学生諸君へのはなむけ 2016年1月12日 明治学院大学法学部教授 加賀山 茂 2016/1/12 Lecture, 2015-2016 明学生としての誇りを持とう 建学の精神である “Do for others” 法学部の学則 法学や政治学が,社会の平和と人々の幸福を目指すも のであるという本来の出発点に常にたちかえり,さらには 現代社会において新たに発生する諸問題に対処すべく, 人間の尊重,弱者救済の視点から,学部における教育・ 研究を行うものとする。 “Do for others”の民法的解釈 他人の意思の探究と尊重(自分の意思は劣後) 民法697条(事務管理)の「適合性原則」の解釈 2016/1/12 Lecture, 2015-2016 法学部の学生であることに誇りを持とう 法学部の学生であることに誇りを! 法律も,判例にも,著作権がない(著作権法 13条)のは,“Do for others” の一例 判例は,人類の永遠の宝 事実に法がどのように適用されたか (このプロセスをマスターすることが, 「法学部の学生の売り」となる)について の歴史が記録されたもの (参照)カイム・ペレルマン 『法律家の論理 ―新しいレトリック』木鐸社(1986/07/10) 2016/1/12 Lecture, 2015-2016 人生に目標を もう一度生まれてきても,同じ人生(職 業,伴侶,趣味など)を何度でも繰り返 したいと思えるような選択をしよう。 偉人伝を読んで,困難に立ち向かおう。 たとえば,平光雄『こどもたちが目を輝か せて聞く偉人の話』致知出版(2015/8/25) を読んでみよう。 この本は,人生のモデルに出会う方法,そ して,人生で必ず出会う困難を乗り越える 方法を教えてくれる。 2016/1/12 Lecture, 2015-2016 愛を育み,大切に 愛とは何か 恋(性愛)の三段活用(個性の消滅と一体化) 1. あなたといると楽しい,そして,ワクワク,ドキドキする。 2. あなたがいないと淋しい。死にそう。 3. あなたが,他人と楽しくしているのを見ると,心が乱れる。 しかし,恋は4年半で消え去る(個性の復活) 愛を育み,共生するには 共通の目標が大切(目標に向かって共に歩む) 2016/1/12 Lecture, 2015-2016 「はなむけ」のまとめ 明治学院大学の学生であることに誇りを持ち, 法学部の学生の「売り」を身につけ, 生まれ変わっても,繰り返したくなるような 人生の目標,職業,伴侶を見つけ, 自分一人の人生でないことを銘記し, いのちとからだを大切に。 加賀山 茂 2016/1/12 Lecture, 2015-2016 参考文献 議論の方法 法律家の思考方法 イェーリング(小林孝輔=広沢民生 訳)『権利のための 闘争(原著1872年)日本評論社(1978) カイム・ペレルマン(江口三角 訳) 『法律家の論理―新し いレトリック』木鐸社(1986) 加賀山茂『現代民法 学習法入門』信山社(2007) 加賀山茂『契約法講義』日本評論社(2009)438-440頁 平井宜雄『法律学基礎論の研究-平井宜雄著作集Ⅰ』 有斐閣(2010) 失敗から学ぶ,苦難を乗り越える 福澤一吉『議論のレッスン』NHK生活人新書 (2002) 岩田宗之『議論のルールブック』新潮新書 (2007)206頁 スティーヴン・トゥールミン(戸田山和久,福 澤一吉訳)『議論の技法(The Uses of Argument(1958, 2003)) トゥールミンモデル の原点』東京図書(2011) 経営学入門 戸部良一=寺本義也=鎌田伸一=杉之尾孝生=村井友秀 =野中郁次郎『失敗の本質-日本軍の組織論的研究』1 中公文庫(1991)(1984ダイヤモンド社刊) 鈴木博毅『「超」入門 失敗の本質-日本軍と現代日本 に共通する23の組織的ジレンマ』ダイヤモンド社(2012) 平光雄『こどもたちが目を輝かせて聞く偉人の話』致知 出版(2015/8/25) 2016/1/12 Lecture, 2015-2016 甲斐莊正晃『女子高生ちえのMBA日記 社 長だもん,もっと勉強しなくちゃ!!』プレジデ ント社(2010) P.F.ドラッカー(上田惇生訳)『非営利組の経 営』ダイヤモンド社(2007) 伊丹敬之=加護野忠男『ゼミナール経営学 入門』〔第3版〕日本経済新聞社 (1989,2003)
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