第13回

パブリック・マネジメント
第7章
総合政策学部3年 鋤先麻美
環境情報学部3年 生田目啓
公会計制度の問題点①
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予算の仕組みが複雑
・総体的な収支状況の把握が難しい

単式簿記を採用している
・財産の管理保全と収支がリンクできない
(複式簿記ならできる)

経常収支と資本収支の区別がない
・現金主義会計のため歳入歳出について
期間配分を行っていない
公会計制度の問題点②

投機的支出と経常的支出の区別がない
新規整備・更新整備・質的改良・大規模修繕・
経常的運営管理費の区別がない

固定資産に関する財務情報の欠如
現金主義会計のため固定資産が簿外となってしまう
企業会計的手法の導入が考えられる
公会計改革①
財務情報の開示
公共部門の業績に関するアカウンタビリティの確保
公会計の4分類
Ⅰ現金主義会計=コスト評価には不十分
・実際の収支が重要(現金預金のみに着目)
Ⅱ修正現金主義
・測定対象を当座の財務資源(現金およびその同等物)
にまで拡張
Ⅲ修正発生主義
・財務資源全て(流動資産や投資も含む)を測定対象とす
る
Ⅳ完全発生主義会計
・取引や事象が発生する時点を記録時点とする
公会計改革②
修正発生主義と完全発生主義
会計報告の主な利用者:投資家・債権者
会計報告の目的:清算手続
修正発生主義
ex.アメリカ、カナダ、オランダ、スペイン
会計報告の主な利用者:納税者・有権者・一般市民
会計報告の目的:政府の財務の健全性を示す
公共サービスが効率的に行われているか
完全発生主義
ex.英国、オーストラリア、ニュージーランド
公会計改革の意義
二つの型の手法・理念の相違
米国型
(p112、表7-3)
英国型
外部マネジメント重視
(財務状況の開示)
目的
内部管理重視
(業績測定および改善)
①公共部門の維持可能性
②国民負担との関係を明
示
具体的視点
①当期の行政コストの明
確化・厳格化
②コストの官民・官官比較
一部計上せず(森・遺跡な
ど)
固定資産の範
囲
原則として全て計上
取得原価
固定資産の評
価
再調達価格
計上せず
資本費用
計上
連結・結合会計
発展のパターン
管理会計
日本における自治体改革
・バランスシート導入の自治体は9割超
⇒自治体ごとに基準が乱立(p118、表7-4)
・官民で統一的な基準作りへ
(「構想日本」合同研究会、自治省)
「行政経営に関するアンケート調査」
H14 三菱総研
今後の公会計改革の方向性
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改革の理念の議論が希薄な日本
公会計システムはマネジメントのいかなる機能を
担うのか?
見た目だけの改革、住民へのパフォーマンスに
終わらないために