MEG II実験陽電子タイミングカウンターのためのパルス レーザーを用いた時間較正システムの構築 東京大学理学系研究科物理学専攻 中尾光孝, 他MEGIIコラボレーション + 九大の方々 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) Contents MEGⅡ実験 Timing Counter の時間較正 Laser Calibration Laser Calibrationの 実現へ向けた テストと展望 MEGⅡ実験検出器 カウンター間の時間較正 本研究の目的 Laser Calibrationの全体像 Laser Calibration Systemのインストール Laser Calibrationのチェック項目 Laser Calibration Test Setup 解析手法 ファイバー接続の再現性 カウンターを立てた状態での安定性 今後の予定 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 2 Contents MEGⅡ実験 Timing Counter の時間較正 Laser Calibration Laser Calibrationの 実現へ向けた テストと展望 MEGⅡ実験検出器 カウンター間の時間較正 本研究の目的 Laser Calibrationの全体像 Laser Calibration Systemのインストール Laser Calibrationのチェック項目 Laser Calibration Test Setup 解析手法 ファイバー接続の再現性 カウンターを立てた状態での安定性 今後の予定 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 3 Xenon Calorimeter SiPM readout Stereo wire drift chamber Tracking the positron till near TC µ twice higher beam intensity (stopping µ ~7×107) γ Radiative Decay Counter Pixelated Positron Timing Counter (TC) MEGⅡ実験検出器 4 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 4 カウンター間の時間較正 時 512個のカウンターは時間のオフセットをもっているので、30psの精度で時間を合わせる必要があ る。 間 較 ガンマ線検出器との時間合わせはミューオン輻射崩壊(μ→eγνν)を用いて行う。 正 カウンター間の時間較正にはMichel CalibrationとLaser Calibrationという2つの独立な方法を用い て行う。 Michel Calibration MEGⅡ実験のメインのBGである、Michel崩壊 (μ→eνν)の陽電子を利用する。 カウンターのヒット情報からクラスターをつくり、軌跡を 再構成し、データカットを行う。 得られた軌跡毎にカウンターのTOFを計算する 。 以下のχ2を最小化するような、時間オフセットを カウンター毎に計算する。 測定時間 Laser Calibration 同じ光源から全カウンターにパルスレーザーを 同時照射する。 以下の点で、Michel Calibrationと相補的な方法 である。 場所依存がない データを貯める必要がない 時間オフセットをモニターできる 計算した時間 カウンターに固有の時間オフセット すでにビームテストのデータを用いて確かめら れた(西村,日本物理学会2014年秋季大会19pSG4)。 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 5 本研究の目的 目 的 カウンター間の時間の較正手法であるLaser Calibrationシステム を構築すること。 Michel Calibration Laser Calibration MEGⅡ実験のメインのBGである、Michel崩壊 (μ→eνν)の陽電子を利用する。 カウンターのヒット情報からクラスターをつくり、 軌跡を再構成する。 得られた軌跡毎にカウンターのTOFを計算する 。 以下のχ2を最小化するような、時間オフセット をカウンター毎に計算する。 同じ光源から全カウンターにパルスレーザーを 同時照射する。 以下の点で、Michel Calibrationと相補的な方法 である。 測定時間 場所依存がない データを貯める必要がない 時間オフセットをモニターできる 計算した時間 カウンターに固有の時間オフセット すでにビームテストのデータを用いて確かめら れた(西村,日本物理学会2014年秋季大会19pSG4)。 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 6 Contents MEGⅡ実験 Timing Counter の時間較正 Laser Calibration Laser Calibrationの 実現へ向けた テストと展望 MEGⅡ実験検出器 カウンター間の時間較正 本研究の目的 Laser Calibrationの全体像 Laser Calibration Systemのインストール Laser Calibrationのチェック項目 Laser Calibration Test Setup 解析手法 ファイバー接続の再現性 カウンターを立てた状態での安定性 今後の予定 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 7 Laser Calibrationの全体像 Laser Controller LASER Mode Scrambler Light Splitter Waveform Digitizer photodiode Fiber 2.5m Long Fiber 10m 〜 〜 ・・・ Light switch Light Splitter 1×8 ×8ch ×8ch Light Splitter 1×8 ×8ch レーザーを照射したときの様子 =512 counters レーザー源としてPICOSECOND LIGHT PULSER 同じ光源から全てのカウンターにレーザーを同時 PLP-10(浜松ホトニクス社)を用いる。 照射する。 十分な光量を確保するため、Light Switchによって 切り替え、1回に64カウンターずつ較正を行う。 各カウンターの時間オフセットをレーザーの時間を 基準にして求める。 -Wavelength 405 nm (浜松ホトニクス社HPより) -Wavelength FWHM < 10 nm -Pulse duration typ. (max) 60 (100) ps 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 8 Laser Calibration Systemのイン ストール Fiber 2.5m ビームエリア外より Long Fiber 10m 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) Light NAKAO SplitterHolder MITSUTAKA Page 9 Laser Calibration チェック項目 どのようにしてファイバーをカウ ンターに固定するか? Laserの安定性 Laser Controller LASER Mode Scrambler Long Fiber 10m 〜 〜 ・・・ Light switch Light Splitter photodiode Light Splitter 1×8 Light Splitter 1×8 ×8ch Waveform Digitizer ×8ch Fiberを曲げても大丈 夫か? ×8ch =512 Splitter後で十分光量があるか? counters Light switchがうまく機能するか? 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 10 Laser Calibration チェック項目 ✔ Laserの安定性 →Laser装置の電源を入れて200分 以上たってから測定を行う。 Laser Controller LASER Mode Scrambler Long Fiber 10m 〜 〜 ・・・ Light switch どのようにしてファイバーをカウ ンターに固定するか? Light Splitter photodiode Light Splitter 1×8 Light Splitter 1×8 ×8ch Waveform Digitizer ×8ch ×8ch ✔ Fiberを曲げても大丈 夫か? →Fiberを曲げる前後で Timeoffset、光量ともに 変化なし。 ✔ Splitter後で十分光量があるか? Light switchがうまく機能するか? →10月中旬よりテスト予定。 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 11 Laser Calibration チェック項目 ファイバー固定方法(案1:横ねじ型) プラシンチ+リフ レクター(鏡面反 射型, 3M ESR film) ねじで横から押し 付けて固定する どのようにしてファイバーをカウン ターに固定するか? ファイバー先端 (セラミック,1.8mm) × ファイバー ファイバー固定方法(案2:縦ねじ型) SiPM+PCB 加工したねじにファ イバーを通して下 から押し付けて固 定する ファイバー (0.9mm) 具体的には、 固定方法に再現性があるか? カップリングとして何を用いるか? 長期間のRunのための安定性はあ るか? に注目してテストを行った。 3Dプリンタで作成したサポート構造 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 12 Contents MEGⅡ実験 Timing Counter の時間較正 Laser Calibration Laser Calibrationの 実現へ向けた テストと展望 MEGⅡ実験検出器 カウンター間の時間較正 本研究の目的 Laser Calibrationの全体像 Laser Calibration Systemのインストール Laser Calibrationのチェック項目 Laser Calibration Test Setup 解析手法 ファイバー接続の再現性 カウンターを立てた状態での安定性 今後の予定 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 13 Laser Calibration Test Setup Laser Controller LASER レーザーに同期したパルスを Waveform DAQのトリガーとして用いる。 Digitizer Mode Scrambler ModCon Arden社 Fiber tipe: 50μm Serial no, 3870 〜 〜 Long Fiber 10m Multi mode fiber Light Splitter 1×4 Light Splitter 1×8 Lightel Technologies Inc. Fiber Optic Coupler Module Multi Mode パワーメータを用いて レーザーパワーをモニターする c.f. 本番のセットアップ Counter Long Fiber 10m Mode Scrambler Splitter レーザー 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 14 解析手法 CH1 各波形について、Heightの一定の割合のと ころをシグナルの時間とする(constant fraction time)。 CH2 Waveform Digitizer Laser Controller ① レーザーに同期したパルス シグナルの時間 11% ● 600mV CH1 ② ③ CH1の時間(t1)、CH2の時間(t2)、レーザー同 期パルスの時間(tsync)を得る。 カウンターのヒット時間(thit)は、 600mV CH2 カウンターの時間オフセット(toffset)は、 (cftime[0]+cftime[1])/2-cftime[2] {cftime[0]<0&&cftime[1]<0&&cftime[2]<0} ④ で、これをガウシ アンでフィッティ ングする。 レーザーに同期したパルス -500 -400 -300 [ns] 取得した波形 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) h Event 600mV Entries 600 11002 Mean 1.059e-07 RMS 4.811e-11 c 2 / ndf 500 57.31 / 48 p0 640.3 ± 7.5 p1 1.059e-07 ± 4.595e-13 p2 4.776e-11 ± 3.307e-13 400 カウンターの 時間オフセット 300 σ〜50[ps] 200 100 0 ´10 0.1054 0.1056 0.1058 MITSUTAKA NAKAO 0.106 0.1062 0.1064 0.1066 t counter -ttrg Page 15 -6 再現性テスト Concept 参照カウンターは寝か せておく メインカウンターは 立てておく ファイバーとカウンターのカップリングを次の 2つで比較する。 Reference 光学グリスなし 光学グリスあり 抜き差しを繰り返し、時間オフセットのばらつ きをみる。 温度変化やレーザーパワーによる変化を相 殺するため、メインカウンターと参照カウンタ ーの時間オフセットの差に注目する。 要請されるばらつきはσ < 30ps 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) Counter TOP VIEW MITSUTAKA NAKAO Page 16 [結果]再現性テスト Counter:立てる Reference:寝かせる Timeoffset[ps] 横ねじ型 σ:49.9ps σ:26.5ps σ:12.1ps σ:22.1ps 縦ねじ型 グリスあり グリスなし 再現性・カップリングという観点では、「縦ねじ型・グリスあり」が最善である。 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 17 [結果]再現性テスト2 横ねじ型 Timeoffset[ps] σ:49.9ps Counter: 立てる σ:26.5ps Counter: 寝かせる σ:40.7ps σ:10.5ps σ:12.1ps Counter: 立てる σ:22.1ps σ:77.8ps Counter: 寝かせる σ:11.6ps グリスあり 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) グリスなし 縦ねじ型 MITSUTAKA NAKAO Page 18 安定性テスト Concept 参照カウンターは寝か せておく メインカウンターは 立てておく ファイバーとカウンターのカップリングは光学 グリスなしで固定する。 抜き差しをせずに、1から2時間毎に時間オフ セットを測定する。 温度変化やレーザーパワーによる変化を相 殺するため、メインカウンターと参照カウンタ ーの時間オフセットの差に注目する。 要請されるばらつきはσ < 30ps Reference Counter TOP VIEW 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 19 [結果]安定性テスト 横ねじ型 σ〜11.6[ps] 100 [ps] 1day 1day 横ねじ型について、短期の安定性テストを行った。 2日間のばらつきは、12[ps](<30[ps])で、カウンターは立てた状態で安定であるといえる。 より長期の安定性は現在測定中である。 縦ねじ型の安定性については今後測定予定である。 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 20 今後の予定(Calibration for TC) 2015 Engineering Run 10月中旬まで接続方法の追加テスト Light switchのテスト 10月中旬から実験ホールにTCをインストール レーザーシステムをインストール(64チャンネル) 複数の再現性・カップリング方式を同時に導入(16チャ ンネルずつなど) 12月からMichel Runを開始 データを解析してMichel CalibrationとLaser Calibration の整合性を確かめる Laser Calibrationのセットアップを確定 Laser CalibrationのMass Production 2016 Engineering Run Physics Data Taking μ→ eγ Discovery 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 21 Summary MEGⅡ実験 Timing Counter の時間較正 MEGⅡ実験の512個のカウンター間の時間較正のために 、Michel CalibrationとLaser Calibrationの2つの方法を検 討している。 Laser Calibration Laser Calibrationは同一の光源を用いて全カウンターに 同時に入射し、各カウンターの時間オフセットを求める較 正方法である。 Laser Calibrationの 実現へ向けた テストと展望 Laser Calibrationの実現に向けてファイバーとカウンター の接続方法のテストを行った。 「縦ねじ型・グリスあり」が接続方法の第一候補である。 Engineering Runでの結果を踏まえて最終的なLaser Calibrationシステムを決定する。 日本物理学会2015年秋季大会(26aSN-2) MITSUTAKA NAKAO Page 22
© Copyright 2024 ExpyDoc