トンネル劣化評価

ゾーン標定
複数のAEセンサへのAE到達順序によっ
て,AEの発生領域を標定する方法をゾー
ン標定法という.一次元ゾーン標定法は,
図に示すようにAEセンサを間隔Lで測定
対象物に設置し,それぞれのAEセンサが
図中に示すゾーン,例えば#2のAEセンサ
はZone2を受け持つようにAE発生領域を
同定する方法である.ここで,図中のS点
にAEが発生したとき,各AEセンサへの到
達順序は1→2→3→4となり,Zone1が標
定されたゾーンとなる.ゾーン標定法は,
一次元標定法とは異なり複数個のAEセ
ンサが同時に一つのAEを取得しなけれ
ばならないとう制約はなく,一つ以上のAE
センサで取得されれば直ちに標定できる.
したがって,測定対象物のAE伝播減衰が
著しい場合に有効な標定方法である.
L
L
L
S
AE #1
AE #2
AE #3
NIPPON
PHYSICAL
ACOUSTICS,LTD.
Zone 1
Zone 2
AE #4
Zone 4
AE #2
AE #3
Channels
AE #4
Number of frequency
Zone 3
AE #1
ゾーン標定解析例
一次元位置標定
3,000
一次元位置標定とは,一般にAEセ
ンサを測定対象物に直線上に配置し,
各々のAEセンサに検出されたAE波
の到達順序と到達時間差からAE源
の位置を特定することである.例えば,
測定対象物中を伝播するAE波の速
度v(m/s)が既知である場合,図に示
すAEセンサ#1からAE発生源までの
距離aは,
AE sensor #1
3,000
AE sensor #2
3,000
AE sensor #3
a
NIPPON
PHYSICAL
aACOUSTICS,LTD.
 d
で与えられる.ここでlはAEセンサの配置
区間,dtはAEセンサ#1と#2の到達時
間差である.
l
AE sensor #1
waveform
dt
Number of frequency
or
Count of frequency
l v t
2
AE sensor #4
AE #1
0
AE sensor #2
waveform
AE #2
a 
AE #3
l  v dt
2
AE #4
3,000
6,000
9,000
1D location (mm)
二次元位置標定
二次元位置標定は平面上で3個以
上のAEセンサがあれば位置を標定
できる.例えば図に示すようにX軸上
のセンサ#4,#5間の時間差δtx が一
定になる点は双曲線1上にあり,Y軸
上のセンサ#2,#7間の時間差δtyが 五木
一定となる点は双曲線2の上にある.
AE源はこれら二つの双曲線の交点と
して求められる.
Crack
Y
AE source
双曲線 1
#1
#2
#3
1,500
1,500
#4
#6
#5
#7
3,000
3,000
#1
#2
#4
#6
人吉
双曲線 2
#8
#3
#5
Y location (mm)
Y location (mm)
NIPPON
PHYSICAL
ACOUSTICS,LTD.
AE sensor
X
#1
#2
#4
二次元位置標定解析例
#7
#8
#6
#7
#
#5
#