかった。 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム• 広くパラメータを振って検証する事の重要性。 16 軌道計画への品質工学の応用可能性 ΔV総量に対する要因効果図 (感度解析) 結果 【製品】パラメータの感度 品質工学の感度・SN比の出力とあわせて、 「パラメータの成立範囲」を出力できる機能の利用。 【運用】パラメータの感度 【製品】パラメータに分類したものは、 感度が低い。(合理化の対象) 【運用】 V-var接近開始距離(200m)、V-var接近 終了距離(30m)、ホッピング高さ変化率(0.85)は、 ΔV総量を減らす効果がある。 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 17 軌道計画への品質工学の応用可能性 Phase 2 + 3 の解集合(詳細解析) 結果 成立解をベースに±2%の範 囲に絞り再解析(ズーミング) を実施。 総時間(14.6~14.7) 総時間 ΔV総量 ΔV総量(4.67~5.55) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 18 軌道計画への品質工学の応用可能性 Phase 2 (ホッビング)のみの解集合 T 出力 ■解集合 1軌道の結果を 点(ΔV, T) 表現 ΔV ΔV = 0.33 ~ 0.45 m/s (変化幅: 0.12m/s) T = 4.02 ~ 7.26 h (変化幅: 3.24h) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 結果 ■特徴 ホッビングでは ΔVは少し変化、 Tは大きく変化 JIANT + SVA Joint Integrated Simulation による. 19 軌道計画への品質工学の応用可能性 結果 Phase 3 (近傍)のみの解集合 ■解集合 1軌道の結果を 点(ΔV, T) 表現 T ΔV 出力 ΔV = 4.23 ~ 7.72 m/s (変化幅: 3.49m/s) T = 7.99 ~ 8.07 h (変化幅: 0.08h) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム ■特徴 近傍フェーズは ΔVは大きく変化 Tは変わらない JIANT + SVA Joint Integrated Simulation による. 20 軌道計画への品質工学の応用可能性 結果 ΔV量 ・ 運用時間T 軌道制御種別 ΔV [m/s] Phase2+3 運用時間T [分] Phase3 Phase2+3 Phase3 ホッビング 0.376 0.000 829 N/A V-bar接近 1.037 1.094 5 7 FA待機 (V-bar上) 0.442 0.325 309 0 フライアラウンド 0.418 0.748 5 5 捕獲待機 0.069 1.478 12 273 捕獲 0.438 0.438 2 3 2.780 4.084 1162 288 合計 V-bar上待機で時間調整し、捕獲待機を短くすると、 ΔV量は減った (解集合B). ホッビング開始距離とV-bar接近距離は調整要. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 21 軌道計画への品質工学の応用可能性 結果 補図 Phase 3のΔV積算値 V-bar接近後の位置保持ΔV ΔV T フライアラウンド後の位置保持ΔV H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム SVA による. 22 軌道計画への品質工学の応用可能性 結果 Phase3だけの軌道シーケンス 昼 夜 SVA による. 前提 地上局だけで運用 (次頁も) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 23 軌道計画への品質工学の応用可能性 結果 Phase2+3の軌道シーケンス 昼 夜 SVA による. 軌道形状,イベント発生順は前図と同じなのに, 待機運用を変えると,地上局上空のイベントが一変. 運用の変化 (ばらつき)を,品質工学ツールで可視化. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 24 軌道計画への品質工学の応用可能性 評価 結果の評価 ① フェーズの区切り方を見直し (案) ・Phase2と3の分界点 ・・・ 当初はPhase2はホッビング終了まで. ・Phase2 ホッビング ・・・ V-bar接近終了(FA開始)までに変更. 要求 対象の相対位置・姿勢精度の高精度な推定とする. Phase3 捕獲に必要な精度の観測値を得る軌道計画とする. 可視時間帯を予測し,Phase2の時間 (待機)一定で制御. ・Phase3 近傍 ・・・ FA開始からに変更. 要求 最短時間または最小エネルギ問題とする. 基本は,運用者判断によりFA開始. 問題無ければ待機 (中断)せず,可視中に捕獲. ・ΔVの余裕 ・・・ 捕獲開始前の安全確保. 要求 捕獲前待機ΔV を,捕獲判断と,再チャレンジ機能として設け, 計画 4.73m/s,実際 2.56m/sで捕獲. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 25 軌道計画への品質工学の応用可能性 評価 結果の評価 ② 個別フェーズの重ね合せ評価の可能性 ・Phase2と3は,通して評価することが適切. フェーズの区切り方によっては、重ね合せ評価は可能 かもしれない. シミュレーション結果の整理 評価指標 Phase2 単独 ホッビング (図2) Phase3 単独 近傍 (図3) Phase 2+3 通算 (図4) ΔV量 (m/s) 0.33~0.45 [3.75] 4.23~7.72 [2.21] 解B: 2.56~4.50, 解A: 4.73~8.34 運用時間T (h) 4.02~7.26 [2.24] 7.99~8.07 [100.87] ΔV (Phase2) + ΔV (Phase3) = 4.56~8.17m/s T (Phase2) + T (Phase3) H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム = 12.01~15.33 h 14.5~19.5 [ ] は品質工学 のS/Nに倣った. 大きいと安定. 100.87 = 8.07/ (8.07-7.99) 26 軌道計画への品質工学の応用可能性 評価 結果の評価 ③ 軌道が測位に与える影響 ・・・ 結果のみ報告 ・Phase2 ホッビングの特徴 総ホッビング長は,総ΔV量を決める.ホッビング回数(高さ)によらない. ⇒ ホッビング長のΔV感度は低く,運用時間の感度は高い (周回単位変化). 総ΔV量を固定して,対象を識別(赤外光や可視光反射)する時間帯と, 対象を測位する軌道位置関係を計画できる. ⇒ホッビングは,対象の相対位置・姿勢推定(回転状態)に向いている. ・ Phase2 ホッビングは,測角航法 (AON)から物体視航法への関所 対象の物体識別,物体視航法にスムーズに移行する軌道を計画する. ホッビング ⇒ V-barから遠ざかる ⇒ 仰角増加 ⇒ 測角測距精度が上がる. ΔVが可観測性に寄与 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 27 軌道計画への品質工学の応用可能性 評価 JIANT+SVA結合ツールの特長 ① 一般的視点から,全体像と付加価値のある手掛りが得られる. ・「要求条件の見落とし」、「予断による決めつけ」の手掛り. ・エラー解のパラメータ分析,ケース設定条件の見直し. ・他の出力結果と比較し,モデル定義の誤りや不適切さを抽出. ・「当初選択したパラメータが適切か」を確認し易い. ・バグがなければ失敗しない。 実力通りの解が出る。 ・3(5)因子解析. ・パラメータ幅は適切か. ・予測した知見と同じか. ②問題設定やモデル定義を深め,検証が先まで繋がる. ・目標パラメータ(出力)の追加が容易, ・特長 全体像が先に分かる.基本⇒詳細モデルにブレークダウン. ・実験計画法を適用でき,その様に結果を収納可能. 製品と運用の入替え (設計進捗に応じた視点変更) ⇒ 新しい. ・印象 慣れると楽に使える.情報共有できる. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 28 軌道計画への品質工学の応用可能性 評価 課題 応用とコラボ ◆フェーズ分割と結合の判断基準 ・Phase を結合・分割する際の境界条件の基準. ・一般論があるかもしれない, ・軌道毎に評価方法が異なるかもしれない (個別の特殊性). ◆専門領域の検証.誘導制御を含めた品質工学の応用 ◆他の軌道計画への応用と共通課題の検証 ・共通領域の専門化.他分野の専門家の知見と整合するか. ⇒ 「検証」について様々な一般的知見の取得 例: 科学ミッションと軌道計画の最適な運用調整に役立つか. ・プロセス・使用法 効率よく検証できるか? 実運用に使えるか? ⇒ 解けば解くほど,検証能率が良くなるか. H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 29 軌道計画への品質工学の応用可能性 まとめ • 品質工学ツール(JIANT)と軌道解析ツール(SVA)を連携し、概念検討への適用として、 軌道計画に応用が可能であることを事例で示した。 • JIANTの特徴を確認した 従来の品質工学手法と異なる点 – – – – 【製品】【運用】のパラメータに整理する事で、概念設計での利用が可能。 異なる設計案の比較、一つの【製品】で複数の【運用】を実施する検討が可能。 設計解の成立範囲の出力が可能。 解析ツールのエラー検証機能の利用が可能。 • 「デブリ(非協力対象)に対する接近シミュレーション」へ適用して、 ①エラー検証機能、②最適パラメータ可視化、③感度情報可視化、等を示した。 • JIANTは、FY27年度末までに、製作・試験を完了して、 JAXAエンジニア、及び宇宙機や一般製品のエンジニアの利用環境を整備する予定。 H27 (2015)年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 30
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