LHC計画アトラス実験におけるVV → H →WW→lvjj チャンネルによるヒッグス粒子探索 筑波大物理,高エ研A,東大素セB,岡山大理C 千石大樹,原和彦,神前純一A,浅井祥仁B,上田郁夫B 田中純一B,真下哲郎B,田中礼三郎C 他アトラス日本物理グループ Higgs粒子生成過程 シグナルとバックグランド イベントセレクション 結果 まとめと今後の予定 2004/3/27 第59回年次大会 LHC実験とATLAS検出器 スイス,フランス両国に跨るヨーロッパ素粒子研究CERNの地下に ある一周約27 kmのLEPトンネル.その内部に加速管を作り,陽子 を7 TeVまで加速衝突させて起こる事象を観測する.2007年稼動 予定. 45 m 重心系エネルギー 14 TeV 積分ルミノシティ 前半3年 10fb-1/年 後半7年 100fb-1/年 22 m 各生成過程の生成断面積と分岐比 √ → 崩壊分岐比. MH>160GeV以降は WWへの崩壊が主. ← ヒッグス粒子の生成断面積. VVはggHに次いで断面積が 大きい. VV過程の特徴 1.WやZ等,重い粒子を交換 するため, 検出器前方に大きな pTを持ったジェットが観測される. 2.ヒッグス粒子の崩壊粒子は 中央部で観測される. 3.散乱粒子の間にカラーの 交換が無いため, 検出器 中央部におけるジェットは 少ない. VV過程のファインマン図 VV 過程の幾何的な特徴を解析に用いる. シミュレーションデータの作成 解析の対象 4つ以上のジェットと1つのレプトンおよびミッシングET シグナル ・Hjj→WWjj→lnjjjj(シグナル) PYTHIA6.2 バックグラウンド ・tt → WWbb → lnjjbb ・W + jjjj → lnjjjj ・WW + jj → lnjjjj(QCD) (EW) PYTHIA6.2 PYTHIA6.2 PYTHIA6.2 CompHEP4.1+PYTHIA6.2 簡易検出器シミュレータ [ATLFAST] を通したデータを解析した イベントセレクション (1)基本カット |h|<2.5, pT>30 GeVの荷電レプトンが1つだけ ミッシングET>30 GeV b-ジェットが1つも無い. |h|<5.0, pT>20 GeVのジェットが4つ以上6つ以下 イベントセレクション -MH160GeVシグナル -tt (2)フォワードジェットタグ M12 > 1200 GeV Dh=|h1 - h2| >4.4 h1*h2 < 0 pT1 > 40 GeV, pT2 > 20 GeV 不変質量 GeV j 0 h イベントセレクション -MH160GeVシグナル -tt -wjjjj (3)W→jjの再構成 60 GeV < M34 < 100GeV 25 GeV < pT3 < 100 GeV 25 GeV < pT4 < 75 GeV hmin < h3,h4 < hmax フォワードジェットとのΔR<0.7 不変質量 GeV j ○ ○ × 0 h イベントセレクション (4)W→lnの再構成 <荷電レプトンとミッシングpTからWを再構成> Mln=80.423 GeVとなるようにニュートリノのpZを決定する.この時pZに 対して2つの解が得られるが, 後ほど1つの解に絞る. ミッシングET W候補1 W候補2 レプトンの運動量 イベントセレクション (5)スピン相関 Wからのジェットは,1つはレプトンと 同じ方向に,もう1つはレプトンの 反対方向に出やすい DRmin DRmin <1.0かつDRmax <2.0 W H W l j W W n j -MH160GeVシグナル -tt -wjjjj DRmax イベントセレクション (6)ヒッグス粒子質量 の再構成 再構成されたW(ln)W(jj)を使って ヒッグス粒子を再構成する. ニュートリノのpZによって2つの W(ln)が再構成されるが ヒッグス粒子の|h|が小さくなる 方のW(ln)を採用する. |h|小 |h|大 ヒッグス粒子の質量(h小) ヒッグス粒子の質量(h大) -正解 -不正解 結果(1) ATLAS稼動最初の3年分のルミノシティ,30 fb-1で計算 バックグラウンド シグナル ヒッグスの質量 散乱断面積 pb カット後の イベント数 120GeV 0.60 19 tt 130GeV 1.21 45 140GeV 1.85 89 150GeV 2.39 160GeV 生成過程 散乱断面積 pb カット後の イベント数 493 31 Wjjjj 8580 90 WW(QCD) 65.3 <1 142 WW(EW) 0.70 9 2.88 205 合計 170GeV 2.89 204 180GeV 2.60 161 190GeV 2.05 114 200GeV 1.81 93 130 MH=160GeVでの 結果. 点線部が バックグラウンド 結果(2) 事 象 数 20 10 S/√B = 18.03 0 100 200 300 400 質量 GeV 結果(3) S/√B=5となる積算ルミノシティ 30fb-1でのS/√B S/√B fb-1 20 100 15 80 10 60 40 5 20 0 120 140 160 180 200 質量 GeV 0 120 140 160 180 200 質量 GeV まとめと今後の予定 H→WW→lnjj チャンネルは,単独でもヒッグス粒子 を発見できるほど有望なチャンネルである. W+4jetのバックグラウンドを PYTHIA(W+j+パートンシャワー) MadGraph(W+4jマトリックスエレメント) の二つで比較したい. MH<2MWのH→WW*過程では,W*→jjに最適化した 解析を行う必要がある.
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