平成16年総合講座 配布資料 - 名城大学理工学部 情報工学科

平成16年度 総合講座Ⅱ
「技術と工学」
11月13日 ファジィ情報の扱い方
20日 ロボットの設計法
27日 GaN系青色LEDの開発とその応用例
12月 4日 熱交換器と電熱促進技術
11日 重金属フリーの表面処理, 規制と緩和
18日 旅をする石ころ
「ファジィ」という言葉の意味
境界のない
いい加減な
あいまい
Fuzzy Wuzzy is a bear, ---Fuzzy Wuzzy had not hear
内
容
• Part Ⅰ 日常用語:ファジィな表現
• Part Ⅱ ファジィ集合論
ベテランの経験,勘,直感を活かす
• Part Ⅲ 技術論史でのファジィ
• 適当に 良い
いい 加減を研究
Dept. of Information Engineering,
Faculty of Science and Technology, Meijo University
E-mail:[email protected]
1.ファジィ理論の位置づけ
2.基礎知識
3.ファジィ集合
4.ファジィ推論
5.言語真理値を使う
ファジィ推論
6.ファジィ・エキスパート
システム
日本知能情報
ファジィ学会
著述賞 2004.6.
PartⅠ ファジィ理論と言語表現
Society for Fuzzy Theory
and Systems
情 報
• 数値情報
• 言語情報
• 感覚情報
• 無意識下での外との交換
言語情報
• 論理は思考の法則
• 自然言語:日常の暮らしの中の言語
• 人工言語:プログラミング言語など
• ファジィ論理はファジィ思考の法則
• ファジィ思考とは自然言語による思考
• ファジィ推論は常識推論
国語の目標
中学校学習指導要項(1998)
• 「国語を適切に表現し正確に理解する能
力を育成し、伝え合う力を高めるととも
に、思考力や想像力を養い言語感覚を豊
かにし、国語に対する認識を深め国語を
尊重する態度を育てる」
言葉はいい加減が適当
異様な日本語
• 「国語」の教室ほど、日常言語から離れた
異様な日本語を教師が語り、生徒も語らさ
れている場はない
• 母語による言語コミュニケーションは1対1
の関係の中で習得していくもの,---
小森陽一「ニホン語に出会う」, 2000年
ヒトの知の特徴
• 曖昧
• 道具の使用
• 脳のサイズ
• 家族の形成
• 自意識の所有
• 言語の使用
• 言語の使用
言語の問題は
知
の探求
FT
SO
Human Cognition and Natural Language
モノ・コトの数は無限
記号の数は有限
•
•
•
•
•
英語の語数は約100万から120万
日本語の語数は約20万
世界には2800の言語がある
ほとんどが50万よりずっと少ない
語数が少ないと、
– 多義的
– 普通名詞(個別の抽象)
ファジィ理論で扱う曖昧さ
• 言葉の意味の拡がり
• 概念の定義における曖昧さ
– 概念は自然言語で定義される
• 「定義」の定義
–
–
–
直示的定義
分析的定義
総合的定義
確率は物事が起きるかどうかの
程度を扱う
生起確率
Definability of a Concept
分析的定義
• 外延的定義(例で示す,挙げつくす)
Sea foods are Shrimp, Oyster,
Crab, ------ , and Z.
• 内包的定義(性質,特徴,条件)
{ x |x は3より大きい自然数 }
総合的定義
• 文脈定義のこと
• 文章の中で, その言葉の意味を指示
文脈依存の例
From a Talk Show
• I love your show. It is great.
• Host:Could you tell us why you love our show so
much ?
• Unfortunately I can’t because I do not watch your
どんな言葉も、その意味は文脈に依存
show.
• している。
Host:I don’t understand. How could you love our
show if you do not watch it ?
• My wife loves your show so much that she is glued
to the set while the show on. This gives me a chance
to sleep away unobserved and visit my neighbor’s
my wife. Would it be possible to extend the length
of the show by half an hour ?
クリスプとファジィ
• Crisp
– 素数、 方角の北、「4以上のサイコロの目」
• Fuzzy
– 小さい数、 強い力、沖、歩いて行ける距離
• FG
– 多くの学生は若い独身
• PNL
– 近い中に、景気の上昇はありそうもない
ソシュール(1815-1913)
の言語理論
• 「言語」という概念
– 多義性
• ランガージュ(Language)
• ラング(Langue)
• パロール(Parole)
ランガージュ (Language)
• 人間の持つ普遍的な
– 言語能力
– 抽象能力
– 概念化能力
• 自然に対する人間文化の源
• ヒトのコトバ
ラング(Langue)
• それぞれの社会で使われている具体的言葉
– (英語、日本語など)
• 歴史的、地理的な個別文化
パロール(Parole)
ラングという社会的規制によって行われる個人
の行為
• 個人により発話される具体的音声
• 物理現象 --- 脳内処理 ---
ソシュール以降
• チョムスキー(1928-)
• ヴィトゲンシュタイン(1889-1951)
–
–
前期(「論理的・哲学的論考」)
後期(「哲学的探求」)
• メルロ=ポンティ
– 思考と言語とが(別々に)あるのではない
– 言語表現は、思考そのものである
コトバ = 「分節言語」
•
連続な自然をコトバが非連続化、差別化する
ことにより認識
– 分節化 離散化
• 「分節化」の仕方はラングにより決まる
•
自然の内在的性質とは必ずしも一致しない
虹の色の数は細かく見ると無数の色が連続的に
少しづつ変わっているが、
七つの言葉で分節化
例
• H2O の分節化
– 日本では、「紅茶にお湯を注ぐ」、
–
--- 氷,水,お湯,蒸気 --– イギリスでは、「水(Water)」を注ぐ」
–
--- Ice, Water, Vapor --–
(Hot Water)
• 虹の色の分節化
– 紫, 藍, 青, 緑, 黄, 橙、 赤
– Purple, blue, green, yellow, orange, red
– ショナ語(ローデシア)では、3 語
– サンゴ後(ウバンギ)では、2 語
形容詞
• 絶対的形容詞----赤いりんご
• 相対的形容詞----大きい、長い
-- 基準が必要ーー
• 隠された基準 :
–
–
–
–
種の基準
比率基準
期待基準
適格基準
平均
細長い
イメージ
狭い部屋
少―し愛して
長―く愛して
赤いは絶対的形容詞
赤
外
線
700NM
曖昧さを実感する実験
大きい円
小さい円
反応時間 とは、円が画面に現れてから回答
をするまでの時間
曖昧だと時間がかかる
反
応
時
間
小
さ
い
中
間
大
き
い
半径
あいまいさの度合が反応時間という形で現れる
あいまいな日常語
金田一秀穂:言語学者
NHK「日本語なるほど塾」(2004.
5)より
日常使われている言葉を定義することできません。何
故かというと、意味がアナログ的に曖昧模糊として隣
接する言葉との境界がはっきりせず、不連続ではない、
すなわち,デジタルでないということになるからです。
しかし、もし、言葉の意味が全くあいまいであれば、
私たちの生活は成り立ちません。何を言ってもはっき
りしません。他人と言葉でコミュニケーションをとる
ということは不可能になるでしょう。
そこが言葉の不思議なところで、言葉はある程度デ
ジタルなのです。しかし、厳密な定義をしようとする
と、すぐに破綻が来ます。私たちの心がそんなに厳密
にできていない、デジタルにできているわけではない
からです。
4時
6時
8時
12時
4時
6時
明け方
早 朝
正 午
夕 方
宵の口
9時
夜遅く
12時
意味がアナログ的に曖昧
模糊として隣接する言葉
との境界がはっきりせず、
不連続ではない。
しかし、私たちの暮らしの中の自然言語は、人間が使
うものです。あいまいであり、微妙な揺れ動くニュア
ンスがなければなりません。そうした言葉だからこそ、
私たちの心を動かす詩や小説が可能になったり、愛を
語らったり、喧嘩をしたり、というようなことが可能
になります.
想像力をめぐらして希望を抱く、絶望する、という
ようなことも、自然言語があいまいで、言ってみれば、
とてもいい加減にできているからこそ、可能なのです。
思考と言語
• 思考と言語は不可分
• 思考の系列は言葉の系列
• 思いは、対象世界を曖昧な言葉で切り取
り、分節化したもの
思考と言語
• 思考と言語は不可分
• 思考の系列は言葉の系列
• 思いは、対象世界を曖昧な言葉で切り取り、分
節化したもの
• 「この大きな白いスクリーン」は、明確な定義なし
で、はじめて思考が流れる
• 思考におけるこの曖昧作法はヒトの智恵、生存
のための智恵
無数のヴァラエティをもつリアリティ
と
有限個の言葉
• 多義性
• 同音異議語
• 文脈依存(Context-dependent)
The ultimate inadequacy of a natural
language.
Computing with Words
• 誰でも何時でも何処でもコンピューティングする
には
(ユビキタス)
• キーボード入力をなくし、日常の言葉で入力で
きるようにする
• そのためには、
– 曖昧さを含む言葉を解釈することができる理論
– たくさんの知識、状況を書き込んだ大規模データ
ベースの作成
ソフトコンピューティング
電子辞書の拡大
ファジィ・コンピューティング
• 日常言語で書かれたプログラムの受理、
• 日常言語で応える
– 曖昧概念の理解
– 記述の不完全さの補完
• 「鳥は飛ぶ」
• たいていの鳥は飛ぶ
• 知能
– 検索、演繹、帰納、類推
---- なぜなら事柄の本性が許す範囲に
おいて、それぞれの類に応じた精確
さを追求することが教養をそなえた
人々に相応しいことだからである。
アリストテレス
約2320年前
「ニコマコス倫理学」加藤信朗訳より
Part Ⅱ ファジィ集合
• ファジィ用語の扱い方
• 「ファジィ」の意味
境界のない
いい加減な
あいまい
Fuzzy Wuzzy is a bear, ---Fuzzy Wuzzy had not hear
りんごは,おいしいですか?
μおいしいもの (りんご) = 0.7
次の線の上で,貴方の気持ちに合う場
所に
をつけてください。
0
おいしくない
1
0.7
おいしい
おいしいもの
あてはまる?
あてはまらない?
0
0.7
1
0.7
0.2
おいしいもの
0.85
《おいしい》のファジィ集合
μおいしいもの (りんご) = 0.7
μおいしいもの を
μおいしいもの (ぶどう) = 0.2
メンバーシップ関数という
μおいしいもの (かき) = 0.85
→あてはまる
0
0.2
0.7
0.85
1
おいしいもの
《軽い》
0
0
《重
い》
0.8
1
1
=
《重い》の否定
《重い》
否定
《おいしいも
の》
《まずいもの》
μおいしいもの(
)=
0.7
0.2
0.85
μまずいもの(
)=
0.3
0.8
0.15
1
0.7
大きい方を選ぶ
0.7 ∨ 0.4
小さい方を選ぶ
0.7 ∧ 0.4
0
おいしいもの
おいしいか
∪
おいしいもの
やわらかいもの
または
おいしく
おいしいもの
かつ
∩
0.4
やわらかいもの
やわらかいもの
やわらかいもの
やわらかいもの
おいしいもの
μおいしいもの
(
∪
∩ やわらかいもの
= μおいしいもの(
=
0.2
0.7
0.85
=
0.15
0.7
0.6
0.85
やわらかいもの
)
)∨
∧ μやわらかいもの(
∧
∨
0.6
0.4
0.15
)
味噌
味噌
が,よくあうと思いますか?
μ と とんかつ
(味噌,とんかつ)=
0.9
よくあうもの
貴方の気持ちに合う場所に
0
あわない←
をつけて下さい。
0.9
1
→よくあう
醤油
味噌
0.9
0.1
ソース
よくあうペア
ファジィ関係
醤油
0.9
味噌
マヨネーズ
ソース
μよくあうもの(
0.1
,
)= 0.9
0.1
ファジィ推論
• Rule:
– If X is A1 and Y is B1 then Z is C1
ファジィ関係
– If X is A2 and Y is B2 then Z is C2
• Fact:
– X is A ファジィ集合
and Y is B
• Z is ?
ファジィな結論
倒立振子の制御
• ルール1:振子が右へ傾いたら,支点を右へ
• ルール2:振子が左へ傾いたら,支点を左へ
• ルール3: 平衡なら
• 事実:右に
何もしない
・結論: 支点を右へ
大きく
いそいで
小さく
慎重に
傾いてゆく速度も考慮すると
If 左へ傾きかつその速度が小さい
then 左に小さく動かせ
小さい方の高さで
頭切り
A1
C1
Bルール1
1
X
Z
Y
A2
B2
C2
ルール2
Y
X
x
事実
y
推論結果
Z
Z
推論結果
Z
実用例
•
•
•
•
ファジィ洗濯機
ファジィ炊飯器
仙台の地下鉄の運転
三重倒立振子(半自動)
•
•
•
•
•
廃液中和制御
無人ヘリコプターの操縦
トレーラの後退制御
Web Intelligence and Fuzzy logic などなど.
「ファジィ情報論」102から103ページに応用
例の一覧表がある.
まとめ
• 厳密なモデルが記述できない.
• 現場のベテランの知識,経験を言語で記
述し,ルールを作成し,ファジィ推論により
何とか対象を望ましい状態へもっていく.
まとめ
• 厳密なモデルが記述できない.
• 現場のベテランの知識,経験を言語で記
述し,ルールを作成し,何とか対象を望ま
しい状態へもっていく.
• その際, あいまいさを受け入れたまま状
況を表現し,理解し,制御するーーー
• これがファジィ制御.
ファジィ・コンピューティング
従来のコンピュータ
数式などを使って問題
を厳密に設定。
問題を厳密に設定できない場合
ファジィコンピュータは、
エキスパートの経験やヒト
が日常使うファジィ用語を
理解し、適切な処理
Part Ⅲ 技術論史から見た
と
語
源
• Technology = techno + logic
• techno = art, skill を表すギリシャ語から
– 技能=技芸を行う腕前
– 技芸=美術工芸など、芸術方面に関わる技術
• 技術=物事を巧みに行うわざ。技巧。技芸。
– 科学を実地に応用し、自然の事物を改変、加工
し、人間生活に利用するわざ。(広辞苑)
Techno-Logy
技(Techno)
技能
裏技
理論(logic)
技
術
論理学
数学
自然科学
技術論
論史の人と年代
体系説 (1932~、プハーリン、岡ら) 経済学者
適用説 (1946、武谷三男、星野芳夫) 科学者
触合説 (ハイデガー、マルクーゼら) 哲学者
改造説 (オルテガ)
技術論史から見たファ
ジィ1
客観的状況
社会意識
状 況
目 的
技術論に期待する
役割・合目的性
規 定
技術の本質規定
体系説
世界経済恐慌(1929
~
技術論史から見たファ
ジィ2
モダンタイムス
状 況
目 的
技術の社会的意味付け
(技術進歩と生活の質的
向上の関係)
規 定
技術=生産手段の体系
体系説のプラス、マイナス
• 経済学者による経済学的カテゴリー
– 人間関係の枠の中での位置づけ
• 技術発展の桎梏としての社会的所有関係
• 生活への圧迫の背景
•
技術開発には寄与しない技術論
–
技術を成立させる主体的根拠の無視、外国からの
技術導入の評価出来ず。
– ソフト、管理技術等の現代技術の問題に弱い。
– (コンピュータ ハードだけなら ただの金物)
適用説
敗戦後の生産復興
低い技術水準
状 況
目 的
技術推進の指導原理
導入技術の評価
全技術史の把握
規 定
技術=生産的実
践における客観
的法則性の意識
的適用
適用説
• 開発者、技術者の主体の重視
– 技術導入等の正当な評価
– 理想型の設定と歪みの指摘
• 客観主義の打破
•
労働過程を自然との関わりのみで抽象化
– 純技術史の方法論、
•
テクノロジーの原理のみで、近代批判なし
触合い説
人間存在への技術的合理性の侵入
人工子宮(1930),
核兵器
状 況
目的性
規 定
技術=隠れ秘そむ何
現代技術批判
近代的知の告発
か身近 かで 親しい
ものとの触合い:
(現存するものを顕れさせ
最低限の技術のありかたとして
隠れ秘そむ何か身近 かで
親しいものとの触合い
触合い説(哲学者)
• 実存主義者による近代技術批判
• 根源的に捉える ー 近代の根拠を問う?
– 技術的合理性(=計量化)の歴史性
– 技術文明の様相は人間存在の可能な一つのあり方
– 科学的認識 → 詩的認識(詩人=預言者=一般教
養の達人)
• テクノロジーの原理では救えない、と指摘
–
(自然の一部を一時お借りしている)
自然改造説(標準)
技術の生活における
役割の重要度の増加
状 況
目的性
技術と文明の問題
技術の哲学的反省
規 定
人間がその諸必要
を満足させる上で、
自然に課する改造
改造説
• 何が人間に必要か
– 何が「良いこと」か
– 何が「進歩」なのか
• いつも同じ事を望み、同じ事を目標にする限り
において「進歩」は言え、測れること
• 進歩主義に疑義を唱えてはいる。
• 文明論での技術の把握
– 一般的見方
主・客のダイナミックス
合目的性
欲 望
主体
抽象 →科学
対象
適用 → 技術
合法則性
制約性
主・客のダイナミックス(1)
新しい法則
欲望の拡大
多様化
対象
主体
新技術
潜在的利用
度の増大
主・客のダイナミックスの変容(2)
欲望
変革
好奇心
知識
抽象→社会科学
主体
対象
適用→ 管理技術
組織
消費者
国
主・客の変化
• 主体
• 対象
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
当初の目的
改革・変革意思
拡大・多様化
知識・手段を持つ
国家意思
消費者選好
企業
• 人間
合法則性による規定
法律などの制約性
それらの不断の変化
改良の対象としての
• 生産手段・方法
• ビジネスプロセス
• 環境(自然、社会)
科学の歴史
•
第一期
– 時計師 ワット
– 理髪師 アークライト
– 宝石師 フルトン
–
エジソン
•
独学の季節
•
第二期
– 大学教育を受けた技術者
– 基礎科学 → 大学
– 実践的応用 → 企業
• 技術革新の主体は企業
現代技術の特徴
• 技術:技術的労働の計量可能性
• 科学:知的能力の計量化
(業績主義の横行)
• 特許→防衛特許、産業機密
– 応用開発から基礎技術
•
•
•
•
宇宙と国防
管理技術
情報化
脳科学----- (存在の創造) --- 自立の崩壊
情報化社会
• 強いて必然性を言えば
– 情報量の増大
プラントの巨大化:
–
システムの複雑化等
– 高速化
人間追従不能
高度情報化社会
球の表面積 = 半径の2乗に比例
球の容積 = 半径の3乗に比例
コスト/生産物 = 半径に反比例
スケールメリットの秘密
大きいことはいいことだ
情報の分野
•
•
•
•
デジタル計算技術と通信技術
知的コンピューティング
人間の情報処理(科学)
情報と社会(経営情報論)
–
–
情報 : 情(こころ)を報(し)らせる
意味論的情報論
若干の中間まとめ
• 論史は静的ではあるが、人間の本来的活
動を捉えようとしている、
• 情報技術はトリアーデをはみ出て、
–
–
ツール重点的な歴史を作りつつある、
ゴールオリエントに戻す力はどこに ?
技術と技能
• 技術
– 法則のもつ普遍性
– 意図しない拡がり
– 制御不可
• 人間の論理から
遠い所
• 技能
– 言葉にもしない経験則
– 小さな普遍性
– 小さな伝統的生産
• 人間の論理に
近い所
若干の中間まとめ
• 論理(の一部)の歴史化
– 2値論理と3値論理:
– より効率的な3値論理より2値論理が、コン
ピュータの世界で定着
• 技芸の領域では [論理] は不要
– しかし多かれ少なかれ知的である
– ファジィ
技能の再評価
あいまいさに関わる知
• 暗黙知(ポラニー)
– 我々は語ることができるより多くのことを知る
ことができる
– 全体的相は、その個々の細目を明示できな
いにもかかわらず、認知することができる
• Zadeh の不適合性の原理:
– 「際限なく明晰さを求めることは我々が複雑
な対象を理解することの妨げになる」
主・客が分離していない領域
感覚器から
変革
改善
改良
主体
対象
現に前に
ある対象
ほとんど無意識での適用・表現
感性、芸術
準客観的 ーファジィルールー
対象
主体
数学モデル限界
目前の困難な
問題の解決意欲
言語モデル
ファジィ推論
不確かさの構造
非明証性
蓋然性
情報理論
制約性
法則性
非合理性
不完全性
非判明性
非決定性
具体化
構造化
主観化
客観化
不確実性
ファジィ情報論
表現
曖昧性
漠然性
表出
ファジィ・テクノ
• 生産実践→ 人間諸活動
• 法則性 → 自然言語で記述されたルール
• 意識的 → フレンドリー(隠れ秘そむ何か身近 か
で 親しいものとの触合い)
• 期待されるインパクト ?
– 知の融合
– 経験、直感
– ウォンツ、ゴール
技術=生産的実践における客
観的法則性の意識的適用
ファジィ技術の本質規定
• 人間の諸活動における,言語表現された
知識(法則,経験)の身近な適用。
• 技術の普遍性とは多くの可能な選択肢
• 技術の特殊性とはその中から
– どの技術を選択するか
– どんな運営管理方式を選択するか
ファジィの利点
• ヒトの認識の大部分が言語だとすると、言語モ
デルの使用こそ最大の利点
– 分かり易しい
– コミュニケーションし易い
• 優しさとは
– 「優しい」
「分かり易い」
• しかし,「優しさ」への接近は技術的合理性だけ
ではとても困難に見える. 技術(研究)者の(心
の)世界は荒涼と ---- でなければよいが
お わ り に
古き良き主客のダイナミズムは、今では潜
在的にしか作用していない。
現代技術のあまりにも大きい創発効果で,
制御不能に陥りつつある現状況に歯止め
をかけ、方向を指し示す何かが登場することが
要請されている。
しかし、技術をゴールオリエントに引き戻す
力を、私たちは一体どこに求めればよいか?