(時間編)*1ファイルにまとめました:08年6月28日

プロジェクトマネジメント(時間編)
~ソフトウエア開発におけるタイムマネジメントのポイント~
2007年10月18日
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1
インデックス
■あ~時間がない! P3~4
■時間管理って何? P5~6
■盗まれた時間
◇訳の分からない報告書 P7
◇結論の出ない会議
P7
◇開くべき時期に開かれないレビュー会議
P8
◇メールによる「時間どろぼう」P9
◇電話による「時間どろぼう」 P9
◇約束の時間を守らないこと
P9
■あなたは時間が見えますか?
◇かけがえのない時間
◇時間の重みについて
◇あなたは時間が見えますか?
P10
P11
P12
■スケジューリングにおける時間と仕事
◇タイムマネジメントの本質
P13
◇スケジューリング P14
◇進捗管理について P15~16
◇遅延リカバリーの有効な対処方法
P17~18
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■時間を取り戻そう!
◇時間は節約できる P19
◇仕事を中断させないということ P20
◇「すぐやる・とりあえずやる」 P21
◇「一歩前に出ると言うこと」
P22
◇「期限を自分で切るということ」P23
◇ドキュメント・文書の効用
P23
◇ソフトウエア資産の流用・共用 P24
■時間は買えるか
◇時間は買えるか
◇時間は売れるか
P25
P25
■時間と品質 P26
◇問題の同時発生について P27
◇目標は動いている!
P28
◇やはり時間に関係する設計書も弱い
P29
■毎日やろう P30
2
あ~時間がない!
「私の性じゃない」
一月遅れでやっと来た要求仕様書の貧弱さにあ然としたことが
ありませんか。
要求仕様書が来るのを待っていた間に他の仕事の割り込みで
忘れてしまい、来た 時すでに遅しで貴重な開発期間が数ヶ月
も失われてしまったということは決して珍しいことではありま
せん。 本当に「私の性じゃない」だけで済む問題でしょうか。
「仕方なかったのだ」
交渉・調整の努力が不十分なまま無理な納期を押し付けられたことがありません
か。第三者が見てもできそうもない納期を押し付けられて、ただ「仕方ない」で
あきらめたことがありませんか。
「どうしようもない」
何回打ち合わせをしても、変更ばかりで、いつまでたっても仕様凍結せず時間ば
かりがたってしまったことがありませんか。
「ちゃんと頼んだはずなのに」
開発・評価機器の員数不足で工程遅延したことがありませんか。
一人の人間に仕事が集中し過ぎてプロジェクトが止まってしまったことがありま
せんか。協力会社にちゃんと仕事を頼んだつもりだったのに期待はずれの進捗・
品質だったことがありませんか。
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3
あ~時間がない!
「真っ黒焦げ」
「私の性じゃない」、「仕方なかったのだ」、「どうしようもない」
、「ちゃんと頼んだはずなのに」の結果、開発・評価に十分な
時間が確保できないままソフトを市場に投入してしまい大トラブル
を発生させたことがありませんか。
関連部署に対して自ら積極的に協力し「誰々の性」だと言わなくてすむように、
難しい交渉においても知恵を尽くして「仕方なかったのだ」とグチを言わなくて
もすむように、プロジェクト関係者との会話・意思疎通を密にして「ちゃんと頼
んだはずなのに」と言わないですむように、
適時の各ポイントを逃さずに対応して自分のプロジェクトだけでも”真っ黒焦
げ”にはならないようにしたいものです。
これからご説明する内容は時間管理に関しての教科書的なものではなく、
実際のプロジェクト運営の中から得られた経験則における”時間の考え方”を中心
に言及し皆様により良い時間の使い方のヒントになれば幸いです。
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4
時間管理って何?
仕事の時間であれ私的な時間であれ、「時、人を待たず」、
「光陰矢の如し」と言われるように我々の持ち時間は有限で
すぐ過ぎ去ってしまうものです。
さてプロジェクトマネジメントにおける時間管理の目的について
考えてみたいと思います。
経済活動の中の一活動としてのプロジェクト活動も例外なく有限の時間の縛りの
中にあります。
決められた一定期間のなかで所定の成果物を生み出さなければなりません。
成果物はその量および質にて構成されていますがこれに時間の要素を加えるたも
の、すなわち一定時間内にて処理できる量の大きさと質の高さを最大化すること
が時間管理の最大の目的なのではないでしょうか。
数式で表すと下記の通りです。
●(量の大きさx質の高さ)/時間=人間の時間あたりの生産性(能率)
=人間の時間あたりに発揮できる能力
結局単純に言うとプロジェクトマネジメントにおける時間管理の目標は「人間の
プロジェクト活動における時間あたりに発揮できる能力の向上」になります。
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5
時間管理って何?
タイムマネジメントの究極の目的は「競争力の強化」である
『ボストンコンサルティンググループ(ジョージ・ストーク・ジュニア)は1980年代に
日本企業の強さを分析したところから「タイムベース競争」というコンセプトを開発
していた。当時日本企業は新車の開発から発売まで36ヶ月でできたが、アメリカ企
業は60ヶ月もかかった。24ヶ月もの差は仕事の重複が少なく、同時並行でできる
ことは必ず同時並行でやり、早くから下請けまで含めてすり合わせを行うなどいくつ
もの時間の使い方の知恵が競争力の源泉だと指摘した。日本の競争力の源は川上から
川下まで直結した時間管理にある。
タイムベース競争の基本原理は「時間こそが顧客と企業の双方にとって最も貴重な資
源である。」という考え方である。
時間を短縮し、スピードや柔軟性を高めて「顧客が求めるときに直ちに求めるものを
提供する」という考え方に立つと、様々な利益が生まれる。生産性が向上しリードタ
イムが短ければ顧客にとっての付加価値は高く、それに応じた価格設定が可能になる
。新製品や新サービスの開発期間が短くなれば、顧客ニーズや需要も予測しやすく、
リスクが軽減される。リードタイム短縮で予測精度が高まれば、在庫や欠品リスクが
減り、結果として競争優位に立ってシェアを拡大できる。全体最適のタイムマネジメ
ントのためのキーワードは競争力なのだ。顧客・営業・協力会社・関連部署等すべて
の中でどことのすり合わせに、どれだけの時間配分をするか、どれだけ時間の節約や
効率化ができるか、それによってどんな付加価値がつくれ競争力が上がるかという発
想に立ってタイムマネジメントを行う。』
(抜粋:プレジデント誌、2004.11.1号、P50、御立尚資筆)
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6
盗まれた時間
自分の時間は気づかない間に盗まれているのです。
盗まれていることに気づいてない人も多いのです。
いくつかの例を示してみます。
●訳の分からない報告書
他部署・部下からの報告書で何を言いたいのかはっきりしない
報告書がありませんか。結論不明、依頼内容不明、説明内容不完全
なものは受け取った人の貴重な時間を無駄に消費させてしまいます。
●結論の出ない会議
会議は何かしらの結論を出したり又はアクションを決定するために
行っているはずなのに、一向に結論もでずアクションプランも決め
ず、決めたとしても「誰が、いつまでに、どういう方法で」等の
決定もしない会議がありませんか。
こんな会議は出席者の「時間どろぼう」です。
2時間の会議で10人の出席者なら合計20時間が盗まれたことになります。
親睦会的会議、井戸端会議、暇つぶし会議、惰性による会議は撲滅しましょ
う。
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7
盗まれた時間
●開くべき時期に開かれないレビュー会議
デザインレビュー会議の形骸化(レビューの健全化について);
公式の規定にて実行されなければならないデザインレビュー
がほとんどレビューとしての機能を果たしていないことが
まま有るのではないでしょうか。
開発プロセスの節目ふしめで設定されているレビュー開催時期が守られない
場合が非常に多くありませんか。何故守られないのでしょうか。
承認を通す事が第一番の目標になっているのではないのでしょうか。
例えば製造に入る前のポイントとしての、設計レビュー実施時期になっても
設計書不備のためにレビュー会議が開催できず、意識的にレビュー時期を
遅延させてしまうようなことがあるのではないでしょうか。
プログラム製造があらかた終了する時期にやっと揃えた設計資料にてレビュ
ーを実施したりすることがあるのではないでしょうか。
これでは何のためのレビュー会議なのでしょうか。
参加者の貴重な時間を浪費させるだけなのではないでしょうか。
レビューは問題を顕在化させるための行為であるべきで、問題が発見される
事はレビューが成功したのだと前向きに考えるべきです。
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8
盗まれた時間
●メールによる「時間どろぼう」
何通ものつながったチェーンメールを平気で大勢の人に
発信する非常識なメールを見たことがありませんか。
例えば5通ものメールがチェーンされたものを受け取って全部
読んだが自分には全く不要のものだった場合の腹立たしさを経験したこと
がありませんか。これは受信者全員の貴重な時間を空費させてしまう
「時間どろぼう」です。
●電話による「時間どろぼう」
何の話をしているのか緊急そうでもない話を長々といつまでも
電話で話しているひとを見たことがありませんか。ひどいのになると
一日中電話ばかりしている人もいるのではないでしょうか。かけられた
相手も途中で切るに切れずに話を聞かされているのでしょう。
「下手の長談義」はやめてさっさと用件を伝えるようにしたいものです。
●約束の時間を守らないこと
約束した相手およびメンバーの時間を盗むことになります。
守れない約束は最初からしない方が賢明です。
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9
あなたは時間が見えますか?(時間に対する認識)
●かけがえのない時間
今が重要です。
今日が重要です。
過ぎ去った時間は取り戻せません。
失った時間は取り戻せません。
取り返しのつかないものと言う点では時間は最も
重要なものの一つです。
物は失われても代わりを補充できます。
失ったお金は再度稼げば済みます。
誤ちは修正すれば済みます。
しかしながら失ってしまった時間は二度と取り戻せません。
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10
あなたは時間が見えますか?(時間に対する認識)
●時間の重みについて
人間の持ち時間は平等に1日24時間しかありませんが、
ビジネスの世界では組織構成員のピラミッドの頂点から
最下位各層を構成する人々について同じ1時間の重みが
異なることを認識する必要があります。
ビジネスマンのピラミッド階層は基本的に一人当たりの
稼ぐ金額の大きさの順で構成されています。
すなわち社長の1時間と新入社員の1時間では金額の重みが違います。
ビジネスマンにおける時間は極端を恐れずに言うとお金そのものと解釈しても
良いのかも知れません。
上司は部下の仕事をしてはいけません。
部長は課長の仕事をしてはいけません。
課長は主任の仕事をしてはいけません。
職位が上位にあがればあがる程、その職位でしかできない仕事に専念しなけれ
ばならないでしょう。
あなたは部下のやるべき仕事を取っていませんか、自分の時間を失っていませ
んか。
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11
あなたは時間が見えますか?(時間に対する認識)
●あなたは時間が見えますか?(時間に対する認識)
ソフトウエアプロジェクトに限らず全ての仕事を成功させる
重要な要件の一つとして、実行していること、実行しようと
していることが”見えているか”と言うことがあります。
設計書をはじめとする各種ドキュメント類、プロセス管理表、
役割・工程別体制表、その他諸々の管理表類はその仕事を
”見えるようにするためのもの”と断言しても良いでしょう。
しかしながら我々の経験からも分かりますようにこれらの各種資料では
なかなか”時間の流れ”を正確に見ることができません。
我々の感覚はいわゆる五感、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のしばりの
中でしか物事を認識できないといわれております。
この中に”時間感覚”というものはありません。
基本的に我々は”時間を見る力が不足している”という認識に立った方が正
しいように思います。
我々は点としての”時”は認識できても”時と時をむすぶ時間”の認識が不
得意
だということを充分に心に留めた上で仕事をする必要があります。
多くの”見える化”活動が失敗している理由は点としての”時”についての
情報表現で止まってしまっている所にあるのではと考えます。
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スケジューリングにおける時間と仕事について
●タイムマネジメントの本質
『通常、仕事に関する助言というと、計画することから始めなさい、
というものが多い。 まことにもっともらしい。
だが、問題は、それではうまくいかないことにある。
計画は紙の上には残って入るが、やるつもりのまま終わる。
実際に行われることは稀である。
成果をあげる者は仕事からスタートしない。
計画からもスタートしない。
時間からスタートする。
何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。
(中略)
成果をあげる者は時間こそが、真に普遍的な制約条件であることを
知っている。
タイムマネジメントの本質は、
「時間こそが、真に普遍的な制約条件である」ことに尽きる。』
(抜粋;ピーター・ドラッカー、プロフェッショナルの条件、ダイヤモンド社刊)
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スケジューリングにおける時間と仕事について
●スケジューリング
スケジューリングとは一言でいうと
「持ち時間に仕事を割り振ること」です。
やるべき仕事(タスク)をすべて
ブレークダウンし、それを持ち時間
であるスケジュール表に投影させる事
が本来のスケジューリングであると考
えます。
スケジュール表は時間と仕事の相関関係
を視覚化したものです。
スケジュールの調整が必要になった場合、先にスケジュール表の
線引きをいじって帳尻を合わせようとしませんか。
スケジュールの調整はまず仕事内容の見直しとその裏付けである
人員体制の調整から始めるべきで、その結果を新たに持ち時間に
投影すべきです。
また各タスク(仕事)間の関連性・継続性を意識することで時系
列的にバラバラになりがちなタスクを線として連続したものとし
て把握することも重要です。
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14
スケジューリングにおける時間と仕事について
●進捗管理について
ソフトウエアの進捗管理は一般的
にガントチャートに進捗線を入れ
たもので 管理されることが多い
と思いますが、この表ではタスクの正確な進捗を見ることができません。
進捗線が1週間遅れの様に記入されていたとしても本当に1週間なのかどう
か記入した本人ですら分からないのが実状です。 冗談のようですが本当の
ことです。 ガントチャート上の最後の5%がいつまでたっても終了しなか
ったことを経験したことがありませんか。次のような警句もあります。
『ソフトウエアの開発スケジュールは、納期の直前までは順調に進む』
(木下恂著、ソフトウエアの法則)。
ガントチャートが全く役に立たないわけではなく、大まかな進捗を見るのに
は適した表現方法です。このおおまかさを補うために添付のモジュール進捗
管理表の併用をお勧めしたいと思います。
モジュール進捗管理表は縦軸に開発タスクの最小レベルまでブレークダウン
したソフトウエアモジュール名を取り、横軸にはそのプログラムの見込みサ
イズ、開発各工程の終了予定日等最終リリースまでを表し実績を記入して予
定日との差異を管理するものです。最小プログラムモジュール単位までブレ
ークダウンされているため主観の入る余地が少なく正確な進捗が見えやすい
ものとなっています。次ページにサンプル例を示します。
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15
スケジューリングにおける時間と仕事について
最小モジュ
ール単位ま
でブレーク
ダウンする
量的把握の
見込み/実
績を行う
工程別進捗を予定/実績日
程にて行い。色彩にても直
感しやすくする
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品質状
況の把
握を行
う
残件処
理日程
を明確
にする
備考記述
による問
題点のフ
ォロー
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スケジューリングにおける時間と仕事について
●遅延リカバリーの有効な対処方法
プロジェクトマネジャーに限らず皆さんの口癖は”あ~時間がない!”
でしょう。それもプロジェクトの後工程になるに従って悲鳴のように聞
こえます。
最後の段階になっていくら人を投入しても遅れを挽回するのが困難であ
ることを実感されている方も多いと思います。
次の文章をあながち冗談と言い切れるでしょうか。
『遅れているプロジェクトに人員を補充すると、スケジュールはさらに
遅れる。補充しないで放置すると、プロジェクトは崩壊する。』
(木下恂著、ソフトウエアの法則)
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スケジューリングにおける時間と仕事について
●遅延リカバリーの有効な対処方法
ある仕事量を消化するためには”人数x時間”が必要です。
この観点から時間が少なくなった分を補うために人数を増やせばいいという発
想が生まれます。
しかしながら単純な製造工程の遅れの場合はこの対策でも効果はありますが
多くのプロジェクトの遅延の原因はシステムに熟知した設計者不足あるいは
プロジェクトを指揮できるプロジェクトマネジャー不足の場合が多いのではな
いでしょうか。やたらプログラマーの数を増やしても一向に進捗しないのはそ
のためです。
遅延部分に適任・適数の設計者・プロマネの投入で大幅に遅延回復が可能でし
ょう。
遅延を発生させないためのポイント;
●正確な要件定義に基づく正確な見積り;リスクの把握、見積り条件の明示
●仕様変更のコスト・期間は別途見積り;変更管理の徹底
●単純な製造工程の遅延はプログラマの増員で対応
後工程における対処は前工程の何倍
ものコストと時間がかかることを肝
●設計品質による遅延は設計者の増強で対応
に銘じておくこと
●開発プロセスによる遅延はプロマネの増強で対応
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時間を取り戻そう!
●時間は節約できる
前述の「盗まれた時間」対策の他にも、
・なかなか出てこない書類探しの時間
・連絡先探しの時間
・無為に過ごしていた待ち時間
・移動時間
など身近にたくさんの節約できる時間があります。
基本的な対処方法は日常的な整理・整頓が非常に有効です。
例;
・処理中の書類はクリアファイルにて管理する。
・重要・緊急等の分類はファイル/ポストイットの色で管理する。
・項目別分類はとりあえずポストイットタグを使用。
・アクセスした資料は収納場所の一番前に戻す。
(アクセス回数の多い資料は自然に前に並んでくる)。
各自いろいろと工夫してみてはいかがでしょうか。
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時間を取り戻そう!
●仕事を中断させないということ
仕事が中断された場合、再開するためには資料等の再準備時間、
再度その仕事に気持ちが集中できるまでの時間等余分な時間が
かかってしまい重要な仕事であればあるほど再びエンジンが
かかるまでの時間が長くかかります。
中断の原因としては突然の障害対応、上司からの指示、
かかってきた電話等いずれも断りにくいものばかりです。
どうしても中断せざるを得ない場合はポストイット等
にて”どこまでやったか・続きは何か”を記述した中断
メモを残しておくことで中断の損失を最小限ですませる
ことができます。
本当にプライオリティNo.1で中断できない仕事については
上司・同僚にその旨了承をとっておき別室等にて集中するよう
工夫したほうが良いでしょう。
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時間を取り戻そう!
●「すぐやる・とりあえずやる」ということ
複数の仕事が重なった場合、特に優先順位がほぼ同じ場合
にはどうしてもやりやすい方から手をつけがちですが未着手
の仕事の方が途中で優先順位が高くなってしまった場合、
非常に困ったことになってしまいます。
このようなケースに対応するために重要と思われる複数の案件
はどれも「とりあえず着手しておく」ことを日常から心がけて
おいた方が良いのではないでしょうか。
仕事中の気分転換ということで用もないのにブラブラと他人の仕事の邪魔をしに
行く人がある様ですが、仕事中の気分転換方法としては”別の重要案件に取りか
かる”ことが結構気分転換になるものです。是非、試してみては如何でしょうか
。
気になる案件について常に未着手のものがないという状態は、急に優先順位が変
わった場合にも有る程度の対応が可能となるし、何と言っても自分自身の精神状
態を優位で良好な状態にしておける大きな効用があります。
余裕があるマネジャーとは仕事が絶対量的に余裕が有るわけではなく未着手な案
件が少ないという”安心感”から来るものではないでしょうか。
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21
時間を取り戻そう!
●「一歩前に出ると言うこと」について
『リスクは放置しておくと時間の経過とともに増大するものである。』
ものごとの実行順は不確実なこと・リスキーなことから先に着手するこ
とがポイントです。
待ちの姿勢ではは仕事はどんどんたまる一方で順番待ちの状態に陥って
しまいます。あなたは指示待ち族になってはいませんか。
いわれるまで何も実行しない人たちって何なんでしょうか。
一歩前に出て前線・現場でさばく方法を採れば結果として時間の節約と
なり、更に前線・現場で入手した情報によるリスク回避のおまけまでつ
いてくるのではないのでしょうか。
「忙しいから○○に取り組めない」と言うのは改革意欲のない人の常套
句です。
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時間を取り戻そう!
●「期限を自分で切るということ」
締切りぎりぎりではなく早めの時点に自分自身で期限を切る
ことで突発事象にも対応できる時間的余裕を持たせることが
可能となります。
これも余裕があるマネジャーの要素のひとつでしょう。
●ドキュメント・文書の効用
直接当人に話をしなければいけない人事的・私的な案件を除いては
口頭によるよりも文書・メモ等によるコミュニケーションが結果と
して余計な時間をセーブできる効用が大きいのではないでしょうか。
文書・メモの効用として下記が考えられます。
・証拠が残り「いった・いわない」問題がなくなる。
・客観的な情報を伝えやすい。
・相手の時間にしばられない。
・重要な事とそうでない事の区別・選択がしやすい。
・文章にする事で論理的な思考がきたえられる。
・何回も繰り返す必要がなくなる。
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時間を取り戻そう!
●ソフトウエア資産の流用・共用について
何年も何十年も似たようなプログラムを作り続けている
ことに素朴な疑問を感じたことがありませんか。
仕事になるからとかお金が稼げるとかと言う問題ではありません。
Pieces & Parts
プログラムのみならず、開発の全行程に渡って作成されるドキュメント等の
成果物すべての流用・共用は時間の節約のみならずQCD全般に渡って膨大
な成果を生み出すことになるとは思いませんか。
ソフウエアト資産と言われるものを列挙してみました。
提案書、仕様書、設計書、オブジェクト/ソースプログラム、テスト仕様書
/データ、開発環境定義書、ツール、開発手法、管理手法、改善手法等々、
その作成には膨大な時間と資金と皆さんの血のにじむような努力が投入され
ています。
もしこれれの資産が大規模に次の開発に流用できるとしたら間違いなくコス
ト削減、品質向上、納期短縮、技術者の慢性的長時間重労働からの解放、等
々の大きな成果に結びつくはずです。
今後、アプリケーションソフトウエアのプラットフォーム構造の構築にその
成否がかかっています。現在の環境でも可能なことはたくさんあるでしょう
し同時に本格的なものへの取り組みが期待されます。
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24
時間は買えるか
●時間は買えるか
労働に支払う対価として世の中には”時給”という言葉があるように
時間でいくら払うという考え方と,一方”価値”に対していくら払う
という主に二つの考え方が主流となっています。
ところでプロマネの皆さんには”時間を買う”という発想はありますか?
プロジェクトの遅延対応で漠然と応援の人を頼むと言う考え方ではなく時間
はすべてコストという意識を明確にもつためにも他人の”時間を買う”とい
う発想は有効です。プロジェクトメンバーの絶対時間が足りない、プロマネ
自身の絶対時間が足りないと判断した場合は即刻他人の時間を買うアクショ
ンを取ってください。人材を社内にとどまらず協力会社等の社外にまで求め
て下さい。このアクションは早ければ早いほど有効です。
特に絶対的に時間不足のマネジメントレベルの方々にとってコンサルタント
の知恵と時間の活用は有効な手段の一つになるでしょう。
●時間は売れるか
プロマネ(お金編)でも言及しましたが、もし”タダ”でやっている仕
事があるならばさっさと有料化しましょう。
時間を盗まれた上に、利益まで盗まれているのですから。
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時間と品質
質と時間の関係は下記の式で表すことができると思います。
「処理できる仕事の量と質=能力*時間」
能力があったとしても時間が不足すれば
質と量
量も質も落ちるということです。
能力は能力のある人をあてれば解決します。
時間は最初から必要時間を確保するか
足らなければ他から”買う”しかありません。
時間確保の方法については前述の通りですが、
次に時間の色々な状況と品質の関連性について
言及したいと思います。
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能力と
時間
26
時間と品質
●問題の同時発生について
単独ならば簡単な単純系事象も複数・同時発生した場合は非常に困難な複雑系
問題となってしまい結果として品質問題に直結してしまいます。
ほとんどの問題はその問題単独ならば簡単に解決できるでしょう。しかしなが
ら複数の問題が複数のプロジェクトに渡ったり、複数の組織・人間に関係して
いる場合は問題の組み合わせは比例級数的になり単純には解決できなくなりま
す。
一般的な開発組織においては多くのプロジェクトが同時に進行しており、一つ
のプロジェクトの中においても複数の組織・人間が関係しているのがごく普通
の状況です。しかしながら我々が普通なこと、当たり前なこととして認識して
いることがイクオール簡単な事ではないのです。
単独ならば簡単な単純系事象も複数・同時発生した場合は非常に困難な複雑系
問題となってしまうのです。
われわれが『当たり前のことが何故”できないのか”』の言葉を発するほとん
どの場合が”当たり前のことだけれども単純には解決できない”と言う認識に
立った解決策の立案・実行が必要となります。
単純+単純≠2単純
=複雑
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時間と品質
●目標は動いている!
「目標は時間の経過とともに動的に動いている」
ターゲットは動くものであるという認識を持ちましょう。
ターゲットは時間の経過による環境・条件の変化に伴い動くものです。
アクションはターゲットの変化に沿うべく次から次ぎへと継続的に実行され
なければターゲットには当たりません。当たり前のことが当たり前に出来な
い本当の背景にターゲットは時間とともにに動いているという認識の欠如が
あるのではないでしょうか。
前述の継続的アクションの実施において、全行程に同時並行的に種々の改善
アクションを関連を持たせて実行することが効果的です。個々のアクション
を順番に実行するのではありません。一つずつ実行している間に環境・条件
が変化してしまい有効な結果は得られにくいものとなってしまいます。”一
石三鳥”のアクションを心がけましょう。
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28
時間と品質
●やはり時間に関係する設計書も弱い
「あなたは時間が見えますか?(時間に対する認識)」で述べましたが我々の
”時間に対する認識の弱さ”は基本設計資料においても時間・時間の流れに関係のあ
る情報について不十分なものが多いのではないでしょうか。
開発の基本的資料における”時間”の考慮の例;
●役割別・工程別体制表;
プロジェクトを構成する複数の組織・人の工程別・役割別体制を関係者全員の合意・
コミットメントの上明示し時系列に構成された役割体制表である。
プロセスフロー
●基本設計資料;
・運用フロー
;業務の流れ、日次、週次、月次のタイムチャート等を時系列に表現。
・データフロー;データの発生、経由、蓄積、削除を時系列的に表現。
・プロセスフロー;機能単位の処理(手続き)の流れを時系列的に表現。
・インターフェース仕様書
;外部接続時の伝送及びデータ仕様を時系列的に表現。
・構成管理手順書
;モジュール単位にライフサイクルを時系列的に管理する手順を表現。
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29
毎日やろう(プロジェクトマネジメント)
今すぐできることです!!
毎日やろう
課題バラシ/対応策
担当者の巡回フォロー
対応策の指示
毎日聞こう
担当者のグチ・不平・
不満を聞こう
関連部署の状況を
聞こう
お客様の話を良く
聞こう
毎日見よう
リスク・課題管理表
進捗管理表
担当者の健康状態
(自分のも)
毎日まとめよう
アクション
課題
マネジャーは心理的にも地理的にもいつも
担当者の側に居よう
開発ルームに
引っ越そう
いつでも相談に乗ろう
VOC/CS
お客様を早い時点で仲間として巻き込もう
早くしよう
自部署の仕事ではないと判断したものは即刻担当部署に渡してしまおう。
PJリーダはサブリーダの、サブリーダは担当者/外注の
仕事の範囲を明確にしよう
仕様書はまず手書きでも白版のコピーでも良いからとにかく見える様にしよう
見える様にしよう
実行スケジュール表を古いままにせず実態に合わせた線引きをして見よう
;どれくらい遅延しているか見えてくる
管理表は毎日更新しよう
日曜日は休もう。交代ででも。
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ご静聴ありがとうございました。
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