地域コミュニティにおける シチズンシップの醸成 ~IT活用による地域再生の実現~ コミュニティ・シチズンシップ研究会 産業開発研究所 山本 敏也 商工振興室 川本 誓文 産業開発研究所 天野 敏昭 地域の意識変化とコミュニティの衰退 少子高齢化による地域の労働力の減少 核家族化の進展による地域コミュニティの喪失 課題の深刻化 地域別人口の推移(平成7~17年) ①産業・商業集積の衰退 ②独居老人の増加 ③人口流出(右図参照) ④治安の悪化 ・認知件数:刑法犯(1)、窃盗犯(1) ・検挙率:刑法犯(47)、窃盗犯(47) ※総務省・2004年度(カッコ内は全国順位) 三島地域 0 .6 2 % -2 .8 3 % 豊能地域 北河内地域 中河内地域 -2 .0 6 % -1 .1 3 % -0 .3 5 % 南河内地域 ⑤失業率の上昇・若年無業者の増加 泉北地域 ・大学新卒者の無業者率(18) 泉南地域 ※2004年度 1 .0 1 % 大阪市地域 -3.0% 1 .5 2 % 4 .5 6 % -2.0% -1.0% 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 社会的企業の登場と意義 自立心の高まりと自発的な課題解決 行 政:平等で画一的なサービス 営利企業:収益・事業規模の拡大 深刻化・複雑化した 地域課題には対応 できない ● 地域資源(人材、資金、技術・ノウハウ等)を活用 ● 住民が自発的に行う課題解決の活動 社会貢献とビジネスを両立す る 『社会的企業』の登場 社会的企業の意義 コミュニティ・ビジネス、NPO、有償ボランティアなど ① 個人の活躍の場:女性、高齢者など ② 就職・雇用の場:若年者の参画 ③ 新規創業:身の丈に合った起業(マイクロビジネス) ④ 地域コミュニティの再生:まちづくり 社会的企業に見られる負のスパイラル 地域住民の理解が 得られない サービスや品物が 売れない 地域住民の意識 信用・知名度が 下がる シチズンシップの醸成で 消極的 地域課題を解決。 無関心 近所づきあい 負のスパイラルを断ち切る! 運営資金が滞る が希薄 閉鎖的 無力感 計画的な事業戦略 が策定できない メンバーに人件費 が払えない 組織の弱体化 を招く シチズンシップの醸成 ~負のスパイラルを断つために~ シチズンシップの定義 市民としてよりよい地域や社会のあり方を考える自覚 地域や社会に自主的、主体的に関わる意欲や意識 ① 公共心、社会的・倫理的責任 コミュニティや社会にある問題を共有する意識 ② ローカルアイデンティティ 自分の住む地域を理解し、愛着を持つこと ③ ボランタリズム 社会の共通善や発展のために、自分は何ができるかを考え、行動する 地域でのシチズンシップの醸成が社会的企業を下支えする 政策提言メニュー • コミュニティ情報インフラの整備 – – – – オール大阪府(府/市/町)連携によるグループウェアの導入 社会的企業を支援する「SOHO」を中間支援組織に指定 優良社会的企業への表彰・地域プロジェクトへの助成 社会的企業へのサポーター(府職員)を奨励(チャレンジシート) • 若年失業者へのシチズンシップの醸成 – ICカードを活用したニート就労支援システム(JOBIC) • 社会的企業の資金調達支援 – グループウェア(CMS)の広告収入を社会的企業に還元 • 企業のCSR促進による社会的企業の支援 – グループウェア(CMS)による施策情報の一元管理(RSS) – 中小企業支援機関の連携による社会的企業支援 – 社会的企業サミットとCSR会議の開催 ITへの嫌悪、疑心暗鬼 • • • • • • • • • • • Htmlとか<タグ>ってはっきり言って分かりません! 「ホームページビルダー」も使えません! FTP? データのアップロードって怖いよね。 ホームページの難しい作業は外部委託しちゃおう。 大手のIT企業ってどうしてレスポンス悪いの? そのくせ管理料は、むちゃくちゃ取るくせに。 情報の賞味期限切れ。データの更新が遅いんだよ~。 現場の情報集まってる?期限とっくに過ぎてるよ。 アクセス数伸びないっ?半年前から同じ情報だもん。 悪いのはITシステムだ!何で私が怒られるわけ? 「デジタルデバイド」って私のこと? RESET 日本もITからICTへ IT (Information Technology) ICT (Information and Communication Technology) CMS (Content Management System) 「インフォメーション」 情報技術だけではダメ 「コミュニケーション」 意思の伝達を大切に! 「コンテンツマネジメントシステム」 グループウェアは、コミュニケーション を活性化する究極のツールである グループウェア(CMS)の特長 • ホームページの更新作業が簡単 • ホームページ作成ソフト不要 • 双方向性のコミュニケーション • 記事投稿←コメント←再コメント • 高いセキュリティ性 • IDとパスワードによるログイン • コンテンツの分散管理 • 異なるサイト記事間のリンク • トラックバック・RSS • • • • メルマガ作成・配信機能 マルチ言語対応(外国語で入力可) SEO効果(サーチエンジン最適化) 府のサイトとリンク(認知度向上) • ページランクアルゴリズム コミュニティ情報インフラの整備 オール大阪府によるグループウェアの導入 RSS配信 CMS[ A市 府/中間支援 組織 府/中間支援 組織 CMS[福祉] CMS[環境] ボランティア 関連部局ごと NPO 広 地 域 ] 域 ②恊働 CMS[ B市 CB ①連携 CB ] 地 域 ①連携 ご連市 と携町 地 域 地 域 連 携 連 携 グループウェア(CMS)導入のメリット • 社会的企業 • • • • 効果的な広報媒体の確保 信頼性の向上(情報のアーカイブ化) 人的ネットワークの形成 地域住民ニーズの獲得 • 市民 • 地域コミュニティへの要望手段を確保 • 社会的企業への理解と参加促進 • 行政 • フラット・網の目構造(情報の流れ) • 社会的企業の動きを常にチェック • 府民ニーズに根ざした政策展開 グループウェア(CMS)恊働ネットワーク 社会的企業を支援するSOHOを中間支援組織に指定 委託(補助金) SOHO ネットワーク 府/中間支援組織 PHP-Nuke 委 託 ( 補 助 金 制作 サポーター コーディネーター アドバイザー カウンセラー マネージャー etc 運営/サポート 制 作 有償 アドバイス CMS[ ) 市 町 企業 商店 広告 社会的企業 地 域 参加 ] サ ポ運 ー営 ト/ CMS[テーマ] CSR サービス ステークホルダー 市民 グループウェア(CMS) の活性化策 • SOHOネットワークを社会的企業の中間支援組織に • グループウェアの制作を委託(開発費従来の1/10) • 有償アドバイザーとしてSOHOスタッフを派遣 • やる気のある社会的企業をバックアップ • 地域プロジェクトの創出グループにアウォード(賞金) • 優秀なビジネスモデルには複数年度に渡る運営助成金 • グループウェアの積極的活用者に奨励賞を • グループウェアを盛り上げるリアルな活動 • 社会的企業サミットの開催(相互学習) • 大阪シチズンシップフェスティバル(社会・文化振興) • 府職員を始めとする中間支援組織をサポーターに (チャレン ジシートの活用) 若年失業者へのシチズンシップの醸成 ICカードによるニート就労支援システム ニート・若年失業者 ①ICカード 発行 国・都道府県 ②就労体験 JOBIC 就労サポー ター企業群 ④就労 ポイント加算 ③就労体験データ ⑦アクセス ⑨求人案内 データ ベース 社会的企業群 ⑧データ照会 JOBIC支援 サイト ⑩就職 ⑥広告掲載 交流 アーティスト /ニート経験者 ⑤求人募集 文字・動画・音声配信 提携 IT・メディア企業 雇用企業群 社会的企業の資金調達支援 グループウェアの広告収入を社会的企業に還元 成果報酬 社会的企業の収入安定化 府/中間支援組織 収益分配 ・府にプールされた企業等の広告 掲載料や成果報酬を再分配 運営/サポート 信用の創造、社会的企業の認知 掲載依頼 グループウェア アフィリエイト 広告 社会的 企業 企業 Web リンク 商品・サービスの 購入 閲覧 市民 ・府や企業とのリンクで、閲覧者 に安心感 ・SEO効果で検索エンジンの上位 表示が可能 ⇒ 社会的企業の認知度上昇 ⇒ 広告効果のアップ CSR活動の認知 ・企業のCSR活動を市民にPR まとめ ・シチズンシップの醸成を通じて、市民、社会的企業、企業、行政が 新たな関係性を築く ・すべてのステークホルダーが参加する、共創-協働-共生-共益 の社会の実現(Win-Win から『Winn 』の関係へ) ・グループウェアは現実の関係性を構築するために補完的な役割を 果たす有効なツールである ・行政はそれらの動きを下支えする存在に徹すべき! 市民(府民) 社会的企業 Winn 行 政 営利企業 大阪府がグループウェアを管理する理由 • 地域間格差の是正 • グループウェアに積極的な都市と、そうでない都市の情報格 差は益々広がることが予想されるため、広域連携で格差の 広がりを抑える。 • 府民ニーズの理解 • 常に府民の意識に接することにより、職員が現場と同じ目線 に立って業務に従事できる。 • 社会的企業の把握 • アーカイブ化された情報を分析することにより、社会的企業 の動向が把握できる。 • リスクマネジメント • テーマ制による部局ごとのグループウェア管理は、リスクの 分散と責任所在の明確化につながる。
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