国際言語文化センターのPDCA

国際言語文化センターのPDCA
国際言語文化センター 胡金定
2010年3月9日
PLAN(方針)
• 国際言語文化センターの歩み
• 1994年に国際言語文化センター設立、今年
度で15周年を迎えた。
外国語教育の専門家の下で、各学部(岡本
キャンパスの6学部)の専門カリキュラムとは
別に、全学部の外国語カリキュラムの共通科
目として、外国語教育が行われるようになっ
た。
• 1996年に教授会組織導入
• 外国語教育を担う組織―――国際言語文化
センターに教授会組織を持つように組織改革
し、当時としては、日本全国でも珍しく注目を
浴びた。
• 基礎、中級、上級の外国語教育に必要なガイ
ドライン、教育理念、到達目標、教授法の確
立、内部質保証システムの構築及び人事等
について適切に行われてきた。全学的な言語
文化教育の統治機構として、外国語教育の
目標と責任を明確に定めた。
教員組織
• 専任14名(英語6名、ドイツ語2名、フランス語2
名、中国語2名、韓国語1名、日本語1名)
• 特定任期教員(英語4名、日本語3名)
• 非常勤講師172名
• 開講クラス(基礎・中級・上級・日本語
765クラス)
• 教育理念
• 「複数の言語の修得を通して、異文化と自文化を理解す
る広い視野を育み、言語や文化の多様性を尊重する複
眼的な思考と価値観を育成する」
• 教育基本方針
• 1.国際共通語としての英語とともに、ヨーロッパ言語(ド
イツ語・フランス語)またはアジア言語(中国語・韓国語)
を修得し、複数の言語の「読む・書く・聞く・話す」という4
技能の運用能力を伸長させる。
• 2.学習者中心、双方向でコミュニカティブな授業を実践
する。
• 3.言語文化教育を通して国際理解・異文化
理解を深め、国際人としての教養と自己表現
能力を養い、世界の人々と共存できる資質を
育成する。
• 4.留学生への日本語教育を通じて、世界の
人材養成に貢献し、本学学生の国際化・活性
化に繋げる。
• 5.多様な言語文化教育を地域社会に提供し、
開かれた大学として生涯教育に貢献する。
開講科目
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目標を達成するために、次の科目を開設する
「基礎外国語」
「中級外国語」
「上級外国語」
「国際言語文化科目」
「海外語学講座」
「日本語」
英語の到達目標
• 「基礎英語Ⅰ」では、大学生にふさわしいアカデミックな文献
に接するための基礎的英語読解力の向上を目指すことであ
り、「基礎英語Ⅱ」では、実際に話されている英語を聞き取り、
さまざまな場面で英語を使ってコミュニケーションができるこ
とである。
• 「中級英語」の各科目の到達目標は、必要に応じて授業科
目表の特徴の欄に掲げている。国際言語文化センターCP
(2009.5.28).doc
• 「上級英語」では「中級英語」よりさらに高度な内容を扱うが、
その具体的な到達目標は、必要に応じて授業科目表の特徴
の欄に記載している。
第2外国語の到達目標
• 第2外国語の学習において、「読む・書く・聞
く・話す」の4技能をバランスよく養成し、その
言語でコミュニケーションをする能力、情報や
文献を読む能力を培う。
• 国際言語文化センターCP(2009.5.28).doc
• 【ドイツ語】
• 現時点では「実用ドイツ語技能検定試験」の
4級・3級・準2級・2級を念頭に置いてドイツ
語の実力を伸長させ、各学生に実力を確認さ
せるようにしている。
• 基礎ドイツ語 CEFR基準 A1
• 中級ドイツ語 CEFR基準 A2 検定3/4級
• 上級ドイツ語 CEFR基準 A2からB1 検定2/3
級
• 【フランス語】
• 現時点では「実用フランス語技能検定試験(
仏検)」の5級・4級・3級・準2級・2級を念頭
に置いてフランス語の実力を伸長させ、各学
生に実力を確認させるようにしている。
• 基礎フランス語 5級レベル。
• 中級フランス語 4級または3級レベル。
• 上級フランス語 3級または準2級レベル。
• 【中国語】
• 基礎中国語「中国語検定試験」準4級、「HS
K(漢語水平考試)」1級、「中国語コミュニケ
ーション能力検定」Gレベル。
• 中級中国語「中国語検定試験」4級、「HSK(
漢語水平考試)」2級、「中国語コミュニケーシ
ョン能力検定」Fレベル。
• 上級中国語「中国語検定試験」3級、「HSK(
漢語水平考試)」3級、「中国語コミュニケーシ
ョン能力検定」Eレベル。
• 【韓国語】
• 基礎韓国語は、文字(ハングル)の組み立て
や発音の学習からスタートし、読解や会話に
必要な基本的文法をほぼマスターする。
• 2年次以降は、中級韓国語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」を
自由に選択履修することができる。
• 3年次以降では、さらに「上級韓国語I・Ⅱ」を
履修できる。
社会貢献・研究
• 社会人講習会(前期・後期受講者数 537名)
各言語土曜日に社会人のためのクラスを開
講している。
• 社会人講座(受講者数 163名)
毎年夏休みの前に言文センター主催の講演
会を開催している。
• 国際学会での発表(参加・発表8人)
• 論文発表(2009年度著書・論文9点)
教育の特色
• 各学部の学生に付加価値をつけていく教育
• 常に教職員のモチベーションを高めている
• 継続的なチャレンジ精神
• 言文センターの教職員が一丸になって、積極
的に学生の外国語学習を応援している
• 外国語が好きになる学生が増えている
• 少人数クラス編成のため、学生に信頼され、
学生からの相談が多い
DO(現状)
• 教育実施
少人数クラス編成(基礎25人~35人、中級15人~30人、上級10人~20人)
スポーツ推薦特別クラス設置(9クラス) 基礎外国語履修免除制度、基礎
英語習熟度別クラス編成のためのプレイスメント・テストの実施、留学の
ための英語集中コース、第3外国語、外国語科目・日本語科目優秀賞制
度
• 教授法
学習者中心、双方向でコミュニカティブな授業を実践している
90分授業を重視し、徹底している。教育の質保証(共通の教
科書採用、共通の教え方、85%共通の教え方、15%はそれぞ
れの教員の自信のある教え方を実施している。統一でありな
がら個性も出している)
• 教育形態
「読む・書く」(日本人の教員が担当)
「聞く・話す」 (ネイティブの教員が担当)
ドイツ語はペア授業、韓国語はネイティブの教員だけ
• シラバス
基礎は全言語共通(同レベル複数クラス)
中級は一部共通、上級は担当教員が書く
• 課外学習の支援
昼休み(12:20 ~12:50)学習相談アワーを設けて、専任教員
がローテーションで対応する
チューター・合宿(全言語前期・後期各20回、第2外国語年に1
回2泊3日の合宿プログラム)
言文センターにある教材ソフト、映像及び毎年購入しているソ
フトをデジタル化して、学内の教室でいつでも使えるようにし
た。また、学習指導室の自由ソフトもデジタル化して、学生は
自由に使うことができる。
インターネットEラーニング学習コンテンツを開発して、言文セ
ンターのHPにアップして学習に提供している。
• 成績評価
絶対評価による評価である。授業の参加態度、出席、小テス
ト(20%~45%)、前期・後期期末試験(55%~80%)
単位認定はかなり厳しくなってきた。
中級外国語 受講人数
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英語 受講人数 3884名(基礎2071名 187%)
第二外国語科目 受講人数 1255名
ドイツ語 154名(基礎416名 37%)
フランス語 248名(基礎381名 65%)
中国語 557名(基礎947名 58%)
韓国語 296名(基礎327名 90%)
合計 5139名(延べ人数)
中級科目への進学率は非常に高い
• 上級科目受講者数
英語 556名(中級から進学率14%)
第2外国語 172名
ドイツ語 33名(21%) フランス語 34名
(14%) 中国語 58名(11%) 韓国語 47名
(15%)
• 2001年度国際言語文化科目設置(4コース)
• 異文化理解・国際理解を強化している
• 国際言語文化科目の受講者数 484名
海外語学講座の実施
• 2009年度から「海外語学講座Ⅰ・Ⅱ」の教育
部分を国際交流センターから移管、実施した。
2010年度から教育プログラムの立案から派
遣までの業務を全面的に移管される。
CHECK(検証)
• 前期・後期 非常勤講師との懇談会を実施
• 教育方針の確認、統一教科書の進め方、双
方向教授法の確認、学生の受講状況
• 7月、学長主催の全学言語教育アドバイザ
リ・コミッティで報告し、各学部の改善意見を
聴取する。
• 前期・後期休講補講のチェック
• 小テスト、期末試験の実施(統一項目)
• 各言語検定試験の案内・実施
• 授業公開(国際言語文化センター開設当初か
ら実施)教員同士のお互いに学びあうため
• 授業アンケート実施
2008年度までは各言語の間で実施
2009年10月、初めて大規模の全言語統一の
アンケートを実施した。集計が終わり、来年度
に向けて、外国語学習支援体制の構築に役
立つ
外国語を生かした就職
• 外国語を生かして、国連などの国際機関に就
職したり、各業界で活躍したりしている。「ゼ
フィール・西風」2009年第3号参照
• 英語 法学部の宮田(徳岡)有佳さんは東京に
本部のある国際NGO JICAに勤務。文学部の
岩澤美保さんはNPO法人「かものはし」に勤
務。文学部の浦崎和香さんはフランストゥ
レーヌで高校3年生を担当し、日本人の学生
に英語、フランス人の学生に日本語を教える
• ドイツ語 経済学部の柏木彩也さんはドイツ
企業ゾーリンゲンに勤務。文学部の明石雄平
さんはメルセデス・ベンツの日本の販売会社
に勤務。
• フランス語 文学部の古我知晶さんはUNDP(
国連開発計画)に勤務。
• 中国語 高屋和子さんは立命館大学経済学
部准教授。経営学部の伊藤まほさんは上海
のダイキンに勤務。経営学部の日比準二さん
は企業を設立した。
• 韓国語 個人情報の関係で公表していない
が、いろいろな業界で活躍している模様
学生・学外の評価
• 「使える外国語」教育に対する評価(卒業生か
らの評価)が高い
• 「学習者中心、双方向のコミュニカティブな教
授法」に対する評価が高い
• カリキュラム編成(中・上級クラス授業を充実
させる)4年間何時でも勉強できるシステム
• 『全国大学ランキング2010年「週刊朝日」進
学MOOK』では、外国語に対する満足度で全
国第10位にランキング(関西では第1位)
• マスコミからの評価
• 15周年フォーラム(2009年12月12日実施)
来場者180人。
朝日新聞の記事
神戸新聞の記事
毎日新聞の記事
産経新聞の記事
夕刊フジの記事
読売新聞の情報記事
産経新聞の情報記事
ACTION(改善)
• 言語教授法・カリキュラム開発研究会全体会
議(年に2回)
• 各言語の教授法・カリキュラム開発研究会
• 学習者中心・双方向のコミュニカティブな教授
法の改善
• 検討委員会(教育目標の検証)での「年度計
画達成度の検証」
• 第2外国語基礎受講人数の調整を行っている
(中国語45% ドイツ語・フランス語20% 韓国
語15%)
• 中・上級クラスの最少受講人数を導入
• 新年度の中・上級外国語受講ガイダンス
• 毎年6月に次年度の時間割編成会議を開催
• 中長期計画について
2011年度に開講を目指して、専門教育をサ
ポートする「外国語特別クラス」を創設する
クラスの充足率の是正
学生の評価が高いが、就職先からのアンケー
トを見ると、「語学力を身につけている」項目
の得票率は11.9%(慶応27.5% 関学24.8% 同
志社23.9% 早稲田18.3% 立命館12.8% 甲
南11.9% 関大8.3%) これから全学の外国語(
特に英語)の底力を上げていく
優等生教育から全学生に力を入れていく
企業が求めている外国語力に合わせて、教
育に取り組んでいく
外国語学習支援体制の構築
• 学生の知的好奇心を喚起する
• 教職員が一丸となり、学生に「知の喜び」を伝
えていく
• 外国語学習支援体制の整備
• 外国語を使ったボランティア活動の実施
• 外国語教育の質保証を強化する
• 外国語コミュニケーション能力の向上
世界に通用する人物の教育
• 創設者である平生釟三郎の「世界に通用す
る紳士・淑女たれ」という言葉を教育理念とし
て、常に「改革」を念頭に、先進的な外国語教
育を専念していきたいと思っている。
• どうか今後ともご支援のほど、よろしくお願い
します。