SoftwarePot/iPAQ: PDAの環境に適応するソフトウェア パッケージの作成と実行を支援する ミドルウェア 大山恵弘(科学技術振興事業団) 神田勝規(筑波大学) 加藤和彦(筑波大学, 科学技術振興事業団) 2002/09/27 FIT 2002 1 PDAの特徴 資源が貧弱 私のiPAQ: 32MBメモリ 参考: gcc-2.95.3.tarは55MB 各端末が持つ環境が異なる ネット接続の有無 ライブラリ等のコンポーネントの有無 tar, 2002/09/27 Java, Perl, … があるパス FIT 2002 2 PDAソフトウェアに対する要請 資源を節約して実行させたい! 多様な環境で動くようにしたい! かつ、アプリケーションプログラマの 負担を減らしたい! 2002/09/27 FIT 2002 3 本研究の目的 汎用ミドルウェアにより 消費資源の節約 各環境への適応 を行うPDAソフトウェアパッケージの 作成を支援 2002/09/27 FIT 2002 4 我々のアプローチ: SoftwarePot (1) 直感的には「アーカイブのファイル木の 中でソフトを実行できるシステム」 Chrootに似た仮想FS アーカイブのルート = 仮想FSのルート 各PDAのFS構成の多様性を隠蔽 2002/09/27 FIT 2002 5 我々のアプローチ: SoftwarePot (2) 仮想FSを1個のファイルにダンプ可 それがソフトウェアパッケージとして流通 使用にスーパユーザ権限は不要 2002/09/27 FIT 2002 6 SoftwarePotのイメージ 2002/09/27 FIT 2002 7 プロセス プロセス 2002/09/27 FIT 2002 8 ファイルマッピング ソフトウェアごと(プロセスごと)に異なる 2通りの張り方 静的: 設定ファイルで指示 動的: アプリケーションが実行中に 専用システムコールを呼び出す 2002/09/27 FIT 2002 9 実行時に決まるマッピング プロセス /usr/bin/perl OK! 拒否! ない! dumbo:/usr/local/bin/perl /usr/bin/perl 2002/09/27 /bin/perl FIT 2002 10 仮想FSの実装 一時ディレクトリを作りファイルを展開 システムコール引数の書き換え open(“/foo.txt”) open(“/tmp/xxx/foo.txt”) 遠隔ファイルへのアクセス時には遠隔計算機 からファイルを取得 取得したファイルはキャッシュされるかもしれない 2002/09/27 FIT 2002 11 デモ! 2002/09/27 FIT 2002 12 資源節約に役立つ機能2つ 2002/09/27 FIT 2002 13 1. 要求駆動ファイル抽出 ファイルはアクセス時に初めてアーカイブ から抽出 アクセスされないファイルは抽出されない 実行終了後: 一時ディレクトリを丸ごと消去 二次記憶を多く消費するのは実行中のみ 2002/09/27 FIT 2002 14 2. ファイル容量制限 一時ディレクトリに抽出されるファイルの 総容量を制限できる 設定ファイルで上限を指示 上限を超えたら キャッシュされた遠隔の読み出し専用ファイル アーカイブから抽出された読み出し専用ファイル のどれかを消去 2002/09/27 FIT 2002 15 実験・関連研究 2002/09/27 FIT 2002 16 実験 iPAQ H3630 (StrongARM, 32MB SDRAM) Familiar distribution (Linux 2.4.7) cp –r /foo /bar の時間を計測 ファイル数89、ファイル総量5.6MB /foo, 2002/09/27 /barともに実体は一時ディレクトリ内 FIT 2002 17 実験結果 Original SoftwarePot/iPAQ 正規化実行時間 1.5 1 0.5 0 cp -r 2002/09/27 FIT 2002 18 実験結果 Original SoftwarePot/iPAQ 正規化実行時間 1.5 1 0.5 0 fib 2002/09/27 FIT 2002 19 バイナリサイズ SoftwarePotバイナリ: 131KB カーネルモジュール: 52KB ちなみに Ruby: 583KB tar: 139KB 2002/09/27 FIT 2002 20 関連研究 分散ファイルシステム(NFS, Samba, Coda) OS内の全プロセスが一つのマッピングを共有 ファイルキャッシュ容量制限の機能なし パッケージ管理(RPM, tar, InstallShield) 遠隔ファイルを透明にアクセスさせる機能なし 2002/09/27 FIT 2002 21 まとめ 様々なFS構成のPDA上で実行可能で 貧弱な二次記憶でも実行可能な ソフトウェアパッケージの作成と実行を 仮想FSにより支援するシステムを提案 2002/09/27 FIT 2002 22 今後の課題 消去するキャッシュファイルの賢い選択 過去の参照履歴、ユーザの設定を利用 マッピング指示の記述を支援 ファイルの依存関係を検出 cf. 2002/09/27 autoconf, RPM FIT 2002 23
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