2007/3/22-23 学術創成評価委員会 TOPカウンター開発の現状 - TOPカウンター - 光検出器(MCP-PMT) - フォーカスミラー 居波賢二、松村太伊知、 福井謙一、川出健太郎 TOPカウンター (1) Belle実験の測定器改良案として開発中 チェレンコフ光を利用した粒子識別装置(p/K) 1.2m 1.5T 2.6m e- 8.0GeV e+ 3.5GeV 改良型Belle測定器断面(案) 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 2 TOPカウンター (2) 石英を用いたイメージング 石英輻射体で発生したチェレンコフ光を端面まで内部反射 (全反射)させ、スクリーン上の20個程度の光の到達点から リングイメージを再構成 光の到達点は光電子増倍管などで測定 同じ運動量のpとKでは速度が異 なるため、リングイメージがずれる。 大きいスクリーンが必要 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 3 TOPカウンター (3) 2次元位置情報 位置+時間 コンパクト化に成功 シミュレーション 2GeV/c, q=90 deg. 1次元読み出し (~5mm) 時間分解能 s~40ps 時間 ~2m K p ~200ps 同じ運動量ではリングの開きが異なる 伝播距離(=伝播時間が異なる) 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 4 TOPデザイン 石英: 255cmL x 40cmW x 2cmT フォーカスミラー 色収差による悪化を補正 マルチアノード GaAsP MCP-PMT 5mmピッチチャンネル, 良い時間分解能(<~40ps) MCP-PMT 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 5 期待される性能 K/p分離能力 GaAsP光電面 + フォーカスミラー 4GeV/cまで 4s K/p分離が可能 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 6 R&D項目 光検出器 角型MCP-PMT開発 浜松ホトニクスとプロトタイプの製作 時間分解能の確認(<40ps) 寿命測定 フォーカスシステム マルチアルカリ光電面 寿命測定 (>5 years) GaAsP光電面 (Key component) フォーカスミラーの形状精度測定 読み出し回路 Focus Mirror Constant fraction discriminator +HV divider module 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 7 光検出器に要求する性能 1. 1光子検出可能 2. 1光子に対する時間分解能 σ~40ps 3. 磁場中で使用可能 (B=1.5T) 4. 位置分解能 ~5mm 5. 高い量子効率・収集効率 全ての要求を満たす可能性のある 光検出器としてMCP-PMTを研究開発 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 8 MCP-PMT Channel f~10mm ~400mm MCP – Micro Channel Plate 直径数mm-数十mmのガラス パイプを多数束ねた構造 パイプ各々が独立した二次 電子増倍部 MCP一段の薄さ1mm以下 -特徴 高Gain~105-106(MCP2段内蔵) 高時間分解能σ<~40psec 平行磁場中で使用可能 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 9 角型MCP-PMT (1) SL10 TOPカウンター用光検出器として 浜松ホトニクス社と共同開発 省デッドスペース 位置情報 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 外形 27.5x27.5x14.8mm 有効面(外形に対する比) 22x22mm(64%) 光電面 マルチアルカリ 量子効率 ~20%(λ=350nm) MCPチャンネル径 10μm MCP段数 2段 MCP表面Al蒸着 なし 開口率 ~60% アノード 4チャンネルリニアアレー アノード有効面(1ch) 5.3x22mm アノード間ギャップ 0.3mm 角型メタルパッケージにより有効面64% 4チャンネルリニアアノード(5mmピッチ) 10 角型MCP-PMT (2) 1光子検出可能 立ち上がり時間~400ps Gain=1.5x106 @B=1.5T 時間分解能(1光子) ~30ps @B=1.5T 位置分解能<5mm 収集効率~50% 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 Rise time ~400ps 1光子照射 時間分解能 σ~30ps 11 寿命測定 Super B factory環境下を想定し、ビームバックグラウンドによ る高ヒットレートに対する耐性をテスト 量子効率、ゲイン、時間分解能 HPK (x2) O X Russian (x5) Al protection O X 4065% 60% 55-60% Correction eff. 37% Effective area 11mmf 18mmf Gain 1.9x106 1.5x106 3-4x106 TTS 34ps 29ps 30-40ps Photo-cathode Multi-alkali (NaKSbCs) Quantum eff. at 400nm 21% 19% 16-20% Bias angle 13deg 5deg LED パルス(400nm, 1~5kHz, 20~100p.e./pulse)で負荷 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 12 寿命測定結果 - 量子効率(Q.E.) 1光子状態のレー ザーパルスを入射し てQ.E.を評価 Al保護膜なし Al保護膜あり 1年相当で50%以下 相対的に長寿命 ロシア製は不十分 HPK Al保護膜ありの MCP-PMTは十分な寿 命を持つ 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 13 寿命測定結果 - ゲイン 1光子検出での出力 電荷から評価 <1013photons/cm2 >1013photons/cm2 急激に低下 緩やかに低下 1光子検出: OK 印加電圧を上げるこ とでゲインが回復 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 14 寿命測定結果 - 時間分解能(TTS) 一光子照射時の時間分解能 寿命測定前後 分解能に影響無し ~35psを維持 Russian w/ Al(#32) Russian w/o Al (#6) -before s=31ps s=36ps -after HPK w/o Al HPK w/ Al s=29ps s=33ps 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 s=43ps s=32ps s=34ps s=34ps 15 Chromaticity (色収差) 検出時間がチェレンコフ光の波長に依存して変化 時間分解能の悪化 リングイメージの分離能力の悪化 石英中での光の伝播速度の波長依存性 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 16 GaAsP光電面MCP-PMT 高い量子効率 長波長に感度 → 波長分散効果が少ない 石英中の光の伝播速度 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 17 GaAsP MCP-PMT 開発 角型MCP-PMT + GaAsP光電面 プロトタイプ (HPK) Al保護膜あり 2ステージのMCP Target structure GaAsP光電面 f10mm hole 4chアノード CAMAC 36dB 基本性能テスト PLP PMT AMP ADC DISC there 100mV DISC BLACK BOX DIV GATE λ=407nm FILTER Jitter~10ps 時間分解能 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 ATTN 25ps/1bin TDC there 20mV START 18 GaAsP MCP-PMT 基本性能 一光子照射時の出力波形, ADC, TDC分布 pedestal TTS~35ps single photon peak Single p.e. 0.5ns/div 20mV/div Gain~ 0.64×106 一光子を検出するために十分なゲイン 35psの十分良い時間分解能 ダークカウント:数kHz MCP増幅部は正常に動作 光電面の時間分解能に対する影響は少ない 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 19 GaAsP MCP-PMT; Q.E. 分布 プロトタイプの測定結果 マルチアルカリ光電面と比較して 良い量子効率 >35% at 500nm 長波長に感度 Light propagation velocity inside quartz 寿命測定を開始 Q.E.の劣化が一番の問題点 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 20 フォーカスシステム 色収差を直接補正するために、チェレ ンコフ角の波長依存性を利用 フォーカスミラーで角度情報を位置 情報に変換 時間とx,yの3次元情報からリングイ メージを再構成 長い伝播距離を稼ぐことによって、 細長いミラーと読み出し面でも分離 能力が良い θ c (λ ) = cosー1( 1 ) n(λ )β Focus Mirror PMT 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 21 Focusing TOPの分離能力 GaAsP光電面(+>400mm filter), CE=36% 4.3s p/K分離 at 4GeV/c 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 22 フォーカスミラー プロトタイプを製作 40x2x2cm, R=5m 石英バー端面に接着 形状測定 連続的な鏡像となる形状か? 測定手法の確立 Focusing mirror 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 23 測定方法 レーザー変位計の構造 レーザー変位計で厚みを測定 レーザー変位計とは・・・ 対象物にレーザー光を投光、 CCD上での反射光の 受光位置により、対象物との距離を測定する。 (本測定では正反射光を受光) Z X レーザー変位計(固定) 石英bar (可動) Y (1)上下の変位計がbarまでの距離を測定 (2)二つの距離の差をbarの厚み情報へ (3) ステージをX・Y方向に動かし、 厚みの変位を観測 ⇒一番厚い箇所が頂点 利点 自動ステージに乗せ ☆測定中に動かなければ、設置の際に変位 XY方向にスライド 計・barが多少ずれて設置されていても影響無 し ☆測定中、barまたは変位計2つがZ方向に振 動しても、厚みは変化しない。 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 24 測定装置製作 レーザー変位計 X Y Z 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 25 測定結果 平面部で装置の測定精度を 確認 s=3.5mmの厚み精度 曲面部の頂点位置 4.9±0.2mmのずれ 平面部を再研磨して補正 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 26 まとめと今後 光検出器MCP-PMT GaAsP光電面角型MCP-PMTの開発 1光子検出可能で、~35psと十分な時間分解能 寿命測定を開始 フォーカスシステム フォーカスミラーの形状測定 アルカリ系光電面では十分な寿命であることを確認済み 約5mmのずれを確認 再研磨 今後 GaAsP光電面MCP-PMTの寿命測定 さらにいくつかのプロトタイプを製作しテスト フォーカスミラーの精度向上輻射体プロトタイプの製作 エレクトロニクスの開発 AMP, CFD, TDC 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 27 Electronics C.F.D. Constant fraction discriminator Compact test module 8ps timing jitter: OK + MMIC AMP on board + HV divider PMT module 5cm TAC, Backend TAC-IC, TDC DAQ interface 2007/3/22-23 学術創成評価委員会 28
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