定常動画配信について 2004年5月27日 高知工科大学 菊池研究室 福家 孝彦 背景 地域間相互接続実験プロジェクトによる JGN上での映像配信実験の実施 2000年3月より26回実施 主としてDVTSを利用 – WIDEプロジェクトにより開発されたDVをIP ネットワーク上で転送するソフトウェア 2004/5/27 第15回ITRC研究会 2 これまでの映像配信における問題点 実験毎の準備 – OSやアプリケーションのインストール – ネットワークの設計・構築 etc… 準備段階で労力を強いられ実験に集中できない 実験中のトラブル – IEEE1394インタフェースでの異常 回避が困難 2004/5/27 第15回ITRC研究会 3 目的 映像配信実験の準備にかかる労力の削減 解決策 – 実験毎に再構築が不要なネットワーク IEEE1394周りでのトラブルの解消 解決策 – UDPパケットを他レイヤを介さず転送する再 配信機構 2004/5/27 第15回ITRC研究会 4 実験毎に再構築が不要なネット ワーク(要求分析) 参加・脱退が容易にできること – ネットワークへのマシンの追加・撤去が容易 ネットワークの管理コストを抑えられること – 研究の本質はコンテンツレイヤである 常に映像配信を行っていればよい 定常動画配信網 2004/5/27 第15回ITRC研究会 5 定常動画配信網(設計) 送信・受信には DVTSを用いる ネットワークの 管理コスト削 減 レイヤ3以下に distixを用いる 高知に再配信機 構を設置する distix … 2004/5/27 JGN 第15回ITRC研究会 送信元の切り替え を可能にする 6 再配信機構 IEEE1394リフレクタ UDPリフレクタ IP ネットワーク IP ネットワーク インタフェース の異常により 映像が停止 送信 DVTS マシン 受信 DVTS マシン IEEE1394を経由 2004/5/27 第15回ITRC研究会 受信したUDPパケットを 直接トランスポート層で 反射する 7 UDPリフレクタ 受信したUDPパケットを複製して送信 – 同時にヘッダのIPアドレスの書き換え IPv6, IPv4に対応 Perlで作成 送信 受信 送信 … シグナル 送信リスト処理 送信 recv 3000 recv 3000 send 192.168.147.230 8000 send 192.168.147.260 8000 send 192.168.147.240 8000 send 192.168.147.240 8000 send 192.168.147.250 8000 2004/5/27 設定 ファイル 第15回ITRC研究会 8 定常動画配信網(実装) 仙台 富山 受信 送信 snmp DVTS DVTS 収集 マシン マシン MPLS ルータ 名古屋 札幌 受信 DVTS マシン 受信 DVTS マシン MPLS ルータ MPLS ルータ 受信 DVTS マシン 送信 DVTS マシン MPLS ルータ 甲府 送信 DVTS マシン 受信 DVTS マシン MPLS ルータ distix / JGN 高知 MPLS ルータ :リフレクタ プログラム 2004/5/27 第15回ITRC研究会 定常動画配信網 :イーサネット 9 映像配信実験でのコミュニケー ション量 準備用メーリングリストの流量により作業 量を推測 映像配信実験名 総投稿数 準備日数 定常動画配信網 日食中継2002 247通 15日 不使用 日食中継2003 84通 14日 使用(IEEE1394リフレク タ) JGNシンポジウム2004 2004/5/27 57通 第15回ITRC研究会 7日 使用(UDPリフレクタ) 10 投稿されたメールの量 50000 45000 40000 35000 Bytes 30000 25000 20000 15000 10000 5000 0 -14 -13 -12 -11 -10 -9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 準備日数 2004/5/27 日食中継2002 第15回ITRC研究会 日食中継2003 JGNシンポジウム2004 11 考察 定常動画配信網の実現 – 映像配信実験の準備における労力を削減できた UDPリフレクタの作成 – IEEE1394インタフェースでの異常を回避できた – 機器の構成が単純になりトラブル発生時の原因特定 が容易になった 映像配信技術の研究を行いやすい 実験環境の提供が可能になった 2004/5/27 第15回ITRC研究会 12 まとめ 映像配信実験における問題点を提示した 解決策の提案と実現を行った – 定常動画配信網 • 準備における労力の削減 – UDPリフレクタ • IEEE1394インタフェースにおいて異常の回避 2004/5/27 第15回ITRC研究会 13 今後のリフレクタ設置場所は? 菊池研究室 LAN機械室 高知工科大学 高知新情報ハイウェイ NICT/JGNⅡ四国1 (NTT西 中ビル) (NTTコミュニケーションズ 南ビル) 本館 高知新情報ハイウェイ KUT-AP JGNⅡ四国2 1000Mbps 100Mbps 622Mbps 1000Mbps 100Mbps 2004/5/27 第15回ITRC研究会 14 2004/5/27 第15回ITRC研究会 15 2004/5/27 第15回ITRC研究会 16 2004/5/27 第15回ITRC研究会 17 地域間相互接続実験プロジェクト RIBB(Regional Internet BackBone) JGN(Japan Gigabit Network)上のプロジェクト – プロジェクトリーダー : 林 英輔 教授(麗澤大学) – 活動期間 : 1999年5月 ~ 現在 – 参加団体 : 35団体(2001年度末、JGN最大) 目的 – 地域間での情報リソースの共有 – 高速アクセス技術の確立 – 超高速バックボーン技術の向上 2004/5/27 第15回ITRC研究会 18 211.19.193.53 映像配信実験 172.31.1.2 京都 石川 172.31.1.2 133.23.140.142 富山 JGNシンポジウム 会場 甲府 202.19.252.203 192.42.107.100 札幌 仙台 名古屋 LinkUnit ATM-SW LinkUnit 210.155.31.123 MPLSルータ MPLS ルータ MPLSルータ JGNv6 distix/JGN MPLSルータ (Ayame3go) MPLS ルータ MPLS ルータ JGN MPLSルータ (Ayame1go) 高知-IX MPLSルータ (Ayame2go) .241 172.31.0/24 LinkUnit DVTS受信マシン (catcher) ::1 .243 :f000::1 City-Net teidou/distix/JGN .1 IPv6ルータ (GR2000) MPLS ルータ .2 .244 高知-IXルータ .242 210.163.147.240/29 高知(菊池研究室) 2004/5/27 UDPリフレクタ 第15回ITRC研究会 19 南極大陸 IIJ-MC 仙台 富山 マルチ 受信 送信 キャスト snmp DVTS DVTS ルータ 収集 マシン マシン 受信 DVTS マシン 札幌 受信 DVTS マシン 受信 DVTS マシン マルチ キャスト ルータ Panasonic センター MPLS ルータ 送信 DVTS マシン JG Nv6 名古屋 甲府 送信 DVTS マシン 受信 DVTS マシン 受信 マルチ DVTS キャスト マシン ルータ マルチ キャスト ルータ MPLS ルータ MPLS ルータ MPLS ルータ MPLS ルータ distix / JGN 高知 MRTG テレビ MPLS ルータ :イーサネット :IEEE1394 :S端子+音声 受信 DVTS マシン 2004/5/27 DVデッキ メディア コンバータ 送信 DVTS マシン HUB 第15回ITRC研究会 定常動画配信網 マルチキャスト ギガビットHUB ルータ 20 オースト ラリア・ ボツワナ 仙台 富山 受信DVTSマシン 受信DVTSマシン 京都 山口 山梨 受信DVTSマシン 受信DVTSマシン 受信DVTSマシン 日本科学 未来館 KPI X NTT コミュニケ ーションズ 大手町 ビル ATM ルータ ATM ルータ ATM ルータ ATM ルータ ATM ルータ Inter net JGN 高知 WME WMS LinkUnit 送信DVTSマシン ATM ルータ ATM ルータ WMS :イーサネット :IEEE1394 :S端子+音声 2004/5/27 第15回ITRC研究会 WME 21 映像配信実験の目的 地域間相互接続実験プロジェクトにおける 映像配信実験 – 目的 • 地域間の連携 • 映像配信技術の向上 – 内容 • JGNを用いて各地のイベントを中継 2004/5/27 第15回ITRC研究会 22 DVTSとは IPネッ トワー ク :CAT5 :IEEE1394 :S端子+音声 送信 DVTS マシン 受信 DVTS マシン メディア コンバータ Digital Video映像をIPを使用したネット ワークを介して送受信できるソフトウェア 1998年 WIDEプロジェクトが開発 対応OS – FreeBSD, Windows, MacOS, Linux など IEEE1394インタフェースと組み合わせる 事により安価に映像配信システムを構築 できる。 2004/5/27 第15回ITRC研究会 23 distixとは IX(Internet eXchange)にMPLS技術を適 用した分散IX 次世代IX研究会がJGN上に構築 各参加地のedgeルータと、それらを結ぶ 役割をする複数のcoreルータで構成 IPv4ユニキャストのみに対応 2004/5/27 第15回ITRC研究会 24 メーリングリスト総投稿数 約6分の1 300 247 250 約3分の1 投稿数 200 日食中継2002 150 日食中継2003 JGNシンポジウム2004 100 84 57 50 0 2004/5/27 第15回ITRC研究会 25 UDPリフレクタの負荷分散 リフレクタ リフレクタ リフレクタ リフレクタ リフレクタ リフレクタ リフレクタ スケーラビリティの確保 2004/5/27 第15回ITRC研究会 26 IEEE1394リフレクタとUDPリフレクタ IEEE1394リフレ クタ 受信映像の確認 UDPリフレクタ 可能 不可能 最小2台 最小1台 引数 設定ファイル プログラム起動 中の送信先変更 不可能 可能 オプションの指定 可能 不可能 CPU使用率(送 信先7ヶ所) 約25% 約37% メモリ使用量(送 信先7ヶ所) 約3220KB 約3570KB 機材の構成 送信先の指定 2004/5/27 第15回ITRC研究会 27 UDPリフレクタの機能強化 フレームレートの変更 パケットロス率の表示 受信映像の確認 CPU使用率の低減 2004/5/27 第15回ITRC研究会 28 送信数別のCPU使用率 40 35 CPU使用率(%) 30 25 IEEEリフレクタ 20 UDPリフレクタ 15 10 5 0 1 2 3 4 5 6 7 送信数 2004/5/27 第15回ITRC研究会 29 CPU使用率の推移(送信7ヶ所) CPU使用率の推移 CPU使用率(単位:%) 40 UDP リフレクタ 30 IEEE1394 リフレクタ 20 10 0 1 61 2004/5/27 121 181 241 301 361 421 時間(単位:分) 481 第15回ITRC研究会 541 601 661 30 送信数別のメモリ使用量 4000 3500 メモリ使用量(KB) 3000 2500 IEEE1394リフレクタ 2000 UDPリフレクタ 1500 1000 500 0 1 2 3 4 5 6 7 送信数 2004/5/27 第15回ITRC研究会 31 導通確認 日食2002 7 導通確認地域数 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 日数 2004/5/27 第15回ITRC研究会 32 導通確認 日食2003 7 導通確認地域数 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7 日数 2004/5/27 第15回ITRC研究会 33 導通確認 JGNシンポジウム2004 7 導通確認地域数 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7 日数 2004/5/27 第15回ITRC研究会 34 ユニキャストとマルチキャスト マルチキャストで配信すると、joinしたとき 初めてトラフィックが流れる 当日にjoinしたときにトラブルが発生する と・・・ ユニキャストであれば、送信した時にトラ フィックが流れる 送信時にトラブルの発見ができる 2004/5/27 第15回ITRC研究会 35 労力の計測は困難 「労力」を測る基準がない 労力を測るのは困難 労力を定量化する基準としてメールを用い た 2004/5/27 第15回ITRC研究会 36 定常動画配信網の応用 2004年2月5日、6日の2日間 さっぽろ雪まつり中継 – JGNを用いた – テレビ局への映像配信 • 毎日放送・北海道放送・RKB毎日・山陽放送・琉球 放送 – テレビ局では生放送に使用 放送の新たな形?テレビ局への情報配信? 2004/5/27 第15回ITRC研究会 37 DV以外では使用できる? 画像のフォーマットには依存しない 通信方法 – UDP • 一方向の通信 2004/5/27 第15回ITRC研究会 38
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