年計表・グラフの作成と活用 社内データの活用による 経営活動の効率化 12.5.27 K.Yamato 1.年計表の定義 • 年計(year to date)=移動累計 • 年計とは長期にわたり継続的に発生する数字を 1ヶ年累計し、これを1ヶ月ずつ移動してゆく計算 法で、移動累計ともいう。 • これまで考え方としては同様の「Zチャート」が あったが利用面となると活用されることは少な かった。 ※Zチャート…年計、累計、月別を一つのグラフに 書き込んだもの。 2.年計表作成の目的 • 企業の内部データの活用により ①売上高その他の趨勢変化を迅速にタイミ ングよく把握する。 ②次いでその変化の原因を追求する。 ③特に悪い方向への変化に対しては早期 の対策をたてて実施する。 • 趨勢変化…季節変動などには影響されな くて趨勢をつかむことができる。 3.年計表の対象項目 売上高 ①総売上高 年計表 ②主要製品別 売上高年計表 ③主要得意先 別売上高年計 表 月次決算前提 売上高および 経常利益 ①全社経常利 益 ①売上高と経常 利益の関係 経常利益 ②製品(商品)部 (注)利益阻害要 門別 因の把握 4.年計表作成の方法 • 各月について当該月を含む過去12ヶ月の データを累計する。 • 月ごとの累計データを並べる。 • これをグラフ(折れ線グラフ)にする。 • グラフの傾向をよみとり、趨勢の変化を とらえる。 5.作成の方法 (続) 1.売上高 年 月 売上高実績 年計データ H7.5 1,247 H7.6 1,269 H7.7 1,232 H7.8 1,169 H7.9 1,167 H7.10 1,302 H7.11 1,422 H7.12 1,408 H8.1 1,122 H8.2 1,195 H8.3 1,355 H8.4 1,332 15,220 H8.5 1,240 15,213 H8.6 1,222 15,166 H8.7 1,243 15,177 H8.8 1,165 15,173 H8.9 1,214 15,220 2.経常利益 年 月 経常利実績 年計データ H7.5 91.9 H7.6 91.3 H7.7 40.9 H7.8 69.0 H7.9 57.5 H7.10 112.8 H7.11 124.8 H7.12 135.0 H8.1 62.7 H8.2 73.9 H8.3 132.7 H8.4 104.1 1096.6 H8.5 94.3 1099.0 H8.6 91.5 1099.2 H8.7 90.3 1148.6 H8.8 39.3 1118.9 H8.9 74.0 1135.4 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成7年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成8年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成9年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 平成6年 6.グラフの作成①~売上高 百万円 15,000 A社売上高趨勢(年計グラフ) 49期 50期 平成9年10月28日作成 15,600 15,500 15,400 営業本部制移行 15,300 15,200 15,100 51期 52期 14,900 7.解析のポイント~売上高 • 売上高趨勢の変化 グラフから明確に傾向の変化が読み取れる。 特に留意すべきは ■売上高傾向が増加から横ばいへ変化した ■売上高傾向が増加から減少に転じた。 ■売上高傾向が横ばいから減少に転じた。 (注)期別トータルの比較だけでは現在の状 況はわからない。 8.単純比較の盲点 • • • • • 期別売上高の単純比較~問題点 1.悪化傾向の把握が見過ごされる傾向。 2.従って対応が遅れる。 3.せめて4半期ごとの把握は必要。 4.月次決算を行っていても関心がないと掴 めない。 • 5.趨勢把握には年計グラフが一番よい。 9.期別売上高単純比較の事例 期別売上高の比較事例 期別売上高比較グラフ 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 第7期 第8期 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 0 1月 第8期 7,000 7,800 8,500 7,500 8,200 7,700 6,600 7,400 7,300 7,400 7,200 8,000 90,600 千円 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 計 第7期 5,600 7,000 7,500 6,700 8,000 7,600 6,700 7,900 7,500 8,000 8,200 9,300 90,000 11.年計グラフへ転換して動向を早期把握 期別売上高の比較事例 当期売上高年計グラフ 95,000 94,000 93,000 92,000 年計 91,000 90,000 89,000 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 88,000 1月 期後半より前期比マイナス傾向が 顕著となっている。 年計 91,400 92,200 93,200 94,000 94,200 94,300 94,200 93,700 93,500 92,900 91,900 90,600 千円 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 計 第7期 第8期 5,600 7,000 7,000 7,800 7,500 8,500 6,700 7,500 8,000 8,200 7,600 7,700 6,700 6,600 7,900 7,400 7,500 7,300 8,000 7,400 8,200 7,200 9,300 8,000 90,000 90,600 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成7年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成8年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成9年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 平成6年 11.グラフの作成②~経常利益 百万円 A社 経常利益趨勢(年計グラフ) 49期 50期 平成9年10月29日作成 1,300 1,200 1,100 1,000 900 800 700 51期 52期 600 12.解析のポイント~経常利益 • 経常利益趨勢の変化 グラフから明確に傾向の変化が読み取れる。 特に留意すべきは ■経常利益傾向が増加から横ばいへ変化した ■経常利益傾向が増加から減少に転じた。 ■経常利益傾向が横ばいから減少に転じた。 (注)期別トータルの比較だけでは現在の状況はわ からない。 13.グラフの作成③~売上高・経常利益 売上高 百万円 15,600 経常利益 A社売上高、経常利益の趨勢対比…全社(年計グラフ) 百万円 1,300 売上高 経常利益 15,500 1,200 15,400 1,100 利益プラス乖離 15,300 利益マイナス乖離 1,000 15,200 900 15,100 800 49期 50期 51期 52期 700 14,900 600 平成6年 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成7年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成8年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成9年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 15,000 14.売上高・経常利益の相関 • 売上高・経常利益の相関関係の変化 ■売上高趨勢としては増加しているのに利 益は横ばいもしくは下降に転じた。 ■売上高、経常利益ともに減少に転じた。 ■売上高は減少しているが、経常利益は 増加している。 ま と め • 変化の激しい時代で あり、まず自社の変化 の迅速な把握が必要 • 利益構造自体の把握 が重要である • 中小企業はもとより、 大企業も意外に鈍感 • 転ばぬ先の杖…的確 な対策が必要 スライドショーは終わりました。 ご覧いただきありがとうございました。 ブラウザーの終了ボタンをクリックし てください
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