プラスチック文化と環境ホルモン 03E1307J 03E1322B 03E1323A 03E1345A 小川 杉山 鈴木 松村 聡之 祐也 高徳 富穂 プラスチックとは何か プラスチックとは合成樹脂(合成高分子化合 物)またそれらの合成樹脂を添加剤として配 合した合成物の総称である。ギリシャ語の plastikosに由来し,可塑性物質で,特に合成 樹脂またはその成型品として定義される。昔 は石炭から作られていましたが今ではほとん どが石油から作られています。 プラスチックの歴史 1.プラスチックの黎明期 2.プラスチックの第一期黄金期 3.プラスチックの第二期黄金期 4.プラスチックの第三期黄金期 1.プラスチックの黎明期 1835年 ルニョー(仏)によりポリ塩化ビニール粉末の発見 1851年 グッドイヤー(米)が硬化ゴム(エボナイト)を発明 ハンコックも同時期に発明する。 1861年 ハイアット兄弟(米)がニトロセルロースにショウノ ウを混ぜてセルロイドを開発。 1907年 ベークランド(米)がフェノール樹脂を開発。 この時期をプラスチックの黎明期と呼ぶ 物質例 ポリ塩化ビニル フェノール樹脂 2.プラスチックの第一期黄金期 1920年 尿素樹脂(ユリア樹脂ともいう。)が,ドイツで発明。 フェノール樹脂とならぶ熱硬化性樹脂。 1927年 ポリ塩化ビニルの工業化に成功(ユニオン・カーバ イト社(米))。第2次大戦後,フィルム・成形品・繊 維に汎用される。 1935年 カロザース([米],デュポン社)が,ポリアミド(ナイロン 66)を開発。 この時期をプラスチックの第一期黄金期と呼ぶ 物質例 尿素樹脂 ポリ塩化ビニル 6,6ナイロン 3.プラスチックの第二期黄金期 1956年 バイエル社(独)が,ポリカーボネートを合成。 1956年 デュポン社(米)が,ポリアセタールの工業化に成功 (商品名はデルリン)。 ポリアセタールの末端をアセチル化で熱安定性の向 上に成功。 1959年 デュポン社(米)が,ポリアセタールを工業的に開発。 この時期をプラスチックの第二期黄金時代と呼ぶ 物質例 ポリカーボネート 4.プラスチックの第三期黄金期 今日は例えばPLAは医学的な応用分野があり,たとえば 体内に埋め込む材料やドラッグデリバリー(薬を体内で ゆっくりと放出するようなしくみ)などに用いられている。こ のPLAは生分解性なので縫合糸などに用いられている。 この時期をプラスチックの第三期黄金時代と呼ぶ 物質例 ポリ乳酸 ポリグリコール グリコール酸・ポリ乳酸共重合体 PETボトルについて • PETボトルが、なにから生まれるか ご存じですか? ヒント 「プラスチック」の代表選手は、ポリエチレ ン、ポリプロピレン、プラモデルなどに使わ れるポリスチレン、繊維に使われるナイロン、 ポリエステルなど。 答え • PETボトルはポリエステル(ポリエ チレンテレフタレート)からつくられ ます。ですから素材的には、ワイシャ ツやブラウスなどの繊維やビデオ・ オーディオテープと兄弟にあたるわけ です。 POLY ETHYLENE TEREPHTHALATE プラスチックの生産量 問題 • プラスチックは日本で 年間どれだけ生産され ているでしょうか? 答え • プラスチックは日本では 1,364万トン(20 01年) 分野別プラスチック消費量では包装容器が最も多く、 日本・世界ともプラスチック消費量全体の約35% (2000年)を占め、第1位を占めています。PE Tボトルはプラスチック包装容器に位置づけられます。 補足説明 • PETボトルは便利なプラスチック容器とし て、とっても身近なものとなりました。日本 では1996年に20万トンの生産量だった ものが、5年後の2001年には44万トンと 倍増し、PETボトルの暮しに果たす役割は ますます重要なものとなっています。 PETボトルの安全性 疑問1 プラスチック製の容器や食器から、有害 物質が溶け出すのではないか 疑問2 燃やしても大丈夫なのか 疑問1の説明 食品の包装容器に使用されるプラスチック 製品は、国の規格と業界団体の規格に適 合しています。 もちろんPETボトルはこれらの規格に適合 していて、衛生試験確認証明書がなければ 使用しないことになっています。 疑問1の説明 国の規格とは・・・ 昭和57年に告示された食品衛生法の 厚生省告示20号で、食品に接触する 包装容器に使用されるプラスチック製 品の規格。 疑問1の説明 業界の規格とは・・・ 昭和48年に設立された業界団体(樹脂メー カー、成形加工メーカー、添加剤メーカー、 食品メーカーなど)ポリオレフィン等衛生協 議会による自主規格のこと。この自主規格 は、アメリカFDA(連邦食品医薬品局)やE C各国の規格に準拠して作られているので す。 疑問2の説明 燃やしても大丈夫なのか? 燃やしても安全です! 疑問2の説明 • PETボトルは、PET樹脂からつくられます。 酸素 炭素 水素 疑問2の説明 • このPET樹脂、実は木や紙と同じ炭素・酸 素・水素の3元素からできているのです。 つまり、燃やすと二酸化炭素と水になるだ け。有害ガスを出さないのです。食品など を入れても安心なだけでなく、燃やした場 合でも安全です。 環境ホルモンとは 公式には「(外因性)内分泌かく乱(化学)物 質」。簡単に言えば,環境中のに偏在して,ホ ルモンと類似作用を示すことで,内分泌系をか く乱する化学物質。 環境ホルモンの特徴 1)ベンゼン環を持っている。 2)分子サイズが小さく構造も単純。 3)水に溶けにくく油に溶けやすい。 4)生分解性が低い。 5)環境ホルモンはごく微量で作用する。 6)環境ホルモンは性ホルモンに似ている。 環境ホルモンの例 PCB DDT ノニルフェノール 女性ホルモン類似作用 ビスフェノールA DDE ビンクロゾリン 男性ホルモン拮抗作用 3.環境ホルモンの例 PCBの構造式 DDTの構造式 ノニルフェノール構造式 3.環境ホルモンの例 ビスフェノールA構造式 DDE構造式 環境ホルモンの例 ・女性ホルモン(エストロゲン)類似作用メカニズム エストロゲン 内分泌かく乱物質(DDT,ビス フェノールA) ER DNA (転写) (たんぱく質合成) RNA 核内 環境ホルモンの例 ・男性ホルモン(アンドロゲン)の阻害作用メカニズム アンドロゲン 内分泌かく乱物質(DDE,ビン クロゾリン) AR DNA (転写抑制) (たんぱく質合成抑 制) RNA 核内 環境ホルモンの発生源 • 燃焼炉 • 化学工場 • 医薬器具 • 農薬・殺虫剤・除草剤 等からの発生が懸念されている。 発生物質の例 ダイオキシン類・PCB ダイオキシン類の発生 (例1)ダイオキシン類の発生は非意図的で ああり、化学物質の生産・加工や紙パルプ の漂白などの科学工程での発生、焼却炉、 家庭暖房、火災、金属精錬など燃焼時の 発生の他、下水汚泥などの二次発生源も あります。 注目されている発生源 最も注目されているのは焼却炉での発生で あり、焼却条件によっては塩素を含まない 物質からも発生する。FeやCu(触媒)の存 在下でNaCl,HClなどがあるとその塩素 がダイオキシン生成に重要な役割を果たし ます。 焼却炉からのダイオキシンの行方 燃 焼 炉 大 気 ・ 土 壌 地 下 水 海 河 川 ・ 湖 沼 ・ 水 生 生 物 ・ 魚 類 ヒ ト ・ 野 生 動 物 PCB(ポリ塩化ビフェニル) (例2) PCBの発生はダイオキシンと同様 に燃焼炉等での非意図的な生成が確認さ れています。PCBは絶縁油として電気機 器に使用されて、また熱媒体・潤滑油、感 熱複写紙にも使用され拡散しました。製造 禁止後も安全化処理のために諸処に保管 されて、環境汚染の原因となっています。 体内に侵入する環境ホルモンの発 生源の概略図 煤塵・排ガス 水道水・井戸水 海・湖・川 合成ホルモン 虫歯充填材 口および鼻 体内 食料(魚・植物) 容器(プラスチッ ク・缶詰) 包装材 洗剤 農薬 母乳・哺乳びん・玩具 環境ホルモンへの対応 ヒトや野生動物の内分泌作用を撹乱し、生 殖機能阻害、悪性腫瘍等を引き起こす可 能性のある「環境ホルモン」による環境汚 染は、科学的に未解明の部分が多い。し かし、生物の存続に関する重大な問題で あるので適切な対策が必要である。 対応として (1)科学的・基礎的な研究とそれに必要な 信頼性の高い分析法・評価法の確立 (2)回収や安全化 (3)発生を抑制する対策 出典 天昇電気工業株式会社 http://www.tensho-plastic.co.jp PETボトルリサイクル推進協議会 環境・エネルギーと化学 おわり
© Copyright 2024 ExpyDoc