第七回 双対問題とその解法 2003.5.8 山梨大学 1 内容と目標 内容: 1.双対問題 2.双対問題のシンプレックス方法 目標: 1.双対問題を復習する 2.自分で双対問題を作る 3.シンプレックス方法で双対問題を解析する 2003.5.8 山梨大学 2 LP問題のシンプレックス法 LP問題の解法 標準のシンプレックス法:Max. f(x) <ー> g(x)c 2段階法: 1) Max. f(x) <ー> g(x) , =, c 2) Min. f(x) <ー> g(x) c 3) Min. f(x) <ー> g(x) , =, c 目的関数f(x) 標準: Max. f(x) 最小値問題: Min. f(x) Min. f(x) ー>Max. f0(x) ただし、f0(x) = -f(x) 2003.5.8 山梨大学 Max. f’(x)=-i 3 制約条件の処理 最小不等式: g(x)c スラック変数: g(x)+λ=c 等式: g(x)=c 人為変数: g(x) + μ= c 最大不等式: g(x)c スラック変数と人為変数を利用する g(x)ーλ+ μ =c 2003.5.8 山梨大学 4 最小値問題ー原問題 目的関数: Min. f = 2x1 + 19x2 + 7x3 (1) 制約条件: x1+12x2+6x3 ≧ 4 (2) 2x1+18x2+4x3 ≧ 3 (3) x1, x2, x3≧0 2003.5.8 山梨大学 5 二段階法 制約条件: x1+12x2+6x3 -λ1 2x1+18x2+4x3 +μ1 -λ2 =4 +μ2 = 3 (4) 目的関数: f0 = - 2x1 - 19x2 - 7x3 f’ = -μ1 -μ2 2003.5.8 山梨大学 (5) (6) 6 二段階法のシンプレックス表 c ステップ -2 -19 -7 0 基底 x1 x2 x3 λ1 λ2 1 2 2 -3 -1/3 1/9 -1 0 0 1 -1 0 0 -1 0 1 2/3 -1/18 -1/9 0 25/9 1/3 0 -10/3 -1/10 0 1 2/15 1 0 1 -1 -1 2 -1 -19 μ1 μ2 f0 f’ μ1 x2 -7 -19 f0 f’ x3 x2 3 f0 f’ 2003.5.8 1/6 0 12 6 18 4 19 7 -30 -10 0 10/3 1 2/9 0 0 0 0 山梨大学 0 0 1 1 -2/3 -3/10 1/5 1/15 -1/10 5/6 0 1/2 0 0 定数 θ 4 3 0 -7 1/3 1/6 2 1/6 3/5 3/4 -19/6 -2 3/5 1/30 -29/6 0 7 双対問題:最小化ー>最大化 以上の例の最小化問題の不等号制約式 (2)、(3)に対し、非負のy1 , y2を対応させ る。そして(2)×y1+(3)×y2を計算すると (y1+2y2)x1+(12y1+18y2)x2+(6y1+4y2)x3 ≧ 4y1+3y2 (7) となる。 2003.5.8 山梨大学 8 制約条件の変化 ここで y1 + 2y2 ≦ 2 12y1+18y2 ≦ 19 (8) 6y1 + 4y2 ≦ 7 と仮定すると、式(7)は 2x1+19x2+7x3 ≧ 4y1+3y2 となる。 2003.5.8 山梨大学 9 新しい最大値問題? 変数x1, x2, x3は、上述最小化問題の制 約条件下2x1+19x2+7x3の最小化に関連し たが、新しく導入された変数y1, y2も何 かの最適化問題に関連しているようであ る。新しい変数に与えられた条件、つま り式(8)と非負条件下で4y1+3y2の最大化 問題を考えてみる。 2003.5.8 山梨大学 10 標準LP問題 目的関数: Max. f = 4y1+3y2 (9) 制約条件: y1 + 2y2 ≦ 2 12y1+18y2 ≦ 19 (10) 6y1+ 4y2 ≦ 7 y1 , y2 ≧ 0 2003.5.8 山梨大学 11 標準LP問題のシンプレックス表 4 3 0 基底 y1 y2 λ1 λ1 λ2 λ3 1 12 6 2 18 4 1 f -4 -3 2 0 0 4 λ1 λ3 y1 f 0 0 1 0 4/3 10 2/3 -1/3 1 0 0 0 3 0 3 4 λ1 y2 y1 0 0 1 0 1 0 1 0 0 f 0 0 0 ステップ 1 2003.5.8 c 0 0 0 0 λ2 0 λ3 定数 1 1 2 19 7 θ 2 11/7 7/6 0 山梨大学 0 1 0 0 -1/6 -2 1/6 2/3 5/6 5 7/6 14/3 -1/7 0 1/10 -1/5 0 2/7 1/6 1/2 5/6 0 3/5 5/8 1/2 7/4 29/6 12 結果の説明 (i) 基底変数はλ1、y1、y2で、非基底変数はλ2 、 λ3である。 (ii) 最適基底解は y1 =5/6, y2 =1/2, λ1 =1/6, f=29/6 である。 この解は例(1)に示した原問題の最大値と全く 同じになる。しかし、計算は簡単になった。 2003.5.8 山梨大学 13 課 目的関数: 制約条件 題 Min. f = 4x1 + 5x2 (1) x1+3x2 ≧ 4 2x1+ x2 ≧ 3 x1 , x2 ≧0 (2) 要求: 1). シンプレックス法を用いて解け。 2). 上記の線形計画問題の双対問題を作れ。 3). 双対問題をシンプレックス法で解け。 4). 原問題のスラック変数・最適解と双対問題のスラッ ク変数・最適解を比較せよ。 2003.5.8 山梨大学 14 課題の解答 1). 最適解はx1=1, x2=1, f=9. 3). 双対問題の最適解はy1=6/5, y2=7/5,f’=9. 2003.5.8 山梨大学 15
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