CO2-isoC4H10混合ガス中の エネルギー損失を用いた - JLC

ミニジェットセル型ドリフトチェンバーの
エネルギー損失分解能測定
発表者
中村祐介
指導教官 仁藤修 助教授
研究目的
JLC-CDC(線形衝突型加速器-中央飛跡検出器)
の重要課題
近接二粒子の飛跡分離
ミニジェットセル型ドリフトチェンバー
• 高位置分解能
・ドリフト速度が遅い
・電子の拡散が小さい
CO2/isoC4H10(90/10)
• エネルギー損失による粒子識別
・実機による実験と同条件でエネルギー損失の測定を行い、
粒子識別能力について調べる。
・空間電荷効果について調べる
Normalized energy loss
CDCによる粒子識別
1.8
1.4
1
0.1
1
2
10
同じ運動量の粒子でも粒子識別可能
P(GeV/c)
ビームテスト
筑波 KEK T1 line (PS 12GeV)
運動量
測定粒子
0.5~2.0 (GeV/c)
p 、 π+ 、 e +
ビームテスト セットアップ
・TOF: 飛行時間による粒子識別(p,π)
・C : ガスチェレンコフカウンターによる粒子識別(e)
・TC : テストチェンバー測定領域限定
Jet Cell structure
Beam
検出信号波形
Beam
横軸:時間
縦軸:波高値
Cell1
Cell2
Anode wire
ビーム強度補正
ビーム強度が強い状態で実験
ガス増幅によってできた陽イオンが増幅領域・
ドリフト領域に多く分布
・増幅領域への影響
→ガス増幅が飽和する
・ドリフト領域への影響
→ドリフト速度が遅くなる
ビーム強度に依存した一定の相関
ビーム強度補正
エネルギー損失分布
truncated mean によりLandau分布の
tailの分解能への影響を減らす
エネルギー損失の
truncated mean 依存性
(サンプル数:10wires)
• 80%truncated mean が良い分解能が得ら
れる
Truncated mean
平均よりも良い分解能が得られる
エネルギー損失のβγ依存性
βγ= P/M (P:運動量 M:静止質量)
p
e+
π+
実機のエネルギー損失分解能
実機のサンプルwire数 80本
テストチェンバーの8trackを
実機の1trackに換算
入射角度
0゜
分解能(%) 5.2±0.7
15゜
30゜
5.0±0.6
6.4±0.8
結論
・ CO2/isoC4H10(90/10)混合ガスは空間電荷効果を引
き起こすがエネルギー損失による粒子識別可能
・実機換算80%truncated meanで5.2%の分解能
CO2/isoC4H10(90/10)混合ガスおよび
ミニジェットセル構造の有用性の高さを示した