Tパート 第三回金融課題

Tパート
第三回金融課題
企業会計
目次
I.
II.
III.
IV.
V.
VI.
はじめに 会計とは
企業会計の目的
企業会計の枠組み
わが国の会計制度
近年の会計制度をめぐる国際的な動向
まとめ
Ⅰ はじめに

会計の定義
会計とは企業の経営活動を認識、測定し、作成し
た情報を伝達する行為
•認識:企業の経営活動で会計の対象を見分ける
•測定:一定のルールに従い事物に数を割り当てる。
•伝達:会計固有のルールに従い利害関係者に伝
達する。
会計の種類
会計には以下のものがある。

企業会計
管理会計
財務会計
会社法による会計
株主・債権者・経営者の利害調整
金融商品取引法による会計
税法による税務会計
証券市場への情報提供
課税所得の計算
Ⅱ 企業会計の目的
1.
2.
利害の調整
意思決定の支援(意思決定のため
の情報提供)
主な財務情報の利用者
利用者
利用目的
利用法
証券投資者
投資収益の予測
ファンダメンタル分析による
企業評価
株主
経営者の監視
会計数値の分析
社債権者
経営者の監視
財務諸表から債権の特約の
遂行状況を確認する。
銀行
貸付業務の適切な遂行
会計数値に基づく融資決定
と債権管理
従業員
給与と賞与の獲得
会計数値を分析して、賃金
交渉を行う。
地域住民
環境の保全
環境会計情報を分析し企業
に環境保全を求める。
各自治体、政府機関
課税の公平性と効率性の確保
財務諸表の数値から課税所
得を分析する。
だれがどのように
財務情報を使うのか?
財務会計は企業外部の利害関係者を会計報告の受け手として行う会計
⇒
現代の企業は、多様な関係者との利害関係を伴いつつ、経済活動を営
んでいる
⇒
利害関係者は、自己の利益を守り、適切な経済的意思決定を行うため
に、企業の動向に強い関心を持っている。
⇒
それでは、財務情報の利用者は具体的にどんな種類があるのか???
Ⅲ 企業会計の枠組み

財務諸表
1.
貸借対照表
損益計算書
キャッシュフロー計算書
2.
3.
財務諸表その1 貸借対照表
特徴
1. 会社の一時点での財務状況を示す。
2. 異時点間の資本の増減により利益を算出
3. 左側に資産、右側に負債+資本を対応させる。
貸借対照表で重要な等式
1. 借方と貸方の総額の一致
資産=負債+資本
2. 財産法での利益計算 期末資本-期首資本=当期利益
貸借対照表の枠組み
借方
貸方
資産の部
負債の部
•流動資産
•固定資産
•繰延資産
•流動負債
•固定負債
借方と貸方の一致
資産=負債+資本
資本の部
•株主資本
•評価換算差額
•新株予約権
財務諸表その2 損益計算書
特徴
1. 会社の一定期間の経営成績を示す。
2. 収益と費用の差額を利益として算出。
3. 発生主義に従い5段階の利益計算を行う。
損益計算書の開示のための三原則
1. 総額主義
2. 区分表示
3. 対応表示
収益と費用の相殺は認めない。
4つの区分に分けて表示
収益と費用は必ず対応すること
損益計算書(会計原則)
売上高
営業損益計算
売上原価
売上総損益
販売費及び一般管理費
営業損益
営業外収益
経常損益計算
営業外費用
経常損益
特別利益
純利益計算
特別損失
税引前当期利益
法人税・住民税・事業税
法人税等調整額
当期純損益
当期未処分利益計算
利益算出の二つの方法
財産法
 貸借対照表を基に算出
 期首と期末の財務状況の
比較
 資本の増分
比較貸借対照表
期首
資産
期末
負債
資本
資産
負債
資本
利益
損益法
 損益計算書を基に算出
 各損益の額を参照する
各段階の利益
売上総損益
商品の収益性
営業損益
本業の収益性
経常損益
期間の収益性
特別損益
業務以外の損益
当期純利益
最終的な損益
財務諸表その3
キャッシュフロー計算書
キャッシュフローとは?
• 企業活動による現金の増減
• 経営の実態をより反映するための指標。
「利益は解釈を表し現金は真実を表す」
キャッシュフロー計算書の三区分
• 営業活動によるキャッシュフロー区分
• 投資活動によるキャッシュフロー区分
• 財務活動によるキャッシュフロー区分
営業活動によるキャッシュフロー区分
商品の購入,販売、管理などの営業活動
直接法 売り上げ収入-仕入支出-営業支出
間接法 資産や負債の増減と非資金的損益項目の加減
投資活動によるキャッシュフロー区分
1.
2.
建物、備品などの有形固定資産の購入
売却活動のほか有価証券の売買や貸し出し
財務活動によるキャッシュフロー区分
1.
2.
資金調達に関する活動
株式、社債の発行や借り入れ、減資
借入金の返済など
Ⅳ 我が国の会計制度
会計に関する法律
2. 企業会計原則
3. 会計ビックバン
1.
1 会計に関する法律
財務会計と企業会計法




会社法
金融商品取引法
租税法
企業会計法と会計基準
•
一般に公正妥当と認められたところを要約したもの
•
必ずしも法令によって強制されない
•
すべての企業がその会計処理にあたって従わなければならない基
準。
2 企業会計原則
一般原則
1.
真実性の原則
2.
正規の簿記の原則
3.
資本取引、損益取引区分の原則
4.
明瞭性の原則
5.
保守主義の原則
6.
継続性の原則
7.
統一性の原則
8.
注解1:重要性の原則
3 会計ビックバン

会計ビッグバンとは、国際会計基準(IAS)と相違点の多い日
本の会計基準を、国際会計基準に近いものへと改正していく
一連の流れの事。
Ⅴ 近年の会計制度をめぐる
国際的動向
1:国際会計基準審議会(IASB)について
2:各国の会計基準に関する動き
1:国際会計基準審議会(IASB)について

IASBとは・・・
ロンドンに本部を置く民間の会計基準設定
機関。
前身は1973年組織の国際会計基準委員会
(2001年から国際会計基準審議会として活動)
IASBの作成する基準を全面もしくは一部に採
用する国は現在、100カ国を超える。
1:国際会計基準審議会(IASB)について

<IASBが何故、注目されているのか?>
企業や投資家の動きがボーダーレスに
↓
国ごとで用いる会計基準が異なると・・・
↓
企業はその国ごとにその国の会計基準にあわせて
財務諸表を作らなければならず、投資家も財務諸
表の読み方を変えなければならない。
↓
そうしたコスト、手間を減らすにはどうする?
↓
国際的な会計基準の統一へ
1:国際会計基準審議会(IASB)について

IASBの設定した会計基準をIFRS(国際会計基準)と
いう。
IFRSへの統一の動きとして・・・
EU



(2000年欧州委員会がEUの財務報告戦略:前方へ
の道を発表) 2005年に域内の上場企業にIFRSの使
用を義務付け
2009年から域内に上場する域外国の企業にもIFRS
の使用を義務付け
それまで、2国間での相互承認という形で会計基準
の調整を行っていた流れを変える動きとなった。
1:国際会計基準審議会(IASB)について
日本

会計基準設定主体:企業会計基準委員会(ASBJ)

1990年代後半から2000年代前半にかけて証券取引
法大幅改正(IASBに近寄ったものになる)

2005年からASBJと国際会計基準審議会(ISAB)がコ
ンバージェンスプロジェクト(会計基準統一)を実施中

2007年8月、ASBJとIASBが東京合意を発表
2:各国の会計基準に関する動き
日本

会計基準設定主体:企業会計基準委員会(ASBJ)

1990年代後半から2000年代前半にかけて証券取引
法大幅改正(IASBに近寄ったものになる)

2005年からASBJと国際会計基準審議会(ISAB)がコ
ンバージェンスプロジェクト(会計基準統一)を実施中

2007年8月、ASBJとIASBが東京合意を発表
2:各国の会計基準に関する動き
アメリカ



会計基準設定主体:米国財務会計基準審議会
(FASB)
2002年10月FASBとIASBがノーフォーク合意(コン
バージェンスプロジェクト)
2007年、米国内での(国際会計基準)IFRSの使用を
容認
日本や米国ではEUの2009年問題に対して、自国の
会計基準の使用を認めるよう要請している。その審
議は欧州委員会が2008年7月までに終えることと
なっている。
2:各国の会計基準に関する動き
中国


会計基準設定主体:証券監督委員会と財政省。
中国の会計基準はIFRSを模範としたものだが、IASB
は成熟した資本主義市場を想定しているため、社会
主義体制をとる中国での急激な変化にさまざまな問
題が発生している。
韓国


会計基準設定主体:KASB
1997年11月のウォン危機から経済構造改革の一環と
してIFRSを模範とした会計基準の全面的な改正が行
われる。
参考文献




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


会社法入門 (岩波新書) 神田秀樹
新会社法 (青林書院) 酒巻俊雄、尾崎安央
ゼミナール会計入門 (日本経済新聞社) 伊藤邦雄
会計学 (創成社) 高木泰典 高木秀樹
財務会計論 (同文舘出版) 橋本尚
入門財務会計 (白桃書房) 平野秀輔
「国際会計基準制度化論」 (白桃書房) 佐藤信彦
「会計基準の国際的統一」 (中央経済社) 平松一夫 徳
賀芳宏
「国際会計基準を考える」 (大月書店) 小栗崇資 熊谷重
勝 陣内良昭 村井秀樹