星間物理学 講義5資料: 電離ガスからの放射過程 1 電離ガスからの放射過程についてのまとめ。1回目 は電離と再結合輝線を中心に。 2011/12/14 光電離ガス : HII 領域、オリオン大星雲 M42。中心にはトラペジウムと言われる大質 量星の集団があり、その周りに光電離領域が広がる。 光電離ガス : HII 領域 系外銀河 M33 の中にある NGC604 光電離ガス る部分)。 : 系外銀河 M51 の中に点在する光電離領域(赤く見えてい 光電離ガス : る部分)。 系外銀河 M51 の中に点在する光電離領域(赤く見えてい 光電離ガス :HSTで観測されたいろいろな形状の惑星状星雲。中心には 有効温度の高い(10^5 K)白色矮星があって光電離している。 光電離ガス : 活動銀河核 (Active Galactic Nuclei) の狭輝線領域 (Narrow Line Region)は銀河中心のブラックホール(降着円盤)からの放射 による光電離された領域。 電離ガスの性質 : 水素状原子の軌道の形状 From wikipedia 電離ガスの性質 : 水素のエネルギー準位図 重要な点: 電離に必要なエネルギー 13.53eV (912A) 第一励起状態へのエネルギー 10.15 eV 小暮 1994 星間物理学 (1216A:Lya) 電離ガスの性質 : ヘリウムのエネルギー準位図 小暮 1994 星間物理学 重要な点: 1階電離に必要なエネルギー 24.47eV(504A)、2階電離に必要なエネルギー 54.12eV(228A) 第一励起状態へのエネルギー 19.77eV(624A) と 40.50eV(304A) 電離ガスのスペクトル : 電離源のスペクトル(中心星の有効温度)、周りのガスの密度、で変化する。 [OII] [OIII] [OI] 低電離エネルギーのイオンが支配的。 中心星~10,000K、密度 1000cm-3、 Te~7,000-25,000K 高電離エネルギーのイオンが支配的。 中心星~100,000K、密度~1000cm-3、 Te~10,000K さまざまな電離状態のイオンが存在す る。中心~パワーロー連続光、密度 1000cm-3、Te~10,000K 電離源のスペクトル 高温度の星から出てくる紫外線が電離には重要。 電離源のスペクトル 高温度の星から出てくる紫外線が電離には重要。質量の重い星、白色矮星 Iben 1967, ARAA, 5, 571 Shaw & Kaler 1989, ApJS, 69, 495 電離源のスペクトル 高温度の星から出てくる紫外線が電離には重要。金属量の低い宇宙 初期の星では温度が高い。 電離源のスペクトル 活動銀河中心核の場合には非常に広い波長域にわたって平坦なスペ クトルをもつ。電離光子のスペクトルも高いエネルギーまで伸びて いる。 銀河スケールでみた場合の輝線 : 輝線による診断、分類 [OII] Ha,NI I Hb [OIII] Kauffmann, 2003, MNRAS, 341, 33 Tremonti et al. 2004, ApJ, 613, 898 銀河スケールでみた場合の輝線 : 輝線による診断、分類 輝線比を用いたAGNの検出。 AGNs tend to have stronger highly ionized emission lines, like [OIII] Solid line :selection line by Kewly et al. (2001) model calculation, Dashed line : empirical line. Kauffmann et al. 2003, MNRAS, 346, 1055
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