因子分析と共分散構造分析 -- 最近のいくつかの話題

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日本行動計量学会第29回大会
於:甲子園大学 (2001/9/14-16)
ワークショップ
ユーザーとメーカーの公開相談会
因子分析と構造方程式モデリング
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発表できなくて
どうもすみません
因子分析と共分散構造分析
-- 最近のいくつかの話題 -柳井晴夫(大学入試センター)
Read by Yutaka Kano
(Osaka University)
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因子分析
• 1990年代以降の動向
• 使用頻度が高い
– 心研・教心研では約30%
• 因子回転について
– バリマックスから斜交回転解へ
• プロマックス,またはオブリミン
• 下位概念の場合は斜交解
– 不安...不安1,不安2,不安3
– 子を産む価値観...価値観1,価値観2,価値観3
– 「主成分分析+因子回転」が増加
• 賛否は?
• EFAからCFAへ
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佐伯・松原(2000)について
数学
理科
国語
総合
固有値
寄与率
3科目
4科目
第1因子 第1因子 第2因子
0.972
0.947
-0.321
0.994
0.979
-0.202
0.932
0.962
0.274
0.246
0.969
2.802
2.841
1.159
0.934
0.71025
0.28975
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原著者の論点
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•
•
•
•
主因子法で分析
3科目での分析から「有能さ」とした
総合学習が加わり,異質の第2因子が出現
新しい項目が付け加わると解釈が変わる
結論
– 因子分析はデータの背後にある「独立の構成要素(原
因)」を抽出してくれるというよりも,ともかく現時点で
得られたデータ全体を,うまく説明する座標(観点)を
提供してくれるにすぎない
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柳井氏の論点
• 寄与率が100%
– それを明記すべき
– 4科目が線型従属⇒きわめて不自然な例
• 3科目の因子負荷が2つの分析で不変
– 3科目と総合科目とがほぼ無相関
– 4科目が二次元平面上にある
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平井(2001)について
3.尺度構成と因子分析
3.1 尺度とするにはあまりに少ない項目数
3.2 尺度化すればよいのか
3.3 因子分析と内的一貫性の落とし穴
3.4 下位尺度ごとに尺度構成してもよい
3.5 「項目のグルーピング」としての
因子分析
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その他
• 「Q&Aで知る統計データ解析」に実際的な
話題が提供
• 因子の解釈
– 異なる因子に相反する意味を命名してはなら
ない
• 第1因子「ポジティブ関係コーピング」
• 第2因子「ネガティブ関係コーピング」
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共分散構造分析
• 多くのテキストで軽視されていること
by Steiger(2001)
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–
同値モデル
推定における局所最小と未収束
カイ2乗値の検出力による標本サイズの決定
分析結果の提示方法
多変量正規性が崩れたとき
標準化係数のSE
相関行列の分析
• Bollen(1989)が理解できない場合はSEMを
教授する資格がない
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Pearl (2000)と豊田(2000)
• Pearl(2000)
– SEMに対して批判的
• 豊田(2000)
– SEMとその他のモデルとの関連が具体例と共
に紹介されていて興味深い
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参考文献
• 柳井(2000). 因子分析法の利用をめぐる問
題点を中心として.「わが国の最近1年間
における教育心理学の研究動向と展望」
教育心理学年報.Vol.39, 96-108
詳しくは,この
論文を読んでね
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数学
理科
国語
総合
数学 理科 国語 総合
1.00
0.99 1.00
0.82 0.89 1.00
-0.09 0.05 0.50 1.00