中沢 梓 物 語 展 Gallery Forgotten Dreams 2012年7月21日(土) ~ 8月12日(日) 開催概要 開催内容 : 中沢 梓による平面作品 全22点 会 期 : 2012年 7月21日(土) ~ 8月12日(日) 12:00 ~ 19:00 月・火曜休廊 会 場 : Gallery Forgotten Dreams ギャラリーフォガットンドリームス 東京都江東区白河1-3-21 2F Tel & Fax 03-5809-8217 オープニングパーティ : 2012年 7月21日(土) 16時より Gallery Forgotten Dreamsにて お問い合わせ先 Gallery Forgotten Dreams ギャラリーフォガットンドリームス 担当:田原 恵 〒135-0021 東京都江東区白河1-3-21 2F Tel & Fax 03-5809-8217 Mail [email protected] Website http://www.facebook.com/galleryforgottendreams 「可愛い」と惹かれるうちに、日本画の魅力にも気付かされていく掌品群 中沢梓は、「人、弓、馬」に特別な想いを抱いてきた日本画家である。 学生時代弓道部に所属していた中沢は、「流鏑馬」を最も愛し、表現の題材としても人馬や弓引く人、 さらには弓をとる馬上の姿などを多く描いてきた。自然にそうした素材が最も生きる日本の歴史画も 度々取り上げている。 さらに本物の馬を描き出すためにしばらく厩舎に勤め、歴史画における正しい馬の姿を求めて日本在 来馬の取材にも足を運んでいる。 その腕は、斯界では必読書でもある「月刊弓道」の表紙絵を一年間手掛ける程の力を持っている。 清潔感に溢れ凛とした風格を感じさせる作風が彼女の最大の持ち味である。 今回、中沢はこうしたこれまでのテーマとは異なる新たなチャレンジを行なっている。 それは、「物語絵」とでも呼ぶべきユニークな作品群である。 これは片手に持てる程小型のサイズにお姫様や天女といったヒロインたちやその他の人物などを簡 潔に描写し、そのシンプルな魅力が画面全体に漲った作品となっている。 とても可愛らしく画面に惹き込まれてしまうため、思わず絵を手にとって間近に見入り愛玩したくなって しまいたくなる掌品たちである。 古来日本人は「可愛いものを愛でる」という嗜好性を持ってきている。 絵巻がマンガのようだと言われ現代でもすんなり受け入れることができるのは、こうした日本人の心性 が持つ不変性からではないだろうか。 清少納言も枕草子の中で「うつくしきもの(可愛いもの)」(第151段)という章を設けている程であり、 取り上げられている内容は、現代人でもほぼ変わりなく可愛いと思えるものばかりである。他にも随所 に同様の感性が垣間見られる(「心ときめきするもの」etc.)。 堤中納言物語中の「虫愛づる姫君」では、その対極の趣味を描きながら、「可愛くないものを愛でる」 人間を変わり者である、と位置づけることでむしろ一般的な嗜好の基準を浮き彫りにしている。 更級日記の作者のように物語に対する憧れも昔から変わりないようだ。 そうした意味では、「物語絵」は日本における根元的なテーマの一つである、と捉えることもできる。 中沢は、その描写において、日本画の持つ魅力を最大限発揮している。 人物・事物については基本線描を活かし、すっきりと伸びやかに描き出している。 また、その彩色に際し日本絵具の持つ澄んだ美しさをできるだけ損なわないよう、混色を極力排し透 明感のある爽やかな色合いによって画面が形作られている。 あえて小型の画面を用いシンプルな構図で構成することにより、物語の一瞬をそこに封じ込めている。 同時に絞り込んだ表現により、描かれた画面の外に、時間的に言えばその前や後に訪れるさまざま な物語世界を想像し鑑賞者の心の中で描き出して楽しむ、ということを可能にしてくれる。 そう考えると、一見大きくこれまでの作者の作風とは異なるように見える「物語絵」も中沢が愛する「日 本的なるもの」「日本人が愛し心躍らせるもの」ということでは全く揺るぎなく、通底する世界を描き続け ているのだ、とも言える。 そして、手にとって鑑賞することも可能、というスタイルは、絵巻を手に持って巻き進めながら物語を楽 しむ、平安以来日本人が親しんできた「うつくしきもの」への触れ合い方と同じであると言って良い。 今回、こうした「物語絵」を中心にしながら、「人・弓・馬」作品も加え、まさに中沢にとって「たのしきも の」に囲まれるような展示空間が実現する予定である。 訪れた方も、作者と同様に少しでも楽しい気分になれること、それが今回一番の願いである。 親指姫 2012 紙本著色 130×230mm 春の歌 2012 紙本著色 130×230mm 流鏑馬・春の神事 2011 紙本著色 725×605mm なかざわあずさ Profile 1984 2003 2007 2009 東京都に生まれる 女子美術大学 日本画専攻 入学 同学大学院 日本画研究領域 入学 同学修了 4月、馬を描くため、社団法人東京乗馬倶楽部にて、研修生となる。 2012 現在、画業の傍ら、日本画講師として活動する。 愛知県在住 展覧会、その他の活動 2008 2009 8人による日本画展「WOMAN」(Jトリップアートギャラリー) 全日本弓道連盟月刊機関誌「弓道」の表紙絵を担当。 (平成21年1月号第704号より、同年12月号第716号まで) 岩野雅代、中沢梓による日本画二人展「differences」(画廊るたん) 4大学(女子美、多摩美、武蔵野美、東北芸大)大学院卒業生による 有志学外展 「START」(東京銀座画廊) 練馬区美術館「美術講座・はじめての日本画」にて講師を務める。 2010 坂口優美、中沢 梓による木版画、日本画二人展 「気のあう二人~同時開催・二人の母展~」(世田谷美術館区民ギャラリー) 放送局グリーンチャンネル 月曜馬劇場「KEIBAなんでも調査室」 「馬の描き方講座」に講師として出演 練馬区美術館「美術講座・はじめての日本画」にて講師を務める。 第一回個展「中沢 梓展~人と馬~」(画廊るたん) 2011 ドローイング・デッサン・版画コンクール 入賞者展 女子美術大学OG愛知在住作家展「Jアート」(愛知県立美術館) 春日井市アトリエ「HAPPY」にて、日本画講師を務める。 新日本画古典研究会・準備展(おうぎや:GINZA FIVE 2F) 2012 宝居智子・中沢 梓による「第一回 新日本画古典研究会・蚕雅展」(銀座 月光荘) 公募展・コンクール受賞 2008 2009 2010 2011 源氏物語一千年記念祭「源氏物語の姫君たち展」 入選 優秀賞受賞 パルテノン多摩公募‘09 「子供を見つめる」 入選 ドローイング・デッサン・版画コンクール 入選 銀賞 ロジェ・ブイヨ賞受賞 パリ国際サロン 出品招待 「自画像」 F8号 ミクストメディア 2010年
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