鳥人間型滑空機の 安全と飛行戦略 2015秋鳥人間交流会@創価大学 九州大学鳥人間チーム 渕田 翔 滑空機は落ちやすい? 発進直後に 墜落した機体の割合(墜落数/飛行数) 滑空 ディスタンス TT 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 2011 2012 2013 2014 2015 墜落する主な要因 • • • • 重心位置の調整ミス 操縦系の不具合 翼端失速 乗り込みミス • 高翼面荷重機の対気速度不足 • 引き起こしタイミングの遅れ • 不適切な水平尾翼取り付け角 • 曲げ荷重による桁破壊 • 主桁のねじり • etc • 発進時重心位置が大きく移動 • 乗り込みから操縦開始までにタイムラグ • • • • • 乗り込み(速やかに適正位置へ) 感知(機首上げor機首下げ) 判断 操作(体重移動 操縦桿の操作) 応答 墜落時の軌道 失速or引き起こし遅れ 失速 プ ラ ホ 水面 風は選べない 重量、主翼面積、容積比、etc 主翼位置 水平尾翼取り付け角 テール保持角 初速 プ ラ ホ 風の状況 機体緒元 フライトプラン 水平尾翼 取り付け角 セッティング セッティングがまずいと… • 引き起こしが間に合わず墜落 • 頭下げが間に合わず失速 体重移動方式では • 強い向かい風で降下できない 経験が浅いパイロットの場合 2秒間操縦しなくても落ちないような セッティング 失速 2秒 プ ラ ホ 水面 飛び出しのシミュレーション • 飛行試験・過去のフライトデータから補正 • 様々な風に対するセッティングプランを準備 水平尾翼取り付け角調整機能 • プラホ上で1分以内に変更できるもの 飛距離を決めるのは 操縦 (飛行経路) 機体 飛距離 風 ではなく… 全ての要素の組み合わせが重要 機体 操縦 (飛行経路) 飛距離 風 風がない場合を考える 使えるエネルギー 飛行距離 = 抵抗 使えるエネルギーを大きく 抵抗を小さく 初速 𝑣0 初めに持っているエネルギーは 1 2 𝐸𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡 = 𝑚𝑔ℎ + 𝑚𝑣0 2 位置エネルギー 運動エネルギー プ ラ ホ 着水直前に持っているエネルギーは 1 2 𝐸𝑓𝑖𝑛𝑖𝑠ℎ = 𝑚𝑣𝑓 2 運動エネルギー 失速速度 𝑣𝑓 利用可能エネルギー[N・m] 飛行に使えるエネルギー 1 1 2 2 𝐸 = 𝑚𝑔ℎ + 𝑚𝑣0 − 𝑚𝑣𝑓 2 2 QX-15の質量を変えた場合 10000 9000 8000 通常利用領域 7000 6000 50 100 150 200 全備重量 [kg] 250 1 1 2 2 𝐸 = 𝑚𝑔ℎ + 𝑚𝑣0 − 𝑚𝑣𝑓 2 2 全備重量 𝐷= 1 2 𝜌𝑣 𝑆𝐶𝑑0 2 + 2 𝑛𝑚𝑔 2 1 𝑏 𝜋𝜌𝑒 𝑣 2 最適重量が存在 • ダイブ • 棒飛び • 重め • 軽め QX-15 の質量を変化させた場合(無風) 飛距離[m] 420 400 380 棒飛び(降下角2度) ダイブ(降下角10度) 360 340 70 80 90 100 110 120 全備質量 [kg] 地面効果、速度に応じたRe数変化考慮 風がある場合を考える 右から風 前に運動 斜め前から 風が吹いてくる 揚力の一部が推力に! 𝜃 𝜃 揚力 風速が大きく 機速が小さいほど 影響が大きい 追い風中降下 揚力 対地速度 追い風 対気速度 揚力の一部が推力に! 追い風 向かい風 降下 お得 損失 上昇 損失 お得 向かい風中で 棒飛びでの低速降下は大損 1 1 2 2 𝐸 = 𝑚𝑔ℎ + 𝑚𝑣0 − 𝑚𝑣𝑓 2 2 𝐷= 1 2 𝜌𝑣 𝑆𝐶𝑑0 2 + 𝑛𝑚𝑔 2 2 1 𝑏 𝜋𝜌𝑒 𝑣 2 有害抵抗 誘導抵抗 向かい風 損失を小さく⇒ダイブ ダイブ及び向かい風により対気速度↑↑ 翼面積小さめ 重量大きめ 高翼面荷重機 追い風 向かい風 高翼面荷重 小得 ダイブ 低翼面荷重 結構 棒飛び お得 小損 大損 風によって有利な翼面荷重が違う プラホ上で翼面荷重を変更したい 翼面積変更はムリ 重量ならイケル バラスト! QX-15 の質量を変化させた場合 (向かい風2.5 m) 370 飛距離[m] 360 350 340 330 棒飛び(降下角2度) 320 ダイブ(降下角10度) 310 70 80 90 100 全備質量 [kg] 110 120 2015年鳥コンのフライトプラン • 1時方向から向かい風2.5 m/s • バラスト約5.5 kg 搭載 • 11時半方向へ発進 高度4 m程度までダイブ ラダーにより9時方向へ変針 追い風を受けつつ降下
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