フラッディング型コンテンツ配信メカニズムの研究

フラッディング型
コンテンツ配信メカニズムの研究
環境情報学部 大薮 勇輝
親 湧川さん
アドバイザ 重近さん
背景
IPネットワークにおける既存の情報伝達形態
IPネットワークでの情報伝達プロセス
1. 通信相手の決定
2. 送信者:通信相手に情報を送信
3. 受信者:受信した情報をそのまま再生


能動的な情報伝達形態

一方で受動的なコミュニケーション形態は実現され
ていない
受動的な情報伝播の特徴

実社会では自分めがけて
様々な情報が流れ込む



情報選択に影響するメトリック
 距離がある場合
受動的に情報を受け取る
送信元に近い受信者全員が
送信される情報を受け取る
 情報のフラッディング



距離がない場合



受信者は関心度と距離に基
づいて大量の情報の中から
必要な情報を選択する
関心があっても得られる情報は
場所によって縛られる
メトリック:距離
関心ある情報がすぐに取得可能
メトリック:関心度
研究の目的
IPネットワークにおける受動的な情報伝播形態の提案

本研究におけるコミュニケーション成立プロセス
1.通信相手を特定しない
2.送信者:ネットワークに情報をフラッディング
3.受信者:メトリックを基準に再生時の表現を変化

実現されること



IPネットワークでの受動的な情報伝播形態の実現
送信者:情報を効果的に広める
受信者:環境に応じた情報を効果的に得る
卒論で対象とするIPネットワーク

インターネット




物理的な距離感覚が無い
メトリックは関心度
オーバーレイネットワークを作る必要がある
アドホックネットワーク



物理的な距離感覚がある
メトリックは距離(Hop数)
オーバーレイネットワークを作る必要が無い
アプローチ
フラッディングの抱える問題の解決


データパスの最適化
中継ノードにおけるデータ量の削減
データパスの最適化
関連技術:MPR flooding


単純に隣接ノード全てがフラッ
ディングを行うと下図のように不
要な中継ノードが存在してしまう
MANETのルーティングプロトコ
ルであるOLSRにはこれを防ぐ
機能が実装されている

最小のノードでネットワーク全体に
データを配送する技術

同様の機能を実装するのでもよいが
今回はOLSRを利用して実装を行う
中間ノードにおけるデータ量の削減

無線ネットワーク


X+Y+Z+more
Data size:X
複数の情報がフラッディングされ
るとネットワーク帯域がすぐに使
い切られてしまう
複数の情報をフラッディングする
とネットワークが破綻する危険性
がある
Data size:Y

既存のマルチキャスト技術を単
に利用するだけではだめ


IP multicast
Application layer multicast
Data size:Z
src node
relay or recv node
中間ノードにおけるデータ量の削減


中継ノードがネットワークの状態
を見ながらアプリケーションレイ
ヤでデータサイズを間引く必要
がある
X+Y+Z+more
Data size:X
データサイズの削減を決定する
ためのメトリック



ホップ数
ノードの密度
etc…
Data size:Y
Data size:Z

まずはホップ数を利用し実装、そ
の後他のメトリックも試行
src node
relay or recv node
メトリックを参照して情報の表現を変化


再生前にOLSRパケットのヘッダ情報を参照
メトリックに応じてどのような処理を行うかを示すメタデータ
フィールドをデータフィールドに記述する必要がある
パケット長(16)
メッセージタイプ(8)
パケットシーケンス番号(16)
有効時間(8)
メッセージサイズ(16)
発信元アドレス(32)
TTL(8)
メッセージシーケンス番号(16)
ホップ数(8)
メッセージ
メッセージタイプ(8)
0
有効時間(8)
メッセージサイズ(16)
・
・
・
32
OLSRのパケットフォーマット
動作概要
中継/受信ノードに求められる処理
データを受信
YES
NO
flooding range [Phase2]
既に受信したパケットか
破棄処理
自分がMPRか
再生処理
再生を行うか
中継処理
パケットの複製
アプリケーション非依存
再生処理
中継処理
アプリケーション依存
flooding range [Phase1]
実装概要
既に受信したパケットかの判別

判別するための方法

flooding range [Phase2]
パケット毎にユニークな必要



送信者のIPv6アドレス
パケットのシーケンス番号
これらを組み合わせて識別
flooding range [Phase1]
実装概要
中継/再生処理

メタデータを参照しメトリックに応じた処理を行う




データの転送を許すか
データサイズを間引くか
どのようにデータサイズを間引くか
どのように再生表現を行うか
(中継)
(中継)
(中継)
(再生)
実装の流れ

アプリケーション非依存部の処理をAPI化

アプリケーション作成

音声転送アプリケーションの実装


データフィールドのフォーマットを決定
階層符号化技術:Shalls


開発中であるため市場へソースの提供ができないそう
エンコーディングなしの音声転送アプリを実装


データサイズは1/2レート、1/4レートという風に変更していく
ホップカウントに応じて再生される音量を変化させる
評価指針

ネットワーク負荷

ノード数を変化させ評価を行う


実際のアドホックネットワークでの検証は可能であれば行う
10ノードくらいまで仮想アドホックネットワークで検証する



Topology Generatorを利用すれば小規模なアドホックネットワークを
仮想的に作ることができる
大規模の場合はシミュレーター(Qualnet)の利用により検証する
受信者の環境に応じた情報表現が可能か

ノード数を変化させ評価を行う

10ノードくらいまで仮想アドホックネットワークで検証する