バレーボールのゲーム分析 ~攻撃に所要する時間に着目して~ 指導教員 木村 昌彦 06A8001 天野 嘉之 Ⅰ.はじめに ラリーポイント25点制 (サーブ権の有無に関わらないサイドアウトによる得点が可能) ゲーム序盤から積極的に得点差を 広げるための工夫が必要 ! 中学・高校生チームを対象とした ゲームに関するデータは不十分!! Ⅱ.研究目的 高校女子チームを対象としたゲーム分析を行ない、 ラリーポイント制のゲームにおける戦い方やチーム 作りの指針となる基礎資料を得る。 攻撃に所要する時間が攻撃の結果やゲームの勝敗 に及ぼす影響、勝敗チームの攻撃に所要する時間 の傾向を明らかにする。 Ⅳ.結果と考察 ** 所要時間の平均値(s) 3.5 3 2.5 ** WIN LOSE 2 1.5 1 0.5 R→S レシーブ S→A トス 図1 勝敗チーム間における攻撃所要時間の比較 R→S→A 攻撃全体 ** p<0.01 勝利チームのS→A(トス)所要時間 は短い傾向にある! R→S→A(攻撃全体)所要時間 攻撃ポジションとS→A(トス)所要時間 のべ50チームにおける攻撃ポジション別傾向 レフト攻撃 センター攻撃 ライト攻撃 クイック攻撃 バックアタック攻撃 TOTAL 攻撃数(回) 2399 394 871 574 48 4286 攻撃総数に 占める割合(%) 56.0 9.2 20.3 13.4 1.1 100.0 S→A所要時間 の平均値(s) 1.38±0.23 1.27±0.27 1.26±0.24 0.53±0.13 1.43±0.26 1.23±0.36 攻撃成功率(%) 42.4 41.6 46.8 53.1 33.3 44.5 攻撃総数に占めるレフト・ライト攻撃の割合 大学生女子チームを対象とした研究(箕輪,2001) 技術の熟練していない高校生チームがコンビネーション 勝利チーム 76.7% 20.7% クイック攻撃の割合 勝利チーム 攻撃のミスによる失点を少なくするため!? 敗退チーム 75.0% 18.9% 敗退チーム 攻撃総数に占める割合(%) 80 70 勝敗チーム間で攻撃を行なった ポジションの割合に違いはない!! 60 50 40 WIN LOSE 30 20 10 0 レフト センター ライト クイック 図6 勝敗チーム間におけるポジション別攻撃割合の比較 ゲームの勝敗にセッターのトスワーク(どのポジションの プレイヤーにトスを集中させたか)が関連していない!! 勝利チームのS→A(トス)所要時間が短い要因は クイック攻撃の多用によるものではない!! S→A所要時間の平均値(s) 2 ** ** * 1.5 成功 失敗 1 0.5 0 レフト センター ライト クイック 図8 成功した攻撃と失敗した攻撃のポジション別所要時間の比較 * p<0.05 ** p<0.01 成功した攻撃はS→A (トス)所要時間が 短い傾向にある!! S→A所要時間の平均値(s) 2 ** ** ** 1.5 WIN LOSE 1 0.5 0 レフト センター ライト クイック 図9 勝敗チーム間におけるポジション別攻撃所要時間の比較 ** p<0.01 勝利チームも同様にS→A(トス)所要時間が 短い傾向にある!! サイド攻撃成功のポイント センターブロッカー 相手チームのセンターブロッカーに 攻撃の的を絞らせないことが重要!! レフト ライト S→A(トス)所要時間の短い、低いトスからの サイド攻撃によって相手チームのブロッカーの ・・・ブロッカー 集中を防ぎ、攻撃の効果を高めている!! ・・・アタッカー ・・・セッター ご清聴ありがとうございました 詳細はポスターセッションで!!
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