データ処理フレームワーク 構築への取組み 核融合科学研究所 LABCOMグループ 中西秀哉 '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 1 背景 実験共同研究(遠隔実験参加)のための共通 データ取扱い基盤が国内に広まっていない 世界(米国)では… MDSplusが実質標準. +Globusで米国FusionGridプロジェクトが成功 日本は?… ITBLを支える共通データ基盤がない!? 研究開発の要請 ITER-BA遠隔実験/計算センターの構築と融合(!) 全日本ST計画 … 遠隔データ収集&保存!? 全日本(!?)実験データシステムが欲しい '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 2 目的 小~大あらゆる規模の実験に受け入れられる (共通)データシステムに求められるのは? 1. 安価なPC並列化によって1~1000DAQのスケー ラビリティを実現… ユニット単価の低減が必須! 2. 動作は分散,運転は集約 実験データ・システムのTCO最少化 3. 商用パッケージから脱却.フリー化&公開開発 DAQプログラムの開発・保守手順を一般化・公開 共同開発&利用者コミュニティの形成 '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 3 現状システムの例(LHD) ~増強やRT対応に柔軟な並行分散形態~ 集約方式 LHD 並列数を上げてスケーラブルにI/O性能を増強できる Real-Time収集にも計測毎にフレキシブルに対応可 '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 4 LHD DAQの現状 1. 2. 3. '06/2/28-3/1 TCOや構築コストは 本当に安いのか? 共同研究にふさわしい 形態か? 1~数計測の実験室で 使えるのか? H17年度核融合データ処理研究会 5 理念と方針 ~コスト最少化を指標に~ 実験データシステムのフレームワーク見直し必要! 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 分散I/O処理 ⇒性能・スケーラビリティとコスト DAQユニットの単価低減 安価なタイミングシステム 商用パッケージから脱却.完全フリーウェア上 運転(監視)の集約化・インテリジェント化 複数サイトをまたがる連携協調動作 高遅延広帯域ネットワークをベースに ドキュメントの整備・充実 (実時間)帰還制御系との統合化 '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 6 実験データシステムの構成要素を 再検証 ~あるべきフレームワークを探る~ 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 対応デジタイザ (CAMAC,横河WE7x,cPCI/PXI, …) DFE-PC間伝送 (ファイバ or ワイヤ)の要不要 DAQプログラム (ドライバ&API) 設定DB/データ所在DB データ・ストレージ&サーバ 広帯域ネットワーク データ取出しクライアントI/F (API→可視化ツール) ユーザ管理/認証,データ防護 '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 7 1.デジタイザ規格の評価 CAMAC 横河WE7x 低コスト路線.帯域はCAMAC並み(1.7~2.2MB/s)+RT性 Win32+Linux(少し旧い) ドライバ完備. 画像集録がない NI PXI (cPCI) ADC,コントローラ,クレート,光リンクがコスト高 高性能モジュールでもコスト手頃.RT広帯域(72MB/s) タイミングシステムは… '06/2/28-3/1 既製品なし!? 低コスト化は? H17年度核融合データ処理研究会 8 2.DFE-PC間 (ファイバ,ワイヤ,組込) DFE-PC間を光ファイバー伝送 … DFE筐体+PC筐体 組込型CPUモジュール … DFE筐体のみ デジタイザ-PC間が最も広帯域だが高コスト. 拡張カード(PCI)型デジタイザ … PC筐体のみ LHDでの選択方式.絶縁と設置場所の分離可能. 両端に光I/F=高コスト.専用光伝送路の信頼性. 最も低コストだが拡張性・対ノイズ性に不安あり!? PCの激しい世代交代に依存する DFE-PCケーブル接続 … DFE筐体+ラックマウントPC '06/2/28-3/1 USB等,安価な接続が可能.2筐体でもコストは案外手頃!? H17年度核融合データ処理研究会 9 LABCOMシステム 実時間転送・表示系(左側)とバッチ収集系(右側)で構成.全57計測 '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 10 3.DAQプログラム デジタイザのドライバ/API供給が欠かせない Linux等フリーOSへの対応はまちまち CAMAC … 良.フリードライバもある. WE7x … 有(旧版カーネル) PXI … 部分的だが,Win32版ともフリーで配布. 商用パッケージ利用で開発負荷は下がるが, ポータビリティは低下.共用化には難. '06/2/28-3/1 LHDでは,データ保存・管理にODBMSのObjectStore利用 フリーのDataObjest保存ソフトの開発にも興味あるが, ファイル&ファイルシステム利用が妥当 H17年度核融合データ処理研究会 11 ハードウェアとDAQプログラムの構成 DAQ Agent '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 12 4.設定DB/データ所在DB フリー化にはRDBMSのPostgreSQL or MySQL SQL準拠であれば多分,何でもいいだろう 二重化・負荷分散などの仕組みは単独で導入可能 ユーザI/F '06/2/28-3/1 設定DBはWeb経由でJava, PHP, … データ所在は,データ取出しAPI中に隠蔽 H17年度核融合データ処理研究会 13 5.データ・ストレージ&サーバ DAQ PC数が増えるほど管理コスト上昇 データディスクの統合化(NAS等) 更にシステムディスクのNFS化で完全disklessに DAQ Box ←Linux組込み.Winはdiskless化は難. DAQ Boxは最終ショットデータのみオンメモリで保持 バックエンドの大規模ストレージ(MSS)は必要. バックアップとしても必須.災害対策も.しかし高コスト! 分散MSSにして,全日本で1~2(3?)台持つのが得策!? 最終形態として,DAQ Box+RAIDサーバ+遠隔MSS の3階層構成か... '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 14 LABCOM三階層データストレージ 階層間のデータ移送が 運用負荷を増大 57 Diag. 45 TB/2 24 TB '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 15 6.広帯域ネットワーク LAN/WANとも100Mbps~1Gbpsが利用可能 マルチストリームTCPが有効!? 帯域(速度)の問題は解消されたが… 高遅延(遠距離)性がデータ転送に想定されていない ⇔TCP/IPソケット通信利用 バッファサイズを遅延に応じて大きくするのは限界がある. パラレル数を増やすのは比較的容易. RT伝送にはTCP/UDPの併用か '06/2/28-3/1 UDPは高遅延広帯域に耐える H17年度核融合データ処理研究会 16 7.データ取出しクライアントI/F 動的共有ライブラリ(DLL/.so)で複数アプリ対応 問題は可視化アプリ 現状は市販IDL/PV-WAVEを利用 適当なフリーの可視化ツールがあるか? 実時間グラフ,(動/静止)画像表示も必要 データを送らずリモートに画面を飛ばす手もある が…!? '06/2/28-3/1 システム・アーキテクチャの問題.C/Pはどうか. H17年度核融合データ処理研究会 17 8.ユーザ管理/認証,データ防護等 DataGrid (Globus) or ITBL とリンク 開発/ユーザ・コミュニティはどちらを志向するか 実験データシステムとの接合部を開発する必要. 米FusionGridではMDSplus上で成功 ITER-BAではITBLを使うのか? データ防護は最低限で良い '06/2/28-3/1 災害(復旧)対策は不可欠だが,コスト高に オープン性が重要.公共性 … 核融合界の意識の問題 読出し制限は(殆ど)必要ない … 天文台が好例 H17年度核融合データ処理研究会 18 フレームワークの吟味をふまえて ~トータルパッケージ化~ フレームワーク ⇒ DAQトータルパッケージ インストーラ作成により利用開始時のユーザ負担を軽減 ⇒利用者増 ⇒コミュニティの形成 利用者コミュニティからの開発フィードバックを期待 まずは…共同開発グループの形成から '06/2/28-3/1 ベースになる実験データシステムはある.フリー化作業中. インストーラ作成,異OSポーティング,ドキュメント整備,… この共同研究の場で,共同開発者・ご意見番を募りたい! グループWiki開設+コミュニケーションから !? H17年度核融合データ処理研究会 19 さいごに LABCOM/X をどうぞよろしく 附録 '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 20 計測数・データ量が激増(LHD第8サイクル) 10秒以下の短パルス実験 … 30⇒ 45 (30+15)計測.50%up 1 GB/shot ⇒ 2.5 GB/shot 定常(=実時間)データ収集 … 4⇒ 15計測 3.16 GB/shot ⇒ 84 GB/shot (世界記録更新) RT DAQ: WE7000 (9) … 2.2 MB/s, CompactPCI (6) … 80 MB/s '06/2/28-3/1 H17年度核融合データ処理研究会 21
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