震災復興とICTの役割 2011年10月3日 総務省大臣官房企画課長 谷脇 康彦 震災復興とICTの役割 ✔ 情報流通連携基盤の重要性 □ □ スマートグリッドとICT □ スマートクラウド戦略 □ ICT分野の国際競争力の強化 □ ブロードバンド事業モデルの変化 1 東日本大震災における通信の被災・輻輳状況 固定通信 2 移動通信 被災状況 被災状況 ■合計約190万回線の通信回線が被災。現在は99%以上復旧。 ■NTT、KDDI、ソフトバンクテレコムは、一部エリアを除き、復旧済。 <最大被災回線数> ■合計約2万9千局の基地局が停止。現在は95%以上復旧。 ■イー・モバイルは、復旧済、NTT、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコムは、 一部エリアを除き復旧済。 <最大停止基地局数> 15000 NTT東 (万回線) (固定電話) NTT東 KDDI KDDI (FTTH) (固定電話) (FTTH・ADSL) ソフトバンク テレコム (固定電話) 輻輳状況 ~ ~ (局) ドコモ au ソフトバンク イー・ モバイル モバイル ウィルコム 輻輳状況 ■各社で、固定電話について、最大80%~90%の規制を実施。 <最大発信規制値> ■各社で、音声では、最大70%~95%の規制を実施(※) 。 ■他方、パケットの規制は、非規制又は音声に比べ低い割合。 ※イー・モバイルは音声・パケットとも規制を非実施 <最大発信規制値> (%) (%) NTT東 KDDI ソフトバンク テレコム ドコモ (音声) ドコモ (パケット) au (音声) au ソフトバンク ソフトバンク (パケット) (音声) (パケット) 固定電話の不通回線数の推移 3 『東日本大震災本震』 ○発生日時:3月11日(金)14:46頃 ○最大震度:7 ○震源地:三陸沖 3 3 携帯電話基地局の停波局数の推移 4 『東日本大震災本震』 ○発生日時:3月11日(金)14:46頃 ○最大震度:7 ○震源地:三陸沖 4 4 携帯電話ネットワークの被災箇所 基地局倒壊、 蓄電池容量の枯渇 NTT局舎 (収容ビル) NTT局舎 (中継ビル) 伝送路中継局 エリアA 交換設備 基地局 制御装置 ケーブル切断、 管路破壊 5 NTT局舎倒壊、 通信設備水没・流失、 長時間停電による 発電機燃料の枯渇 交換設備 基地局 通信ケーブル エリアB 5 中継 交換機 交換設備 6 ■ 住民生活を支える各種情報のデジタル化の重要性 ・ 震災・津波の影響により、紙のカルテが流出・毀損したため、被災者に対する医療の提供に大きな支障を来している。また、教育分 野においては、被災地で計50万4千冊の教科書が津波により使用不可能となる等の被害が生じている。 ・ このような住民生活を支える各種情報のデジタル化を進めていくことが重要。 ■ 情報バックアップ・耐災害性強化のためのクラウドコンピューティングの活用の重要性 ・ 宮城県南三陸町では、市庁舎全体が津波により水没したため、電子化された戸籍データが消失し、生活を支える行政手続が困難 になるという事態が発生したところ。 ・ 電子化されたデータのバックアップを、地理的に離れた場所の耐災害性に優れたデータセンターにおいて保管・処理するクラウドコ ンピューティングの活用が重要。 ■ 災害時・災害後における的確な情報流通の重要性 ・ 津波被害の拡大の要因として、津波に関する情報が的確に住民に伝わらなかったことが指摘されているところ。 ・ また、支援物資や行政・医療等に関する情報が、被災住民に必ずしも的確に伝わっておらず、生活の維持・再建を困難なものとして いることも指摘されている。 ■ 有線・無線の重層的な情報流通手段の重要性 ・ 震災においては、緊急時の連絡や情報入手の手段として、特に携帯電話に高いニーズが見られたほか、ラジオ等のメディアや、衛 星携帯電話等が重要な役割を果たしたところ。 ・ また、避難所における無線LANによるインターネット利用環境の整備等が情報流通の重要な手段を提供しているところ。 ICT政策の基本的視点 7 ①通信インフラ等の耐災害性の強化 ✔ 冗長性のある有機的なネットワーク連携により、耐災害性に優れた新たな国土(例えば、「コンパクトシティ」 が有機的にネットワークで結ばれている国土)の形成を実現 ②ICTによる地域の「絆」の再生・強化(「共生型ネット社会」の構築) ✔ インターネットの持つソーシャルメディアとしての機能等を活用しつつ、「共生型ネット社会」(ネットを通じた コミュニケーションを深めることにより、距離等の制約を超えて人と人のつながりが深くなる社会)の構築 ③ICT利活用による新事業の創出 ✔ 被災地の農林水産業の復興、行政・医療・教育等の公的サービスの瞬断なき提供を実現 ✔ ICT利活用人材の育成、アクセシビリティの向上に資するユニバーサルデザインの実現、情報セキュリティ の向上等の共通基盤の整備 ④ICTによるエネルギー制約克服への貢献(グリーンICT等の推進) ✔ 中期的な電力需給の逼迫や環境負荷の低減への対応に向けたICTの活用として、日本の生産力を最大限 維持していくためのグリーンICT等の推進 ⑤ICT産業の国際競争力の強化(産業空洞化への対応、国際連携・協調の推進) ✔ サービスや事業活動のグローバル化に対応しつつ、産業の空洞化を防ぐとともに、アジアの成長を取り込ん だICT産業の復興を実現 地方自治体の構築したブロードバンド基盤等の被害状況 ● 平成23年6月30日時点で、被災3県のうち少なくとも23市町村※において、公設の情報通信基盤 (ブロードバンド、ケーブルテレビ、イントラネット等)が損壊。 ※ 岩手県 久慈市、野田村、普代村、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市、一関市、洋野町、宮古市、山田町 宮城県 気仙沼市、石巻市、塩竃市、山元町、東松島市、南三陸町 福島県 新地町、相馬市、南相馬市、浪江町、いわき市、国見町 <宮城県の被災状況 (平成23年6月30日時点で把握できているもの)> 気仙沼市 ●地域イントラネット ・伝送路破壊箇所 多数 ●ケーブルテレビ ・伝送路破壊箇所 多数 ・施設損壊 多数 石巻市 ●地域イントラネット ・伝送路破壊箇所 約70km ・3つの拠点施設で機器全壊 ・約30の収容施設で機器全壊 :公設の情報通信基盤が被災した市町村 8 主なIXの状況 9 東京 名古屋 dix-ie (distributed ix in edo 旧NSPIXP2) 1996年WIDEプロジェクトにより設置され た実験用IX jpix名古屋 2001年KMN(株)により設置されたIX BBIX名古屋 2005年BBIX(株)により設置されたIX jpix大手町 1997年JPIX(株)により設置されたIX 福岡 JPNAP東京Ⅰ 2001年インターネットマルチフィード(株) により設置されたIX JPNAP東京Ⅱ 2008年インターネットマルチフィード(株) により設置されたIX BBIX福岡 2004年BBIX(株)により設置されたIX 沖縄 BBIX沖縄 2006年BBIX(株)により設置されたIX BBIX東京 2003年BBIX(株)により設置されたIX BBIX東京第2 2006年BBIX(株)により設置されたIX 大阪 NSPIXP3 1997年WIDEプロジェクトにより設置され た実験用IX jpix大阪 2002年JPIX(株)が新たに大阪に設置し たIX JPNAP大阪 2002年インターネットマルチフィード(株) により設置されたIX BBIX大阪 2004年BBIX(株)により設置されたIX NSPIXP (Network Service Provider Internet eXchange Point) WIDE Projectが運営するIX JPIX (Japan Internet eXchange) 日本インターネットエクスチェンジ株式会社が運営するIX 1997年7月に旧KDDを中心に設立 JPNAP (Japan Network Access Point) インターネットマルチフィード株式会社が運営するIX 1997年9月にNTTグループとIIJを中心に設立 BBIX BBIX株式会社が運営するIX 2003年6月にソフトバンクグループが設立 ※ IX (Internet eXchange):インターネット接続事業者間を相互接続する相互接続点 公的機関におけるミラーリング事例 10 ● 政府、電力会社などの公的機関のサイトへのアクセス集中により情報を得られない事態を回避するため、 ミラーリングを行った事例がある。 アクセス集中への対策 【参考】 文部科学省ウェブページ http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm アクセス集中への対策 アクセス集中への対策 【参考】 経済産業省ウェブページ http://www.meti.go.jp/earthquake/touhoku_epco/index.html 【参考】 東京電力ウェブページ http://www.tepco.co.jp/keikakuteiden/kensaku-j.html 公的機関によるソーシャルメディア等インターネットの活用状況 11 ● 各府省庁は、情報発信の強化や、情報を必要とする多くの国民にいち早く発信を行うため、ツイッター等のソーシャルメディア を活用している。 ● 国、地方公共団体等におけるソーシャルメディアの利用が増加していることを受け、ソーシャルメディアを使った情報発信を行 う際の留意事項、対応の指針をまとめ、指針として公表。 「国、地方公共団体等公共機関における民間ソーシャルメディアを活用した情報発信についての指針」 平成23年4月5日内閣官房(情報セキュリティセンター、IT担当室)、総務省、経済産業省 行政機関のツイッターアカウント数の推移 (経済産業省調べ) ツイッターによる情報発信例 (東日本大震災発生時) 160 148 140 121 120 113 106 108 101 100 94 80 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部電子行政に関するタスクフォース第14回会合資料1をもとに作成 12 ■ sinsai.info ■ 自動車運行実績情報マップ ・ 建物レベルで、被災地情報(避難所、物資、消息、インフ ラ)が閲覧可能。 ・ 主な使用データ提供元 -国土地理院 ・ 被災地域内での移動の参考となる情報を提供。 ・ 主な使用データ提供元 -本田技研工業株式会社(インターナビ・プレミアムクラブ -パイオニア株式会社(スマートループ渋滞情報) 提供者:(社)オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン 参考URL: http://www.sinsai.info/ushahidi/ 提供者:Google 参考URL:http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_traffic.html 13 ■ 子どもの学び支援ポータルサイト ・ 被災児童、生徒を効率的に支援するために、支援の要請・提供に関する声を収集し、マッチングを図るサイトを構築。 ・ 支援の要請の実現状況については、地図上に表示。 【「子どもの学び支援ポータルサイト」 トップページ】 提供者:文部科学省 参考URL: http://manabishien.mext.go.jp/ 【「子どもの学び支援ポータルサイト」支援の要請マップ】 14 マッシュアップ 情報 (コンテンツ) (組み合わせて利用) コンテンツ等 レイヤー レ イ ヤ ー 間 の イ ン タ ー フ ェ ー ス の オ ー プ ン 化 ( 標 準 化 ) クラウドサービスの活用 (クラウド間連携を含む) プラットフォーム レイヤー ネットワーク レイヤー 端末 レイヤー デジタルデータの 蓄積保存による 耐災害性の強化 情報連携による 需要と供給の マッチングが可能 ビッグデータを活用 情報の「見える化」 した情報解析で や「統合化」による 被災地の状況把握 ニーズ把握が可能 が可能 (IP化を軸とする通信・放送の融合・連携の進展) (M2M通信の普及) (有線・無線ネットワークの有機的連携) (端末・ネットワーク間の紐帯関係の緩和) (オープンソースOS等の普及) 情報流通連携基盤 (プラットフォーム) (例) ➤APIの標準化 ➤データ様式の連携 ➤認証・課金機能等の連携 ➤個人情報の取扱に関する ルールの整合性確保 15 被災自治体(県) NPO等の民間部門 支援自治体 国 ➤官民情報連携基盤:被災自治体を中心に関係者の情報連携を円滑にする仕組み ➤国の役割:被災自治体・政府・民間の情報連携の促進(ファシリテータとしての役割) ➤アウトカム目標:「情報連携の手順の確立」&「各システムに実装すべき項目の洗い出し」 16 自治体内情報連携基盤 医療情報連携基盤 広域官民情報連携基盤 金融機関システム (一時金、義援金、保険金等) 自治体クラウド 被災医療健康情報 (携帯電話でアクセス) デジタルサイネージ等を活用した 避難所情報連携システム 医療クラウド (電子カルテ、医療サービス需給マッチング) NPO活動クラウド 分散した被災者との 情報共有基盤 需給マッチングシステム (情報のフィルタリングシステム) 被災地の情報発信 (要支援情報の提供) 支援自治体との情報連携 被災情報の集約化 県・地方自治体への 必要な支援 (各府省の連携) 政府(情報連携支援) 海外情報発信 国内情報発信 政府情報のデジタル提供 (オープンガバメント) リアルタイムベースの 行政情報 復旧復興プロセスの「見える化」 健康情報活用基盤(日本版EHR)のイメージ 17 ※EHR(Electronic Health Record): 個人が自らの医療・健康情報(診療情報・健診情報等)を「生涯にわたって」電子的に管理・活用できる仕組み 安全性を確保した基盤 ア 登 録 地域の医療機関/ 調剤薬局との情報連携 医師 保健師 調剤情報 健診結果等 日々の健康記録 (体重、腹囲、血圧等の身体記録) 診療情報 イ 保 存 薬剤師 医師 診療情報 日常の健康情報 調剤情報 健診情報 健康情報活用基盤 健康情報の疫学的活用 ウ 閲 覧 匿 名 化 個人 救急隊員 医師 (医師会) 保健師 保健相談センター 地域包括支援センター 市役所 医師会 歯科医師会 薬剤師会 具体的効果 ○過去の診療内容に基づいた医療機関間における継続的な医療の実施、重複検査の回避 等 ○生活習慣病予防等、医療費削減への寄与 ○匿名化された健康情報の疫学的活用 ○日々の健康管理による、個人の健康増進への貢献 具体的施策① 18 ①通信インフラ等の耐災害性の強化・再構築 ✔ 重層的な情報通信ネットワークの構築(1つの情報通信網が途絶しても、他の情報通信網を介して災害情報等の伝達が 可能となる防災無線、通信網、放送網等を連携させる仕組みの構築) ✔ IX機能やデータセンタの地域分散化、衛星インターネットと固定・移動通信ネットワークを組み合わせた網構築、通信途絶時 のメッシュ型無線LAN網による応急復旧等の推進 ✔ 津波等による地域住民情報の消失を防ぐとともに、低コストで迅速な行政機能の復旧を可能とするための自治体クラ ウドの構築の推進 ②冗長性の高い情報提供基盤の構築 ✔ アクセス集中を回避するための公的機関によるミラーリング、クラウドの活用等の促進(手順等の確立・共有化) ✔ 迅速かつ適切に災害情報を伝達するための公的機関によるソーシャルメディア等インターネットの活用の促進(ガイドライン の充実化) ✔ 自治体等の情報を集約し、多様なメディアに提供可能な基盤の普及推進(安心・安全公共コモンズ) ✔ 高齢者等のICTリテラシーの向上、高齢者等にとって使い勝手のよいサービス等の開発の促進(疎開先の住民に向け て生活情報等をインターネットを介して発信し、容易に地元情報にアクセス可能な仕組みの構築) ✔ 遠隔医療等による広域医療連携、携帯端末などから診療・調剤情報等への参照を可能とする医療クラウド(日本版EHR)、 医療情報等の電子化の推進、これらを支える安全かつ最適な通信ネットワークの仕組みの確立 ✔ ICT人材の定着を希望する地域と、地域への貢献を希望するICT人材をマッチングさせる仕組みの創設、地域から の情報発信を行う人材等の活用による地域における「共助」の仕組みの形成 ICT産業の日本経済への貢献 19 ● ICT産業は、全産業の名目国内生産額合計の約1割を占める我が国最大の産業。 ● 我が国の実質GDP成長の約3分の1をICT産業がけん引。 ■ 主な産業の名目国内生産額(2008年) 全産業の 名目国内生産額 その他 581.4兆円 57.8% (2008年) 3.0 電気機械 (除情報通信機器) 33.1兆円 3.3% 輸送機械 59.4兆円 6% 建設 (除電気通信施設 建設) 60.2兆円 6.0% 卸売 66.2兆円 6.6% 1,005.1兆円 小売 33.2兆円 運輸 3.2% 41.1兆円 鉄鋼 4.1% 34.9兆円 3.5% ■ 実質GDP成長に対するICT産業の寄与率 4.0 ICT産業 96.5兆円 9.6% (%) 2.9 2.6 2.7 2.4 1.9 1.6 2.0 2.0 1.4 0.2 1.0 0.3 0.0 -0.1 -1.0 -1.2 -2.0 5年間の 平均寄与率は38% -2.0 -3.0 平成8 9 10 11 情報通信産業 12 13 14 15 その他の産業 16 17 18 19 実質GDP成長率 20 (年) 【出典】 総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成22年) 復興に当たってのICT投資による経済効果 20 ■ 東日本大震災による民間企業の資本設備損害額と復興投資の経済波及効果 資本設備損害額 うちICT関連 復興投資の経済波及効果(GDP) 2.5兆円 うちICT関連 復興投資の経済波及効果(雇用者) 1.6兆円 うちICT関連 20.1万 人 全産業 9.0兆円 全産業 6.9兆円 全産業 94.7万人 ※ 内閣府試算での被害額が16兆円の場合を前提として試算。 ※ 「復興投資の経済波及効果」とは、損害額に相当する復興投資を行った場合の経済波及効果をいう。 ※ 「ICT関連」とは、ICT産業の一般資本設備と全産業の情報資本設備の合計を指す。 ■ 復興投資1兆円当たりの経済波及効果 GDP 雇用者 0.81兆 11.3万 円 人 14.0万 0.85兆 円 0.91兆 10.2万 円 人 (兆円) 人 (万人) 【出典】 (株)情報通信総合研究所調査(2011年5月30日、6月7日) 具体的施策② 21 ③スマート・クラウド戦略の推進 ✔ 「ジャパン・クラウド・コンソーシアム (JCC)」におけるクラウドサービス普及に向けた取組の積極的な支援 ✔ 被災地企業等のクラウドサービス導入に対する助言等の支援による復旧・復興プロセスの加速化、情報システムの耐災 害性や情報連携の強化等の推進 ✔ 「ASP・SaaS利用促進協議会 (ASPIC)」を通じたクラウドサービス等の提供者及び利用者に対するガイドライン策定 等の推進 ✔ いわゆる「ビッグデータ」の解析等の効率的な実施やクラウド間の連携強化を実現するための研究開発の促進、クラウド間の 円滑なデータ流通を可能とするための標準化活動等を行う「グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム(GICTF)」等の支援 この部分はのち ほどご説明します ④テレワークの推進によるBCP強化・雇用創出 ✔ テレワーク導入によるBCP・節電などの具体的な効果・事例の収集・周知 ✔ テレワークシステムの体系化、運用規程等の整備、導入等に係る人的支援の仕組みの構築 ✔ 被災地外の仕事をテレワークを通じて被災地につなぐことによる雇用創出に向けた取り組みの実施 ⑤「情報の利活用」の積極的推進 ✔ 主体、分野・領域に閉じない情報の流通・連携を図るための「情報流通連携基盤」(各プラットフォーム間のAPIの標準化、 データ様式等の連携、認証・課金機能等の連携、クラウド事業者の遵守事項のガイドライン化等の汎用性のある技術・運用 ルール、情報セキュリティ、ICT人材等による共通基盤)の実現の推進 ✔ 国等が保有する災害関連情報等の復旧関連データのデジタルフォーマット(XML、CSV等)による公開の促進等 ⑥東北地方における新たなICT拠点の創造 ✔ テレワークを活用したソフトウェア開発拠点の整備、東北地方への研究開発及び実証拠点の誘致等 22 <被災地におけるICT研究拠点等> 課 題 ■ 東北地方は、我が国有数の電気通信分野の研究拠点と しての歴史を持つ。 青森大学 ソフトウェア情報学部 八戸工業高等専門学校 八戸工業大学工学部 弘前大学工学部 ■ 東北大学では、1935年に電気通信研究所を設置するな ど、電気通信分野の先駆的研究の重点化に戦前から組織 的に取り組んでおり、多数の研究成果を上げている。 (成果の例) ・テレビの受信用に使用されている八木・宇田アンテナ ・電子レンジに使用されているマグネトロン ・光通信の3要素(発光素子、光伝送路、受光素子)、 増幅器の開発等、光ファイバ通信の基礎を確立 岩手県立大学ソフトウェア情報学部 岩手県地域連携研究センター 岩手大学工学部 仙台工業高等専門学校 日本に3校しか存在しない 電波高専の1つ 東北工業大学工学部 東北大学電気通信研究所 ■ このような東北地方の強みを復興に当たって最大限に 活かすことが必要。 一関工業高等専門学校 石巻専修大学理工学部 東北学院大学工学部 日本大学工学部 会津大学 施策例 いわき明星大学科学技術部 福島工業高等専門学校 ① 東北地方におけるICT拠点の集積化・地域からのイノベーション創出 東北大学を中心とするICT研究の重要拠点という強みを活かし、情報通信技術の開発・実証拠点の整備、東北地方への国 内・海外研究開発拠点の誘致など、ICT産業の開発拠点の集積化を図る。このため、研究開発用施設整備費用に対する支 援や進出企業に対する税制上の優遇、競争的資金制度におけるインセンティブ付与等の支援策を実施。 ② 電波を利用した新たな事業の創出 ホワイトスペースやセンサーネットワークなどの新たな無線技術の活用や、新たな無線システムの有効性を検証するテスト ベッドの構築等により、被災地の活性化、情報通信基盤の確立、魅力あるまちづくり等を推進。 ICTの利活用を阻む規制・制度の例① ○遠隔医療 【医師法に関する局長通知(厚生労働省)】 一部措置済み ○デジタル教科書 23 【教科書の発行に関する臨時措置法等(文部科学省)】 ・ 医師法第20条において対面診療が原則とされており、通知 ・ 「教科書の発行に関する臨時措置法」に基づく、紙の教科書 で、遠隔医療が可能なものとして、7つの疾病等のみが列挙 を前提とした制度 ・ 遠隔医療システムの導入に見合う報酬がなく、また、専門医 (教科書の表紙には「教科書」の文字を、末尾には、印刷者の が現場の医師を支援する場合、サポートする側の専門医に対 氏名住所及び印刷の年月日を記載しなければならない) する報酬がない 教科書の電子化の促進による協働教育の実現 安全性・有効性等が認められた遠隔医療技術について 適用範囲を拡大するとともに、診療報酬を見直し 報酬あり 診療 報酬なし 遠隔画像診断 改善 報酬あり サポート 2疾病(癌等)を追加し、例示に過ぎない旨を明確化等。 ※平成23年3月に局長通知を改正済み。 安全性等のエビデンスについて、診療報酬は引続き検 【日本経団連(情報化部会)、JEITA、CIAJ等】 討。 書面で 発行 電子的に 発行 書面を 確認 紙の教科書 デジタル教科書 検定制度、無償給与制度等の教科書制度全般の法改正 や著作権制度の課題について、平成23年度以降検討開 【日本経団連(情報化部会)等】 始。 処方情報 の確認 改善 ○処方箋の電子化 改善 学校に指導要録等の 備え置きが必要 改善 学校に指導要録等の 備え置きが不要 ○学校備付けの表簿 【e文書法(内閣官房)・局長通知(厚生労働省)】 ・ e文書法の適用対象外であり、処方箋の電磁的な保存等が できない 遠隔医療とともに、病院等に行かずに処方箋の申請や受 領が可能となり、患者の利便性の向上及び業務の効率化 処方箋発行に係る考え方について、平成23年度中に結 論。 【日本経団連(情報化部会)、JEITA、CIAJ等】 事実誤認と判明 【学校教育法施行規則(文部科学省)】 ・ 「学校において備えなければならない表簿」として、指導要録 や学校に関係ある法令等が指定 クラウド上に各種表簿を置くことにより、業務の効率化 現行法令においても、学校「として」備えればよく、ASP サービス等の活用が可能。技術的課題(認証基盤等)の 基本的な考え方を平成23年度中周知。 【日本経団連(情報化部会)等】 ICTの利活用を阻む規制・制度の例② ○匿名化された統計情報の利用 【統計法(総務省)】 ・ 統計法において、学術研究の発展に資すると認める場合等 のみ、匿名データの提供ができると規定 行政機関が保有する統計情報について、プライバシー 保護や個人情報保護の観点も踏まえつつ、利活用を促進 することにより、新しい情報提供サービス産業等を創出 ○戸籍の保存 24 【戸籍法(法務省)】 事実誤認と判明 ・ 正本は市役所又は町村役場に、副本は法務局に保存しなけ ればならない クラウド上に戸籍を置くことにより、行政コストの低減 改善 改善 学術研究のみ 新産業の創出 庁舎外で戸籍データを管理 庁舎内で戸籍簿等を管理 匿名化された統計情報 学術研究の発展等以外の目的への拡大等について、 平成23年度中に結論。 【日本経団連(情報化部会)等】 現行法令においても、一定要件(情報保全のための適切 な対応等)を満たせば、ASPサービス等の活用による戸籍 の庁舎外での管理が可能。 ※事実誤認として判明。 【NTT西等】 他の市区町村の コンビニ 住基カード 改善 行政機関等 民間事業者 本籍地市区町村 改善 本籍地市区町村 住基カード ○公的個人認証サービス 【電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律(総務省)】 ・ 対象が行政手続等とされており、民間サービスにおける個人 認証に利用できない 安全性・信頼性の高い公的個人認証サービスの民間へ の開放により、利用者の利便性を向上 社会保障・税番号制度及び国民ID制度との整合性を図 【日本経団連(情報化部会)、JEITA、CIAJ等】 り、制度改正等。 ○戸籍関係証明書のコンビニ交付 ・ 戸籍関係証明書については本籍地以外の市区町村で 交付を受けることができない。 本籍地以外の市区町村での戸籍関係証明書の交付を可 能とすることで、住民の利便性を向上 コンビニでの戸籍関係証明書の交付サービスについて、 費用対効果等を踏まえつつ、制度面、技術面の課題に ついて検討 【日本経団連(情報化部会)等】 具体的施策③ 25 ⑦電波を利用した新事業の創出 ✔ ホワイトスペースやセンサーネットワーク等の新たな無線技術の活用による地域の安心・安全の確保等 ✔ 緊急警報をあらゆる情報通信手段を通じて、確実な警報伝達を可能とするための防災行政無線システムの高度化 ✔ 災害に強い無線通信技術の開発、技術検証基盤の構築の推進(通信途絶時でも可搬型高機能無線局が自律的にネット ワークを構成する技術開発の推進、様々なワイヤレスネットワークを災害時の通信代替手段として利活用できるブロードバンド ワイヤレステストベッドの構築等) ⑧ICT利活用推進のための環境整備 ✔ ICTの利活用を阻む規制・制度の見直し(非常時におけるICT利活用による減災等の観点から、行政・医療・教育 等の公的サービスの提供におけるICTの利活用や分野・領域横断的な情報の利活用を阻害している規制等の運用の明確化等) ✔ 利用者本位のサービス等の開発を含むアクセシビリティ等の向上(障がい者・高齢者等の全ての人のためのユニバーサ ルデザインの実現、認証手段の多様化のための携帯端末等を媒体とした電子行政サービスへのアクセシビリティの向上) ✔ 「情報活用人材」(産学連携や人材相互交流の強化、CIOの確保育成、必要な情報活用能力の定義化・育成プログラ ムの構築)、高度ICT利活用人材の育成 ✔ 情報セキュリティの強化(地域コミュニティの支援、サポーター育成、マッチングシステム、見守りセンター等) ⑨ICTによるエネルギー制約克服への貢献 ✔ 需要家側における消費電力の「見える化」(HEMSとスマートメータ等の連携にむけた標準仕様化)等の推進 ✔ 需要家の承諾を前提とした、消費電力データを活用したクラウドサービスの提供、アプリケーションの活用等の促進、 スマートメータの先行的・試行的導入による電気予報のリアルタイム化の検討 ✔ スマートメータから収集された消費電力に関するストリーミングデータのクラウドによる処理のためのセキュリティ基準の 策定等の推進 ✔ 省エネ・環境負荷低減のベストプラクティスモデル及び環境影響評価手法の確立等の推進 ✔ データセンタのグリーン化、通信ネットワークのグリーン化のための研究開発等の推進 ✔ HEMSの導入等による環境に優しいまちづくりのための取組の推進 平成23年度第3次補正予算の主な検討事項(ICT関連) 26 ●情報通信基盤災害復旧事業費補助金 東日本大震災により被災した地域の情報通信基盤の復旧事業に対する補助 ●被災3県の地デジ完全移行延期対策 アナログ放送停波を延期した東北3県(岩手、宮城、福島)において、地上デジタル放送の受信 環境を早急に整備するための相談体制の強化、共聴施設等への技術支援等 ●被災地域情報化推進事業 東日本大震災で被災した地方公共団体が抱える行政課題について、ICTを活用して効率的・効 果的に解決する取り組みへの支援(東北メディカル・メガバンク、自治体クラウド等) ●情報通信ネットワークの耐災害性強化のための研究開発 東北地方への研究開発拠点の整備(試験・検証・評価の設備整備)及び当該拠点を活用した災 害時における携帯電話の輻輳(混雑)を軽減するための通信技術や災害により損壊した通信イン フラが自律的に復旧して公共施設等をつなぐための無線技術の研究開発・実証実験 等 震災復興とICTの役割 □ 情報流通連携基盤の重要性 ✔ スマートグリッドとICT □ □ スマートクラウド戦略 □ ICT分野の国際競争力の強化 □ ブロードバンド事業モデルの変化 27 スマートグリッドとは 28 スマートグリッド=エネルギー流×情報流 機器の消費電力特性抽出等により電力の流れを情報化し(電力×ICT)、 ①電力使用量の「見える化」 ②電力需要に対応した「デマンドレスポンス」 ③トータルの電力使用量を地域レベルで最適制御(「マイクログリッド」) 等を実現 情報の流れ 電力使用量の 「見える化」 家庭 電力の流れ 太陽電池パネル 電力の流れの情報化 スマートメーター 直交変換/ 電力流制御 ・電力逼迫時に機器を自動制御 (エアコンの温度を1度上げるなど) 全体 冷蔵庫 室温 (Wh) 40000 電気自動車 35000 27 27 27 27 (℃) 35 28 28 27 26 27 27 26 30 26 24 30000 電力データ 収集サーバ・データベース 23 24 24 24 23 23 23 23 23 22 23 24 24 23 24 22 22 15000 24 21 25000 25 20 20000 35155 27685 26565 21378 10000 24548 24547 21234 21740 23140 18010 16643 21385 23698 25670 28831 26040 27005 30603 33853 29959 29106 24769 25048 26624 30604 28420 26857 31395 31279 31539 30001 29963 15 10 5 5000 1067 1073 1012 1023 968 983 2148 1690 1505 1578 1653 1648 1581 1565 1539 1508 1504 1612 1678 1486 1473 11/18 11/19 11/20 11/21 11/22 11/23 11/24 11/25 11/26 11/27 11/28 11/30 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9 12/10 12/11 12/12 12/13 12/14 12/15 12/16 12/17 12/18 12/19 12/20 (日付) 0 1504 1672 1593 1522 1495 1507 1440 1325 1287 1430 1326 0 需要家による 「デマンドレスポンス」 地域 地域レベルでのエネルギー 最適割当 地域レベルでの 最適制御 (マイクログリッド) 情報・電力の流れ 電気自動車 ビル スマートグリッド実現による効果 短期 中期 29 長期 ( ・スマートメータによる宅 ・電力逼迫時における家電の 電 自動制御 力 内の電力使用量の見 需 使 える化 ・電気自動車を蓄電池として 要用 量 ・家電ごとの電力使用量 活用 側の の見える化 把 握 ) ( 余 剰 ・太陽電池パネルによる 供 電 余剰電力の買い取り 給力 の 側活 用 ) 送配電網の在り方に 関する検討 ・余剰電力の地域コミュニ ティ内での融通 スマートメーター概要 30 スマートメー ター 宅内 PC ホームディスプレイ 「見える 化」 TV 「機器制御」 エアコン (デマンドレスポンス) 電力会社 HEMS 電力使用量・逆潮流値等、 メーターにより計測されたデータ スマートメーター (Home Energy Management System) メーターの制御 燃料電池 電力会社のネットワーク ソーラーパネル 蓄電池 スマートグリッドへの取り組みの必要性 31 ■米国では、日本に比べて立ち遅れている送配電網の近代化とスマートグリッドの取り組みが同時並行的に進展 ■我が国では、 (3.11以前) 国内の電力ネットワークは十分にスマート。今後、再生可能エネルギーの導入に伴う、電力の逆潮流対策のツールとして期待 (3.11以降) 電力需要が逼迫しており、双方向ネットワークに接続された自律分散型のエネルギー・システムの必要性が顕在化 電力会社の メリット ■再生可能エネルギーの普及により需要 家側の発電能力の波動性が高まるため、 地域内・地域間で電力の融通を行う「マイ クログリッド」などを実現することを目的と して、スマートグリッドの導入が必要。 ■スマートグリッドの導入により、消費電力 の「見える化」、電力逼迫時のピークカット 等を行う「デマンドレスポンス」などを実現 可能。 ■リアルタイムでの電力消費の計量が可能 となるため、時間別課金などのきめ細か い料金プランの導入が可能。 導入に向けて ICT分野において 解決すべき課題 ■スマートグリッド導入の縊路となっている コスト面の問題をクリアするための技術実 証を行うことが必要。 通信プロトコル(通信手順)の標準化 等の推進 ■スマートグリッドを経由する情報は、停電 時などのイベント情報が突発的に発生す る可能性があり、柔軟性の高いネットワー クであることが必要。 ■サイバー攻撃などを防ぐ必要があること から、高い信頼性をもつネットワークであ ることが必要。 スマートグリッドに関する連携体制 32 スマートグリッド及びこれを活用したサービス等を含む社会システム (スマートコミュニティ) としての検討を行うため、関係省庁・機関による連携体制を確立。 総務省 (通信) ※ 事務局:経済産業省資源エネルギー庁 各省庁におけるスマートグリッド関連予算等の情 報共有や、実証地域等についての調整等を実施 経済産業省 次世代エネルギー・社会システム実証 関係省庁連絡会議(2010年1月設立) 国土交通省 (電気自動車、エコ住宅) 農林水産省 (バイオマス) 環境省 文部科学省 内閣官房 地域活性化統合事務局 国家戦略室 会長会社 スマートコミュニティ・アライアンス (2010年4月設立) 事務局 独立行政法人 新エネルギー・ 産業技術総合開発機構 (NEDO) (株)東芝 幹事会社 伊藤忠商事(株)、東京ガス(株)、東京電力 (株)、 トヨタ自動車(株)、日揮(株)、パナソニック(株)、 (株)日立製作所、三菱電機(株) 総務会 ・総務省と経済産業省が共同で参加 企画委員会 国際標準化WG ※4つのWGを設置 通信インターフェイスSWG ※5つのSWGを設置 総務省における取組 33 最先端のICTを利用し、地域特性に合わせたICTシステム基盤の構築・実証、必要な通信の技術基準確 立、通信基盤等の標準化を推進。 (H21年度2次補正予算: 約89億円) 無線システムの技術実証 (Wimax、ホワイトスペース等) 広域ネットワーク 環境クラウドにおけるデータ管理や セキュリティの課題を検証 近隣ネットワーク 環境クラウド 宅内ネットワーク 通信プロトコル(通信手順)の標準化 (家電、センサー、EV等との接続) 地域の特性に合った地産地消モデルを実証 例:福岡県北九州市における地域実証 34 <期待される成果> ①ICTによりエネルギーの見える化システムを構築することによるCO2排出量削減のベストプラクティスモデル ②スマートネットワークの技術仕様(信頼性、安定性、セキュリティ要件、データ容量、オープンなプラットフォーム仕様) ③当該技術仕様をもとにした標準モデルを国内他地域へ展開促進。 【実証イメージ】 【見える化画面】 電力使用率 多 電力使用率 少 実証におけるCO2削減効果:18.3% 【実証期間:2010年11月~2011年3月】 今後の成果展開 35 地域実証によって得られたモデルの他地域への展開、通信の技術規格の標準化、 スマートメータ等への周波数の追加分配等を推進。 新しい無線システムの技術実証 通信プロトコルの標準化 環境クラウド 地産地消モデルの実証 ・WiMAX等を利用したスマー トメータの技術基準につい て、国際電気通信連合 (ITU)、米国電気電子学会 (IEEE)等への標準化提案を 実施。 ・ITUにスマートグリッドの検 討を行う専門グループを2010 年5月に設置。 ・環境クラウドサービス の利活用面・ビジネス 面の課題に関する検討 を行うため、「環境クラ ウドビジネス推進タスク フォース」を2011年1月 に設置。(総務省はオブ ザーバ参加) ・得られたベストプラク ティスモデルをまとめ、他 の同様の地域や各省連 携の取組に展開するとと もに、それらの地域を支 援。 ・スマートメーター等に利用 可能な小電力無線システム の周波数帯として915MHz928MHz帯を2011年中に追 加。 ・スマートメーターにも利用可 能で、広域エリアをカバーで きるセンサーネットワーク用 に280MHz帯を追加。 ・IEEE等で、スマートメータ等 の技術規格の標準化を実 施。 ・上記の標準化活動を実施す るため、「ICT国際標準化推進 会議」を2011年1月設置。 ・上記推進会議の結果をス マートコミュニティ・アライアン スで経産省と共同で検討し、 国際標準化機関に提案。 ・本タスクフォースの提 案等を踏まえ、「IPv6環 境クラウドサービスの 構築・運用ガイドライ ン」を2011年夏頃を目 途に公表予定。 ・得られたCO2削減量の 評価手法等について、グ リーンICT推進事業により 一部地域で継続実証し、 ITU等での標準化を実 施。 その他の地域について も、事業者主体によるさ らなる実証を展開。 イノベーション創出型研究開発 温暖化対策に資する独創性・新規性に富むICT分野の研究開発の推進に係る競争的資金により、2010年度から2012年 度までの3カ年で、5.8GHz帯を活用した効率的なワイヤレススマートグリッドを構成するための基盤技術の開発を実施。 (2010-2012 6000万) 震災復興とICTの役割 □ 情報流通連携基盤の重要性 □ スマートグリッドとICT ✔ スマートクラウド戦略 □ □ ICT分野の国際競争力の強化 □ ブロードバンド事業モデルの変化 36 ブロードバンド基盤の整備状況 37 ブロードバンドの整備状況(サービスエリアの世帯カバー率推計) 【出典】 総務省調査 ブロードバンド 超高速 ブロードバンド 2007年3月末 2008年3月末 2009年3月末 2010年3月末 95.2% (4,863万世帯) 98.3% 98.8% 99.1% (5,083万世帯) (5,225万世帯) (5,239万世帯) 83.5% 86.5% 90.1% 91.6% (4,268万世帯) (4,471万世帯) (4,765万世帯) (4,845万世帯) 2015年度末目標 (平成28年3月末) ブロードバンド サービスを 全世帯において 利用 ブロードバンド加入契約数の推移 (11.3末現在、単位:万契約) 2,500 計3,496万加入 2,000 1,500 光ファイバ(FTTH) ○加入契約数 :2,024 1,000 DSL ○加入契約数 : 820 ケーブルインターネット※ ○加入契約数 : 567 11/03 10/12 10/09 10/06 10/03 09/9 09/12 09/6 09/3 08/9 08/12 08/6 08/3 07/12 07/9 07/6 07/3 06/9 06/12 06/6 06/3 05/12 05/9 05/6 05/3 04/9 04/12 04/6 04/3 03/9 03/12 03/6 03/3 02/12 02/9 02/6 02/3 01/12 01/09 01/06 01/3 0 00/12 500 無線(FWA、BWA) ○加入契約数 : 82 ※ 2010年(平成22年)3月末より、一部事業者で集計方法に変更が生じています。 【出典】 総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 携帯電話加入数の推移 (百万加入) 120 2011年6月末現在 ・携帯電話 ・IMT-2000(3G) ・IMT-2000(LTE) 38 加入数 :約12,125万加入 :約12,003万加入 :約 12.1万加入 110 99.0 % 100 90 IMT-2000(3G+LTE) 80 70 60 50 40 携 帯 電 話 加 入 数 30 20 10 0 2001年 IMT-2000サービス開始 1996 1998 2000 2002 2004 2006 (年度末) 2008 2010年12月 LTEサービス開始 2010 2011.6 【出典】 社団法人電気通信事業者協会[TCA]調べ クラウドサービスの普及に向けた基本的考え方 39 クラウドサービス (クラウドコンピューティング技術を活用したサービス) 利用者が必要なコンピュータ資源を「必要な時に、必要な量だけ」サービスとして利用可能。 ICT利活用の遅れ 世界最先端のネットワーク環境 ■クラウドサービスの利活用を図る上で、我が国は 世界的に見て最適のネットワーク(ブロードバンド) 環境 ■行政・医療・教育・農林水産業等の分野におけるICT利活 用の立ち遅れ ■クラウドサービスの普及によるICTの徹底的利活用が必要 スマート・クラウドサービス 企業や産業の枠を越えて、社会システム全体として、膨大な情報・知識の共有を図ることができる 次世代のクラウドサービス(スマート・クラウドサービス)の開発・普及によるICTの利活用の徹底を実現。 産業の枠を越えた 効率化の実現 社会インフラの 高度化の実現 環境負荷の軽減 企業のグローバル 展開の促進 クラウドサービスの普及を図るべき分野 医療、教育、農林水産業における ICTの利活用の徹底 ・クラウドサービスの普及促進と これを阻む制度的要因の除去 ・安心にクラウドサービスを利用可 能な環境整備 ・国際的なルール作り等 (例) ■医療クラウド:医療情報の蓄積を通じた 新薬の開発や新たな治療法の確立、 緊急医療体制の確立 等 ■教育クラウド:教育手法とその効果に関 する大量の情報から、効果的な教育手法 の開発、デジタル教材の全国提供、校務 活動の負担軽減 等 ■農業クラウド:農業従事者のノウハウを 蓄積し、新たに農業に参入する従事者が 活用 等 ■地域クラウド:地方の公共サービスの重 要な担い手であるNPO法人等が利用可 能な「NPOとクラウド」の構築支援 等 スマートクラウド基盤の構築 による社会インフラの高度化 ・クラウドサービスを活用した社会 システム全体の効率化、高付加 価値化等(スマート・グリッド、次 世代ITS、IPv6広域センサー ネット、橋梁管理、空間コード等) クラウドサービスの普及を 図るべき分野 (例) ■リアルタイムの膨大なストリームデー タを統合化し、情報流、物流、金融 流、エネルギー流等を最適制御する 「スマート・クラウド」基盤の構 築 中小企業・ベンチャー企業等 ・クラウドサービスを活用した事 業の効率化、低廉な新事業の 立ち上げ等を通じた地域経済の 活性化 (例) ■中小企業なプラットフォーム:地 域を越えた中小企業等によるクラ ウド上での協働を可能とするマッチ ング機能等の提供 ■クラウドを活用したサプライ チェーンの効率化を通じた物流の 効率化 40 クラウドサービスに関する国際的コンセンサス作り 基本的視点 クラウドサービスはボーダレスな環境で提供されることから、情報資源の所有者、管理者、利用者の関係 を整理し、国際的なルールを整備することが必要。 国際的コンセンサス の必要性 ✔これまでもネットワークを介してデータが ボーダレスに流通。 ✔クラウドサービスの本格普及を視野に入れ た場合、従来以上にデータの海外蓄積や 海外でのデータ処理の比重が高まる可能 性。 ✔データがどの国に存在しているかを利用者 が認知できない可能性の増大 検討すべき事項 ✔各国に保存されたデータベース等に関する裁 判管轄権、個人情報保護法、知的財産権の保 護、有害情報対策、政府の民間データへの介 入可能性等について、国際的な場における検 討が必要。 ✔クラウド(データセンタ)上に蓄積されたデータ、 サービス、ログ等の情報に関する知的財産権 の所在について検討が必要。 ✔データが保存された国において、当局に対する 情報提出が求められる場合、その旨を契約者 に通知するとともに、異議申し立てを行うことが できる仕組み作りの検討 等 ●APEC、OECD、ASEAN+3等の場を活用したマルチ及びバイの政策対話の推進 ●EU「データ保護指令」の我が国への適用についての検討 ●各国当局においてクラウド利用者の情報提出が求められる場合、その旨を契約者(利用者)に通知する とともに、異議申し立てを行うことができる仕組みの検討 41 42 クラウドサービスの市場規模 10年のクラウドサービス市場規模は約36百億円。2015年には6倍強の約2.3兆円へ成長。 (注)行政、医療、教育等へのクラウドサービスの普及に向けた政策支援を行うことにより、約56百億円の市場拡大が見 込まれる。 25,000 (億円) 22,590 1,376 1,174 20,000 18,919 1,087 965 15,248 15,000 10,000 7,795 270 250 596 1,615 5,000 3,634 1,116 603 10,825 528 514 1,190 2,845 2,033 2,666 Ia a S(新規) 2,412 4,195 800 750 1,798 3,029 3,519 Ia a S 3,580 1,977 7,812 9,235 4,583 1,914 0 2010 2011 2012 2013 2014 Pa a S Sa a S 6,390 3,565 Pa a S(新規) Sa a S(新規) 3,124 1,499 政策支援による 新市場創出効果 2015 ジャパン・クラウド・コンソーシアム 43 多様な企業、団体、業種の枠を超え、わが国におけるクラウドサービスの普及・発展を産学官が連携して推進するため、民間団体 「ジャパン・クラウド・コンソーシアム」を設立。 本コンソーシアムは、クラウドサービス関連企業・団体等におけるクラウドサービスの普及・発展に向けた様々な取組みについて、 横断的な情報の共有、新たな課題の抽出、解決に向けた提言活動等を行うことを目的とする。 総務省及び経済産業省は、本コンソーシアムのオブザーバとして活動を支援する。 ジャパン・クラウド・コンソーシアム 会費無料 総会(年2回程度、シンポジウム併催) 幹事会 (日本経団連ほか数社・団体からなる事務局を置く) 現在300社以上が加 盟 WG NICT IPA ASPIC WG JDCC WG GICTF WG グリーンIT 推進協議会 OSS-C 関係機関 資料59 WG名 JCC WGの目標、課題認識、導入効果 目標 課題認識 44 導入効果 次世代クラウドサービスの将来ビジョンを描く ・次世代クラウドサービスとは何か ・サービスモデルとしての構造 ・必要な技術・法制度 等 必要な技術や法制度を開発・提言。 クラウドサービスへの円滑なマイグレーション実現に必要な 共通課題を検討・抽出 ユーザの視点でのシステム利活用の要件や課題 クラウドサービスへ移行する場合に、検討しておくべき 要件や課題についての基本的なガイドラインを提示。 業務連携クラウド 検討WG 誰もが、安価に市場の変化を先取りし、効率的な業務継続を 可能にするICT利活用の基盤としてのクラウドを構築 これまでの情報化は、主に企業系列毎に構築されたネットワーク であり、新たな企業連携が必要な場合、ネットワークの再構築で、 費用も時間も必要。中小企業においては、系列ネットワークから 外れると、業務継続に影響。行政においても、適切な支援が難し い状況。 1)系列に捕らわれない企業間の業務連携「クラウド」 の検討。 2)いつでも業務連携の組み換えが可能で、業務継続 に支障をきたすことのない「クラウド」の検討。 3)自治体が、自エリア内の市場状況をリアルタイムで 把握することを可能とする「クラウド」の検討。 教育クラウド検討 WG ①SaaS等を通じた経費節減や負担軽減 ②教材やナレッジデータベースをクラウドを介して全国に提 供 ③遠隔教育における座学によらないシステム開発演習等の 可能性 各項の事例分析と検討課題に対する提言。 電子教科書・教材や情報機器の統合管理、必要なプラットフォー ムの標準化、コンテンツフォーマットの高度化、校務情報システ ムとの連動方式、教育クラウドと校務クラウド等の連携機能・セ キュリティ分離方式等の実現・整備が、有効かつ急務の課題。 教育現場のICT利活用促進による人材育成効果と、日 本の教育現場に対応するクラウド関連の技術革新と周 辺産業の活性化、授業における利活用モデルの実証 と洗練による研究者層の活性化、これらの将来的な海 外展開による関連企業のグローバル化の促進。 農業分野は地域の基幹産業であるが、約260万人の就農者(個 人)、約700のJA、約15,000の農業生産法人が主なプレーヤーで あり、他産業と比較すると個々の経営規模及びICT投資に係る余 力が小さく、全国的にも農業でのICT活用事例は限定的。自治体 が地域の農業関係者とICT業界の仲介をすることで、農業分野に おけるICT活用の促進が必要。 クラウドサービスを始めとしたICT活用による地域の農 業分野のインフラ整備及び日本農業の競争力強化の 実現。 少子高齢化への社会変化の中で急増する医療費を適正化する 手段の1つとして、ICTを利用した効率の良い社会インフラの形成 が必要となっている。クラウドを活用した国民主導のICT化を促進 すべく、インターフェース標準化やセキュリティ等の諸課題を解決 し、新たな市場を創出できるモデルの構築及び検証を行う。 健康・医療クラウドにより国民の健康に関する意識を 高め、サービス提供者には市場を広げるための新たな 価値を提供することで、健康(医療・介護)を促進する 良循環(正の連鎖)を構築する。 次世代クラウドサー ビス検討WG クラウド・マイグ レーション検討WG 農業クラウドWG 健康・医療クラウド WG 農業の産業化、持続的経営の実現に向けて、農業、ICT業界、 地方自治体が連携した農業クラウドのモデル構築を図る。 具体的には、食、農関係者へ経営分析、生産技術、販売、物 流、融資等情報を提供し地域振興を図るために自治体が構 築する農業クラウドの基盤構築や、各サービス提供の支援を ICTベンダが行うモデル作りの検討を行う。 ライフケアを軸に、健康・医療のみならず様々なライフログ データをクラウド上に蓄積・分析し新たな形で出力することで、 国民のQOLを向上させ、生活習慣病予防の促進を図る。また サービス提供者への新市場を創出する。 必要とされる諸条件(技術面、セキュリティ等)を明確化し、そ の条件を満たす「健康・医療クラウド」プロトタイプを構築する。 観光クラウド WG ICT技術を利活用することで、中小を含む観光関連事業者が 低価格で効率的に各サービスの提供ができる「観光クラウド」 モデル作りの検討を行う。 観光客誘致のための情報内容や発信経路が大きく変化して来て いる中、観光コンテンツの提供環境、規格形式、権利処理の問題 等が存在する。さらに、震災後の自粛風潮や風評被害も深刻で ある。 観光事業分野にICTを利活用することで、外国人観光 客の訪問数を増加させるとともに、地域活性化につな げることを目標とする。 水産業クラウド WG クラウドをはじめとするICTを活用した新しい水産業ビジネス・ モデルを構築し、日本の水産業の高収益化、ブランド競争力 の向上に資するとともに、消費者にとって安心・安全な「水産 物」の流通、提供の仕組みを検討し、具現化する。 ICTを活用した新しい水産業ビジネスモデルを構築するためには、 SCMの構築、トレーサビリティのための仕組み、技術的インター フェースの検討等が必要である。 日本の水産業における高収益化、ブランド競争力の向 上を通じて、経済の活性化を図る。 フューチャースクール推進事業 45 ICTを使った「協働教育」等を推進するため、ICT機器を使ったネットワーク環境を構築し、学校現場における情報通信技術 面を中心とした課題を抽出・分析するための実証研究を行う。 調査研究の概要 教育分野におけるICTの利活用を促進し、ICTを使って児童・生徒が教え合い、学び合う「協働教育」や児童・生徒一人ひとりに応じた個別教育の 実現を推進するため、タブレットPCやインタラクティブ・ホワイト・ボード等のICT機器を使ったネットワーク環境を構築し、学校現場における情報通信 技術面を中心とした課題を抽出・分析するための実証研究を行う。実証研究の成果については、ガイドライン(手引書)としてとりまとめ、普及展開を 図る。 ■ICT環境の構築 実証校(平成22年度~) 地域 東日本 西日本 実証校 石狩市立紅南小学校(北海道) 寒河江市立高松小学校(山形県) 葛飾区立本田小学校(東京都) 長野市立塩崎小学校(長野県) 内灘町立大根布小学校(石川県) 大府市立東山小学校(愛知県) 箕面市立萱野小学校(大阪府) 広島市立藤の木小学校(広島県) 東みよし町立足代小学校(徳島県) 佐賀市立西与賀小学校(佐賀県) ○平成23年度においては、平成22年度から継続する上記の公立小学校に、新たな実証 校として中学校8校及び特別支援学校2校を追加して実施。 ①学校にタブレットPC、インタラクティブ ・ホワイト・ボード等ICT環境を構築 ②校内無線LANの整備 ③家庭との連携のためのICT環境構築 ④協働教育プラットフォームの構築 ■実証研究事項 ①ICT環境の構築に関する調査 ・構築に際しての課題の抽出・分析 ・利活用に関しての課題の抽出・分析 ・導入・運用に係るコスト・体制等分析 ②ICT協働教育の実証 ・ICT利活用方策の分析 ・協働教育プラットフォームの分析 ③実証結果を踏まえたICT利活用推進 方策の検討 ガイドラインの作成・公表 「教育分野におけるICT利活用推進のための情報通信技術面に 関するガイドライン(手引書)2011」(平成23年4月8日報道発表) 平成23年度実証結果を踏まえたガイドラインの改訂 震災復興とICTの役割 □ 情報流通連携基盤の重要性 □ スマートグリッドとICT □ スマートクラウド戦略 ✔ ICT分野の国際競争力の強化 □ □ ブロードバンド事業モデルの変化 46 日本のICT分野に関する国際競争力 47 <世界経済フォーラムによるICT競争力ランキングの推移> 順位 2010 2011 2 1 1 スウェーデン スウェーデン 4 2 2 シンガポール シンガポール フィンランド 6 6 3 フィンランド スイス 5 4 4 スイス 米国 台湾 3 5 5 米国 13 11 6 台湾 デンマーク 順 国・地域名 2009 年 カナダ ノルウェー 1 3 7 デンマーク 10 7 8 カナダ 韓国 8 10 9 ノルウェー 11 15 10 韓国 9 9 11 オランダ 12 8 12 香港 20 14 13 ドイツ 21 17 14 ルクセンブルク 15 13 15 英国 7 12 16 アイスランド 14 16 17 オーストラリア 22 19 18 ニュージランド 17 21 19 日本 19 18 20 フランス 16 20 21 オーストリア 位 英国 日本 【出典】 世界経済フォーラム(WEF) 「Global Information Technology Report」 横軸は調査公表時の年。 我が国が抱える少子高齢化 48 ● 日本の総人口は、2050年には、9,515万人まで減少。 ● 具体的には、65歳以上人口は増加するのに対して、生産年齢人口(15‐64歳)及び若年人口(0‐14歳)は減 少。その結果、高齢化率でみれば約40%へ上昇。 【出典】 国土交通省国土審議会政策部会長期展望委員会 「国土の長期展望」中間とりまとめ概要(平成23年2月21日) 我が国が抱える人口減少 49 ● 我が国の総人口は、2004年の12,784万人をピークに、今後100年間で100年前(明治時代後半)の水準に戻っ ていく可能性。この変化は千年単位でみても類を見ない、極めて急激な減少。 (万人) 140,000,000 14,000 2004年12月にピーク 12,784万人 高齢化率 19.6% (2000年) 12,693万人 12,000 120,000,000 2030年 11,522万人 高齢化率 31.8% 100,000,000 10,000 2050年 9,515万人 高齢化率 39.6% 終 (1945年) 戦 7,199万人 80,000,000 8,000 2100年(高位推計) 6,407万人 60,000,000 6,000 40,000,000 4,000 20,000,000 2,000 0 1100 1200 1250 1300 1350 2100年(中位推計) 4,771万人 高齢化率 40.6% 3,330万人 3,128万人 2100年(低位推計) 3,770万人 (1603年) 1,227万人 (1338年) 818万人 (1192年) 757万人 1150 江 戸 幕 府 成 立 室 町 幕 府 成 立 鎌 倉 幕 府 成 立 明 治 維 新 (1868年) 享 保 革 命 (1716~45年) 1400 1450 1500 1550 1600 1650 1700 1750 1800 1850 1900 1950 2000 2050 2100 (年) 【出典】 国土交通省国土審議会政策部会長期展望委員会 「国土の長期展望」中間とりまとめ概要(平成23年2月21日) 地域におけるICT利活用に関する課題① 50 ● ICT利活用事業を実施している地方自治体では、約4分の3がICTによる地域の課題解決について一定の成 果を認識。 ● 一方、事業未実施の地方自治体では、約半数でICT利活用が地域の課題解決に有効かどうか判断がつい ていない状況。 ■ICT利活用事業における地域の課題解決の考え方 (実施自治体) ■ICT利活用事業における地域の課題解決の考え方 (未実施自治体) 【出典】 総務省「ICT利活用システムの普及促進に関する調査研究」(2011年3月) 地域におけるICT利活用に関する課題② 51 ● ICT利活用における課題として、42.0%の地方自治体が「自治体のノウハウ不足」を挙げている。 ● 特に不足と考えられているものとして、82.1%の地方自治体が「ICT特性と地域のニーズを理解して、ICTを活用した事業を考案できる人材(利活用 人材)」、79.2%が「ICTの事業を進める上で、内外の必要な人・企業・団体等との人脈を持ち、コーディネートできる人材(コーディネート人材)」、同じく 78.5%が「ICTの事業を進める上で、チーム全体を指揮し、折衝・プレゼンテーション、全体コーディネートが可能な人材(リーダー人材)」を挙げている。 ● また、ICT利活用における課題として、55.3%の地方自治体が「導入コストが高い」を挙げている。 ■地域ICT利活用における課題(全分野平均) ■地域におけるICT利活用事業を進める上での人材の過不足感 【出典】 総務省「ICT利活用システムの普及促進に関する調査研究」(2011年3月) 地域におけるICT利活用に関する課題③ 52 ● 地方自治体が実際に取り組んでいるICT利活用事業では、約6割で他団体からの参画が見られる。参画の内容としては、「事 業へのニーズ・アイディア・専門知識等の提案等、初期段階の参加・協力」が18.1%、「各種プランニング・事業案の作成など企画 ~計画づくりへの参加・協力」が16.3%、「事業運営全般」が13.7%等となっている。 ● 他団体の参画によるメリットとしては、「対象者のニーズのきめ細やかな把握・柔軟な対応」が18.0%、「ICT・その他の事業に関 係する経験・専門知識・ノウハウ」が16.3%等となっている。 ■ICT利活用事業における他団体からの参画内容 (実施自治体) ■ICT利活用事業における他団体からの参画のメリット (実施自治体) 20% 20% 18.0% 18.1% 16.3% 16.3% 15% 15% 13.7% 12.9% 12.4% 11.7% 10% 7.7% 10% 8.7% 8.6% 11.7% 11.1% 8.6% 7.8% 6.5% 4.8% 5% 4.9% 5% 3.1% 2.6% 1.8% 0% 0% 事 業 へ の ニ 提ー 案ズ 等・ ア 、イ 初デ 期ア 段・ 階専 の門 参知 加識 等 ・ 協の 力 各 種 プ ラ ン ニ ン ~グ 計・ 事 画業 作案 りの へ作 の成 参 加な ・ど 協企 力画 各 種 関 係 者 の 調 整 ・ 事 務 局 分 担 関 係 者 ・ 人 の 組 織 化 シ ス テ ム ・ ソ フ ト I、 Cサ Tー 関バ 連ー サ、 ーW ビe b ス、 の端 提末 供等 、 ス タ ッ フ ・ ボ ラ ン 活テ 動ィ 等ア 、・ 人協 的力 な者 参と し 加て ・ 協の 力 各 種 リ ア ル タ イ 等ム 、情 各報 種、 情ア ー 報カ コイ ン テブ ンの ツ活 面用 広 報 ・ 普 及 ・ 教 育 活 動 事 業 運 営 全 般 資 金 面 の 協 力 そ の 他 対 象 者 の ニ ー ズ の き め 細 や か 柔な 軟把 な握 対・ 応 I C T ・ そ の ほ か の 事 業 専に 門関 知係 識す ・ ノる ウ経 ハ験 ウ・ 地 域 に お け る キ ー パ ー ソ ン 等 ネと ッの ト ワ人 ー脈 ク・ 組 織 力 ( 会 員 組 織 、 支 援 組 織 等 動) 、 員 力 既 存 事 業 で 作 り 上 げ た 各 種 事 業 の し く み 行 政 の 制 度 的 な 枠 を 超 え た 事 業 が 可 能 公 的 な 負 担 ・ 利 用 者 の 負 担 が 少 な い 運 営 財 政 ・ 資 金 調 達 情 報 コ ン テ ン ツ の 豊 富 さ そ の 他 【出典】 総務省「ICT利活用システムの普及促進に関する調査研究」(2011年3月) 震災復興とICTの役割 □ 情報流通連携基盤の重要性 □ スマートグリッドとICT □ スマートクラウド戦略 □ ICT分野の国際競争力の強化 ✔ ブロードバンド事業モデルの変化 □ 53 スマートフォンの普及状況 54 ● スマートフォン販売台数は、 2015年度には2,030万台に達し、携帯電話販売台数に占める販売台数比率は 54.6%になると予測されている。 ● スマートフォンの契約数は、 2015年度には4,760万件に拡大し、携帯電話端末の契約数※に占めるスマート フォンの契約率は40%に達すると予測されている。 ※ 通信カード・通信モジュール契約数を除く 2009年度のスマートフォン販売台数は、 iPhoneの好調等により217万台に。 2,030万台 1,840万台 1,530万台 2010年以降、Android搭載機が相次いで 発売されてからは普及がさらに加速。 1,050万台 660万台 386万台 217万台 【出典】 (株)MM総研 「国内携帯電話およびスマートフォンの市場規模予測」 ブロードバンド事業モデルの変化 55 垂直統合モデル1.0 ⇒ 垂直統合モデル2.0 (Google, Apple等) 知識・情報の統合化 (知識情報社会) コンテンツ・アプリケーション アグリゲーション機能 プラットフォーム 認証・課金機能 ネットワーク 端 末 コ ン ピ ュ ー タ 資 源 の 統 合 化 ク ラ ウ ド サ ー ビ ス エコシステムとしての垂直連携の必要性 56 “any network, any device”=真のユビキタスネット化 リアル・サイ バー連携 プラットフォー ム間連携 アグリゲーション機能 認証・課金機能 SIMフリー の流れ コミュニティの知 恵の結集 (crowd sourcing) 垂 直 連 知識・情報の統合化 携 (知識情報社会) を い か コンテンツ・アプリケーション に 作 り 上 プラットフォーム げ る か が ネットワーク 端末・NW・ク 課 ラウド間 題 の連携 モノのサー ビス化 端 M2M通信 末 ネット混雑の加 速化 コ ン ピ ュ ー タ 資 源 の 統 合 化 ク ラ ウ ド サ ー ビ ス 「モノのサービス化」の進展 57 デジタル機器:高機能化と低価格化が急速に進展(コモディティ化) サービスドミナントロジック:モノのサービス化 ➢車というモノの販売⇒人が高速に移動するためのサービスの提供 ➢供給者と利用者が付加価値を「共創」していく。 Service Dominant Logic Goods Dominant Logic 価値 販売 価値 企業による 価値の創造 販売 企業と顧客によ る価値の「共創」 サービスを通じた 付加価値の提供 時間 時間 プラットフォーム:「共創の場」⇒プラットフォーム間連携の必要性 ベンダ、通信キャリア、CP、プラットフォーマ、利用者等から構 成されるエコシステム(生態系)の実現 通信・放送の新たな法体系 従来の法体系 通 信 58 新たな法体系 放 通 送 信・放 送 コンテンツ ○放送法を核として大括り化 青少年インターネット環 境整備法 プロバイダ責任制限法 等 NTT 法 利電 用気 放通 送信 法役 務 有線放送電話法 電気通信事業法 有 線 テ レ ビ ジ ョ ン 放 送 法 有 線 ラ ジ オ 放 送 法 ○ハード・ソフトの分離又は一致を事業者が 選択可能とする制度の整備 ○番組ごとの種別・放送時間の開示義務 放 送 法 通信と放送の境界を超えたサービスの出現 > CATV電話、CATVインターネット > インターネットテレビ(IPTV等) > 移動受信用地上放送 電波法(無線) 有線電気通信法(有線) 伝送サービス ○電気通信事業法を核として大括り化 ○放送に係る重大事故の報告義務・設備の 維持義務の整備 伝送設備 ○通信及び放送両用の無線局の開設を可能 とする制度の整備 59 Any Questions? @ytaniwaki
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