IPv6アドレスによる RFIDシステム利用方式 2004年度 卒業論文 著者:1G01P030-1 河野 真也 発表者:1G02P050-7 鈴木 幹也 1 研究の背景・目的 IPv6の普及により身の周り全てのものに IPアドレスを付与し、通信を行えるようなユ ビキタスネットワークの実現が近づきつつ ある RFIDタグにIPv6アドレスを付与し、ネット ワークを介してタグと通信できる方法を考 える 2 RFIDについて 無線チップを用いて人やものを識別する自 動認識技術 利用する周波数や、電源の有無などにより さまざまな種類のタグがある EPC(Electronic Product Code)と呼ばれる 固有のIDを記憶しており、それにより識別、 管理される 3 提案方式 ユーザ (4) インターネット Savant 1.タグからEPCを読 み取る 2.IPアドレスを生成、 割り当て (3) (2) リーダ (1) 3.生成したアドレス にアクセス 4.タグの情報を得る タグ 4 IPv6アドレス生成方式 上位64bitはタグの所属するネットワーク プレフィックス 下位64bitはEPCよりハッシュ関数を用い て生成 EPC(64bit,96bit,256bit)) IPv6 Address Network Prefix(64bit) Hash EPC Hash(64bit) 5 提案方式から考えられる利点 低コストで実現可能 — IP通信に必要な機能はSavantのみに実装すればよ い 不正アクセスの軽減 — ネットワークプレフィックスとEPCのハッシュを用いるの でアドレスの推測が困難 — アドレスから元のEPCを求めるのも困難 6 実験 提案方式によって実際にネットワーク上で タグとの通信が可能であることを示す — 実験1:タグを読み取らせSavantにおいてEPC からIPv6アドレスが生成されることを確認する — 実験2:生成されたアドレスにアクセスして通信 が可能なことを確認する 7 実験環境 RFIDタグのID “01024c6bfd” ネットワークプレフィッ クス “2001020001251420” Client 200:200:125:1420::187 133.9.68.182 Reader 133.9.68.181 Savant タグ 8 実験結果1 Savantの出力 > java RFIDSavant << Debug Mode >> Listen Port (Reader) : 5100 Listen Port (Client) : 5101 Interface : eth0 Network Prefix : 2001020001251420 << Connected from Reader >> From : 133.9.68.182 To : 133.9.68.181 Receive EPC : 01024c6bfd Generate Address : 2001:200:125:1420:30cb:6c55:ecaa:e49 Exec : ifconfig eth0 inet6 add 2001:200:125:1420:30cb:6c55:ecaa:e49/64 Connection closed. 9 実験結果2 Clientの出力 > java Client Enter Prefix : 2001020001251420 Enter EPC : 01024c6bfd Connecting to 2001:200:125:1420:30cb:6c 55:ecaa:e49 ... > getEPC 01024c6bfd > exit Connection Closed. Savantの出力 << Connected from Client >> From : 2001:200:125:1420:0:0:0:18 7 To : 2001:200:125:1420:30cb:6c 55:ecaa:e49 Receive Command : getEPC Return to Client : 01024c6bfd Receive Command : exit Connection closed. 10 まとめ IPv6ネットワークを介してRFIDシステムを 利用する方式を提案 IPv6アドレスの生成方式としてEPCのハッ シュ値を用いる方式を提案 実際に実験することによって通信が可能で あることを確認 11 今後の課題 EPCよりハッシュ値を求めてIPアドレスを生 成する際にハッシュ値が重複してしまう可 能性がある EPCIS(EPCに関連する情報を保持する サーバー)やONS(EPCISサーバーの位置 解決を行う)を利用してタグの情報をえる 機能が必要 12 補足(1)既存の方式と欠点 /128のアドレスをインターネットに広告する — ルーティングの実現が困難 Mobile IPv6を利用する — 実装のコストが高い — 処理負荷の増大 VPNを利用する — 新たなプロトコルの必要性 13 補足(2)具体的なハッシュ関数 1. EPCをもとにMD5アルゴリズムを用いて 128bitのハッシュ値を求める 2. 128bitのうち上位64bitと下位64bitの排他的 論理和をとる 3. タグの所属するネットワークプレフィックスと 求めた64bitをあわせてIPv6アドレスとする 14 補足(3)ハッシュ関数による重複 ハッシュ関数が生成する出力データが重 複する確立P(N)、重複しない確立P’(N)と すると P( N ) 1 P' ( N ) 2 64 2 64 1 2 64 ( N 2) 2 64 ( N 1) 1 64 64 ・・・ 64 64 2 2 2 2 1 2 64! 1 64N 64 2 (2 N )! 15
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