リスクコミュニケーション

結局、リスクコミュニケーション?
発電方法などの知識の伝達はOK? ・・・ 原子力については?
○正しく怖がるためには、リスク(risk)という概念が必要
riskは、とるもの(能動的)
take a risk (リスクをとる)という表現はあり
take a danger (危険をとる)という表現はなし
dangerは、被るもの(受動的)
すなわち、能動的に行動した結果、予測とは異なる事態に陥る可能性!!
○専門家と一般人のリスク認知
【専門家】2つの要素を可能な限り客観的に数値化し、リスクの大小を評価
・ハザードが具体化し、実際に障害が生じた時の重篤度(被害の大きさ)
・ハザードが具体化する確率(発生確率)
【一般人】客観的データ・知識・方法論を知らなくてもリスクを考える
・発生確率と発生した場合のひどさの主観的推定
・専門家の2つの要素とは全く別な次元の評価要素
・認知バイアスの問題(処理能力の限界やヒューリスティックス※から
くるバイアス)・・・リスクを高く or 低く見積もったり、ばらつく
*ヒューリスティックス:素早く判断するために、思考で使う情報を節約する傾向
(例)楽観主義バイアス・・・低く見積もる
カタストロフィーバイアス・・・高く見積もる
(原子力過酷事故)肯定派の人、楽観的な人
慎重派の人
・一般人のリスク認知の2因子(恐ろしさ、未知性)
出典:「大学生のための『安全・安心』の基礎講座」第1回『安心に暮らすためにできること-安全の価値-』一般社団法人国立大学協会、http://kaiin.janu.jp/member/anzen.htm
結局、リスクコミュニケーション?
○「安心」とはどういう状態か?
気にかかることがなく心が落ち着いていること。また、そのさま。
安心とは・・・
生きていくうえで対応が必要な種々のリスクのうち、ある種
のリスク対応を他人に任せている状態
・任せる相手の能力に納得して ・資源の投入
・規模に応じ
いる場合
・任せる相手の能力を知らずに た対策の実
施
、信頼している場合
・任せているという意識がない
客 充
場合 …
観 足
安心とは、主観的概
念であり、個人個人で
感じ方は異なる
リスク対応を他者に託
すことができる環境
的
安
全
対
策
リスクの認知
有 り
・情報や知識の習得
・感度の向上
無 し
・意識に上がらない
理想的な安心
安心していることの
自覚がない
・でも安全
・リスクの過小評価
・対策の過大評価
不
十
分
・危機的事態発生
で問題が露見
よくある“想定外”
・実態を知ることで
不安に転ずる
全くの“想定外”
出典:「大学生のための『安全・安心』の基礎講座」第1回『安心に暮らすためにできること-安全の価値-』一般社団法人国立大学協会、http://kaiin.janu.jp/member/anzen.htm
安心な暮らしを実現するために
客観的安全対策がOKならば
個人の自覚に係わらず安全は担保
「安全」の実現は、真の「安心」のための1stステップ
関連社員のみならず、地域社会が安全を保障するための
知識・技術・仕組みを理解し、更なる安全へ向けて視野を
広げることが必要!
危険なモノは排除する・・・という思想の危険性
・交通事故に遭うから車は運転しない
・けがをするからカッターナイフは使わせない
・危ないから公園から遊具を撤去する ...
「やってはいけないこと」をやる
「何もしない」ということは最良の安全対策か?
等々、最近巷では何か危険があると
全て排除するような傾向が強い
危険
(『危険がある = やってはいけない』のではない)
現在の暮らしを支える様
々な技術は、危険なモノ
や危険な作業を通して生
産されるものばかり!
何をやってはいけないのか?
何をするとどのくらい危険なのか?
を知ることが重要
・自身の身の回りの安全を客観的に評価・改善する
・自身の専門分野(職業)で責任をもって全うする
・身の回りにあるハザードやリスクを認識する努力
出典:「大学生のための『安全・安心』の基礎講座」第1回『安心に暮らすためにできること-安全の価値-』一般社団法人国立大学協会、http://kaiin.janu.jp/member/anzen.htm