教育におけるシグナリング タイトルスタイルの編集 テキストスタイルの編集 xx大学 経済学部 東海林耀良 報告の構成 1. 大学進学動機として考えられるもの 2. シグナリング理論の紹介 3. 学歴におけるシグナリング 4. 進学率の上昇 5. 問題点 1 大学進学動機として考えられるもの (1) 「大学に進学する動機は?」 1. 「大学で勉強したい学問があるから」 2. 「みんなが行くから」 3. 「大卒者は高卒者よりも就職に有利だから」 などなど 3に注目! 1 大学進学動機として考えられるもの (2) 学歴と就職の連関性 学校で学ぶことと、働くことは本来全く別である。 しかし 「大卒者は高卒者よりも就職に有利だから」 • 大卒者が高卒者よりも有利な条件で採用され ることが事実として存在する。 • その事実を、世間一般の人々も認めている。 2 シグナリング理論の紹介 • Andrew Michael Spence (2001年ノーベル経済学賞)による、 情報伝達に関する経済理論。 • 個人間に情報量の差があるときでも、シグナ ルを利用すれば、直接的に観察ができない事 実を間接的に知ることができる。 2 シグナリング理論の紹介 シグナルとは? 金持ちかどうか知りたい! × 金持ちですか? 金持ちだろうな・・・ シグナル • 自分が金持ちであることを示すために、高価な鞄を持ったり、 高級車に乗ったり、大きな家に住んだりする。 ⇒ 金持ちであることを示すシグナル(信号)とみなせる。 3 学歴におけるシグナリング • 企業は優秀な個人が欲しいが、個人の能力が 簡単には分からない。 ⇒ しかし、学歴は簡単に観察できる。 ○ 企業は人員採用コストを減らせる。 ○ 人選に失敗しても、学歴を言い訳にできる。 そのため • 個人は、能力を他人に知らせるシグナルを得る ために学歴を需要する。 3 学歴におけるシグナリング 高卒までの 大卒までの 学歴におけるシグナリングが引き起こす「サイクル」 苦労 苦労 15 - 5 = 10の利得 25 ② - 10企業の賃金 = 15の利得 ①低能力者 企業の仮定 10 30 ○ ○ 5 高能力者 大卒者は高能力 15 - 10 = 5の利得 非大卒者は低能力 10 大卒者は高賃金 25 - 30 = 5の損失 非大卒者は低賃金 ④ 実現する生産性 ③ 求職者の反応 大卒者は高生産性 非大卒者は低生産性 高能力者は大学進学 低能力者は進学断念 大卒者の給料: 25 結果:高能力者は大学進学 高卒者の給料: 15 低能力者は進学断念 3 学歴におけるシグナリング 学歴におけるシグナリングが引き起こす「サイクル」 ① 企業の仮定 ② 企業の賃金 大卒者は高能力 非大卒者は低能力 大卒者は高賃金 非大卒者は低賃金 ④ 実現する生産性 ③ 求職者の反応 大卒者は高生産性 非大卒者は低生産性 高能力者は大学進学 低能力者は進学断念 4 進学率の上昇 大衆教育社会の到来 旧来の身分社会 学歴主義・業績主義の社会 • 教育が量的に拡大し、多くの人々が長期間に 亘って教育を受けることを引き受け、またそう 望んでいる社会になった。 4 進学率の上昇 (1) 高校進学率の推移 42.5% (S25) 90%超 (S49) 以降, 95%程度 で推移 4 進学率の上昇 (2) 大学進学率等の推移 短大・専修学校 など含む76.2% (H17) 44.2% (H17) 7.9% (S30) 5 問題点 • シグナリングのためには多額の費用がかかる ので、それも考慮に入れる必要がある。 → 親の富裕度が、能力を示すシグナルに なってしまう。 • シグナル偏重のために、大学受験のためだけ の教育が行われる。 (2006年末に発覚した世界史未履修問題など)
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