独立行政法人情報処理推進機構

Information-technology Promotion Agency, Japan
日本国内における
コンピュータウイルスの発見届出状況について
2004年11月25日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター
ウイルス・不正アクセス対策グループ
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小門寿明
Information-technology Promotion Agency, Japan
1.コンピュータウイルスの届出制度
2.日本国内におけるウイルスの届出状況
3.IPAのコンピュータウイルス対策
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1.コンピュータウイルスの届出制度
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1990年 4月 通商産業省において「コンピュータウイル
ス対策基準」策定
---コンピュータウイルスに対する予防、検知、事後対応について
とりまとめ---
コンピュータウイルス対策基準に基づき1990年4月に届
出制度スタート
---コンピュータウイルスを発見した者、又はユーザからその発生
の連絡を受けた者は、被害の拡大及び再発を防止するために必要
な情報を通商産業省が指定する公的機関に届け出る---
当該届出機関としてIPAが指定される
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コンピュータウイルス対策基準
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「ウイルスの定義」
第三者のプログラムやデータベースに対して意図的に何らかの被害を及ぼす
ように作られたプログラムで、自己伝染機能、潜伏機能、発病機能の内1つ
以上を有するもの。(通商産業省告示)
(1)自己伝染機能
自らの機能によって他のプログラムに自らをコピーし又はシステム機能を利用して
自らを他のシステムにコピーすることにより、 他のシステムに伝染する機能
(2)潜伏機能
発病するための特定時刻、一定時間、処理回数等の条件を記憶させて、発病する
まで症状を出さない機能
(3)発病機能
プログラム、データ等のファイルの破壊を行ったり、設計者の意図しない動作をする
等の機能
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2.日本国内におけるウイルスの届出状況
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ウイルス届出件数の年別推移
(件数)
35000
3 1 ,8 8 0
(1-8月合計)
Ne tsky ウイルスの亜種が次々に登場
セキ ュリテ ィホー ルを悪用す る 亜種も出現
30000
2 4 ,2 6 1
25000
セキ ュリテ ィホー ルを悪用す る MS Blaste r 、We lc h ia が
出現し、猛威を振る う
2 0 ,3 5 2
20000
1 7 ,4 2 5
セキ ュリテ ィホー ル悪用ウイルス( K le z亜種) 猛威
日本語S u bje c t( Fbo u n d) 出現
15000
1 1 ,1 0 9
1 0 ,7 9 1
(1-8月合計)
10000
メー ル機能悪用ウイルス( Hybr is、MTX 、S ir c am)猛威
セキ ュリテ ィホー ル悪用ウイルス( Nimda、Badtr an s) 出現
5000
0
2 ,3 9 1
14
57
253
897
1990
1991
1992
1993
1 ,1 2 7
1994
668
3 ,6 4 5
2 ,0 3 5
755
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004
(1-8月)
独立行政法人 情報処理推進機構 セキ ュリテ ィセン ター (I P A/ I S EC)
年
2004年のウイルス届出件数は、昨年1年間の届出件数を大きく上回る
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届出の感染被害別割合の推移
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2,035件
3,645件
11,109件
24,261件 20,352件 17,425件
31,880件
100%
80%
80%
60%
54%
40%
20%
0%
1998
1999
20%
19%
2000
2001
8%
7%
2%
2002
2003
年
2004
パソコンに感染する前に発見したケース
パソコンに感染したケース
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ウイルスの届出状況(2004/8)
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ウイルス検出数 327万3千個
123,123個
3.8%
100,373個
3.1%
IPAに寄せられたウイルスの検出
数は約327万3千個(‘04年8月度)
92,604個
2.8%
158,479個
4.8%
そのうちの8割をW32/Netskyが
占める結果となっている
212,422個
6.5%
W32/Netsky
2,586,119個
79.0%
W32/Zafi
W32/Mydoom
W32/Bagle
W32/Lovgate
その他
ウイルス届出件数 5,091件
1,617件
31.8%
1,431件
28.1%
169件
3.3%
252件
4.9%
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W32/Netsky
W32/Klez
502件
9.9%
277件
5.4%
W32/Bagle
W32/Zafi
347件
6.8%
W32/Mydoom
W32/Mabutu
496件
9.7%
W32/Lovgate
その他
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ウイルス遭遇経験の有無の推移
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17.9
1996年
82.1
38.6
1997年
61.4
44.1
1999年
(n=1250)
60.2
39.8
1998年
(n=1377)
(n=1541)
55.9
50.7
49.3
2000年
(n=1500)
25.2
74.8
2001年
19.7
80.3
2002年
30
70
2003年
0%
10%
20%
30%
遭遇経験あり
(n=1673)
40%
50%
60%
70%
80%
(n=1757)
(n=1789)
(n=1128)
90%
100%
遭遇経験なし
1996~2003年国内ウイルス被害アンケート調査結果より
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2004年(1~8月)届出ウイルスTOP10
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2004年1月~2004年8月に届出された主なウイルス
順位
ウイルス名称
届出件数
初届出月
メール機能
悪用
セキュリティホール
悪用
1
W32/Netsky
10,593
2004年2月
●
●
2
W32/Mydoom
2,840
2004年1月
●
●
3
W32/Bagle
2,681
2004年1月
●
●
4
W32/Klez
2,391
2001年11月
●
●
5
W32/Lovgate
1,359
2003年3月
●
●
6
W32/Swen
1,279
2003年9月
●
●
7
W32/Bugbear
1,173
2002年10月
●
●
8
W32/Mimail
1,110
2002年5月
●
●
9
VBS/Redlof
783
2003年8月
●
●
10
W32/Fizzer
665
2003年5月
●
●
その他のウイルス
7,006
合
計
31,880
備考:件数には亜種の届出を含む
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最近のコンピュータウイルスの傾向
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・多様化する感染経路
・メール機能を悪用して感染(添付ファイル実行による感染)
・セキュリティホールを突いた攻撃により感染
・共有フォルダによる感染(Nimda, Bugbearなど)
・P2Pファイル共有システムによる感染(Fizzerなど)
・感染被害の拡大・長期にわたる影響力
・一瞬にして数十万台のPCに感染(MSBlaster、Slammerなど)
・送信元の詐称やウイルス対策ソフトの削除(Klez, Bugbearなど)
・ネットワーク攻撃
・サービス妨害(DoS攻撃)
・バックドアの作成
・ホームページの改ざん
・情報漏洩
ウイルス・不正アクセス手法の組合せによる攻撃
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ネットワーク感染型ウイルス
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◆感染のタイミング
ネットワークに接続されたマシンに脆弱なパス
ワードやセキュリティホールを悪用して侵入。
自身の複製をコピーし、実行して感染。
脆弱なパスワードを突破
セキュリティホールを突いて侵入
感染したパソコン
ウイルスファイルをコピーして実行
脆弱なパソコン
ウイルス感染に気付かずに感染を広めてしまう
代表例:W32/MSBlaster、W32/Deloder 、W32/Sasser
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3.IPAのコンピュータウイルス対策
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コンピュータウイルス届出受付
届出受付、分析、対策策定
届出状況及び対策の広報
被害届出情報を毎月定期プレス発表
Webで情報公開
緊急対応の要求に応じ、適時、注意事項等をWeb
で情報公開
ウイルス被害等に関する相談対応
ウイルス110番 の電話、電子メールにて受付
相談対応実績よりFAQを作成しHPで公開
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感染防止対策 ユーザへの指導
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パソコンユーザのためのウイルス対策7箇条
1.最新のウイルス定義ファイルに更新しワクチンソフトを活用すること
2.メールの添付ファイルは、開く前にウイルス検査を行うこと
3.ダウンロードしたファイルは、使用する前にウイルス検査を行うこと
4.アプリケーションのセキュリティ機能を活用すること
5.セキュリティパッチをあてること
(※ここまでが感染予防)
6. ウイルス感染の兆候を見逃さないこと
7. ウイルス感染被害からの復旧のためデータのバックアップを行うこと
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対策啓発資料
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ウイルスの予防に役立つ基礎知識から、感染した場合の対
処法まで、ウイルス対策のための情報満載のCD-ROM。
図解入り、用語解説付きなので、初心者でも大丈夫。
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セキュリティセンター
〒113-6591
東京都文京区本駒込2-28-8
文京グリーンコートセンターオフィス16階
TEL03(5978)7508
FAX03(5978)7518
ウイルス/不正アクセス相談110番 TEL03(5978)7509
電子メール [email protected] [email protected]
URL http://www.ipa.go.jp/security/
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