第1回理学COEシンポ

1.すぐ役に立つ
2.いずれ役に立つ
3. 真理の探究(文化)
基礎科学の研究
ガリレオは、自作の小さな望遠 ファラデー
鏡で木星を回る4つの衛星を発
見、観測した時「地動説」を確
信した。 ありのままの自然を正
確に見る(実験、観測)ことこ
そが自然科学の原点である。
またその努力と結果が自然科学
の魅力の源泉である。我々がま
だ知らない、想像すらしかった
真実を自然は秘めている。
ガリレオ
京都から最新の物理学
本拠点の
伝統理論
物理学
現代
飛鳥時代
平安時代
江戸時代
理論偏重でなく実験=自
然との対話とその魅力に
ふれる=基礎物理学の拠点
物理学の多様性と普遍性の探求拠点
物理学・宇宙物理学専攻 基礎物理学研究所 附属天文台
国際融合創造センター 化学研究所
多様性、「自然との
対話」という観点か
ら新宇宙像を語りたい
キーワード:星の一生
星は暗黒星雲(分子雲)の中心で生まれる
透過力の強いX線なら見ることが出来る!
でも極低温の分子雲の中心からX線などでるわけない。
星の誕生の瞬間:場所はオリオン大星雲の北
赤ちゃん星発見!
(推定年齢10万歳)
可視光
電波
X線
Tsuboi et al.
生まれてしばらくは泣き叫ぶ
0.5光年
蛇使い座の暗黒星雲
約30の乳児期の太陽が作る
宇宙のクリスマスツリー
星(太陽)は成長すると光で何10億
年も安定に輝く-> 生命の誕生と進化
Imanishi et al.
星の最期(超新星)もX線で輝く
爆発エネルギー
膨張の速度 毎秒1万km。星間ガスに衝突
= 1046カロリー(世界のエネルギー消費1028年分)
星内部の核融合で元素が合成される
星の死は生命の源である
大部分は大量のニュートリノが持ち出す。
数千万度になってX線をだす。
それを超新星がばらまく
(2002年ノーベル賞:
(2002年ノーベル賞: ニュートリノ天文の小柴昌俊)
X線天文のジャコーニ)
10光年
Chandra のホームページ
超高速の粒子「宇宙線」も生成
大気と反応してニュ-トリノを作る
ニュ-トリノ振動の発見 -> ニュートリノには質量がある。
Nishikawa et al
自然が作った
巨大加速器
宇宙線を加速する超新星が
平安時代におきた。
藤原定家が
日記を書いた
そこを「あすか」
衛星でみた
超高エネルギーの電子
がだすシンクロトロンX線放射
Koyama et al.
キトラ古墳天井画
飛鳥時代:世界最古の正確
な星図 (AD600)
宇宙線を加速する超新星AD393の
痕跡を「あすか」衛星が発見
超高エネルギーの電子
がだすシンクロトロンX線放射
Koyama et al.
キトラ古墳星同定図
北緯;38-39 度
(高句麗の平城あたり、飛鳥、長安、
洛陽、開封は 34-35度)
時代: BC65年 +- 数100年
Miyazima
中性子星・ブラックホールを作る
-> 極限密度・極限重力の実験室
中性子星が中心に周りは超高温のガス
Chandra のホームページ
ブラックホールも星の最期にできる
(重さは太陽の約10倍)
X線
これ
可視光
不規則銀河 M82 の銀河中心付近を観測
中間質量(1000倍)
のブラックホールを発見!
Tsuru et al.
銀河の中心に怪物(太陽の百万倍以
上の質量のブラックホール)に成長
天の川銀河の中心( )付近の星の運動から質量を求める
海王星くらいの
軌道で(5km/秒)
5000km/秒
太陽の260万
倍も重い
ブラックホール
がある
http://www.mpe.mpg.de/www_ir/GC/
Genzel et al.
天の川銀河の中心には確かに
巨大ブラックホールがある。
3
2
ではジェット
が吹き出ている
かもしれない
巨
大
ブ
ラ
ッ
ク
ホ
ー
ル
の
例
1
銀河中心
3C273
Koyama et al.
X線スペクトルは
ジェット特有の
シンクロトロン放射
銀河中心から最近ジェットが吹き出た
3
t
最近(数百年前)
銀河中心のブラ
ックホールに大
量のガスが落ち
込んだ。では強
いX線も出すはず
2
1
Senda et al.
観測
分子雲(Sgr B2)
シミュレーション
銀河中心
銀河中心は約300年
前は強力なX線源だった
X-rays
Murakami et al.
約300年前、銀河中心のブラックホールに大量
のガスが落ち込みジェットが吹き出た。
そしてX線も明るく輝いた。
銀河中心近くに超新星残骸発見
約1000年前に超新星爆発
約300年前に衝撃波がブラックホールに達した
S Ar Ca
Fe
ジェット
超高温プラズマ
のスペクトル
X線
超新星残骸
銀河中心
Maeda et al.
300年前(江戸時代前期)京都市の真ん中では
るつぼにX線を当てたら
CuとZnの特性X線がでた
(真鍮 = 黄銅)
国友一貫斎の合金製(黄銅と白銅)の反射望遠鏡
Tomita et al.
高精度の回転放物面
坂田郡国友村(長浜市国友町)生まれ、
自作の望遠鏡で、月の山や海、土星の輪
文政3年(1820)頃、尾張の家老の成瀬
や木星ガリレオ衛星を正確にスケッチし
隼人正宅で、オランダ渡りの反射望遠
ている。また太陽黒点の計157日に及ぶ
鏡を見る。同型の望遠鏡製作に挑む。
連続観測は当時世界でも1、2例しかな
製作は天保3年(1832)から始め、翌
い貴重なもの
年には国産初の反射望遠鏡を作った。
ただいま、ASTRO-E2衛星
(2005年2月打ち上げ)
の準備中。我々はX線CCD
カメラを担当
2006年 国際シンポジウムを開催する。
ミレニアムSN1006 千年の文化都市から新宇宙像を
京の散歩